5
Z 8514 : 2000 (ISO 9241-4 : 1998)
手の位置を特定するための,触覚による目印の付いた基準
3.1.22 触覚表示キー (tactile indicator keys)
列のキー。
視覚ディスプレイと入力機器を最小構成単位とす
3.1.23 視覚表示装置 (visual display terminal [VDT])
る装置。
3.2 ユーザビリティに関連した用語の定義
3.2.1 巨視的に反射の法則と無関係な反射による拡散 [CIE Publ. 17.4 :
拡散反射 (diffuse reflection)
1987, IEV 845-04-47]。
3.2.2 効率 (efficiency) ユーザーが,目標を達成する際に正確さと完全さに関連して費やした資源 [JIS
Z 8521]。
3.2.3 有効さ (effectiveness) ユーザーが,指定された目標を達成する上での正確さと完全さ [JIS Z
8521]。
3.2.4 フィードバック (feedback)キーが作動したことをユーザーに知らせる情報。
3.2.5 手,四肢,身体の他の部分の皮膚及び
筋運動感覚によるフィードバック (kinaesthetic feedback)
関節,並びに筋紡錘受容器に基づく感覚。
3.2.6 手/腕の中位姿勢 (neutral hand/arm posture) 手首又はひじ,若しくは肩において中立からずれ
ていない(曲ったり,ねじれたりしていない)手/腕の状態。
3.2.7 反射率 (reflectance)与えられた条件下の入射光に対する反射光の比 [CIE Publ. 17.4 : 1987, IEV
845-04-58]。
3.2.8 満足度 (satisfaction)不快さのないこと及び製品使用に対しての肯定的な態度。
3.2.9 鏡面反射 (specular reflection)拡散がなく光の正反射の法則に従う反射 [CIE Publ.17.4 : 1987,
IEV 845-04-45]。
ある製品が,指定されたユーザーによって,指定された利用の状況
3.2.10 ユーザビリティ (usability)
下で,指定された目的を達成するために用いられる際の,有効さ,効率及びユーザー満足度の度合い [JIS
Z 8521]。
4. 指針とする原則(参考) キーボードの設計は,ユーザーの効率,有効さ及び満足度に影響を与える。
一つの特徴を重視しすぎることで他の特徴を損なうことがあるように,設計要素は相互に影響する。満足
できるバランスに達するためには,トレードオフ設計が必要となる。人間工学に基づくキーボードの設計
の目的は,ユーザーが,正確に,素早く,不快感なしに目的のキーに触れて,操作できるようにすること
である。打けん作業のしやすさに影響するキーボードの特性は,英字キーと数字キーの配列,言語上の違
い(国の違い),個々のキーの物理的特性及びキーボードのきょう体の全体設計を含んでいる。
人間工学に基づいて設計されるシステムの目的は,特定の仕事をとり行おうとしている個人の要求を満
たすことである。この目的に対応するためには,いろいろな方法を用いることがある。例えば,一般的用
途の使用に対して設計された適切な機器を選択したり,特定の仕事又は特定のユーザーに対して特注で設
計された装置を適用したり,機器及び作業設備の構成要素に対して適切な特注対応を提供したりする。そ
の上,ユーザーが適切な訓練を行うことが,すべての目的(効率,有効さ及び満足度)の実現に効果的で
ある。
キーボードの幾つかの特性は,VDTユーザーの姿勢に影響を与える(ISO 9241-5参照)。例えば,キー
ボードが置かれた作業面の高さに加えられるキーボードの高さ(厚み)によって,ユーザーは悪い姿勢に
なることがある。
――――― [JIS Z 8514 pdf 6] ―――――
6
Z 8514 : 2000 (ISO 9241-4 : 1998)
ユーザーの効率,有効さ及び満足度は,ユーザーの仕事に合わせて設計されたキーボードの選択,及び
他の追加入力機器の使用に左右される。例えば,分離した数字キーパッドを提供することは,データ入力
作業の助けとなる。
特定の仕事のために使用するキーボードの設計基準を選ぶとき,関連する考慮点は,キーボード及び他
の入力機器が提供する機能に基づく。これらを考慮することで,特定の仕事のために必要な最小のキーボ
ードを選択することが可能になり,キーの数と適切なキーのグルーピングによって定められる。
5. 性能基準(参考) 性能の基準は,そのキーボードが意図した目的に対して使いやすいということで
