JIS Z 8520:2022 人間工学―人とシステムとのインタラクション―インタラクションの原則 | ページ 6

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注記 インタラクティブシステムを初めて使用したときのユーザの経験は,ユーザエンゲージメントに
重大な影響を与える。
例1 要求管理システムは,簡単に使用したり修正したりすることが可能な一般的な適用例として,一
連の既知の要求を初期値としてユーザに提供する。
例2 電子書籍貸出アプリは,購読申込みの判断に役立つように,非会員であっても利用可能な書籍を
閲覧可能にする。
5.7.2.6 効果又は効率を低下させることなく,ユーザにとって魅力的であるインタラクティブシステムを
設計することが望ましい。
例1 オンラインマガジンのウェブサイトは,ユーザニーズに応えるために,意味のあるコンテンツ及
び審美的な表現方法の組合せを活用している。
例2 補聴器は,高齢者にとって魅力的で,開け方が分かりやすく開封しやすい箱に入っている。内容
物は整然かつ明確に配置されている。
注記 簡潔さは,ユーザの注目を得ること,及びシステムの魅力につながる。
例3 ある慈善団体のウェブサイトは,活動中の慈善団体の大きな写真,慈善団体の名前,“寄付”ボタ
ン,“メール配信のための登録”ボタン,及び“詳細はこちら”のリンクだけで構成されている。
5.7.2.7 ユーザに不合理な要求をしないインタラクティブシステムを設計することが望ましい。
例1 患者情報入力システムでは,患者の既往歴に関する正確な日付,特に患者が過去の病状を把握し
ていることを前提としない。
例2 ユーザ調査では,ユーザを特定する情報を求めるような行き過ぎた要求はせずに,ユーザが調査
の対象者となり得るかを確認するために不可欠な項目だけを必須項目とする。
5.7.3 ユーザのシステムへの信頼を高めるための推奨事項
5.7.3.1 ユーザのインタラクティブシステムへの信頼は,使用を通じて構築することが望ましい。
注記1 ユーザは,システムを利用することに伴う便益及びリスクを理解し,それらを受け入れて,シ
ステムを利用する。
例1 家族経営のEコマースサイトは,創業の経緯及び主要人物を紹介することで,人間味のあるビジ
ネスを展開していることを示す。
例2 金融系のウェブサイトは,定評のある監査法人によるセキュリティ認証ロゴを目立つように表示
し,ユーザは,ロゴをクリックすることによって,認証を受けている組織の一覧を見ることが可
能である。
注記2 信頼を構築する方針には,次のものが含まれる。
a) 予測可能性 次に起こることをユーザが予測し,理解可能なようにすることで,ユーザに
信頼を与える。これには,一貫したデザイン及び明確なフィードバックなどが役立つ(5.3
も参照)。
b) 高品質の外観 美しいグラフィックデザインは,専門的で信頼に値する印象をユーザに与
える。これには,ユーザインタフェース上のメッセージの適切な表現及び語調も役立つ。
c) 実社会の情報 システム上に実社会の情報を提示することで,ユーザの信頼感が増す。こ
れには,ソフトウェア及びウェブサイトを提供する人々,組織に関する情報,連絡先を提
供することなどが役立つ。
例3 ウェブショップでは,顧客によるレビューをその顧客が行ったほかのレビュー数と一緒に表示す

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ることで,レビューが全てショップのスタッフによって書かれたものではないことを示す。
5.7.3.2 使用しても危害を与えないという現実的な信頼レベルをユーザに与えるインタラクティブシス
テムを設計することが望ましい。
注記 危害には,健康及び安全への害,経済的な害,プライバシーへの害,並びに環境への害が含まれ
る。
例1 ウェブサイトは,リンクを使用して,プライバシーポリシーを明確な言葉でユーザに公開する。
例2 ATM(現金自動預け払い機)などは,ユーザの入力又は情報がユーザの近くにいるほかの人に見
える場合,ユーザに警告する。
5.7.4 ユーザのシステムへの関与を強めるための推奨事項
5.7.4.1 ユーザが互助的な機能を提供可能なインタラクティブシステムを設計することが望ましい。
注記 互助的な機能によって,不正確なアドバイス及び不正な内容からユーザを保護することが重要で
ある。
例1 メーカーのウェブサイトにおいて,ユーザが解決した問題の事例を掲載した,ほかのユーザを支
援するサポートのページを設ける。
例2 ビジネスアプリケーションにおいて,同僚に助けを求めたり,成功した解決策を共有したりする
電子掲示板を設ける。
5.7.4.2 インタラクティブシステムの利用を改善するために,ユーザがシステムの変更及び追加を提案可
能なインタラクティブシステムを設計することが望ましい。
注記 5.7.4.3も参照。
例1 あるアプリケーションには,ユーザが機能の変更又は追加を促したり,容易にしたりする機能,
並びにユーザが提案した変更及び追加への対応を報告する機能がある。
例2 ウェブサイトでは,ユーザが閲覧したウェブサイトのアクセシビリティの問題を報告可能な専用
の電子メールアドレスを掲載する。
5.7.4.3 ユーザからの改善提案に基づく開発に関する決定事項をユーザへフィードバックすることが可
能なインタラクティブシステムを設計することが望ましい。
例1 ユーザの改善提案を実装した場合,ユーザに報告する。
例2 ユーザの改善提案をメーカーが採用しない場合,その理由を電子メールでユーザに報告する。

