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Z 8129 : 2014
3.1.3
一体形(integrated type,active gauge type,transmitter type)
測定子と制御部とが一体化された機器。加熱脱ガスの場合には,分離可能である場合もある[図1 a)参
照]。
3.1.4
分離形(separated type,passive gauge type)
測定子と制御部とが分離され,ケーブルで接続されているもの[図1 b)参照]。
3.1.5
単独形(single gauge)
一つの測定子に対して一つの制御部が対応するもの[図2 a)参照]。
3.1.6
複合形(combined gauge)
複数の異なる原理の測定子に対して一つの制御部が対応するもの[図2 b)参照]。
3.1.7
外囲器(envelope)
測定子のグリッド,熱陰極,イオンコレクタなどの圧力測定部を囲む金属及びガラスの壁。
a) 一体形 b) 分離形
図1−真空計(一体形及び分離形)
――――― [JIS Z 8129 pdf 6] ―――――
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a) 一つの機器に一つの測定子(単独形) b) 一つの機器に複数の測定子(複合形)
図2−真空計(単独形及び複合形)
3.2 物理的パラメータの定義
3.2.1
感度係数,S(sensitivity,sensitivity coefficient)
次の式(1)によって与えられる量。
Ic Ic 0
S (1)
Ie p p0
ここに, Ie : 電子電流
Ic : 圧力pにおけるイオン電流
Ic0 : 圧力p0におけるイオン電流
p : 圧力
p0 : 残留圧力
3.2.2
イオン化感度,S+(ionization sensitivity)
次の式(2)によって与えられる量。
Ic Ic 0
S SIe (2)
p p0
ここに, Ie : 電子電流
Ic : 圧力pにおけるイオン電流
Ic0 : 圧力p0におけるイオン電流
p : 圧力
p0 : 残留圧力
S : 感度係数(3.2.1)
3.2.3
比感度係数,rx(relative sensitivity factor)
次の式(3)によって与えられる量。
――――― [JIS Z 8129 pdf 7] ―――――
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Sx
rx (3)
SN2
ここに, Sx : 気体xに対する感度係数又は感度
SN2 : 同一の真空計で同一の圧力,同一の動作状態における窒
素に対する感度係数又は感度
注記 窒素に対して補正された真空計で,気体xに対する圧力値pxを求める場合,真空計の圧力読み
値pindに対し,気体xに対する比感度係数rxで除することで,補正された圧力値pxを求めるこ
とができる[式(4)参照]。
pind
px (4)
rx
3.2.4
補正係数,fc(correction factor)
校正結果を基に補正された圧力値を得る場合に乗ずる係数。
pc (5)
fc pind
ここに, pc : 補正された圧力値
注記1 fcは,参照真空計が示す圧力pstdと被校正器が示す圧力pUUCとの間の商である[式(6)参照]。
fcは,圧力依存性を示す場合がある。
pstd
fc (6)
pUUC
注記2 厳密には,pc,pind,pstd及びpUUCは,残留圧力における圧力指示値を差し引いた値である。
注記3 校正証明書には,補正係数の逆数が表記されている場合もある。
注記4 熱陰極電離真空計は,窒素に対して校正される場合が多い。
3.2.5
相対補正係数,fcx/N2(relative correction factor)
次の式(7)によって与えられる量。
fcx
fcx/N2 (7)
fcN2
ここに, fcx : 気体xに対する補正係数
fcN2 : 同一の真空計において,同一の圧力及び同一の動作条件
で与えられた,窒素に対する補正係数
注記1 気体xの圧力測定を行う際には,窒素に対して補正された真空計の圧力指示値pcN2に,気体
xに対する相対補正係数を乗ずることで補正される[式(8)参照]。
pcx (8)
fcx/N2 pcN2
ここに, pcx : 気体xに対して補正された圧力指示値
pcN2 : 窒素に対して補正された圧力指示値
注記2 fcx/N2は,圧力依存性を示す場合がある。
注記3 厳密には,pcx及びpcN2は,残留圧力における圧力指示値を差し引いた値である。
3.2.6
暖機時間(warm-up time)
電離真空計の起動後,読み値がある決められた値の範囲に安定する(例えば,±2 %など)までの時間。
注記1 暖機時間後には,ある設定した圧力下における真空計の読み値が,上昇,下降などの傾向を
見せないことが望ましい。
――――― [JIS Z 8129 pdf 8] ―――――
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注記2 暖機時間は,測定した環境,装置ごとに異なる場合がある。
3.2.7
残留電流(residual current)
