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A 1441-1 : 2007
nI 受音室内に設定した測定面上のノーマル音響インテンシテ
L :
ィレベルの平均値 (dB)
N : 測定面の内側に設置されている小形建築部品の数
S :
M 測定面の総面積 (m2)
A :
0 基準の面積 (= 10 m2)
備考 重み付きインテンシティ部材規準化音圧レベル差 D,I n, e, w は,JIS A 1419-1に従って Dn, e を
D,In, e に置き換えて評価する。
3.10 調整インテンシティ音響透過損失 (modified intensity sound reduction index) I,m 次の式で与えら
れる音響透過損失。
RI, m RI KC (9)
ここに,調整項KCの値は,附属書Bによる。
備考1. JIS A 1416に規定する従来の測定法では,原理的に受音室へ透過する音響パワーを過小評価
しているため,結果的に真の音響透過損失の値に比べてわずかに大きめの値が測定される。
しかし,この方法による場合と同じ結果を,この規格で規定する音響インテンシティ法によ
る測定で得るために,インテンシティ音響透過損失に調整のための値KCを加える。
2. 重み付き調整インテンシティ音響透過損失 R,I m, w は,JIS A 1419-1に従ってRを R,Im に置き
換えることによって評価する。インテンシティ部材規準化音圧レベル差 D,I n, e についても同
様で,記号は D,I n, e,m, w とする。
3.11 測定面 (measurement surface) 受音側に設定する試料を完全に囲み込む面で,その面上でスキャニ
ング又は離散点による方法で音響インテンシティの測定を行う。
3.12 測定距離 (measurement distance) M 試料に対して垂直な方向における測定面と試料との間の距
離。
3.13 部分測定面 (measurement sub-area) 測定面を分割した面で,その上でインテンシティプローブに
よる一回の連続的なスキャニングを行う。離散点法による場合には,その上に離散測定点を設定する。
4. 測定装置
4.1 一般事項
音響インテンシティ測定器は,10−12 W/m2を基準値として1/3オクターブバンドでインテ
ンシティレベルを測定できるものを用いる。スキャニング法による場合には,実時間で音響インテンシテ
ィが測定できなければならない。プローブを含む測定器は,JIS C 1507のクラス1に適合していなければ
ならない。
インテンシティプローブと分析器とからなる測定システムの音圧−残留インテンシティ指数 pI0 は,
n
FpI 10 dBより大きくなければならない。
備考 測定周波数帯域全体にわたって測定を行うためには,2マイクロホン方式のインテンシティプ
ローブでは,長さの異なるスペーサを用いてマイクロホン間隔を(段階的に)変化させる必要
がある。測定周波数範囲とスペーサの長さとの関係は, pI0 と FpIn とに依存する。
一例として,その目安を次に示す。
a) 50 Hzから500 Hzまでは,長さ50 mmのスペーサを用いる。
b) 500 Hzを超える場合は,12 mmのスペーサを用いる。ただし,通常は,2 000 Hz以上の周
波数帯域についてプローブの感度を補正する必要がある。
1005 000 Hzの周波数範囲を測定対象とする場合は,口径1/2インチの音圧マイクロホン
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二つと長さ12 mmのスペーサを用いればよい。
音圧レベル測定用の測定器は,JIS A 1416の規定による。音源室で用いるマイクロホンは,拡散音場に
おいて平たんな周波数感度を示すものを用いる。
備考 一般に,IEC type WS2Pの計測用マイクロホンは,この規格に基づく測定のために,十分な周
波数レスポンスをもっている。
4.2 校正
適切な規格に従って校正を実施している実験室では少なくとも1年に一度,測定のたびに事
前にインテンシティ校正器を用いて校正を行っている場合には少なくとも2年に一度,JIS C 1507への適
合性を確認する必要がある。
