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Z 8503-3 : 1999 (ISO/FDIS 11064-3 : 1999)
図1 コントロールルーム,コントロールスイート及びコントロールセンターの図的表現
――――― [JIS Z 8503-3 pdf 6] ―――――
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Z 8503-3 : 1999 (ISO/FDIS 11064-3 : 1999)
図2 コントロールワークステーション及びワークステーション外視覚表示器の定義の図的表現
4. コントロールルームの配置計画
4.1 コントロールルームの配置計画手順
次に示すフローチャートに,コントロールルームの配置計画
の一般的手順(その主要なステップ)を要約する(図3参照)。
コントロールルームの多くの特性は既に整理されていて,この規格では,このフローチャートに示され
ている手順にそれら特性が入力されることを前提とする。これらの中には,人間工学上の特性,すなわち
作業の記述,組織と配員,機器の仕様及び全般的な管理運営方針を含む。しかし,現実のコントロールル
ームプロジェクトでは,配置案を考える段階でこれら人間工学上の特性を確定していることは少ないので,
この規格に沿って人間工学的設計を進めるためには,最終情報が手もとになくても仮の条件を設け,合意
したこの情報と人間工学上の特性を運用仕様書又は機能仕様書として文書化しておく。
フローチャートが示すように,機能配置の準備段階で,種々の情報を必要とする。この情報は,コント
ロールワークステーションの数,その配置などを含む。それらのグループ化は,機器の共有,直接的な目
視や会話の必要性など機能的な関連性に基づいて行うことが望ましい。
望ましいコントロールルームの配置計画は,次のように行う。まず機能連関分析で要約された運用上の
要求事項に基づいて,ワークステーションの組合せと配置案を使用可能な空間内に準備するのがよい。こ
れらの配置案には,機能連関分析で注目したような,対面会話やワークステーション外の共用概要視覚表
示器への視線などの機能的な関連性を考慮するのがよい。運用仕様書で要求される種々のレベルの要求に
合うような種々の配置案を用意する。ワークステーションの床面積の似通ったグループを入れ替えたり,
必要な動線や保守空間を変えないで配置を調整することで,機能配置を実現可能な室内配置へと変更する。
コントロールルームの空間が決められていない場合の配置案も同様の方法で決定する。この場合には,機
能配置と室内配置を利用して機能的に必要な空間を指定する。
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こうしてコントロールルームの配置案が幾つか決まった場合,運用仕様書の要求事項に照らして,コン
トロールルームのオペレータや使用者と一緒になって検証する。こうした過程を繰り返して最良のコント
ロールルーム配置案を見つけ出すのがよい。
最終的に決まったコントロールルームの配置案については,文書化された評価基準に照らして実際に運
用できるかどうか検証し,コントロールルームのもつべき機能に合致していること,又は現実と妥協した
点などを記録に残すことが望ましい(4.2.6参照)。
参考 設計のフィードバックはあらゆる段階で起こり得る。
図3 コントロールルーム配置計画の一般手順
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4.2 コントロールルームの配置計画についての一般的留意事項
この箇条では,コントロールルームの
配置計画についての幾つかの一般原則を要約する。これらの詳細は,コントロールルームについてのその
他の要求事項とともにこの規格で後述する。
4.2.1 建築面からの留意事項
4.2.1.1 入口/出口 主出入口は,オペレータが特にスタッフの出入りを確認する特定の義務がない限り,
オペレータの作業視野内にないほうがよい(4.4.1参照)。
出入口は,コントロールルームオペレータの背後にないほうがよい(4.3.3参照)。
4.2.1.2 人的安全 コントロールルーム内の危険を最小限にするために,ガードレール,手すりなどを設
けることが望ましい(4.3.2参照)。
4.2.1.3 将来の拡張性 コントロールルームは,コントロールルームの寿命,予測される作業量,経営戦
略などの観点によって影響されるので,拡張できることが望ましい。
参考 経験的には,作業場所及び機器について通常25%の増加を見込むのが実際的である(4.3.2参照)。
4.2.2 運用面からの留意事項
4.2.2.1 タスク分析 室の配置計画は,運用実績のフィードバック(もしあれば),タスク分析,及び障
害者を含む作業者母集団のデータなどについて合意した一連の原則に基づいて行うのが望ましい。これら
基本原則は,すべて文書化しなければならない(4.1参照)。
4.2.2.2 チーム作業 このチーム作業や人的交流こそがコントロールルームで達成されるべき主要な任
務にとって重要なものであるとみなされているので,多数のオペレータが働くコントロールルームの配置
は,チーム作業やオペレータの人的交流が容易に行えるものであることが望ましい。
4.2.2.3 管理運用上の要因 コントロールルームの配置計画は,統括者の責任と,それを果たすための条
件を反映したものであることが望ましい。
4.2.2.4 運転管理上の連携 コントロールルーム配置計画の目的は,視線,直接対話など運転管理上のか
ぎとなる連携動作を最も効果的に行えるようにする(4.4.1参照)。
4.2.3 ワークステーションの配置
4.2.3.1 室配置計画 コントロールルームでは,それぞれの作業位置間が極端に密,又は疎でないほうが
