この規格ページの目次
JIS Z 8530:2021 規格概要
この規格 Z8530は、コンピュータを利用したインタラクティブシステムのライフサイクルを通して,人間中心設計の原則,及びそれに関連する活動のための要求事項及び推奨事項について規定。また,設計プロセスを管理する人が使うことを想定し,人間とシステムとのインタラクションの質を高める方法について取り扱う。
JISZ8530 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z8530
- 規格名称
- 人間工学―人とシステムとのインタラクション―インタラクティブシステムの人間中心設計
- 規格名称英語訳
- Ergonomics of human-system interaction -- Human-centred design for interactive systems
- 制定年月日
- 2000年11月20日
- 最新改正日
- 2021年3月22日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 9241-210:2019(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 13.180, 35.180
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 2000-11-20 制定日, 2006-05-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認日, 2019-01-21 改正日, 2021-03-22 改正
- ページ
- JIS Z 8530:2021 PDF [38]
Z 8530 : 2021
pdf 目 次
ページ
- 序文・・・・[1]
- 1 適用範囲・・・・[1]
- 2 引用規格・・・・[2]
- 3 用語及び定義・・・・[2]
- 4 人間中心設計を適用する根拠・・・・[6]
- 5 人間中心設計の原則・・・・[7]
- 5.1 概要・・・・[7]
- 5.2 ユーザ,タスク及び環境の明確な理解に基づいて設計する・・・・[7]
- 5.3 ユーザは設計及び開発の全体を通して関与する・・・・[8]
- 5.4 ユーザの視点からの評価に基づいて設計を方向付け,改良する・・・・[8]
- 5.5 プロセスを繰り返す・・・・[8]
- 5.6 ユーザエクスペリエンスを考慮して設計する・・・・[9]
- 5.7 様々な専門分野の技能及び視点をもつ人々を設計チームに加える・・・・[10]
- 6 人間中心設計の計画・・・・[10]
- 6.1 概要・・・・[10]
- 6.2 責任・・・・[10]
- 6.3 計画の内容・・・・[11]
- 6.4 プロジェクト計画への統合・・・・[11]
- 6.5 タイミング及び資源・・・・[11]
- 7 人間中心設計の活動・・・・[12]
- 7.1 概要・・・・[12]
- 7.2 利用状況の理解及び明示・・・・[13]
- 7.3 ユーザ要求事項の明示・・・・[15]
- 7.4 ユーザ要求事項に対応した設計解の作成・・・・[16]
- 7.5 ユーザ要求事項に対する設計の評価・・・・[19]
- 8 持続可能性及び人間中心設計・・・・[21]
- 9 適合性・・・・[22]
- 附属書A(参考)ISO 9241規格群の概要・・・・[23]
- 附属書B(参考)適合性を評価するための手順例・・・・[24]
- 参考文献・・・・[32]
- 附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[34]
(pdf 一覧ページ番号 1)
――――― [JIS Z 8530 pdf 1] ―――――
Z 8530 : 2021
まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
日本人間工学会(JES)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規
格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規
格である。これによって,JIS Z 8530:2019は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
(pdf 一覧ページ番号 2)
――――― [JIS Z 8530 pdf 2] ―――――
日本産業規格 JIS
Z 8530 : 2021
人間工学−人とシステムとのインタラクション−インタラクティブシステムの人間中心設計
Ergonomics of human-system interaction- Human-centred design for interactive systems
序文
この規格は,2019年に第2版として発行されたISO 9241-210を基とし,日本国内での実情と異なる点
があるため,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
技術的差異の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1 適用範囲
この規格は,コンピュータを利用したインタラクティブシステムのライフサイクルを通して,人間中心
設計の原則,及びそれに関連する活動のための要求事項及び推奨事項について規定する。また,設計プロ
セスを管理する人が使うことを想定し,人間とシステムとのインタラクションの質を高める方法について
取り扱う。
注記1 コンピュータを利用したインタラクティブシステム(例えば,既製ソフトウェア製品,特注の
業務システム,プロセス制御システム,バンキングシステム,ウェブサイト,ウェブアプリケ
ーション,及び自動販売機,携帯電話,デジタルテレビのような消費者向け製品)は,規模及
び複雑さが異なる。
この規格では,人間中心設計に関連する活動の概要を説明しているが,人間中心設計に必要とされる手
法及び技術の詳細,並びに健康又は安全に関わることの詳細については扱わない。また,人間中心設計に
おける計画及び管理も扱うが,プロジェクトマネジメント全体は扱わない。
この規格は,インタラクティブシステムの設計開発を行うプロジェクトを企画及び管理する責任者が利
