JIS Z 8850:2018 エアロゾル粒子の個数濃度―凝縮粒子計数器の校正 | ページ 17

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Z 8850 : 2018 (ISO 27891 : 2015)
n
n2
r1 )
(r,1i
i
u(r1 ) (G.10)
n( )1
n
n 2
(r,2ir2 )
i
u(r2 ) (G.11)
n( )1
G.3 測定装置の流量が異なる場合の偏り補正係数βの測定
被験CPCと参照装置とを同じ流量で使用することができない場合,例えば,参照装置の流量が固定され
ている場合,又は被験CPCの流量が参照装置の適用範囲外の場合,偏り補正係数βを測定装置の入れ替え
によって求めることはできないため,代わりにβ=1としなければならない。G.2に記載した等流量の場合
に比べ,測定不確かさは増加する。二つの流量の比は7:1以下でなければならない。
流量が異なる場合のβの測定不確かさを推定するには,流量の等しい測定装置を2台使用する。等しい
二つの流量の和は,異なった二つの流量の和より小さくなければならない。まず,2台の等流量の測定装
置を使用し,G.2の手順に従って分流器の偏りの測定を行う。式(G.1)式(G.8)を用いてβを算出し,この
値をβequalとする。βequalの値は,0.95<βequal<1.05を満たさなければならない。βequalがこの範囲に入らない
場合,測定を進めることはできない。式(G.9)及び式(G.11)を用いて,βequalの不確かさを算出し,この不確
かさの値を[u(βequal)/βequal]2とする。式(G.12)を用いて,流量が異なる場合に加えなければならない不確かさ
を算出する。
u(βunequal )
1 (G.12)
βequal
式(G.13)を用いて,流量が異なる場合のβの合成不確かさを計算する。
2 2 2
u(β) u(βequal ) (βunequal )
(G.13)
β βequal βunequal
式(G.13)中,及び校正全体を通し,常にβunequal=1を用いる。
異なる流量の測定装置2台を分流器に接続する場合,接続チューブによって輸送での粒子損失に差が生
じることを補正するため,式(G.15)によって計算される長さのチューブを用いなければならない。層流の
管内流れについては,拡散による粒子損失はチューブ径に依存しない[3]。しかしながら,補正の不確かさ
を低減するため,両方のチューブの内径及び材質を同一にし,両方の管内レイノルズ数が1 500未満とな
るようにチューブを選択することが望ましい。
4q
Re 1 500 (G.14)
πdtube v
ここに, Re : 管内流れのレイノルズ数
q : 被験CPC又は参照装置の入口体積流量
dtube : チューブの内径
v : チューブ内のキャリアガス(空気)の動粘度
参照装置に接続するチューブの長さ及び参照装置の流量を用いて,被験CPCに接続するチューブに必要
な長さを,式(G.15)によって算出する。
qCPC
lCPC lref (G.15)
qref

――――― [JIS Z 8850 pdf 81] ―――――

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ここに, lCPC : 被験CPCに接続するチューブの長さ
lref : 参照装置に接続するチューブの長さ
qCPC : 被験CPCの入口体積流量
qref : 参照装置の入口体積流量

――――― [JIS Z 8850 pdf 82] ―――――

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附属書H
(参考)
校正範囲の低濃度側への拡張
H.1 一般
この附属書では,エアロゾル濃度に対しCPC応答が比例関係にあることを測定する校正方法について記
載する。これは,広い濃度範囲におけるCPC応答の相対的校正であり,6.3.6及び7.3.6で参照されている
ようにFCAE及び参照CPCの下限濃度未満でのCPC校正に用いられる。SI単位系への計量計測トレーサ
ビリティを伴う比例定数(検出効率)を得るためには,FCAE又は参照CPCを用い,高濃度での絶対的な
測定を別途行わなければならない。比例応答は,線形応答で切片がゼロである特別な場合であり,校正濃
度範囲全体に対して単一の補正係数を適用する。
校正には,安定したエアロゾル希釈装置1台及びCPC 2台(被験CPC及びダミーCPC)を必要とする。
いずれのCPCについても絶対校正されている必要はない。全ての濃度測定については,CPCソフトウェ
アを用いて不感時間を差し引く,又はCPCパルス幅を利用した繰り返し補正によって,同時通過損失を補
正しなければならない。
H.2 希釈装置
H.2.1 希釈装置の要求仕様
希釈装置に求められる仕様は2点あり,経時的に希釈比が安定していること,及び対象とするエアロゾ
ル濃度範囲全体で希釈比が安定していることである。希釈比の経時的安定性を確認するためには,希釈装
置を通過する体積流量を一定に維持し,かつ,希釈装置を通過する際の粒子損失に経時変化のないように
しなければならない。単分散エアロゾルを使用することで,粒子損失を経時的に一定に保つことができる。
対象とするエアロゾル濃度範囲全体に対する希釈装置の安定性は,この附属書に従って測定しなければな
らない。
図H.1に,比例性を試験するために推奨される希釈装置の構成を示す。ただし,前記の2点の要求仕様
を満たせば,他の希釈装置も使用することができる。この希釈装置は,附属書Fに記載したブリッジ式希
釈装置に類似している。希釈装置に入ってくる流れは二つに分岐し,一つは絞り付きの流路,もう一つは
バルブ及びフィルタの付いた流路である。絞りには,オリフィス,細管,又はバルブを使用できるが,粒
子発生源となってはならない。二つの流路は,希釈装置の下流側で合流する。希釈装置の体積流量の安定
性をモニタするために,圧力タップを絞りの前後に配置し,フィルタを通らない方の流路の体積流量安定
性をモニタする。流量制御のためにCPCが臨界オリフィスを用いている場合,希釈装置を通る総体積流量
は一定に維持される。CPCが臨界オリフィスを用いていない場合は,流量計を用いてCPCの体積流量を
モニタするか,又はフィルタを通る方の流路の差圧によって安定性をモニタしなければならない。

