JIS A 8338:2011 土工機械―危険検知装置及び視覚補助装置―性能要求事項及び試験

JIS A 8338:2011 規格概要

この規格 A8338は、土工機械に使用する危険検知装置(HDS)及び視覚補助装置(VA)の一般要求事項,性能評価方法及び性能試験方法について規定。

JISA8338 規格全文情報

規格番号
JIS A8338 
規格名称
土工機械―危険検知装置及び視覚補助装置―性能要求事項及び試験
規格名称英語訳
Earth-moving machinery -- Hazard detection systems and visual aids -- Performance requirements and tests
制定年月日
2011年2月21日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 16001:2008(IDT)
国際規格分類

ICS

53.100
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
土木 II 2020
改訂:履歴
2011-02-21 制定日, 2015-10-20 確認
                                                                   A 8338 : 2011 (ISO 16001 : 2008)

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[2]
  •  4 性能要求事項及び試験・・・・[3]
  •  4.1 一般要求事項・・・・[3]
  •  4.2 HDSの機器及びVAの機器の配置及び取付け・・・・[4]
  •  4.3 運転席の機器・・・・[4]
  •  4.4 装置の起動及び始動時自己診断・・・・[5]
  •  4.5 HDSの検知及び反応時間・・・・[5]
  •  4.6 作動の確実さ・・・・[5]
  •  4.7 装置動作不能・・・・[5]
  •  4.8 物理環境及び作動条件・・・・[5]
  •  5 表示及び識別・・・・[6]
  •  6 取扱説明書・・・・[6]
  •  附属書A(参考)HDS及びVAの選定・・・・[7]
  •  附属書B(規定)監視カメラ(CCTV)−性能要求事項及び試験に関する追補事項 11附属書C(規定)レーダ検出装置の試験手順・・・・[16]
  •  附属書D(規定)超音波検知装置の試験手順・・・・[21]
  •  附属書E(規定)超音波トランスポンダ装置の試験手順・・・・[28]
  •  附属書F(参考)高周波(RF)無線トランスポンダ装置[電磁(EM)無線通信機]の試験手順・・・・[35]

――――― (pdf 一覧ページ番号 1) ―――――

A 8338 : 2011 (ISO 16001 : 2008)

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本建設機械化協会(JCMA)及び
財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,
日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

――――― (pdf 一覧ページ番号 2) ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
                                                                              A 8338 : 2011
                                                                            (ISO 16001 : 2008)

土工機械−危険検知装置及び視覚補助装置−性能要求事項及び試験

Earth-moving machinery-Hazard detection systems and visual aids- Performance requirements and tests

序文

  この規格は,2008年に第1版として発行されたISO 16001を基に,技術的内容及び構成を変更すること
なく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
  なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

1 適用範囲

  この規格は,土工機械に使用する危険検知装置(以下,HDSという。)及び視覚補助装置(以下,VAと
いう。)の一般要求事項,性能評価方法及び性能試験方法について規定する。この規定には,次の事項を含
む。
− 検知領域内の人の検知
− 運転員への及び検知領域内の人への視覚及び聴覚警報
− 装置の動作信頼性
− 装置の(使用環境との)両立性及び使用環境仕様
  この規格は,JIS A 8308に規定する機械を対象とする。HDS及びVAは,例えば,人間工学的な考えか
ら頭部及び上体を頻繁に回すのを避けることによって直接視界の有効性が制限される場合には,運転員の
直接視界(JIS A 8311参照)若しくは鏡などを用いる間接視界(JIS A 8333の規格群参照)を増大させる
ために使用するか,又は危険検知のための追加手段を与えるために使用することができる。
    注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
          ISO 16001:2008,Earth-moving machinery−Hazard detection systems and visual aids−Performance
              requirements and tests(IDT)
            なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
          とを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
    JIS A 8308 土工機械−基本機種−用語
      注記 対応国際規格 : ISO 6165,Earth-moving machinery−Basic types−Identification and terms and
             definitions(MOD)

