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Z 8503-4 : 2006 (ISO 11064-4 : 2004)
システムの目的 出発点(4.参照)
ワークステーションで行われるすべてのタスクの列挙
すべての物理的制約−部屋の形状,支柱,通路など−の列挙
タスク分析
種々の運転モードに備えたタスク
ワークステーションに必要な情報及び管理・制御機能の決定
オペレーターの責任範囲
各ワークステーションに必要な機器及び設備(表示装置,制御機器,
適切な表示装置及び制御機器
コミュニケーション機器,書類など)の決定と仕様化
ユーザー母集団
タスク分析 想定される作業姿勢(座位,立体)と想定されるユーザー母集団(人
種,性別,障害者)の人体計測データの決定
タスクの持続時間
ワークステーション平面及び側面の設計 まず外観をデザインし,
その後制御・監視操作についてチェックする。さらに作業姿勢すべ
機器の寸法
ての情報源(表示装置,人,窓など)に邪魔がないことをチェック
する。文書,通信機器及び清掃のための空間を考慮する。
設計仕様 配置及び寸法決めの検証並びに実用性確認
設計の点検及び最善案の選択にユーザーを参画させる。
保守性(配線へのアクセス, 保守性の点検 : 例えば部品交換などのための前方又は後方からのアク
部品交換のスペースなど) セスをチェックする。
妥協点
設計結果,制約条件,代替案及び将来計画への推奨事項の文書化
文書様式
備考 各設計ステップは,それ以前のステップのどこかへフィードバックされることがある。
図 1 ワークステーションの設計ステップ
5. ワークステーション設計の要因
ここでは,主として一つ以上の表示装置,通信機器,及び管理・文
書作業スペースをもつワークステーションについて規定する。
5.1 利用者母集団
ワークステーションは,想定されるユーザー母集団の5パーセンタイル値から95パ
ーセンタイル値に適合するように設計しなければならない。ユーザー母集団を考える場合,性別,年令,
人種,障害などを含め,想定ユーザーがもっているであろうあらゆる特性に配慮しなければならない。例
えば,ユーザーが男女両性である場合,身体計測データは,女性の5パーセンタイル値から男性の95パー
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センタイル値までを考慮する。
5.1.1 ユーザーに関する一般的留意事項 ワークステーションは,人間の能力,限界及び要求に基づいて
設計されなければならない。したがって,設計には,基本的な作業姿勢,視聴覚面からの要求,通常作業
域などを含むユーザー母集団の諸特性,及びそれらがワークステーション上の配置又は寸法に及ぼす総合
的な影響を考慮に入れなければならない。
5.1.2 ユーザーに関する要求事項 ワークステーションの配置及び寸法は,ユーザーの人体計測値及びそ
のユーザーがタスクを遂行するときの動きに適合していなければならない。
人体計測値に関する一般的な要求事項を次に示す。
a) この規格で参照しているパーセンタイル値は,想定ユーザー母集団の人体計測値データから算出する。
b) ワークステーションの寸法値は,ユーザー母集団の少なくとも5パーセンタイル値から95パーセンタ
イル値の範囲をカバーしなければならない。
c) ワークステーションの寸法決定には次のデータを用いる。
− 通常作業域は,ユーザー母集団の5パーセンタイル値
− ゆとりは,ユーザー母集団の95パーセンタイル値
図2に座位オペレーターについて考慮すべき主要な人体計測寸法を示す。設計には,ユーザー母集団の
極端な人体計測寸法にあてはまるような弱者を不必要に選ばないほうがよい。推奨された設計値を,ユー
ザー母集団の相対的な特性に照らしてチェックするのがよい。
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記号
1 通常の視線
2 注視野(眼球の動きだけで注視できる視野)
3 表示装置
D 視距離
a 座眼高
b 大たい(腿)のための空間
d 机の厚さ
e ひじ(肘)までの高さ(机の表面高さ)
f つま先のための空間
k 座面高
l 上たい(腿)のための空間
備考 詳細は,6.2.2, 7.1及び7.2参照。
図 2 座位制御コンソールの主要な人体計測項目
参考 図2のb, l, fを総称して脚空間 (leg space)という。例えば,航空管制レーダ管制卓において
は,脚空間は大きい人を対象に,レーダ画面の調節つまみを配置するパネル面までの距離は小
さい人(5 %)を対象に設計することを要求される。
なお,脚空間設計に当たっては,大きい人(95 %)が作業中に足を組めるようになっているこ
とが望ましい。
例 直立パネルの場合,制御機器は,背の高い利用者が,かがまなければならないほど低くしないほ
うがよい。
− 人体計測データベースに着衣時のゆとりが規定されていない場合は,履物及び衣服による寸
法の増加を考慮する。
− いろいろな姿勢についての変化を考慮する(いろいろな姿勢での到達範囲及びゆとりについ
ては,図3参照)。
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固定ワークステーションでは,ユーザー母集団の人体寸法の5パーセンタイル値から95パーセンタイル
値をカバーできない場合には,寸法調整可能なワークステーションを考慮しなければならない。この場合,
よく注意して人体計測データを組み合わせる必要がある。
