JIS Z 8221-1:2006 機器・装置用図記号の基本原則―第1部:図記号原形の創作 | ページ 2

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Z 8221-1 : 2006 (IEC 80416-1 : 2001)
カラーテレビジョン
(IEC 60417-5050)
テレビジョン(テレビ受像機)(IEC 60417-5049)と
カラー (IEC 60417-5048)とを組み合わせて創作した
カラーテレビジョン(カラーテレビ受像機)
図 2 図記号の組合せ例

6. 創作の原則

6.1 図記号原形の創作

 図記号原形は,7.及び9.の規定を勘案して,図5に示す基本作図様式の内部に創
作しなければならない。

6.2 制作指針

 図記号原形の作図は,次による。
a) 知覚しやすく,かつ,複製しやすくするために単純でなければならない。
b) 一緒に使用する他の図記号と容易に区別できなければならない。
c) 自明であるか又は簡単に覚えられるなど,その意図された意味が容易に推測できなければならない。
d) 通常の製造方法及び複製技術で利用可能でなければならない。

6.3 線幅

 図記号原形の線幅は,2 mmでなければならない。例外的に,視覚的明りょう性を目的とする
場合だけ,線幅2 mmと線幅4 mmとを組み合わせて用いてもよい。例を図3に示す。
画像の横移動
(IEC 60417-5063)
図 3 線幅の使用例

――――― [JIS Z 8221-1 pdf 6] ―――――

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ここに規定する線幅 2 mmは,単に全体を通して一貫性をもたせることを目的として,図記号分野のISO
7000及びIEC 60417で規定されている図記号原形だけに用いることを意図している。図記号原形を他の特
定分野に適用する場合,視覚的な制作指針6.2が保持されるならば,線幅を修正してもよい。

6.4 間隔

 図記号原形の線と線との間隔の最小値は,視覚的な明りょう性及び加工手段を考慮して決め
なければならない。目安としては,平行線の最小間隔は,線幅の1.5倍より小さくしないほうがよい。

6.5 角度

 図記号原形の線と線との角度は,30°より小さい角度は避けるのがよい。

6.6 塗りつぶし

 図記号原形においては,その意味又は判読性の観点から部分的な塗りつぶしが必要で
ある以外は,塗りつぶしを避けるのがよい。

6.7 矢印を含む図記号原形

 矢印を含む図記号原形は,JIS Z 8221-2による。

6.8 文字記号

 文字,数字,句読点及び数学用記号(以下,文字・記号と総称する。)が図記号原形の構
成要素である場合,単純な書体を用いるのがよい。図記号原形における文字・記号の高さの最小寸法は,
10 mmとするのがよい。

6.9 否定

 否定は,線幅2 mmの直交する2本の斜線で構成される図4のa)のような交差線によって示
す。例外的に,視覚的な明りょう性のために必要な場合だけ,交差角は90°としなくてもよい。
a) ベル鳴動停止 b) 画像非表示
(IEC 60417-5576) (IEC 60417-5477)
図 4 否定の例
否定の交差線は,機能の否定,取消し又は逆を示すために用いることができる。否定の意味は,否定さ
れる図記号によって決まる。例えば,機能の操作を識別する図記号の場合,通常,否定形図記号は図4の
a)及びb)に示したように機能の否定又は取消しを示す。機能の状態を示す図記号の場合では,否定形図記
号は,通常,図4のb)のように逆の機能状態を示す。動作を示す図記号の場合(例えば,指示),否定形
図記号は,通常,逆の動作を示す。
JIS Z 9101に規定する赤い否定の斜線と円との組合せは安全分野で用いるため,機器・装置用図記号の
否定の意味で用いてはならない。
備考1. 図記号原形の否定形は,それが特定の意味を表す場合にだけ標準化が必要となる。
2. 左上から右下に走る斜線は,案内図記号の否定に用いるので,使わないことが望ましい。

7. 基本作図様式

7.1 構造

 基本作図様式は,図5に示すとおりとする。基本作図様式は,図記号原形(7.2参照)の創作
基盤として用いなければならない。この基本作図様式は,図記号間で均整の取れた視覚的な印象を確保す
るために,図記号原形の制作ツールとして用いる。

――――― [JIS Z 8221-1 pdf 7] ―――――

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2
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名目寸法
5
6
7
8
参照 記述
1 一辺75 mmの正方形。基本作図様式の水平及び垂直の最大寸法で,12.5 mm線間隔の格子に分割されてい
る。
2 一辺50 mmの基本正方形。この寸法は図記号原形の名目寸法50 mmと同一。
3 直径56.6 mmの基本円。基本正方形2とほぼ同一面積。
4 直径50 mmの円。基本正方形2の内接円。
5,6 基本正方形2と同一面積の幅40 mm,高さ62.5 mmの二つの長方形。
相互に直交し,基本正方形に対して上下・左右対称に置かれる。
7 50 mmの基本正方形2を45°回転したもの。
8 参照1の外郭に15°の角を成す線で形成される八角形。図記号原形の最外郭。
備考 基本作図様式は,作図用のテンプレートとしてIEC/ SC3Cウェッブサイトから引き出せる。
図 5 基本作図様式