型式試験及び検定を受けている音響インテンシティ測定器を使用する場合にも,測定に先立って次の手
順で動作を確認する必要がある。
a) 取扱説明書の指示に従って測定器を暖機する。
b) 測定器を音圧モードに設定し,JIS C 1515に規定するクラスLS,1,LS/C又は1/Cの音圧校正器に,
インテンシティプローブの2本のマイクロホンを同時に又は順次入れ替えて装着し,2系統のチャン
ネルが正しい音圧を表示するように校正する。
参考 原国際規格では,音圧校正器の表記をclass 0,1,0L or 1Lとしているが,音響校正器の規格 [JIS
C 1515 (IEC 60942) が改正されたときの表記方法が変更されたため,この規格では,それぞれ
に該当するLS,1,LS/C又は1/C と表記した。
c) 残留インテンシティ試験装置を用いて,インテンシティプローブの音圧−残留インテンシティ指数
pI0を測定し,残留インテンシティ試験装置の作動範囲で測定器がそのクラスの条件を満たしている
かどうか確かめる。位相補償などの製造業者が推奨する性能向上のための方法をとってもよい。位相
補償及び残留インテンシティ試験は,実際に測定するレベルに近いレベルで行うことが望ましい。
d) 音響インテンシティ校正器が利用できる場合は,これを用いて音響インテンシティの指示値を確認す
る。
5. 試験装置
5.1 試験室及び試験開口部
音源室及び試験開口部の要件は,JIS A 1416の規定による。受音室は,音場
指標 F及び暗騒音に関する条件を満たす限り,どんな室でもよい。それらの条件は,6.4.2及び6.5を参
pI
照する。
5.2 試料
測定試料はJIS A 1416の規定によるが,小形建築部品についてはJIS A 1428の規定による。
5.3 試料の設置条件
試料の設置は,JIS A 1416の規定によるが,小形建築部品の場合にはJIS A 1428
の規定に従って試料を設置する。片面が吸音性の場合には,その面を音源室側に向けて取り付ける。
6. 測定の手順
6.1 一般事項
音源室の室内平均音圧レベル及び受音室側の測定面における平均音響インテンシティレ
ベルを測定する。測定面上の音圧−インテンシティ指数が十分な値となっていることを確かめた上で,イ
ンテンシティ音響透過損失又はインテンシティ部材規準化音圧レベル差を算出する。
6.2 音の発生
音源スピーカの設置位置は,JIS A 1416の規定による。
6.3 音源室における室内平均音圧レベルの測定
JIS A 1416に規定する手順に従って,音源室内の平均音
圧レベルを測定する。
6.4 受音側における平均音響インテンシティレベルの測定
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6.4.1 測定面 受音側に測定対象試料を完全に取り囲む測定面を設定する。試料がニッシェ内に取り付け
られている場合には,通常ニッシェ開口部の平面を測定面とすればよい。試料がニッシェ内に取り付けら
れていない場合又はニッシェの深さが0.1 m以下の場合には,箱状の測定面を設定する。小形建築部品を
対象とする場合には,この条件となるのが一般的である。
備考 小形建築部品の場合には,半球状,円筒状又は部分的に箱状の測定面を用いてもよい。
まず最初に,測定距離は0.10.3 mとする。0.1 m以下の距離は振動する部位の近接音場となっている
ので避ける。このような近接音場では,インテンシティの向きが頻繁に正負に変化しやすい。試料に近い
ニッシェの内部に比べてニッシェ開口部の方が音場がより均一となっている。箱状の測定面を用いる場合,
0.3 mより長い測定距離は避ける。
6.4.2 測定面の適正 測定面上で時間的及び空間的に平均したノーマル音響インテンシティレベル LnI
及び音圧レベル Lを測定する。その結果から,符号付き音圧−インテンシティ指標
p FpIn を,次の式によ
って計算する。
FpIn Lp LIn (10)
Lの測定値が負の場合,又は
nI FpIn > 10 dB(試料の受音側表面が反射性の場合)若しくは FpIn > 6 dB
(試料の受音側表面が吸音性の場合)の場合には,測定環境を改善する必要がある。その場合,まず測定
距離を510 cm程度大きくする。それでも前記の条件を満たさない場合には,受音室内に吸音材を追加す