ある。与えられた仕事において,ユーザーが打けん作業のしやすさで満足できる水準に達して,結果と快
適さで満足できる水準を持続できれば,使いやすいと考えられる。6.に規定された設計の要求事項を満た
すことによって,この目的を達成することができる。
参考 この規格で述べられている設計特性をもたないキーボードに対しては,適合を決定するための,
6.と7.に代替する方法を開発中である。提案された試験方法が附属書Aに含まれている。
6. 設計上の要求及び推奨事項
6.1 キーボード設計の一般
6.1.1 パームレスト パームレストを含む設計となっている場合には,A列の手前に奥行き50mmから
100mmのパームレストがあることが望ましい。
パームレストが設けられていない場合には,A列がキーボードの前端面に極力近いことが望ましい。
6.1.2 キーボードセクション ISO/IEC 9995-1に規定されているキーボード主要セクションは,明確に
識別できなければならない。
参考 これは,少なくとも縦横が,キーピッチの半分以上離れているか,視覚的に分かれていること
で実現できる。
6.1.3 基準列の高さ 基準列の高さは,30mm以下が望ましい。
なお,キーボードの基準列の高さは35mmを超えてはならない。調節機構が設けられている場合は,こ
の規定を満足する調節位置に調節できなければならない。
6.1.4 キーボードの傾斜角 傾斜角は,水平から正方向に5°から12°の間が望ましい。角度調節ができ
ないキーボードの傾斜角は,正方向に0°から15°の間になければならない。
6.1.5 キーボードの形状(参考) キーボードの形状は,傾斜形,皿形,階段形,スカルプチャー形,又
は平形でよい(図1,図2,図7参照)。
6.1.6 キーボード表面及びキーボードの材料特性 キートップの目に見える表面は,つや消し仕上げでな
ければならない。
視野内の他の機器及びその他のものに対し,過度の輝度コントラストを避けるため,英数字キーのキー
トップの拡散反射率は,0.150.75が望ましい(ISO 9241-55.4.4を参照)。
ユーザーが頻繁に接触する表面の材料は,不適切な熱伝導特性のものを用いないことが望ましい。
キーボードには,ユーザーが傷ついたり不快感を感じる原因となるような,鋭い縁及び角がないことが
望ましい。キーボードきょう体の縁と角の最小半径は,2mm以上が望ましく,角は更に大きくすることが
望ましい。
――――― [JIS Z 8514 pdf 7] ―――――
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Z 8514 : 2000 (ISO 9241-4 : 1998)
6.1.7 キーボードの設置 キーボードの設計は,作業が明確に定義された特別なアプリケーションを除い
て,作業面上で容易に位置を変えられなければならない。キーボードは,本体から分離可能でなければな
らない。キーボードは,水平な平面上では,使用中安定していること(例えば,滑ったり,動かせなかっ
たりしないこと)が望ましい。
6.1.8 キーボード傾斜調節機構 キーボード傾斜は,調節可能であることが望ましい。どのような調節機
構も,安定性と設置の要求事項を妨げてはならない。意図しないときに調節位置が変わってはならない。
調節する際,道具を必要としてはならない。
参考 キーボードの支持面,若しくはキーボードを設置,又は保持する目的で設計された他の機構(例
えば,x,y,z軸及び傾斜調節ができるキーボード台)は,ISO 9241-5の箇条を設計するため
の対象とする。
6.2 キーの設計
6.2.1 キー配列及びキーの中心間距離 キーの配列は,ISO/IEC 9995に適合しなければならない。中心
間を測定した英数字領域と数字領域における隣接する二つのキーの中心間距離は,左右方向と上下方向と
も,19mm±1mmでなければならない。英数字領域,又は数字領域以外のキーの中心間距離は適用外であ
るが,15mmより小さくないことが望ましい。
備考 ある種のキーは,キー1個分を超える位置を占めることは許容され,中心間の距離は左右方向,
上下方向,又は両方向で19mmを適用しなくてもよい(ISO/IEC 9995-1参照)。
6.2.2 キートップの設計 英数字領域と数字領域のすべてのキーの打けん面の面積は,少なくとも
110mm2以上でなければならない。その中の英数字キーの打けん面の幅は,12mmから15mmでなければな
らない。この領域外においては,打けん面はより小さくてもよいが,64mm2より小さくないことが望まし
