JIS A 1304:2017 建築構造部分の耐火試験方法 | ページ 2

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b) 試験体内部に中空部がある場合には,壁,床及び屋根においては周囲及び裏面側を,柱及びはりにお
いては両端部を密閉するように試験体を作製する。
警告 鋼管,両面鋼板パネルなどの中空部材は,試験の際,加熱によって試験体が膨張・破裂する
おそれがあるため,十分注意する。安全のため,試験体に圧抜孔を設けるなどの対策を行っ
てもよい。
さらに,コンクリート・セメント製品などで水分を多く含む材料,有機系断熱材などの可
燃物を多く含む材料,ガラスなどのぜい(脆)性的な破壊性状を示す材料,プレストレス部
材などのあらかじめ応力が付加された材料なども,爆裂,割れ,火炎の噴出などの現象が突
然生じるおそれがあるため,試験の際は十分注意し,安全上必要な対策を講じる。
c) 試験体の大きさは,実際のものと同一とする。ただし,実際の大きさと同一とできない場合は,表1
に示す標準の大きさとする。
表1−試験体の標準の大きさ
構造部分の種類 加熱面の大きさ m 断面
区画部材 壁 高さ3.0以上,幅3.0以上 厚さは実際のもの
床及び屋根 a) ) 及びc) 以外の場合 と同一とする。
(天井を含む。) 長さ4.0以上,幅3.0以上
b) 幅方向の2辺だけで荷重を支持する場合
長さ4.0以上,幅2.0以上
c) 床の上面を加熱する場合
長さ2.0以上,幅1.8以上
柱 長さ3.0以上 断面寸法は実際の
非区画部材
はり 長さ4.0以上 ものと同一とする。
d) 試験体は,実際の使用状態を可能な限り再現したものとする。試験体及びその構成材料の強度及び水
分含有量が実際の使用状態と近似であることを確認するために,試験体とは別に同条件で作製・養生
した代表試料を用いてもよい。水分含有量を確認するための代表試料は,試験体と同様な厚さ及び暴
露面をもつことで試験体からの蒸発水分損失を代表するように作製する。
試験体が水分を含む場合は,通常,気乾状態となるよう養生を行う。ここで気乾状態とは,温度23 ℃,
相対湿度50 %の雰囲気における平衡含水状態又はこれと同等の状態をいう。
なお,養生期間を短縮するため,試験体を高温環境に置くなどによる人工乾燥を行ってもよい。た
だし,構成材料が変質せず,試験体の含水分布が試験時の挙動に影響を与えない程度とする。
e) 試験体の端部は,要求される境界条件及び拘束条件並びに載荷が適切に与えられる構造とする。
f) 床又は屋根を直接支持し,上面が加熱されないはりの場合には,床部分又は屋根部分は,はり幅の3
倍以上又は600 mm以上の幅とし,実際の構造の代わりとして,上蓋を用いてもよいが,上蓋は,密
度650±200 kg/m3,厚さ100 mm以上の軽量気泡コンクリートとし,はりに対し強度及び剛性上の合
成作用が働かないよう,長さ1 m以下に分断して取り付ける。

5 試験装置

5.1 試験装置の構成

  試験装置の概要を,試験対象とする構造部分の種類ごとに,図1図4に例として示す。

――――― [JIS A 1304 pdf 6] ―――――

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1 試験体(壁) 2 加熱炉 3 ジャッキ(載荷装置) 4 ロードセル 5 変位計 6 荷重分配はり
7 試験体取付用枠(載荷枠)8及び9 無機質系断熱材(充材)
図1−荷重を支持する壁の試験装置の例
1 試験体(床及び屋根) 2 加熱炉 3 ローラー又は棒4 無機質系断熱材(充材)
5 おもり(載荷装置)6 変位計
図2−床及び屋根の試験装置(単純支持)の例

――――― [JIS A 1304 pdf 7] ―――――

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1 試験体(柱) 2 加熱炉 3 ジャッキ(載荷装置) 4 ロードセル 5 加圧板
6 試験体取付用枠(載荷枠) 8 無機質系断熱材(充材)
7 球座(ピン) 9 変位計
図3−柱の試験装置の例
1 試験体(はり) 2 上蓋 3 加熱炉 4 支持部 5 ローラー又は棒
6 無機質系断熱材(充材) 7 加力点 8 変位計
図4−はりの試験装置(単純支持)の例

5.2 加熱炉

  加熱炉は,次による。
a) 加熱炉は,6.2に示す温度の時間的変化を,試験体の加熱面の全面にほぼ一様に与えられるようなもの
とする。
b) 加熱炉の熱源は,都市ガス,プロパン,重油,その他適切な燃料とする。

――――― [JIS A 1304 pdf 8] ―――――

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c) 加熱炉の構造は,試験対象とする構造部分の種類によって次のとおりとする。
1) 壁を鉛直に設置し,片面を加熱できる構造のもの
2) 床及び屋根(天井を含む。)を水平に設置し,下面(又は必要に応じて上面)を加熱できる構造のも

3) 柱を鉛直に設置し,側面全周を加熱できる構造のもの
4) はりを水平に設置し,上面以外の各面(下面及び側面)又は全周を加熱できる構造のもの
d) 加熱炉の内張りは,密度が1 000 kg/m3未満の材料とし,加熱炉の内部表面の過半を構成するものとす
る。