る。スキャニングによる場合には,前記の音場指標に関する条件は,音源スピーカの位置ごとに,また,
一回のスキャニングごとに適用する。ただし,評価は測定面全体について行うものとし,部分測定面ごと
の評価は行わない。離散点による測定の場合には,測定面全体の平均値を用いて評価する。
備考 経験則として, FpIn ≦ 10 dBとなるためには,次の関係が必要である。
S/ A .125
ここに, S : 測定面の面積 (m2)
A : 受音室の等価吸音面積 (m2)(定義についてはJIS A 1416参
照)。側路伝搬による透過音が大きくなるほどAを大きくす
る必要がある。
6.4.3 スキャニングによる場合の手順 スキャニングによる場合,常にプローブを測定面に対して垂直に
保ち,測定対象試料から外向きに放射されるインテンシティが正の値として測定される方向に向ける。
測定面は,一つ又は幾つかの部分測定面に分割する。それぞれの部分測定面におけるスキャニングの時
間は,その面の大きさに比例させる。スキャン速度は一定に保つ。その速度は0.10.3 m/sとする。一つ
の部分測定面から他の部分測定面へ移るときには,測定をいったん中断する。それ以外の場合には,測定
は連続的に行う。
測定面又は各部分測定面上におけるスキャニングは,図1に示すように,互いに平行で端部で折り返す
経路上で行う。スキャン線の密度は,音の放射の均一性を考慮して決める。部分的な音漏れがあるような
場合は,一般に音場の不均一性が高いので,スキャン経路の間隔を密にする必要がある。通常,スキャン
線の間隔は,測定距離と同じ程度とする。
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図 1 2種類のスキャンを実施する場合のスキャニングパターン
測定面が図2のような箱状の場合又は室の縁辺部若しくは入り隅に設置された小形建築部品の測定の場
合などのように部分的に箱状となる場合には,試料が取り付けられている隔壁と箱状の測定面との交差部
に近い領域に特に注意する必要がある。測定面上でスキャニングを適切に行うことによって,試料面から
放射される全音響インテンシティが確実に測定されるように注意する。
図 2 測定対象(影を付けた面)を囲み込む箱状の測定面
6.4.4 離散点による場合の手順 スキャニングによる方法の代わりに,6.4.3に規定した測定面上に設定
した固定点で測定する方法をとってもよい。その場合,固定測定点の間隔は,測定面と試料の間隔 dM m
との間隔と同程度とする。試料に大きな音漏れの箇所がある場合又は音響パワー流が不均一になっている
場合には,測定距離は一定に保ったままで測定グリッドをより密にする。その測定は,JIS Z 8736-1に規
定されている実用級(グレード2)の手順に従う。また,JIS Z 8736-1の附属書Bによって,測定点の配
置の適正さについて確認する。それぞれの測定点において,最低10秒間の測定を行う。音源スピーカを連
続移動する方法による場合,個々の測定点における測定ごとの音源のトラバースの回数は,ドア,窓及び
小形建築部品を対象とする場合には少なくとも2回,壁体試料に対しては少なくとも8回とする。
6.4.5 一つの測定面でスキャニングを行う場合の手順 測定環境が十分である場合には,固定した音源ス
ピーカの位置ごとにパターンが異なるスキャニングを2回行い,それらの結果を比較する。これら2回の
スキャニングは,スキャン経路の向きを90°変えて行う。いずれの測定周波数帯域についても,2回の測
定結果の差が1.0 dBより小さい場合には,それらの算術平均値を求める。差がそれ以上の場合には,測定
は無効とする。
前記の条件が満たされるまで,2回のスキャニングを繰り返す。それでも条件が満たされない場合には,
スキャニング線の密度,測定面,又は測定環境を変え,条件が満たされるまで測定を繰り返す。これによ
っても条件が満たされない場合には,条件から外れる程度を明記した上で,測定結果を報告書に記載する。
音源スピーカの位置を複数として測定する場合には,一つの音源スピーカの位置に対してそれぞれ1対
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(2方向)のスキャニングを行う。その結果も,前記の条件を満たしていることが必要である。音響透過