――――― [pdf 2] ―――――

A 8338 : 2011 (ISO 16001 : 2008)
    JIS A 8316 土工機械−電磁両立性(EMC)
      注記 対応国際規格 : ISO 13766,Earth-moving machinery−Electromagnetic compatibility(IDT)
    JIS A 8327 土工機械−機械装着前後進警笛−音響試験方法及び性能基準
      注記 対応国際規格 : ISO 9533,Earth-moving machinery−Machine-mounted forward and reverse audible
             warning alarm−Sound test method(IDT)
    ISO 6394,Earth-moving machinery−Determination of emission sound pressure level at operator's position−
        Stationary test conditions
    ISO 15998,Earth-moving machinery−Machine-control systems (MCS)   sing electronic components−
        Performance criteria and tests for functional safety

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
危険検知装置(hazard detection system)
HDS
  危険検知と運転員及び検知領域内の人への警告との両機能を備えた装置。
     注記 この装置は,一般的に検出機器,警報機器及び評価機器装置を含む。
3.1.1
検出機器(sensing device)
  検知領域内の被験体を検出するHDSの構成部品。
3.1.2
警報機器(warning device)
  視覚的及び/又は聴覚的信号で,運転員及び検知領域内にいる人に警報を出すHDSの構成部品。
3.1.3
評価機器(evaluation device)
  検出機器から送られてきた信号及び情報を分析し,その情報を警報機器に対応する信号に変換するHDS
の構成部品。
3.2
視覚補助装置(visual aid)
VA
  警報機能はなく,視覚情報を提供する装置。
    注記 この装置は,一般的にモニタ及びカメラを含む。
3.2.1
モニタ(monitor)
  検知領域の映像を画面上に映し出すVAの構成部品。
3.2.2
カメラ(camera)
  検知領域の映像をモニタに送るVAの構成部品。
3.3
検知領域(detection zone)

――――― [pdf 3] ―――――

                                                                   A 8338 : 2011 (ISO 16001 : 2008)
  HDSによって被験体が検知される領域,又はVAによって映し出される領域。
3.4
被験体(test body)
  検知領域の形状及び大きさを試験するために使用する人又は標準測定用人形体。
    注記 被験体は,試験対象の装置によって変えてもよい(附属書B附属書F参照)。
3.5
自己診断(self-testing)
  継続的に自己診断し,不具合があれば直ちに,聴覚及び/又は視覚で運転員に知らせる装置の機能。
3.6
検知時間(detection time)
  HDSが,検知領域内の被験体を検知し,信号出力を発生させるまでに要する時間。
3.7
待機(stand-by)
  HDS及びVAは作動しているが,警報機器又はモニタからの情報出力がない作動状態。
3.8
現場体制(job-site organization)
  機械と人との協働作業を管理する作業現場の規則及び手順。
    例 安全指示,通行規範,立入り禁止区域,運転員教育,機械又は車両の表示,情報伝達組織など。

4 性能要求事項及び試験

4.1 一般要求事項

4.1.1  検知領域の試験
  試験は,装置を機械又は模擬装置に取り付けて附属書B附属書Fに従って実施しなければならない。
4.1.2  被験体についての要求事項
  被験体の要求事項は,附属書B附属書Fによる。
4.1.3  環境条件
  試験は,次の環境条件の下で実施する。
− 温度(23 ℃±5 ℃)
− 相対湿度[(60±25)%]
  周囲の壁,試験用附属機器,及びその他の物体からの反射が,試験に影響しないようにしなければなら
ない(詳細は附属書B附属書Fを参照)。
4.1.4  試験結果の評価
4.1.4.1  検知
  検知は,連続的な信号又は情報によって,検知領域に対して適切に,かつ,曖昧さなく実施しなければ
ならない(詳細は附属書B附属書Fを参照)。
4.1.4.2  誤信号の評価
  例えば,次のような誤信号は,最小とするのがよい。
− 機械が傾斜路にさしかかったときの誤信号
− 検知領域の外にある物体からの誤信号
− 霧,雪,雨,風,ほこり(埃)などの気象条件下による誤信号