測定子の通常の動作状況下で,かつ,ゼロ圧力又はその真空計の最低測定限界に対して無視できる程度
に低い圧力において得られることができる最小イオン電流。
注記1 残留電流は,装置及び電離真空計を加熱脱ガスした後に測定することが可能となる。残留電
流は,真空装置を加熱脱ガス後48時間経過し,通常の室温(30 ℃以下)に戻ったときのイ
オン電流である。
注記2 熱陰極電離真空計の残留電流の値は,その形式によって異なる。およそ10−6Pa以下の圧力を
測定する形式の熱陰極電離真空計の残留電流は,全金属製の封止機構を用いた超高真空装置
を用いて,さらに注記1の条件による処理を行った後に測定可能となる。
注記3 残留電流は,装置の残留圧力及び測定子の取付方法(例えば,ゴムシールなど)の影響によ
って,注記2で測定された残留電流よりも大きな値となる場合がある。この場合,注記2の
結果から求められた残留電流に加えて,装置の残留圧力に起因するイオン電流及び接続部の
放出ガスによる圧力上昇に起因するイオン電流が含まれる。
注記4 ある特定の形式の熱陰極電離真空計の残留電流を測定するときに使用する超高真空装置の最
も低い残留圧力は,予想される残留電流の窒素換算値に対して十分に低い圧力(1/10以下が
望ましい。)であることが望ましい。同時に,参照用熱陰極電離真空計の最も小さな残留電流
の窒素換算値は,予想される残留電流の窒素換算値に対して十分に低い圧力の測定(1/10以
下が望ましい。)が可能なものを使用することが望ましい。
注記5 超高真空領域における残留電流は,主に軟エックス線効果,逆エックス線効果,電子励起脱
離効果及び測定子自身からのガス放出に起因する圧力上昇及び漏れ電流で構成される。
3.2.8
残留電流相当圧力(residual current-equivalent pressure)
残留電流(3.2.7)の値を,窒素相当圧力に換算した値。
注記 圧力は,パスカル(Pa)で表す。
3.2.9
内部容積(internal volume)
測定子の真空シール面からシール面間の,測定子電極の体積を差し引いた壁の内側の容積。
注記 測定子が真空系にさら(曝)された内側の容積である。裸測定子の場合,極端な例として,電
極の体積がシール面の体積以上になるとき,内部容積は負になるときもある。
4 記号及び単位
この規格で用いる主な記号及び単位は,表1による。
――――― [JIS Z 8129 pdf 9] ―――――
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表1−記号及び単位
記号 名称 単位
fc 補正係数 1
fcx/N2 相対補正係数 1
p 圧力 Pa
p0 残留圧力 Pa
pind 真空計の表示値 Pa
pstd 参照真空計の圧力指示値 Pa
pUUC 被校正器真空計の圧力指示値 Pa
pc fcで補正された圧力指示値 Pa
pcN2 窒素に対して補正された圧力指示値 Pa
rx 比感度係数 1
Ie 電子電流 A
Ic 圧力pにおけるイオン電流 A
Ic0 圧力p0におけるイオン電流 A
S 感度(係数) Pa−1
S+ イオン化感度 A・Pa−1
5 熱陰極電離真空計の原理
陰極から放出された電子は,陽極(グリッド)電位によって加速され,気体分子をイオン化する。気体
分子イオンは,集イオン電極(イオンコレクタ)によって補足され,イオン電流が生成する。イオン電流
Icは,気体の密度すなわち一定温度Tにおける圧力pに比例する。Icは,次の式(9)によって求める。
p
Ic Ie l (9)
kT
ここに, σ : 電離断面積 (m2)
Δl : 電子の平均飛行距離 (m)
k : ボルツマン定数 (J/K)
異なる目的で電極が付け加えられた電離真空計がある。電極の数,構成及び形状は,熱陰極電離真空計
の圧力測定範囲や,外部,内部じょう(擾)乱成分の除去特性などの特徴によって異なる場合がある。
6 製造業者が提示する熱陰極電離真空計の仕様を表す項目
6.0A 一般
真空計の使用者が測定の不確かさを予測し,及び/又は圧力測定範囲を知るために,真空計の製造業者
(以下,製造業者という。)は,6.16.20に規定する測定に関係する仕様を表す項目をカタログ,取扱説
明書などに提示しなければならない。
6.1 真空計の形式
製造業者は,例えば,三極管形電離真空計,ベアード−アルパート真空計(以下,B−A真空計という。),
エキストラクタ真空計などのように幾つかの一般的な形式のいずれであることを記載しなければならない。
複合形の場合,熱陰極電離真空計でない全ての真空計の形式に関しても記載しなければならない。
6.2 表示及び測定信号出力
真空計の圧力表示値は,SI単位であるパスカル(Pa)とする。
真空計及び制御部の出力が圧力値ではない場合(例えば,電圧値)には,この出力を式,表又はグラフ
によって圧力に変換する方法を明示しなければならない。
――――― [JIS Z 8129 pdf 10] ―――――
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- 23 : 一般的に利用される流体システム及びその構成要素 > 23.160 : 真空技術
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