5.3 試験体取付用枠

  試験体取付用枠は,次による。
a) 試験体取付用枠は,要求される境界条件及び拘束条件を試験体に与えることができる形状,強度及び
剛性のもので,試験体及びその加熱面を所定の位置に保持できる構造とする。
b) 試験体取付用枠は,不燃性の材料で構成されたもので,試験の際,熱による溶融,亀裂,著しい変形
などが生じない構造のものとする。

5.4 載荷装置

  載荷装置は,次による。
a) 載荷装置は,試験中,規定の荷重を試験体に載荷することができるものとする。
注記 載荷には,油圧式,機械式,おもりを用いたものなどがある。
b) 載荷装置は,試験対象である構造部分の種類に応じて,等分布荷重及び集中荷重を始めとする実際の
使用状況を模した荷重条件を適用できるものとする。また,載荷装置は,想定される試験体の変形に
追従できるものとする。
c) 載荷装置は,試験体に対して顕著な熱的影響を及ぼさないものとする。また,非加熱面温度及び変形
の測定を妨げず,非加熱面の全般的な観察ができるものとする。載荷装置と試験体との接触点の全面
積は,水平試験体の全表面積の10 %を超えてはならない。

5.5 測定装置

5.5.1  加熱温度の測定装置及び適用方法
5.5.1.1 加熱温度測定装置
加熱温度(炉内の温度)を測定し,6.2の規定に従い制御するため,次に規定するプレート温度計又はシ
ース熱電対(以下,“加熱温度測定装置”という。)を用いる。
a) プレート温度計
1) プレート温度計のプレートは,長さ150±1 mm,幅100±1 mm,厚さ0.7±0.1 mmの耐熱性のニッ
ケル合金板を,図5に示す形状に折り重ねたものとする。
2) プレート温度計の熱電対は,JIS C 1605に規定するシース熱電対とし,種類SK,外径13.2 mmの
金属シース,非接地形の測温接点のものとする。熱電対の測温接点は,図5に示すように,鉄鋼片
を用いてプレートの中央に固定する。鉄鋼片は,直径2 mm以上のねじ又は溶接によって固定する。
3) プレート温度計の裏側に用いる断熱パッドは,密度280±30 kg/m3の無機質材料で試験時の加熱に
対し繰り返し耐えることができるものとし,寸法97±1 mm角,厚さ10±1 mmとする。

――――― [JIS A 1304 pdf 9] ―――――

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単位 mm
1 シース熱電対 2 スポット溶接又はねじ留めされた鉄鋼片3 シース熱電対の測温接点
4 断熱パッド 5 厚さ0.7±0.1 mmのニッケル合金板 6 プレート面(測定面)
図5−プレート温度計
4) プレート温度計は,初めて使用する前に1 000 ℃で1時間の予備加熱を行う。加熱炉において,6.2
に規定する加熱曲線のもとで90分使用した状態を代替手段としてもよい。
b) シース熱電対 JIS C 1605に規定するシース熱電対とし,種類SK,シース外径33.2 mmの金属シー
ス,非接地形の測温接点のものを用いる。シース熱電対は,先端を開放した鉄,磁性管又はセラミッ
クの保護管に挿入し,熱電対の先端から25 mmを保護管から突き出させて用いる。
5.5.1.2 適用方法
加熱温度測定装置の適用方法は,次による。
a) 測定位置は,プレート温度計の場合はプレート面の中心,シース熱電対の場合は測温接点が代表する
ものとし,これらを次のとおり配置する。
1) 試験体近傍の平均温度を確実に示すように均等に配置する。
2) 試験体の加熱面から100±50 mmの位置とし,試験中はできる限りこの距離を保持する。
3) プレート温度計の場合は,プレート面を試験体の加熱面と同じ向きとして配置する。
4) 上記1)3)のほか,試験対象となる構造部分の種類に応じて,次のb)の規定に従う。
b) 測定点数は,試験対象とする構造部分の種類によって次のとおりとする。
1) 壁,床及び屋根(天井を含む)の場合 4点以上,かつ,試験体の加熱面の大きさに応じて1.5 m2
当たり1点以上となるようにする。
2) 柱の場合 6点以上とする。測定点は,試験体加熱長さのl/4付近,l/2付近,及び3/4付近の高さに
配置する。
3) はりの場合 試験体加熱長さに応じて1 m当たり2点以上となるようにする。また,測定点は,は
り断面の左右に関して同数とするほか,断面の高さ寸法に応じて適宜追加するなど,上下方向につ

――――― [JIS A 1304 pdf 10] ―――――

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JIS A 1304:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 834-1:1999(MOD)
  • ISO 834-1:1999/AMENDMENT 1:2012(MOD)
  • ISO 834-4:2000(MOD)
  • ISO 834-5:2000(MOD)
  • ISO 834-6:2000(MOD)
  • ISO 834-7:2000(MOD)
  • ISO 834-8:2002(MOD)
  • ISO 834-9:2003(MOD)

JIS A 1304:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 1304:2017の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC1602:2015
熱電対
JISC1605:1955
放射線サーベイ・メータ
JISC1605:1995
シース熱電対