JIS Z 8737-2:2000 音響―作業位置及び他の指定位置における機械騒音の放射音圧レベルの測定方法―第2部:現場における簡易測定方法 | ページ 2

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Z 8737-2 : 2000 (ISO 11202 : 1995)
件を規定した規格を“noise test code”と呼んでいる。以下,この規格では,“noise test code”
を“個別規格”と呼ぶ。
通則規格に基づいて個別規格を作成するための要件がISO 12001で規定されている。

1. 適用範囲

1.1 一般事項

 この規格は,反射性の強い音場において,機械及び装置近傍の作業位置及び他の指定位
置における放射音圧レベルを測定する一つの方法について規定する。放射音圧レベルは,A特性,及び必
要に応じてC特性(ピーク音圧レベルの場合)で測定される。
備考1. JIS Z 8737シリーズ及び関連する国際規格の内容が,表1で要約されている。
機械又は装置が置かれている面以外からの反射の影響の,少なくとも一部を取り除くために,実測した
音圧レベルに対して(所定の限度値以内であることを条件に)適用される局所環境補正値を算出する一つ
の方法について規定する。この補正値は,試験室の等価吸音面積に基づいている。
作業位置とは,オペレータによって専有される場所を指す。それは,その音源が作動する室内にあって
もよいし,音源に固定された運転台の内部又は音源から離れた位置にあるきょう体の内部に配置してもよ
い。作業位置近傍又は無人運転機械近傍に,1か所又は複数の指定位置を配置することができる。これら
の位置の幾つかは,一時的又は常時オペレータ以外の人員に専有されることがあるので,バイスタンダ位
置と呼ばれる。
この規格は,試験環境及び測定器に対し,簡易グレードの精度を得るための要件を規定する。試験対象
機器の設置及び作動に関する指示,並びに作業位置及び他の指定位置に対するマイクロホンの位置の選択
に関する指示を規定する。測定の目的は,定義された試験環境で標準化された設置及び作動条件の下,同
種の機械又は装置の個々の性能を比較可能にすることである。得られたデータは,ISO 4871に従い放射音
圧レベルの公示及び検証にも使われることがある。
備考2. ある特定の機械との関係において規定された位置において,所定の設置及び作動条件の下,
この規格に従い算出した放射音圧レベルは,その同じ機械が使われる典型的な作動室内で直
接測定した音圧レベルよりも一般に低くなる。なぜならば,後者の場合,反射及び他の機械
からの寄与を含んでいるからである。通常観測される差は,1dB5dBであるが,場合によ
ってはもっと大きいことがある。作業室内で単独で作動している機械近傍における音圧レベ
ルの計算方法が,ISO 1690-3で規定されている。

1.2 騒音及び騒音源の種類

 この規格に規定する方法は,屋内又は屋外で使用される移動する機械及び
定置の機械のどちらにも適用可能である。
この方法は,あらゆる大きさの機器に対して適用可能であり,かつ,JIS Z 8733 : 2000の附属書Fで定
義するあらゆる種類の騒音に適用可能である。

1.3 試験環境

 この方法は,一つ又は複数の反射面をもち,所定の要件を満足する屋内又は屋外環境に
対して適用可能である。

1.4 指定位置(測定位置)

 この規格は,放射音圧レベルを測定すべき作業位置及び他の指定位置に適
用する。
測定が行われる位置の例には,次のものがある。
a) 測定対象機器近傍の作業位置。これは,多くの産業機械や家庭用機器などの場合に相当する。
b) 測定対象機器の一部を構成する運転台内部の作業位置。これは,工業用トラックや建設機械などの場
合に相当する。

――――― [JIS Z 8737-2 pdf 6] ―――――

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Z 8737-2 : 2000 (ISO 11202 : 1995)
c) 測定対象機器の一部として製造業者から供給されるきょう体によって,部分的又は完全に囲われたと
ころの内部(若しくは衝立の後側)にある作業位置。
d) 測定対象機器によるか,又はその一部分によって囲まれた作業位置。このような状況は,ある種の大
形産業機械で見られる。
e) 測定対象機器の操作をするわけではないが,一時的又は常時その機器のすぐ近くにいることがある人
員のための位置(バイスタンダ位置)。
f) 必ずしも作業位置ともバイスタンダ位置とも限らない,他の指定位置。
作業位置とは,それに沿ってオペレータが移動する指定された経路の上にあってもよい(11.4参照)。

1.5 測定の不確かさ

 作業位置における放射音圧レベルの測定の再現性の標準偏差に関し,測定対象機
器の種類を限定することなく普遍的に適用可能な値を規定することはできないが,4.に指針を示す。