――――― [JIS Z 8850 pdf 83] ―――――

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図H.1−推奨される希釈装置及びCPCの構成
H.2.2 希釈装置の検証 : 粒子濃度が流量に及ぼす影響
比例性の試験中,希釈装置の希釈比を安定させるためには,流量はエアロゾル濃度の変化によらず一定
でなければならない。希釈装置を通る流量は3種類あり,希釈装置を通る総流量,絞り側を通りフィルタ
を通らない流路の流量,及びフィルタを通る側の流量である。これらのうち2種類の流量に対するエアロ
ゾルの影響を測定しなければならない。この測定に用いる流量計は,圧力損失が低く,粒子濃度の変化に
よって影響を受けないものが望ましい。
次に示す手順を用いて,図H.1及び図H.2に示す推奨実験設備によって,エアロゾルによる希釈装置流
量の安定性を検証する。この手順では,希釈装置の総流量,及び絞りを通りフィルタを通らない方の流量
を確認している。
図H.2−推奨される希釈装置及びCPCを検証するための構成図
a) 図H.2に従って実験装置を用意する。ただし,低圧力損失型流量計については,被験CPCの吸入口か
ら取り外す。装置を1時間暖機し,流量及びエアロゾル発生器を安定させる。

――――― [JIS Z 8850 pdf 84] ―――――

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Z 8850 : 2018 (ISO 27891 : 2015)
b) 電圧及びシース流量を合わせてDEMCに目標粒径を設定し,エアロゾル調整器によってダミーCPC
の読取値が約1 000 cm-3となるように調整する。
c) エアロゾル希釈装置のバルブ及び/又は絞りによって,被験CPCの読取値が約100 cm-3になるように
調整する。
d) 絞り部分の差圧を記録する。500 Pa以上の差圧が得られる絞りを使うのがよい。
e) EMCの電圧を0 Vに設定し,二つのCPC濃度の読取値がゼロになるまで待機する。低圧力損失型流
量計を被験CPCの吸入口に取り付ける。流量及びエアロゾル発生器を安定させる。
f) DEMCの電圧設定によって,目標粒径を選択する。エアロゾル調整器を調整し,ダミーCPCの読取値
が比例性試験を行う目標最大粒子濃度になるようにする。
g) エアロゾル希釈装置のバルブ又は絞りを調整し,差圧が手順d)で記録したものと同等になるようにす
る。
h) 絞り部分の差圧をdPONとして記録する。次に,低圧力損失型流量計でCPC吸引口の流量を測定しQON
として記録する。
i) DEMCの電圧を0 Vに設定し,二つのCPC濃度の読取値がゼロになるまで待機する。絞り部分の差圧
をdPOFFとして記録する。次に,低圧力損失型流量計でCPC吸引口の流量を測定しQOFFとして記録す
る。
j) DEMCの電圧を,手順f)の値に設定する。
k) 手順h)から手順j)までを少なくともあと2回繰り返す。
l) 二つの差圧dPON,dPOFF,及び二つの流量QON,QOFFのそれぞれについて算術平均を計算する。
m) 比rdP及びrQを,rdP=dPON/dPOFF及びrQ=QON/QOFFと算出する。
希釈装置を合格とするには,流量計の拡張不確かさの範囲内で(95 %信頼水準),比rQの値が1でなけ
ればならない。また,比rdPは,0.98H.3 比例性の校正
比例性の校正には,次の二つの手順が必要である。
a) 被験CPC・ダミーCPC間の直接比較
b) エアロゾル濃度範囲全体に対する希釈比の測定
H.3.1 実験装置
ユーザは,公称値の希釈比10:1を用い,校正を実施する試験濃度を決めなければならない。目標とする
濃度範囲内で,少なくとも7点の試験濃度を設定しなければならない。これらの試験濃度は,対数目盛上
でほぼ等間隔になるよう設定しなければならない。例えば,10 cm-3104 cm-3の範囲にわたって校正を行
う場合,10,30,100,300,1 000,3 000,及び10 000(いずれも単位cm-3)を試験濃度として使用する。
測定する試験濃度の順は,擬似乱数生成器を用いて,無作為としなければならない。
希釈装置の希釈比は9:111:1であり,公称値が10:1でなければならない。
比例性試験の実験装置を,図H.3に示す。

――――― [JIS Z 8850 pdf 85] ―――――

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