――――― [pdf 4] ―――――

A 8338 : 2011 (ISO 16001 : 2008)

4.2 HDSの機器及びVAの機器の配置及び取付け

  各機器は,当該装置の製造業者の仕様に従って次のように機械に取り付けて配置しなければならない。
− 機器は,機械のいかなる機能及び運転操作をも制約しないようにする。
− 機器は,外部から損傷を受けないよう保護する。
− 機器は,不正な機能の停止・取り外しされることのないように機器をしっかり取り付ける。
− 機器は,損傷を受けるおそれのある外部負荷,温度,衝撃,振動への暴露及びそれらの増幅を制約す
    るように取り付ける。
− HDS及びVAの機器の装着によって転倒時保護構造(ROPS)のような保護構造の健全性を損なわな
    いようにする。
− 機器は,意図した機能を維持できるように,地上又は整備用の足場から日常整備のために近づけるよ
    うに設計し,取り付ける。

4.3 運転席の機器

4.3.1  モニタの配置
  モニタは,運転員から見える位置に配置しなければならない。ただし,作業領域及び機械の作業装置へ
の運転員の視野を妨げてはならない。
  機械背後をモニタの範囲とするときは,装置は,モニタ上に鏡像を映す設定としなければならない。
  検知領域の最も遠い位置にいる人も見えるように,モニタは5 %点(percentile)にある人(JIS A 8315
参照)の背丈が画面上で7 mmになるように表示しなければならない。モニタは,運転員の視点から1.2 m
以内にあることが望ましい。モニタは,直射日光による画面反射のぎらつきが最小になるように配置する。
    例 モニタに映った人を検知する運転員の能力に影響を与える要因は,運転室内でのモニタ配置,運
        転員とモニタとの間の距離,モニタの大きさ,カメラのレンズ及びレンズでの周囲光線の状況及
        びレンズから当該物体までの距離である。
4.3.2  警報機器
  HDSには,聴覚警報機器及び視覚警報機器の両方が必要である。これらの警報機器は危険を運転員に警
報しなければならず,また,現場の作業者及びその他の人に警報してもよい。
4.3.2.1  聴覚警報機器
  運転席の警報機器は,機関を無負荷最大回転速度に設定(ハイアイドル/フルスロットル)したときの
機械が発生する周囲騒音レベルより3 dB高いレベルにあらかじめ設定又は自動調整しなければならない。
  運転室内の警報音は,運転席で明瞭に聞こえるものを選定するのがよい。警報音は,周波数500 Hz2 500
Hzの範囲内とするのがよい。
  運転室内の(危険検知の)警報音は,運転席の他の騒音(他の警報又は機械の騒音)と区別できなけれ
ばならない。
    注記 これは,警報の周波数分布特性と時間分布とを変えることによって達成できる(JIS A 8327参
          照)。
4.3.2.2  視覚警報機器
  HDSの状態を表示する緑色の表示灯は,装置に電源が入っており,機能中であることを運転員に示さな
ければならない。この表示灯は,継続的に点灯するか又は機能点検完了によって消灯するのがよい。
  運転室内の警報信号は,運転員から直接見えるように取り付け,その警報信号は直射日光の中でも見え
なければならない。警報信号は,他の計器盤の警報とはっきり区別できるもので,最も厳しい警報信号は
赤色の点滅灯でなければならない。

――――― [pdf 5] ―――――

                                                                   A 8338 : 2011 (ISO 16001 : 2008)
4.3.2.3  外部警報機器
  外部警報機器をHDSの一部として取り付けている場合は,外部警報機器はJIS A 8327に適合しなけれ
ばならない。
  外部視覚的警報を取り付けている場合は,それは検知領域内の人から見えなければならない。

4.4 装置の起動及び始動時自己診断

  装置は,(機械の)機関始動と同時に自動的に起動して始動時自己診断を行い,正しい機能表示をしなけ
ればならない。VAでは,検知領域の鮮明な画像がモニタ(の画面)に映るかどうかでこの診断とする。
  HDSの故障がある場合には,運転員への警報が出なければならない。
  装置は,機械動作モードが選択されるまで,待機モードになっていてもよい。
  複数のカメラ又は検出装置を取り付けている場合は,装置は機械走行方向に対して適切な向きのカメラ
又は検出装置を自動的に選択するようになっていなければならない。