――――― [JIS Z 8737-2 pdf 7] ―――――

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表1 作業位置及び他の指定位置における放射音圧レベル測定のための日本工業規格(日本産業規格)・国際規格の一覧
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パラメータ JIS Z 8737-1 JIS Z 8737-2 ISO 11203 ISO 11204
7-
2:
(ISO 11201) (ISO 11202) パワーレベルからの算出 実用又は簡易測定方法
2
実用測定方法 簡易測定方法 実用又は簡易測定方法
000(
試験環境 屋外又は屋内 屋外又は屋内 音響パワーレベル規格による。 屋外又は屋内
I
SO1
環境指標 K2A≦2dB K2A≦7dB 音響パワーレベル規格による。 K2A≦7dB
12
環境補正値 補正してはならない。 K3A≦2.5dB 音響パワーレベル規格による。 K3A≦2dB(実用測定方法)
02:
K3A≦7dB(簡易測定方法)
19
音源の大きさ 無制限。利用可能な試験環境に
無制限。利用可能な試験環境に 小型で大量生産される機械に 無制限。利用可能な試験環境に
95)
だけ限定される。 だけ限定される。 適す。 だけ限定される。
騒音の種類 音響パワーレベル規格による
任意(広帯域,狭帯域,離散周波数,定常,非定常,衝撃性) 任意
暗騒音の限度1) △L≧6dB(15dB以上が望まし △L≧3dB 音響パワーレベル規格による。 △L≧6dB(15dB以上が望まし
K1A≦3dB
い。),各指定位置でK1A≦1.3dB い。),各指定位置でK1A≦1.3dB
放射音圧レベルの算出位置 作業位置及び他の指定位置 作業及び他の指定位置
作業位置及び他の指定位置(運
転室内部又は同様なものを除
く。)
測定機器 : (最低限適合すべき規格) 音響パワーレベル規格による。
a) 騒音計 a) EC 60651 type1 a) EC 60651 type2 a) EC 60651 type1
b) 積分形騒音計 b) EC 60804 type1 b) EC 60804 type2 b) EC 60804 type1
c) バンドバスフィルタ c) IS C 1514 クラス1 c) IS C 1514 クラス1
d) 音響校正器 d) IS C 1515 クラス1 d) IS C 1515 クラス1 d) IS C 1515 クラス1
算出量 LpA, LpC, peak
LpA, LpC, peak : オプションとして 音響パワーレベル規格による。 LpA, LpC, peak : オプションとして
バンドレベル バンドレベル
再現性標準偏差で表した,LpAのおよそ2.5dB以下2) およそ5dB以下2) 音響パワーレベル算出に使わ およそ2.5dB以下(実用測定方
算出方法の精度 れたそれに等しい。 法),又は5dB以下(簡易測定
方法)2)
関連する音響パワーレベル規格 JIS Z 8733 ISO 3746 ISO 3740シリーズ及びJIS Z JIS Z 8733(実用測定方法)
8736シリーズ ISO 3746(簡易測定方法)
注1) △Lは,測定対象機器の作動中の音圧レベルと暗騒音レベルとの差。
2) 規格が適用される機器の範囲が広いので,これらの値は暫定的なものである。
参考 表1は,ISO 11200のtable 1に基づいている。

――――― [JIS Z 8737-2 pdf 8] ―――――

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Z 8737-2 : 2000 (ISO 11202 : 1995)

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの
規格を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付記して
いない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 1515 音響校正器
備考 IEC 60942 : 1997, Electroacoustics−Sound calibratorsと,この規格が一致している。
JIS Z 8733: 2000 音響−騒音源の音響パワーレベル測定方法−反射面上の準自由音場における音圧
による実用測定方法
備考 ISO 3744 : 1994, Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using sound
pressure−Engineering method in an essentially free field over a reflecting planeに,この規格が
対応している。
ISO 3746 : 1995, Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using sound pressure−
Survey method using an enveloping measurement surface over a reflecting plane
ISO 11200 : 1995, Acoustics−Noise emitted by machinery and equipment−Guidelines for the use of basic
standards for the determination of emission sound pressure levels at a work station and at other
specified positions
ISO 12001 : 1996, Acoustics−Noise emitted by machinery and equipment−Rules for the drafting and
presentation of a noise test code
IEC 60651 : 1979, Sound level meters
IEC 60804 : 1985, Integrating-averaging sound level meters

3. 定義

 この規格では,次の定義を適用する。特定の種類の機器に対しては,該当する個別規格におい
て,より詳細な定義が規定される。

3.1 放射 (emission)