損失及び音場指標を含むすべての結果は,実行したすべてのスキャニングによる測定値の算術平均として
示す。
音源スピーカを連続移動させる方法による場合,1回のスキャニングごとの音源のトラバースの回数は,
ドア,窓及び小形建築部品を対象とする場合には少なくとも1回,壁体試料に対しては少なくとも2回と
する。それぞれの部分測定面につき,二つの異なるスキャニングパターンでスキャニングを行う。1回の
スキャニングは,音源スピーカの1回の移動時間のうちに終了しなければならない。2回のスキャニング
で音源スピーカとマイクの位置とが一致しないように,スキャニングの方向を決める。一対のスキャニン
グによる測定結果は,エネルギー平均する。音源スピーカを固定して行う場合には,一つの音源位置につ
き2回のスキャニングによる測定結果の平均を求める。1回のスキャニングごとに,スキャニング及び音
源移動の全時間は,窓,ドア及び小形建築部品を対象とする場合には少なくとも120秒,壁体試料に対し
ては少なくとも600秒とする。
6.4.6 部分測定面に分割してスキャニングを行う場合の手順 それぞれの部分測定面に対して6.4.4又は
6.4.5に示した手順によって測定を行う。
測定面を幾つかの部分測定面(それぞれの面積を SMとする)に分割して測定を行う場合,ノーマル音
i
響インテンシティレベルLは,次の式によって求める。
nI
1 1,0LIn i
LIn 10 log10 SMi10 (11)
SM
i
ここに, i : i番目の部分測定面
M 次の式で与えられる測定面全体の面積 (m2)
S :
SM SMi (12)
i
部分測定面のインテンシティが負の値となった場合(測定試料の方向へ音のエネルギーが流れている場
合)には,その部分の面積 SMの前にマイナスを付け,式(11)の計算をする。
i
次の式によって,符号付き音圧−インテンシティ指標 FpIn を算出する。
1 1,0Lpi
FpIn 10 log 10 SMi10 LIn (13)
SM
i
ここに, L :
pi i番目の SM上の平均音圧レベル
i (dB)
6.5 暗騒音
測定面上の音圧レベル,ノーマル音響インテンシティレベルともに,暗騒音によるレベル
に比べて少なくとも10 dB大きくなければならない。
備考 前記の条件は,次の手順によって調べる。
FpIn < 10 dBの場合には,音源のレベルを10 dB下げてみる。そのときに,FpIn の変化が1 dB
より小さければ,条件は満たされている。
6.6 測定周波数範囲
音圧レベル及びノーマル音響インテンシティレベルの測定は,次の中心周波数の
1/3オクターブ周波数帯域について行う。
100 Hz,125 Hz,160 Hz,200 Hz,250 Hz,315 Hz,400 Hz,500 Hz,630 Hz,800 Hz,1 000 Hz,1 250 Hz,
1 600 Hz,2 000 Hz,2 500 Hz,3 150 Hz,4 000 Hz及び 5 000 Hz
低周波数帯域の測定が必要な場合には,次の中心周波数の1/3オクターブ周波数帯域について測定を追
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JIS A 1441-1:2007の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 15186-1:2000(MOD)
JIS A 1441-1:2007の国際規格 ICS 分類一覧
- 91 : 建設材料及び建築物 > 91.120 : 建築物内外の保護 > 91.120.20 : 建築物における音響.音響絶縁
JIS A 1441-1:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA1416:2000
- 実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法
- JISA1428:2006
- 実験室における小形建築部品の空気音遮断性能の測定方法
- JISC1507:2006
- 電気音響―音響インテンシティ測定器―圧力形ペアマイクロホンによる測定
- JISC1515:2020
- 電気音響―音響校正器