4.5 HDSの検知及び反応時間

  HDSの検知及び反応時間は,起動後又は待機モードからの再始動後,300 ms(ミリセカンド)を超えて
はならない。装置の検知及び反応時間とは,運転員が装置の検知・反応に関連する機械を動作モードに選
択してから,装置が(検知領域内の)人を検知可能になるまでの時間である。

4.6 作動の確実さ

4.6.1  一般
  HDS及びVAの作動の確実さは,ISO 15998及びJIS A 8316に適合しなければならない。
4.6.2  継続的自己診断
  VAの監視機能は,検知領域の映像がモニタ上に映し出されればよい。HDSは,少なくとも次の事項を
含む永続的監視機能を備えていなければならない。
a) 作動表示灯(緑色)
b) 待機状態表示灯[だいだい(橙)色又は緑色の点滅灯]
c) 装置の作動に関わる全ての機械信号の監視を含むHDS内の各系統の監視に関わる装置の作動が損な
    われた場合は,故障を知らせる視覚信号及び聴覚信号。次の場合がある。
  − 断線
  − 回路短絡
  − 時間管理(該当する場合)
  − 信号出力,信号入力
  − 装置の診断

4.7 装置動作不能

  スイッチを切るだけで警報装置を動作不能にすることが可能であってはならない。警報装置の作動につ
いては,装置の信頼性に関わる動作を運転員によって簡単には変えられないように設計し,取り付けなけ
ればならない。例外は,附属書B附属書Fによる。

4.8 物理環境及び作動条件

  HDS及びVAは,物理環境及び作動条件に関して,次の項目以外はISO 15998の規定に適合しなければ
ならない。
− 温度 : −30 ℃+60 ℃
− 振動 : 5 Hzを超え100 Hzに至る範囲で−10 G(運転室内構成部品については4.5 G)
− 衝撃 : 外装部品については−10 G(運転室内構成部品については4.5 G)

――――― [pdf 6] ―――――

A 8338 : 2011 (ISO 16001 : 2008)
      注記 この意図は,温度,振動及び衝撃に関してISO 15988の要求事項を,すなわち進化した最新
            の技術として達成することである。

5 表示及び識別

  各装置には,次の事項を半永久的に判別可能なように表示する。
− 製造業者
− 機械の種類又は機種・形式
− 製造番号
− 必要に応じて,法令による表示

6 取扱説明書

  HDS及びVAには,その意図した用途のため,取付け方法,技術的及び安全上の説明を含む次の事項を
記載した取扱説明書を添えなければならない。
− 装置の機能の説明
− 性能及び作動限界,とりわけ取り付ける高さ及び角度の違いによる効果についての詳細記述
− 現場体制に対する情報
− 気象に関する限界
− 地形に関する限界
− 装置の保全要領
− 取付け位置を含む取付け方法及び組立方法
− 起動方法
− 制御についての説明
− 安全な作動についての説明
− 性能の検証についての説明
− 故障の場合の対応処置
− 他の構成部品との接続について(必要な場合)
− 例えば,電磁両立性(EMC)及び高周波などの規制に対する適合試験証明書(地域的規制機関から必
    要とされる場合)
− 形式認証が有効な国名(必要な場合)
− HDS及びVAの使用者による定期性能点検の推奨手順
− 電源についての要求事項

――――― [pdf 7] ―――――

                                                                   A 8338 : 2011 (ISO 16001 : 2008)
                                          附属書A
                                          (参考)
                                   HDS及びVAの選定
            A.1