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附属書A
(参考)
この規格の推奨事項を適用するためのチェックリスト
この規格の推奨事項が満たされたかどうかを判断するために使用するチェックリストの例を表A.1に示
す。使用するユーザのニーズに合わせて修正してもよい。この表は,この規格全体の理解及び使用の代替
を意図したものではない。
規格と一緒に使用する場合に限り,推奨事項が満たされたかどうかを判断するためにこのチェックリス
トをコピーして使用することを許可する。
表A.1は,この規格の全ての推奨事項を含み,推奨事項を順番に提示している。
注記1 容易に使用可能なようにするために,原則及び推奨事項を要約して表A.1にしている。要約し
た表現は,この規格の本体における原則又は推奨事項の完全な表現の置き換えを意図したもの
ではない。要約していない表現を確認するには,この規格の細分箇条を参照すること。この表
では,このチェックリストを使用する際の迅速な認識をサポートするために要約を使用してい
る。
それぞれの表には,次の列が含まれる。
a) この規格に基づいて事前に記載された情報をもつ列
1) 特定情報の記入欄(記載済み)
1.1) 原則
1.1.1) (この規格の本体における)細分箇条番号
1.1.2) 原則の名称
注記2 原則を含む行全体には,原則が直接遵守されるものではないことを示すために網掛けを施して
いる。
1.2) 推奨事項
1.2.1) (この規格の本体における)細分箇条番号
1.2.2) 推奨事項の簡潔な要約
b) 報告対象組織及びシステムの記入欄
1) 推奨事項が適用可能か否か(全ての原則は適用可能である。)
2) 推奨事項が適用不可能な場合,適用不可能な理由
3) 適用可能な推奨事項が適用されたか否かの記載
4) 適用する推奨事項の適用又は非適用に関して行われたことの説明
4.1) 適用された場合は,推奨事項がどのように適用されたかについて,コメント欄に簡潔に記載する。
4.2) 適用されていない場合は,推奨事項が適用されていない理由のコメント欄に理由の正当性を記載
する。
注記3 正式な適合性評価が必要な場合,正式な“適合性評価スキーム”を適用可能である。正式なス
キームは,a) 法的な妥当性,b) 契約上の適合性のエビデンス,c) 用途の一貫性,及び評価者
と組織間との結果の比較可能性を提供する。適合性評価スキームは,一般に,海外,地域,国
内,及び準国内レベルで実施される。ISO/IEC 17000は,この表で使用可能な適合性評価スキ

