JIS Z 8850:2018 エアロゾル粒子の個数濃度―凝縮粒子計数器の校正 | ページ 16

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Z 8850 : 2018 (ISO 27891 : 2015)
F.3 ループ式希釈法
ループ式希釈装置では,混合器の下流で分岐しフィルタでろ過した空気を,希釈用空気として連続的に
還流する(図F.2参照)。流量調整器(ニードルバルブ又はマスフローコントローラ)は,希釈用空気流量
の設定,つまり,希釈率の設定に使用される。ブリッジ式希釈装置と比較すると,ループ式希釈装置はエ
アロゾル流量の調整が不要である。このことは,全ての操作条件で圧力損失を無視でき,かつ,エアロゾ
ル粒子へのせん断応力を低減できる。
1 入口
2 流量調整バルブ
3 フィルタ
4 ポンプ
5 混合器
6 出口
図F.2−ループ式希釈法の概略図
F.4 清浄空気の導入及び余剰空気の抜き取りによる希釈法
この形式の希釈装置では,希釈用空気を外部の圧縮空気源から供給する(図F.3参照)。入口流量と希釈
空気流量との合計は,希釈された出口流量より大きくなければならない。希釈された出口流量が(例えば,
接続された装置の流量調整などによって)制御される場合は,余分な流量はフィルタを通して速やかに排
出される。フィルタの背圧は低く保ち,接続した装置への流量を増加させないようにしなければならない。
そのような流量制御が出口にない場合,余剰空気を流量制御機能付きポンプによって排気する機構を加え
る必要がある。

――――― [JIS Z 8850 pdf 76] ―――――

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1 入口
2 流量調整バルブ
3 フィルタ
4 圧縮空気供給口
5 混合器
6 出口
7 余剰空気排出口
図F.3−清浄空気付加方式希釈法の概略図
ベンチュリー型エジェクタを使って入口に減圧雰囲気を作り,希釈するエアロゾルを吸引して希釈用空
気と混合することができる。このエジェクタ式と呼ばれる希釈装置は,希釈するエアロゾルを安定的に吸
引するので,一次エアロゾル源が減圧下で動作する場合には特に有利な方法である。
F.5 その他の希釈法
一次エアロゾル源の特徴によって,その他の希釈方法(例えば,回転盤式希釈装置など)が上記で論じ
られた手法以外に必要とされたり,有用とみなされることがある。それらの希釈方法は,箇条5,箇条6
及び箇条7中の要求事項を満足するなら使用してよい。

――――― [JIS Z 8850 pdf 77] ―――――

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附属書G
(規定)
参照装置入口と被験CPC入口との間の濃度偏りに対する補正係数の評価
G.1 一般
この附属書に記載した手順は,CPC検出効率の校正に先立って行うことを意図したものであり,測定で
得られる補正係数は,測定時の流量及び粒径に対してだけ有効である。補正係数βには環境依存性があり,
この附属書に記載された手順に従って測定しなければならない。CPC検出効率の校正を広い範囲の粒径に
対して行う場合,分流器の偏りは各粒径ごとに測定しなければならない。この測定は,濃度だけが変わる
場合には不要である。
偏り補正係数βの評価は,次の場合に実行可能である。
a) 分流器に接続されている2台の測定装置の入口流量が同じ(差が10 %以内)場合(詳細はG.2参照)。
b) 分流器に接続されている2台の測定装置の入口流量が異なる場合(詳細はG.3参照)。
偏り補正係数の測定を行うためには,測定装置を分流器及び混合器に接続する配管は導電性でなければ
ならない。
G.2 測定装置の流量が等しい場合の偏り補正係数βの測定
この手法では,評価中に検出効率が変化しなければ,参照装置及び被験CPCのいずれも検出効率は既知
である必要はない。したがって,測定装置の検出効率が変化しないよう,エアロゾル濃度及び粒径をでき
る限り一定に保ちながら手順を進めなければならない。濃度又は粒径が一定でない場合,|1−β|の値は増加
する。
偏り補正係数βは,図G.1及び図G.2にそれぞれ示す二つの設定について,チューブA及びチューブB
に接続された測定装置による濃度測定の補正係数として定義する。
G.2.1 設定1の測定
図G.1に示す設定を用いて,流量をqに設定し,校正粒子発生装置から粒径dの粒子を供給する。30秒
間一定に保ち,安定化させる。CPCを参照装置として使用する場合,次の30秒間で,参照装置の濃度測
定値CN,ref,1a及び被験CPCの濃度測定値CN,CPC,1aをn組(少なくとも毎秒1組)記録する。式(G.1)及び式(G.2)
を用いて,算術平均濃度を算出する。
n
1
CN,CPC1,a (G.1)
CN,CPC1,,ai
n i1
n
1
CN,ref 1,a (G.2)
CN,ref 1,,ai
ni1
ここで,下付き添え字aは,設定1で行う2回の測定(G.2.1及びG.2.3)のうち,G.2.1で先に行う測定
の結果であることを示す。G.2.3で用いられる下付き添え字bは,後にG.2.3で行う測定の結果であること
を示す。
FCAEを参照装置として使用する場合,ブランク及びシグナルの両方の電荷量濃度を測定しなければな
らない。ここで,ブランクとはDEMC電圧を0 V又はオフにした場合,シグナルとはDEMC電圧を目標
粒径に合わせて設定した場合を意味する。推奨されるデータ記録方法を,附属書Lに記載する。式(G.3)
及び式(G.2)を用いて,FCAEを参照装置とした場合の算術平均濃度を算出する。