序文

  運転員の直接視界及び間接視界を補完するために,HDS及びVAを使用する。HDS・VAの選定に当た
っては,運転員の必要情報及び対応能力を考慮するのがよい。運転員に求められる注意義務は多いので,
HDS・VAを選定するとき,どのような情報の形(視覚又は聴覚)にすれば危険源が発生したとき運転員
にとって最も有用であるかを慎重に考えるのがよい。視覚情報には見過ごされるリスクがある。聴覚情報
は,運転員の注意を引くが,あまりにも無用の警告が多いと無視されることもある。
  HDS・VAには,長所もあるが短所もあることに特に注意しなければならない。所要の検知領域に対し
て,全ての状況において,完全に機能する装置は存在しない。装置の使用者がHDS及びVAの欠点を認識
し,意識することは非常に重要なことである。しかしながら,それらの欠点の幾つかは,二つ以上の技術
を組み合わせることによって克服できる場合もある。幾つかの技術の長所・短所を表A.1に示す。
  基盤技術は,常に進歩している。将来の開発でその欠点の幾つかは対応がなされることもあり得る。
A.2 HDS及びVAの特性面からの考慮
A.2.1 一般
  HDS及びVAは,次に示す装置の特性,運用及び環境を考慮して選ぶのがよい。
A.2.2 運転員にとっての必要事項及び装置の使用に関する所要能力
  これらの必要事項については,例えば次のものがある。
− 誤警報の許容度
− 視覚装置を見る時間及び頻度
− 複数のHDS及びVAを使用する場合の情報過多の懸念
− 人間工学的要素,例えば,反応時間
− 訓練及び教育指導
− 運転員又は検知領域内にいる人にとって必要となる警報の種類
A.2.3 運用環境
  例えば,次の運用環境があり,また,その影響を受ける。
− 外部往来のある現場,混雑した現場及び制限のある現場
− 地形
− 例えば,粉じん(塵),水,明るさ,明暗の差
− 気候
− 他の機械,強い反射体又は放射体などの干渉源
A.2.4 機械特性
  例えば,次の機械特性がある。
− 検知領域
− 現場における機械動作及び使用の分析
− 適用し得る取付け部

――――― [pdf 8] ―――――

A 8338 : 2011 (ISO 16001 : 2008)
− 予期される動作速度
− 旋回半径
− 車体屈折の影響
− 停止距離
A.3 HDS及びVAの選定
  装置は,次の特性を考慮して選定するのがよい。
− 視覚による検知か,検知装置によるのか。
− 能動反応か,受動反応か。
− 視覚警報か,聴覚警報か,又は両方の警報か。
− 反応時間
− 検知領域
− 運用上の確実性
− 取付け部の保護
− 優先作動,消音化及び動作不能化についての要求事項
− 無用の警報
− 保守,整備及び清掃の要求
− 検知領域の定期的検証など性能点検の要求
                              表A.1−HDS及びVAの長所及び短所例
    技術        説明              長所                     短所                     範囲
 フレネル   厚さを減らすた通常の運転位置から  周囲端近くでは像がひず(歪)む。水平 : >90°
 レンズ     め,幾つかの同の視線より下の物体  外光によってレンズに光があふれる垂直 : 通常は2 m,
            心で輪帯状のレを見ることが可能。  ことがある。                    監視装置取付け位
            ンズで構成され                    外光源が必要。                  置による。
            たレンズ。                        像解釈及び距離判断が難しい。
 鏡         間接視野を得る整備が少なく,使い方十分な明るさが必要。            光学特性によって
            ための反射表  が簡単。            取付け方で性能に違いが出る。    遠距離になる可能
            面。                              機械的損傷が起こりやすい。      性はある。
 選択式外   警報装置を作動機械動作時に起動し,機械の走行経路上の歩行者が退避行音響出力,周波数,
 部警報     させるのに検知対象物を検知したと  動をすることに依存する。        取付け位置及び環
            装置を使用す  きにだけ警報を発す  音響の発生方向を判定するのは困難境特性によって変
            る。          る。                な可能性がある。                化する。
                                              複数の機械が近接作業しているとき
                                              は混乱を生じる懸念がある。
 超音波     対象の有無及び対象までの距離の正  時間遅れによって適用が低速車両に水平 : 最大6 m
            距離を反射波の確な検出。          制限される。
            到達時間によっLED及び聴覚信号の   気象条件によって性能に影響が出る
            て測定。      両方を運転員に提示。場合がある。
                                              後進速度10 km/hまでに限定される。
                                              機械の後方全域を対象範囲とするに
                                              は複数の検知装置が必要となる。
                                              地上からの取付け高さに制限がある。