7.2 基本作図様式の応用

 図記号相互間の視覚的な印象を均一にするために,次の原則に従って,図記
号原形を基本作図様式に合わせなければならない。
a) 単一の円弧,長方形又は正方形のような幾何図形からなる図記号原形には,対応する基本作図様式の
幾何図形を使用するのが望ましい。
b) その他の図記号原形は,ISO 7000及びIEC 60417にある図記号原形と整合性が保たれ,視覚的な印象
及び均一性を図るように配慮する。
c) 基本作図様式の基本要素は,名目寸法50 mmの基本正方形2である。基本円3と基本長方形5及び基
本長方形6とはほぼ同一面積である。したがって,基本正方形50 mmと同じ視覚的な印象にするため
に,外側に図記号要素がない円形は基本円3に描き,長方形は基本長方形5及び基本長方形6に描く
ことが望ましい。また,外側に図記号要素がある円形は,内側の基本円4の上に描くことが望ましい。
d) 基本作図様式を用いて描かれた図記号原形の大きさに関する視覚的な印象は,名目寸法50 mmの基本
正方形に相当する。
e) 図記号原形は,上記の原則を踏まえて,可能な限り大きく創作することが望ましい。ただし,基本作
図様式の八角形8をはみだしてはならない。
f) 可能な限り,図記号原形の線の中心は,基本作図様式の線の中心と合わせることが望ましい。

――――― [JIS Z 8221-1 pdf 8] ―――――

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八角形の線に接して描く線は,線の幅の半分が八角形8の境界線を越えてもよいが,図6のd)に例示し
たように75 mmの正方形1の境界線を越えてはならない。
. .
a) 許容 b) 許容 c) 許容 d) 非許容
図 6 八角形を越える線の許容・非許容例
図7に基本作図様式の幾つかの使用例を示す。
a) アラーム, 基本 b) 増幅器 c) 信号灯 d) ブライトネス
(IEC 60417-5307) (IEC 60417-5084) (IEC 60417-5115) (IEC 60417-5056)
g) 開錠
e) 患者台 f) カーテン h) 行動の効果
(IEC 60417-5570)
(IEC 60417-5396) (IEC 60417-5604) (IEC 60417-5027)
i) 蓄積の読み書き j) 縮小 k) 水力 l) 回転ブラシ
(ISO 7000-1107) (ISO 7000-0679) (ISO 7000-0524) (ISO 7000-1103)
m) 電池の充電状態 n) フロントグラスワイパー o) 機能矢印 p) 加速された高速(度)
(ISO 7000-0247) 及びウォシャ (ISO 7000-0251) (ISO 7000-0944)
(ISO 7000-0087)
図 7 使用例

――――― [JIS Z 8221-1 pdf 9] ―――――

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Z 8221-1 : 2006 (IEC 80416-1 : 2001)

7.3 図記号原形の規定

 図記号原形は,図8に示すようにコーナマークを含む図記号の原図である。
コーナマークは,図5の75 mm角の正方形1の四隅に合致し,図記号原形の正確な位置決め及び大きさ
の規定のために用いられる。
コーナマークは,水平・垂直ともに6 mmの長さの線分からなる。
単位mm
6
6
ホーン
(IEC 60417-5014)
図 8 図記号原形の例
備考1. 図記号原形は,名目寸法50 mmの基本正方形に対応する基本作図様式を用いて描くことが望
ましい。図記号原形を応用するときの図記号の大きさは,適宜に拡大又は縮小して用いても
よい。
2. 図記号原形の実用での寸法が小さくなることが想定される場合又は視距離が大きい場合,例
えば,小さなノブの上では,図記号原形に不必要な細さ及び複雑さを避けるといった特別な
創作上の配慮がなされることが望ましい。また,可読性は,照度及び明るさの対比(コント
ラスト)といった他の様々な要素に起因することにも注意することが望ましい。

8. 図記号原形の使用

 図記号原形は,実際に使用するときの見え方及び知覚のされやすさについて改良
したり,又は使用される機器・装置のデザインと調和させたりすることが必要になる。例を,次に示す。
a) 線幅を変更する。
b) 角を丸める。
c) 中を塗りつぶす。
d) IS Z 8221-2に基づいて,矢印の形を変更する。
e) 交差する線を切断する。
f) 図記号を否定する。
使用者は,図記号原形の視覚的な制作指針が保たれていれば,通常,自由に上記の変更をすることがで
きる。
備考 図記号原形の使用の詳細については,JIS Z 8221-3を参照する。

――――― [JIS Z 8221-1 pdf 10] ―――――

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JIS Z 8221-1:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 80416-1:2001(IDT)

JIS Z 8221-1:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8221-1:2006の関連規格と引用規格一覧