用することを意図している。したがって,この規格では,前述の責任者が設計プロセス全体の中で,自分
たちの活動と人間工学的な技術課題との関連性及び重要性を理解することを支援する。また,この規格で
は,人間中心設計に関わる人間工学及びユーザビリティの専門家のための枠組みを示している。人間工学,
ユーザビリティ及びアクセシビリティに関する詳細は,ISO 9241規格群及び人間工学の広範な原則を定め
たJIS Z 8501を含む多くの規格でより包括的に取り扱われている。
この規格の要求事項及び推奨事項は,人間中心設計及び開発の全ての関係者にとって有益である。対象
のプロジェクトが,この規格に適合していることを確認するためのチェックリストを附属書Bに示す。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
――――― [JIS Z 8530 pdf 3] ―――――
2
Z 8530 : 2021
ISO 9241-210:2019,Ergonomics of human-system interaction−Part 210: Human-centred design for
interactive systems(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”こ
とを示す。
2 引用規格
この規格には,引用規格はない。
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
ISO及びIECは,次のURLにおいて規格に用いる用語のデータベースを維持している。
− ISO Online browsing platform: https://www.iso.org/obp
− IEC Electropedia: http://www.electropedia.org/
3.1
アクセシビリティ(accessibility)
製品,システム,サービス,環境及び施設が,特定の利用状況において特定の目標を達成するために,
ユーザの多様なニーズ,特性及び能力で使える度合い
注釈1 利用状況は,ユーザが単独で利用する,又は支援技術を使って利用する状況を含む。
(出典 : ISO 9241-112:2017の3.15)
3.2
利用状況(context of use)
ユーザ,目標及びタスク,資源並びに環境の組合せ
注釈1 利用状況の“環境”は,技術的,物理的,社会的,文化的及び組織的環境を含む。
(出典 : JIS Z 8521:2020の3.1.15)
3.3
効果(effectiveness)
ユーザが特定の目標を達成する際の正確性及び完全性
(出典 : JIS Z 8521:2020の3.1.12)
3.4
効率(efficiency)
達成された結果に関連して費やした資源
注釈1 典型的な資源は,時間,人間の労力,コスト及び材料を含む。
(出典 : JIS Z 8521:2020の3.1.13)
3.5
人間工学,ヒューマンファクターズ,エルゴノミクス(human factors,ergonomics)
――――― [JIS Z 8530 pdf 4] ―――――
3
Z 8530 : 2021
システムにおける人間とその他の要素との間のインタラクション(相互作用)の理解に関する科学の分
野,並びに人間の福利及びシステム全体の遂行能力を最適化するために,理論,原則,データ及び方法を
設計に活かす専門分野
(出典 : JIS Z 8501:2007の2.3)
3.6
目標(goal)
意図した成果
(出典 : JIS Z 8521:2020の3.1.10)
3.7
人間中心設計(human-centred design)
システムの利用に焦点を当て,人間工学(ユーザビリティを含む。)の知識及び技法を適用することに
よって,インタラクティブシステムをより使いやすくすることを目的とするシステムの設計及び開発への
アプローチ
注釈1 この規格が,一般的にユーザとみなされる人々に加えて,多くのステークホルダへの影響にも
対応していることを強調するため,“ユーザ中心設計”ではなく“人間中心設計”という用語を
用いる。実際には,“ユーザ中心設計”及び“人間中心設計”という用語は,しばしば同義語と
して用いられる。
注釈2 使いやすいシステムには,生産性の向上,ユーザの快適さの向上,ストレスの回避,アクセシ
ビリティの向上及びリスクの軽減を含む多くの利点がある。
3.8
インタラクティブシステム(interactive system)
ユーザが特定の目標を達成するためにインタラクションするハードウェア,ソフトウェア,サービス及
び/又は人々の組合せ
注釈1 インタラクティブシステムには,開こん,ユーザ·マニュアル,オンラインヘルプ,人による
支援,保守などのサポート及びトレーニングが適宜含まれる。
(出典 : JIS Z 8521:2020の3.1.5)
3.9
プロトタイプ(prototype)
分析,設計及び評価に使うことができるインタラクティブシステムの全て,又は一部を限定的に表現し
たもの
注釈1 プロトタイプは,スケッチ,紙製又は動作しないモックアップのような単純なものでも,ほぼ
全ての機能をもつ複雑なものでもよい。
3.10
満足(satisfaction)
システム,製品又はサービスの利用に起因するユーザのニーズ及び期待が満たされている程度に関する
ユーザの身体的,認知的及び感情的な受け止め方
注釈1 満足は,実際の利用に起因するユーザエクスペリエンスがユーザのニーズ及び期待を満たして
いる程度を含む。
注釈2 利用前の期待は,実際の利用に伴う満足に影響を与える可能性がある。
注釈3 身体的,認知的及び感情的な反応を満足の測定に利用する場合がある。
――――― [JIS Z 8530 pdf 5] ―――――
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JIS Z 8530:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9241-210:2019(MOD)
JIS Z 8530:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.180 : IT端末設備及びその他の周辺設備
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学