――――― [JIS Z 8850 pdf 78] ―――――

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CQ1,0,,ai
CQ1,,ai
CN,ref 1,a,i (G.3)
e
式(G.4)を用いてr1aを算出する。
CN,CPC 1,a
r1a (G.4)
CN,ref 1,a
上記手順を少なくとも2回以上繰り返し,計3回以上r1aの測定を行う。式(G.5)を用いて,r1aの算術平
均値を求める。
n
1
r1a (G.5)
r1,ai
n i1
1 校正エアロゾル 6 チューブA
2 混合器 7 チューブB
3 分流器 8 参照装置
4 ポートA 9 被験CPC
5 ポートB
図G.1−設定1での分流器及びチューブの接続の概略図
G.2.2 設定2の測定
混合器・分流器・チューブの配置を反転させ,図G.2に示すように設定を変更する。30秒間一定に保ち,
安定化させる。CPCを参照装置として使用する場合,次の30秒間で,参照装置の濃度測定値CN,ref,2及び
被験CPCの濃度測定値CN,CPC,2をn組(少なくとも毎秒1組)記録する。設定1と同様に,設定2でr2の
平均を次に示すように測定し,算出する。
式(G.6)を用いてr2を算出する。
CN,CPC 2,
r2 (G.6)
CN,ref 2,
続いて,上記手順を少なくとも2回以上繰り返し,計3回以上r2の測定を行う。式(G.7)を用いて,r2の
算術平均値を求める。

――――― [JIS Z 8850 pdf 79] ―――――

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Z 8850 : 2018 (ISO 27891 : 2015)
n
1
r2 r,2i (G.7)
n i1
注記 この測定は,混合器・分流器・チューブの配置をそのままとし,参照装置と被験CPCとの位置
を入れ替える,すなわち,設定1において被験CPCを参照装置の位置に置き,参照装置を被験
CPCの位置に置く,という方法で実施することもできる。
この測定を行った後,混合器・分流器を図G.1に示す設定に戻し,測定をもう一度繰り返さなければな
らない。
1 校正エアロゾル 6 チューブA
2 混合器 7 チューブB
3 分流器 8 参照装置
4 ポートA 9 被験CPC
5 ポートB
図G.2−設定2での混合器・分流器・チューブを反転した状態での概略図
G.2.3 設定1の再測定
G.2.1と同様の手順に従って測定を繰り返し,得られる比をr1bとする。さらに,r1a及びr1bの算術平均を
r1とする。
G.2.4 β及びその不確かさの算出
一定の粒径かつ一定の粒子濃度で測定を行った場合,偏り補正係数β及びその不確かさは,式(G.8)式
(G.11)によって求める。
r2
β (G.8)
r1
2 2 2
u(β) 1 u(r1 ) 1 u(r2 )
(G.9)
β 2 r1 2 r2

――――― [JIS Z 8850 pdf 80] ―――――

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  • ISO 27891:2015(IDT)

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