 明確に定義された一つの騒音源(例えば,測定対象機器)から放射される空気伝
搬音。
備考3. 製造上への性能表示及び/又は製品仕様書中に,騒音放射に関する記述が含まれることがある。
騒音放射を記述する基礎量とは,その製品自身の音響パワーレベル並びに(規定されている
場合)音源近傍の作業位置及び/又は他の指定位置における放射音圧レベルである。
3.2 放射音圧 (emission sound pressure) 一つの騒音源が,一つの反射表面上において,規定された作
動及び据付け条件の下で作動しているとき,その音源近傍の指定位置における音圧。ただし,試験目的で
認められている一つ又は複数ある平面以外からの反射の影響を除外するのと同様に,暗騒音の影響は除外
する。単位はパスカル (Pa)。
3.3 放射音圧レベル (emission sound pressure level) p 放射音圧の二乗の,基準音圧の二乗に対する比
の常用対数の10倍。単位はデシベル (dB),基準音圧は20
参考 上記の定義を式で表すと,次のようになる。
p2
Lp 10 log10 dB
p20
ここに, Lp : 音圧レベル,単位はデシベル (dB)
p : 放射音圧,単位はパスカル (Pa)

――――― [JIS Z 8737-2 pdf 9] ―――――

6
Z 8737-2 : 2000 (ISO 11202 : 1995)
p0 : 基準音圧,20 愀
備考4. 例えば,次のものを含む。
− 時間重み特性Fでの最大A特性放射音圧レベルLpAFmax
− C特性ピーク放射音圧レベルLpc, peak
放射音圧レベルは,該当する個別規格がある場合には,それに従い,ない場合には,JIS Z 8737シリー
ズ(又はこれらを適用できない場合だけ,ISO 11200シリーズの他の規格)に適合する方法に従い,指定
位置において算出する。
3.3.1 時間平均放射音圧レベル (time-averaged emission sound pressure level) peq, T 測定時間Tの間で,
時間とともに変動する対象音と同じ平均二乗音圧をもつ,連続で定常な音の放射音圧レベル。単位はデシ
ベル (dB)。次の式によって定義される。
T p2 t
Lpeq,T10 log10 1 dt dB (1)
T 0 p20
A特性時間平均放射音圧レベルは,量記号LpeqA, Tで表し,この規格ではLpAと省略する。LpeqA, Tは,IEC
60804に適合する測定器を使って測定する。
備考5. 時間平均放射音圧レベルは,必ずある特定の測定時間で測定されるものであるから,この規
格では,添え字eq及びTは省略される。
6. 式(1)は,p (t) を瞬時A特性音圧とすると,JIS Z 8731において環境騒音を記述する量として
定義した“等価騒音レベル”と同一である。しかし,上記で定義する放射量とは,1台の測
定対象機器によって放射される騒音を特徴付けるために使うものであり,その測定のために
は,管理された音響環境を使うと同時に,標準化された測定及び作動条件を使うことを前提
としている。
3.3.2 ピーク放射音圧レベル (peak emission sound pressure level) p, peak 一つの作動サイクルの中で発
生する瞬時放射音圧の絶対値の最大値を20 鉗 地 ベル化したもの。単位はデシベル (dB)。
3.3.3 単発放射音圧レベル (single-event emission sound pressure level) p, 1s 分離可能な単発の音事象を,
規定された持続時間T(又は規定された測定時間T)で時間積分して得られる放射音圧レベルを,T0=1(s)
で正規化したもの。単位はデシベル (dB)。次の式によって定義される。
1
T p2 t
Lp1,s 10 log10 dt dB (2)
T0 0 p20
T
Lpeq,T 10 log10 dB
T0
備考7. 式(2)は,p (t) を瞬時A特性音圧とすると環境騒音を記述する量としてよく知られている“単
発騒音暴露レベル”の式と同一である。しかし,上記で定義する放射量とは,ある一つの音
源を特徴付けるために使うものであり,その測定のために管理された音響環境を使うことを
前提としている。
3.4 ある一つの音源から放射された
騒音の衝撃性に関する指数 (impulsive noise index, impulsiveness)
騒音の“衝撃性”を判断するための量(附属書A参照)。単位はデシベル (dB)。
3.5 測定対象機器が設置されている,無限に広
反射面上の自由音場 (free field over a reflecting plane)
く硬い平面よりも上方の半空間にあり,均質で等方性の媒質内部の音場。
3.6 測定対象機器近傍に想定される
作業位置,オペレータの位置 (work station ; operator's position)
オペレータの位置。

――――― [JIS Z 8737-2 pdf 10] ―――――

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JIS Z 8737-2:2000の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11202:1995(IDT)

JIS Z 8737-2:2000の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8737-2:2000の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC1515:2020
電気音響―音響校正器