通常,なまの人体計測データは“裸身”をベースとしているが,データリソースによっては,寸法に着
衣の余裕を含めているものもある。
他の余裕として“スランプファクター”(直立座位として集められたデータの修正)がある。スランプフ
ァクターは,より自然で安楽な姿勢を表現するためのものである。データリソースによって,このファク
ターが含まれていたり含まれていなかったりするので,適用前にデータ源を注意深くチェックするのがよ
い。
ワークステーションは,典型的に,ある範囲の身体測定的特性をもつ複数のユーザーが使う。ワークス
テーションの設計及び配置に当たっては,ユーザー母集団の多様性を考慮することが望ましい。
ワークステーション関連寸法で5パーセンタイルから95パーセンタイル値のユーザーに適合しないもの
については,調節可能性を考慮するのがよい。これは,机の高さ,つま先余裕,視距離,表示器の向きな
どを調節可能にすることで達成できる。
− 寸法調整可能なワークステーションは,その諸元がユーザー母集団の身体寸法の5パーセンタイル
値から95パーセンタイル値の範囲をカバーしていることが望ましい。
− 調整装置は,使いやすいものでなければならない。
記号
1 表示装置
▲ 95パーセンタイル値の眼の位置
╋ 5パーセンタイル値の眼の位置
前傾姿勢の(肩関節の位置の)5パーセンタイル値
A 前傾姿勢の眼の位置
B 直立姿勢の眼の位置
C 後傾姿勢の眼の位置
D 安楽姿勢の眼の位置
R 手の到達範囲の5パーセンタイル値
図 3 表2に対する座位作業姿勢
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5.2 視覚タスク
基本的な視覚タスクは,“検知”及び“同定”である(附属書A.3参照)。
5.2.1 視覚に関する一般的留意事項 表示装置の配置については,次の要因及びその相互関連性を考慮す
ることが望ましい。
a) 眼の高さは,次の項目によって変わる。
− 利用者母集団の人体計測データ
− 利用者がタスク(監視,操作など)を遂行しているときの姿勢(図3及び表2参照)
作業面の調節可能性[いす(椅子)の高さによる眼の高さの変化など]の影響を考慮する。算出には,
しかるべき人体計測データを参照する。
b) 視距離は,次の項目を十分考慮するのがよい。
− 最小の眼負荷
− 眼からの近点距離
− 画面上の文字を認知するための視角
− タスク
c) 通常の視線(表2参照)。
備考 ワークステーションの表示装置の配置計画指針としては,附属書Aを参照。
5.2.2 視覚に関する一般的推奨事項 文字の正確な認知は,視距離と同様に文字の視認性(コントラスト,
フォントのスタイル,色,サイズなど)に依存する(詳細は,附属書A参照)。
− 視距離は,文字の高さに関する次の留意点を基本としなければならない。
− 表示装置上の白黒のラテン文字の最小文字高さは,見込み角15°である(ISO 9355-2)。ただし,ラテ
ン文字高さの推奨値は,(JIS Z 8513では)見込み角18°から20°である。簡易近似には,次の計算
式を使う。
− (表示装置の中間部にある長方形視野に対する)最大視距離=215×ラテン文字の高さ。
備考 表示器配置の詳細計算については,附属書A参照。
− 文字高さは,画面で用いられる最小フォントサイズの大文字及び数字の高さで決まる。
− 文字及び記号識別のための視距離は,500 mm以上でなければならない。それは,多くのユーザー(例
えば,眼鏡なしの高齢のユーザー)は,眼の位置をこれ以上近づけることが困難だからである。
− 眼の緊張を最小にするには,視距離は700 mm以上が望ましい。視距離を広げると焦点深度も改善さ
れる。
参考 参考文献[9]参照
備考 典型的なワークステーションには,表示装置の前方に,書き物のための場所,キーボード,電
話,通信機器などを備える必要がある。このために視距離をより大きくする必要があり,この
ことは,例えば,前面の寸法,表示装置フォーマットに影響を与える。
後傾した座位を想定すると,通常の視線は,水平面内の前方,垂直面内で水平から約15°下がる面の間
にある(表2参照)。これは,次の要求事項の始点である。
− (オペレーター作業用画面など)頻繁な監視又は厳密な監視を要する表示器(JIS Z 8503-3参照)は,
主要表示領域の中でオペレーターの正面に配置しなければならない。主要表示領域とは,外部タスク
要求によって視線の方向が強制されていないとき,垂直面内で通常の視線の上下40°の範囲をいう。
水平面内でのこの範囲は,監視タスクの視線の左右35°であり,頭部及び身体の動きを考慮した場合
は,それ以上である(ISO 11428参照)。
− ワークステーション外表示装置(大形画面,壁掛パネル,ミミックパネルなど)の情報は,制御室内
――――― [JIS Z 8503-4 pdf 10] ―――――
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JIS Z 8503-4:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11064-4:2004(IDT)
JIS Z 8503-4:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学
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- 規格番号
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