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ームに関する更なる情報を提供する。
表A.1−この規格の適用を支援する表
細分 原則又は推奨事項 適用性 適合性
箇条 Yes/ 適用不可能な理由 Yes/ コメント
No No
5.1.1 ユーザが行うタスクへの適合性 Yes
5.1.2 インタラクティブシステムが与えられたタスクに適合
していることを確認するための推奨事項
5.1.2 システムがユーザの意図する成果に適しているかどう
かをユーザが判断可能なようにするために,十分な情
報を提供するインタラクティブシステムを設計するこ
とが望ましい。
5.1.3 タスクを完遂する労力を最適化するための推奨事項
5.1.3.1 タスクの各ステップに必要な,制御及びタスク関連の
情報をユーザに提供するインタラクティブシステムを
設計することが望ましい。
5.1.3.2 タスク自体のニーズではない,技術の都合によるステ
ップをユーザに課すことを避けるインタラクティブシ
ステムを設計することが望ましい。
5.1.3.3 進行中のタスクの完了を妨げる機能及び情報をユーザ
に提供しないインタラクティブシステムを設計するこ
とが望ましい。
5.1.4 タスクの完遂を容易にする既定値を提供するための推
奨事項
5.1.4.1 必要に応じて,既定値を提供するインタラクティブシ
ステムを設計することが望ましい。
5.1.4.2 ユーザが誤解する可能性がある既定値を避けてインタ
ラクティブシステムを設計することが望ましい。
5.2.1 インタラクティブシステムの自己記述性 Yes
5.2.2 情報の存在及び明確さを高めるための推奨事項
5.2.2.1 ユーザをガイドする情報を提示し,オンラインヘルプ,
ユーザ·マニュアル又はほかの外部情報を参照する必
要性を最小限に抑えるインタラクティブシステムを設
計することが望ましい。
5.2.2.2 ユーザがナビゲーション構造のどこにいるのか,その
時点でユーザが実行可能な操作及びその実行方法を明
確に示すインタラクティブシステムを設計することが
望ましい。
5.2.2.3 ユーザがタスクを完了するために必要な操作箇所を見
つけられるインタラクティブシステムを設計すること
が望ましい。
5.2.2.4 どのユーザインタフェース要素がインタラクティブ
で,どのユーザインタフェース要素が非インタラクテ
ィブであるかを明確に示す方法で情報を提示するイン
タラクティブシステムを設計することが望ましい。
5.2.2.5 ユーザになじみのある語句で情報を提示するインタラ
クティブシステムを設計することが望ましい。
5.2.3 処理状況を明確に提示するための推奨事項

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表A.1−この規格の適用を支援する表(続き)
細分 原則又は推奨事項 適用性 適合性
箇条 Yes/ 適用不可能な理由 Yes/ コメント
No No
5.2.3.1 タスクの完了の進捗状況を表示するインタラクティブ
システムを設計することが望ましい。
5.2.3.2 システムの状態の変化について,ユーザに情報を提供
するインタラクティブシステムを設計することが望ま
しい。
5.2.3.3 ユーザからの入力がいつどこで必要かを示すインタラ
クティブシステムを設計することが望ましい。
5.3.1 ユーザが抱く期待への一致 Yes
5.3.2 システムの挙動及び反応を適切にするための推奨事項
5.3.2.1 ユーザのタスクの理解度に応じて,タスクを達成する
ためのステップを提供するインタラクティブシステム
を設計することが望ましい。
5.3.2.2 多様なユーザ及び多様な利用状況におけるニーズに対
応するインタラクティブシステムを設計することが望
ましい。
5.3.2.3 ユーザの操作に対して,ユーザニーズに即したフィー
ドバックを即座に提供するインタラクティブシステム
を設計することが望ましい。
5.3.2.4 応答時間が著しく長くなると予想される場合には,進
捗についてユーザに通知するインタラクティブシステ
ムを設計することが望ましい。
5.3.3 システムの内部及び外部における一貫性を保つための
推奨事項
5.3.3.1 ユーザになじみのある文化的及び言語的慣習を用いた
表示方法,入力方法及び操作方法を使用するインタラ
クティブシステムを設計することが望ましい。
5.3.3.2 インタラクティブシステムの動作及び表示が,インタ
ラクティブシステム内,及びユーザが使用することが
予想されるほかのインタラクティブシステムとの間で
一貫するインタラクティブシステムを設計することが
望ましい。
5.3.3.3 インタラクティブシステムの動作及び表示は,目的が
異なる場合,インタラクティブシステム内及びほかの
インタラクティブシステムとの間において明らかに異
なることが望ましい。
5.3.4 利用状況の変化に対応するための推奨事項
5.3.4.1 個々のユーザの様々なニーズに対応するインタラクテ
ィブシステムを設計することが望ましい。
5.3.4.2 接続するシステムの状態に適切に対応するインタラク
ティブシステムを設計することが望ましい。
5.3.4.3 様々な装置及びディスプレイサイズに合わせて適切に
情報を表示するインタラクティブシステムを設計する
ことが望ましい。
5.3.4.4 ユーザの物理的環境の変化に適応するインタラクティ
ブシステムを設計することが望ましい。
5.4.1 ユーザによる学習性 Yes

――――― [JIS Z 8520 pdf 30] ―――――

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JIS Z 8520:2022の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 9241-110:2020(MOD)

JIS Z 8520:2022の国際規格 ICS 分類一覧