――――― [pdf 9] ―――――

                                                                   A 8338 : 2011 (ISO 16001 : 2008)
                          表A.1−HDS及びVAの長所及び短所例(続き)
    技術        説明              長所                     短所                     範囲
 レーダ : 周 放射マイクロ波低価格。            静止目標の検知困難。            検知範囲に制限な
 波数固定   を発生し,移動ほとんどの危険源か  反射信号の強さだけによって距離をし。ただし“短所”
 ドップラ   目標物から反射らの良好な反射を得                                  参照。
                                              推測できる。そのため,ある感度で遠
            される。      る。                方の大きな目標物にも近傍の小さな設計によって160°
            目標物の動きはレーダ表面に付着の  目標物にも同等に反応する。      までの範囲を検知
            周波数の差異と汚れは無視できる。  フェールセーフ機能なし。        でき得る。
            して示される。雪・風・雨などに影響車両進路外の対象物も検知する。
                          されない。          移動している人しか検知できない。
                          目標物速度及び方向
                          検知するような設計
                          はあり得る。
 レーダ : 周 上記参照。ただ検知範囲を測定でき                                  検知範囲に制限な
                                              測定された検知範囲は,目標物全ての
 波数切換   し,発信されるる。                距離の加重平均である。          し。ただし“短所”
 ドップラ   周波数は二つ以ほとんどの危険源か                                  参照。
                                              そのため,遠方の大きな目標物によっ
            上の周波数を  らの良好な反射を得  て近傍の小さな目標物は目立たなく設計によっては
            次々に切り換える。                される。                        160°までの範囲を
            る。          レーダ表面に付着の  フェールセーフ機能なし。        検知でき得る。
                          汚れは無視できる。  車両進路外の対象物も検知する。
                          雪・風・雨などに影響
                          されない。
                          目標物速度及び方向
                          検知するような設計
                          はあり得る。
 レーダ : パ 対象物の有無及複数の対象物の距離  車両進路外の対象物も感知する。  範囲の制約はあり
 ルスレー   び距離を反射波を特定できる。                                      得る。
 ダ         の到達時間で測                                                    設計によっては
            定。                                                              160°までの範囲を
                                                                              検知でき得る。
 レーダ : 連 上記参照。ただ複数の対象物を広く  車両進路外の対象物も感知する。  制限なし。
 続波周波   し,伝達される特定できる。設計によ                                設計によって160°
 数変調     周波数は,低周って対象物の速度及                                  までの範囲を検知
 (FMCW)   波数から高周波び方向検知も可能。                                  でき得る。
 方式レー   数までを掃引往
 ダ         復する。
 監視カメ   広角レンズカメきず,汚れ,水に強い。                              水平 : 最大127°
                                              映像のひず(歪)みによって距離判定
 ラ(CCTV) ラ及び運転室内それほど明るくなく  が難しい。                      垂直 : 最大115°
            モニタを使用。ても有効。          カメラへの直射光によって視覚を阻
                                              害する。
                                              モニタ上への直射日光で画像の視認
                                              が妨げられる。
                                              日陰にある対象物の判別困難。
                                              カメラレンズに付着した泥及びほこ
                                              り(埃)によって画像にひずみを生じ
                                              るが,ワイパ/ウォッシャを組み込む
                                              ことによって対処できる。