い。
参考 キートップ(キーキャップ)の適切な寸法は,打けん面とキーの変位と同様に,キーの幅,キ
ーの中心間距離にも依存する。
触感表示は,英数字領域の基準列の適切なキー(例えば,ISO/IEC 9995-1のC04とC07)及び数字領域
の基準列の適切なキー(例えば,ISO/IEC 9995-1のC52)に付けることが望ましい。
6.2.3 キーの変位及び押下力 キーの変位は,1.5mmから6.0mmでなければならない。キーの変位は,
2.0mmから4.0mmであることが望ましい。
キーの変位に関して(図8参照),初期抵抗(始動力又は,初期圧)は,文字を生成する位置(ランプ・
アクションの場合),又はスナップ位置(スナップ・アクションの場合)での押下力の25%から75%でな
ければならない。文字を生成する位置又はスナップ位置での押下力は0.5Nから0.8Nであることが望まし
く,0.25Nから1.5Nでなければならない。スナップアクションにおけるスイッチの作動は,スナップ位置
を通過後で,かつ,キー押下力がスナップ位置での押下力に戻る前に起きなければならない。スイッチの
作動は,スナップ位置通過後の押下力が最小となる位置付近で起きることが望ましい。
備考 文字を生成する位置とスイッチの作動位置とは同じ意味とする。
押下力と変位特性の関係は,英数字キー全体において一様であることが望ましい。キーの押下力と変位
特性の関係は作動中に,打けん面のどこを押しても一様であることが望ましい。
――――― [JIS Z 8514 pdf 8] ―――――
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Z 8514 : 2000 (ISO 9241-4 : 1998)
図8 キー変位とキー押下力の関係
6.2.4 キー動作のフィードバック
6.2.4.1 概論 キーの作動は,フィードバックを伴わなければならない。フィードバックは筋感覚,聴覚
又はこれらの組合せであることが可能で,設計上一つの方法しか許されない場合には,筋感覚によるフィ
ードバックが望ましい。
6.2.4.2 筋感覚によるフィードバック ランプ・アクションの変位だけでは十分な触覚によるフィードバ
ックを与えないので,聴覚によるフィードバックを併用することが望ましい(6.2.4.3参照)。
6.2.4.3 聴覚によるフィードバック 触覚によるフィードバックが提供できない場合には,聴覚によるフ
ィードバックを提供することが望ましい。主要な手段が聴覚によるものの場合は,聴覚信号は,作業環境
で知覚されなければならない。聴覚信号は,インパルス音(例えば,リレースイッチのクリック)又はト
ーン音(例えば,ベルやビープ音)が望ましい。補助的な聴覚によるフィードバックは,停止できなけれ
ばならない(例えば,“切”となる音量の調節位置)。このフィードバックは,キー作動後,100ms以内で
おきなければならない。
6.2.4.4 視覚によるフィードバック 視覚によるフィードバックは,特有のキー(例えば,シフト又はモ
ード状態)の長期間の状態を表示するために使用することが望ましい。このようなフィードバックは,ユ
ーザーにはっきりと見えることが望ましい。視覚的によるフィードバックは,キーそのもの又はキーボー
ドに用意してよいが,後者の場合には,これらはキーに隣接又は近接することが望ましい。画面上(例え
ば,操作者のための情報表示域)にフィードバックを表示する場合は,キーがどの状態にあるかをはっき
りと表示することが望ましい。
6.2.5 はね返り動作(バウンス) 1回のキーの作動で,意図しない複数回の信号が出ることを防ぐため
に,キーボードには,はね返り動作を生じないスイッチを用いるか,はね返り動作によって意図しないキ
ーの作動が生じないような方法を提供しなければならない。
6.2.6 キーロールオーバー キーボードは,個々のキーの作動順序通りに正しく検知しなければならない。
――――― [JIS Z 8514 pdf 9] ―――――
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Z 8514 : 2000 (ISO 9241-4 : 1998)
参考 これは,適切なキーのロールオーバーによって実現できる。
6.2.7 キーのリピート機能 リピート機能があり,リピート率が固定の場合は,リピート率が1020回/
秒,リピート開始までの時間が500ms750msでなければならない。リピート機能がキーを強く押すこと
によって開始する場合は,開始までの時間は短くてよい。