よい。配置は,実際的な範囲で,オペレータ同士が直接対話でき,かつ,オペレータ同士の間が極端に狭
すぎないほうがよい(4.4.1参照)。
4.2.3.2 一貫性 意思決定及びチーム作業を促進するために,コントロールセンター,同一プラント又は
施設内にあり,かつ,類似機能をもった複数のコントロールルームの室内配置計画は,同一の人間工学上
の原則を適用することが望ましい。
4.2.3.3 身体障害者 身体障害をもつオペレータや一般的障害をもつ来訪者が予測される場合には,コン
トロールルームは,それに対して適切な設備を備えていることが望ましい(4.4.5参照)。
参考 国内法規が,この規格に優先する場合もある。
4.2.3.4 姿勢変換 一連の作業中に姿勢を変えることは,人間工学的に見てもよいことであり,もしそれ
が実際的であるならば,オペレータがときどき姿勢を変えたり,ときどきワークステーションから離れた
りできるような配置や作業手順にしておくことが望ましい(ISO/FDIS 9241-5参照)。
参考 これは,主責務及び緊急時対応を阻害しない限りにおいて,ワークステーション外の機器を主
たる作業位置から離れたところに置くことで実現できる。
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4.2.3.5 身体寸法 コントロールルームやワークステーション配置の寸法,諸元は,座った位置でのワー
クステーションの視野などのように,それを利用する人々の体格によるので,これら諸元がオペレータた
ちの身体寸法の範囲を含むように考慮しなければならない(4.5.1参照)。
4.2.3.6 窓 視覚表示器を使用するオペレータは,窓を通してしか基本的な情報を得られないのでない限
り,窓に向かって位置しないほうがよい。オペレータの背後に窓があるようなワークステーションの配置
も表示画面に反射を生じることがあるので,避けるほうがよい。万一オペレータが視覚表示器を使ってい
ながら窓に向かわざるを得ないときは,輝度差によるげん惑(グレア)が生じないようにすることが望ま
しい(附属書A図A.4参照)。
4.2.4 ワークステーション外共用視覚表示器 コントロールルームは,オペレータの作業に必要なすべて
のワークステーション外視覚表示器が,関連するすべてのワークステーションから確実に見えるように配
置しなければならない(4.5.1参照)。
4.2.5 人の動線及び保守作業 コントロールルームスタッフ,保守要員,来訪者(見学者)の通行が極力
オペレータの作業の邪魔にならないようにすることが望ましい(4.6.1参照)。
統括者の位置が新たにコントロールルーム外からの動線を生じる可能性があるときは,これらは主出入
口近くに置くことが望ましい(4.6.1参照)。
運用にかかわる区域には一般的な通行を制限する手段を講じることが望ましい(4.6.1参照)。
コントロールルームの配置計画に当たって,保守作業に関する要求事項を考慮しなければならない(4.6.2
参照)。
4.2.6 コントロールルーム配置計画の検証及び妥当性確認 検証 (Verification) とは,あるものが定めら
れた仕様に基づいて設計され建設されたことを確認する一連の作業とする。妥当性確認 (Validation) とは,
開発又は建設された対象が意図した作業を進め得るものであることを確認する一連の作業とする。
検証及び妥当性確認は,一連の設計の過程に組み込まれているのがよく,設計初期段階,詳細設計段階,
試作品開発段階のそれぞれにおいても併行的に行われることが望ましい。検証及び妥当性確認は,設計を
進めていく過程で繰返し行われることが望ましい。
参考 検証及び妥当性確認は,設計者に最もよい解決法に至るフィードバックを与える作業である。
検証及び妥当性確認のための手法や技法にはいろいろなものがある。
それらは,例えば,次のものである。
− 指針による評価(チェックリストの利用)。すなわち,設計審査のためにヒューマンファク
ター指針及び規格を利用すること。
− リンク分析又は時系列分析など,異なるタスク分析技法。これらによってコミュニケーシ
ョン及びコーディネーションを検証・確認できる。
− “ウォーク・トーク スルー”技法の利用。これによって,新しい設計に際して意図した
ことが,あらかじめ立てた筋書き・順序立てに沿って起こることを検証・確認する。
こうした技法のためには,新しい設計を描き出すのにふさわしい,次のような表現方法を必
要とする。
− 図面及び写真による表現
− 旧知の原寸モックアップ又は縮尺模型
− CADによるコンピュータモデル
さらには,より進んだツールとして,バーチャルリアリティー技法を用いたモックアップも
可能である。
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JIS Z 8503-3:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/FDIS 11064-3:1999(IDT)
JIS Z 8503-3:1999の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.040 : 産業オートメーションシステム > 25.040.40 : 工業計測及び制御
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学
JIS Z 8503-3:1999の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8513:1994
- 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―視覚表示装置の要求事項