リピート率は,ユーザーが調節可能なことが望ましい。
ある取り消せない機能(“削除”コマンドなど)については,リピート作動は抑止できることが望ましい。
参考1. 750ms以上のリピート開始までの待ち時間は長すぎると感じる。
2. リピート機能とは,一つのキーを押し続けることによってそのキーが一定間隔で繰返し作動
することをいう。リピート率とは,そのキーが繰返し作動する頻度をいう。
6.2.8 キーの文字・記号 キーの文字・記号は,ユーザーに文字・記号又は機能がキーに割り当てられて
いることを示すために使用する。キーの文字・記号は,文字,記号,単語,又は機能から構成する。
この箇条の規定は,ラテン語及びキリル語に基づいたアルファベットだけに適用する。
6.2.8.1 図記号 図記号を使う場合に,ISO/IEC 9995,ISO 7000,IEC 60417が適用できる場合は,これ
らの規定に従わなければならない。
6.2.8.2 キーの文字・記号の幾何学的設計 キーのすべての文字・記号は,VDT作業の基準姿勢(ISO
9241-5,3.6参照)から見やすくなければならない。
英数字キー上の基本文字・記号の高さは2.6mm以上とする。図記号,単語,又は定着している省略形を
使うときは,高さは2.2mm以上とする。大文字(IとWを除く)の幅は,高さの50%から100%の間でな
ければならない。高さとストローク幅の比は,5 : 1から14 : 1が望ましい。
すべてのキー上の基本文字・記号にとって,背景の輝度レベルと文字・記号の間の輝度コントラストは
最低3 : 1でなければならない。拡張文字・記号は同じキー上の基本文字・記号とは知覚的に異なっている
ことが望ましい。文字・記号の輪郭は鮮鋭であることが望ましい。
明るい背景上の暗い文字・記号を推奨する。
参考 英数字キーセクションの英数字キー上に日本語の文字を表記する場合には,次の値を参考にす
るとよい。基本文字・記号の高さは,英数字と同様で,2.6mm以上とする。文字の幅は,高さ
の80%から120%の間とする。これらの値は,例えば“漢”のような縦横の比率が同程度の文
字で満たしていればよく,“へ”及び“一”のような文字は対象外である。
6.2.8.3 キーの文字・記号の数と位置 キー上の文字・記号の数は,最小にするのが望ましい。
キーの文字・記号の位置は,ISO/IEC 9995-1に従わなければならない。
キーの文字・記号がキートップに対して長すぎる場合,又はキーの機能を変更する場合,キーの文字・
記号を上乗せシート (overlay) で提供してもよい。キーの文字・記号を上乗せシートによって提供する場
合,又はキーボードのきょう体に表示する場合には,それらは参照するキーの隣にあるか,又は近くにあ
ることが望ましい。このように推奨する場所を確保できない場合には,参照カードを用意するのが望まし
い。上乗せシート及び参照カードはつや消し処理が施されていなければならない。
6.2.8.4 キーの文字・記号の耐久性 製造業者が定める製品の耐用期間中,キーの文字・記号は,見やす
くなければならない。キーの文字・記号は,所定の掃除を含む普通の摩滅,消耗に耐えるように,丈夫で
耐久性がなければならない。
6.2.9 カーソル・キー及び編集セクションのキー カーソルを制御するキーを提供しなければならない。
カーソル・キーはISO/IEC 9995-5で規定する位置に配置しなければならない。
消去又は削除を実行するキーは,不注意で意図しないで入力してしまうことがないように配置すること
――――― [JIS Z 8514 pdf 10] ―――――
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JIS Z 8514:2000の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9241-4:1998(IDT)
JIS Z 8514:2000の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.180 : IT端末設備及びその他の周辺設備
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学
JIS Z 8514:2000の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8513:1994
- 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―視覚表示装置の要求事項