――――― [pdf 10] ―――――

A 8338 : 2011 (ISO 16001 : 2008)
                          表A.1−HDS及びVAの長所及び短所例(続き)
   技術         説明             長所                      短所                     範囲
 赤外線 : 受 対象物からの放人と背景との違いを  汚れ,水,振動に弱い。          検出装置としての
 動         射による赤外線理想的に検知可能    距離測定不可。                  使い方には,制約が
            の差異を検出。                    遠方の高温の機械と近傍の人との区あるかもしれない。
                                              別ができない。                  “短所”参照。
 赤外線 : 能 対象物の有無及不明                不明                            不明
 動         び距離を反射波
            の到達時間で測
            定。
 接触       可動バンパによ簡単で,比較的低価  どの機械にも適切とはいえない。  装置寸法で定まる。
            ってスイッチ入格。                事前には検知しない。
            り後,制動装置                    歩行者保護のためには安全とは考え
            が起動。                          られていない。
                                              低速走行機械への使用にだけ適する。
 高周波     作業員又は他の両者へ相互警告。    タグがないものは監視不可。      全方向に20 mまで
 (RF)無線 危険源物体に取全方向を監視。                                      調整できる。
 トランス   り付けたタグと
 ポンダ     車両との間を無
            線高周波で相互
            交信する。
 レーザ     パルスレーザ及検知領域を正確に形  直射日光の干渉の懸念があり得る。最大実用範囲8 m,
            び回転鏡使用の成できる。                                          操作角度180°,
                                              濃い煙霧,又はもくもくと立ち上がる
            プログラム式ソ領域ごとに異なる機  煙が障害となり得る。            ビーム厚50 mm
            フトウェア装置能を付けられる(例え同波長で作動中の他レーザによって
                          ば,制動装置,警笛な警報が発生する場合もある。
                          どの作動)          レンズを頻繁に洗浄する必要がある。
                                              ダイオード寿命(約5年)も限定され
                                              る。
 超音波ト   車両に取り付け必要な検知範囲に合  応答装置を装着しないものは検知で最大検知範囲12 m
 ランスポ   た検知装置と作わせて調整できる。  きない。                        で1 m刻みで設定で
 ンダ       業員が身に付け車両運転員及び作業                                  きる。
            た応答装置との員の双方に直接警報                                  検知幅は送受信器
            間を複線の超音を送る。視覚警報と聴                                の選定による。例え
            波で交信する。覚警報とを運転員へ,                                ば送受信器の指向
                          聴覚警報を作業員へ                                  性は,20°,30°,
                          発信する。                                          40°及び60°の指
                                                                              向性にできる。
 色識別監   監視カメラの画両者へ相互警告。    カラータグのないものは監視不可。カメラレンズの包
 視カメラ   像分析で,作業カメラ視野内の監視。                                括角によって10 m
            員が身に付けた                                                    15 m。
            特定の色を検知
            する。

――――― [pdf 11] ―――――

                                                                   A 8338 : 2011 (ISO 16001 : 2008)
                                          附属書B
                                          (規定)
       監視カメラ(CCTV)−性能要求事項及び試験に関する追補事項
B.1   序文及び試験の目的
  この附属書は,土工機械に取り付けて使用する監視カメラ(CCTV)の性能を測定するための試験方法
について規定する。測定する性能項目は,次による。
a) 映像の画質を,試験体(B.2参照)の目盛に基づき,テレビ走査線の解像度として表す。
b) 最低解像度維持のための作動時照度の限度。
c) 装置の垂直視野及び水平視野。
d) 検知距離(4.3.1参照)。
e) 強い光を直接受けたときのマスキング。
f)  照度が急に変化したとき,装置が対応し終わるまでの所要時間。
  この試験には,カメラ位置の高さによる性能の違いの測定は含まれていない。この試験の性能基準は,
少なくも平均50 lx(ルクス),最低でも20 lxの照度の作動条件下で試験を行うことを想定している。
B.2   試験体
  ロタキン(Rotakin)被験体を使用する。
    注記 この被験体は,EN 50132-7:1996の附属書Aを参照。
B.3   試験領域
  室内試験では5 m×5 mの水平床面,屋外試験では30 m×8 mの水平領域。
B.4   試験環境
  視野に陰影部及び反射部のできない均一な照明状態でなければならない。
B.5   取付け及び設定
B.5.1 組立
  製造業者の指示どおりに監視カメラ(CCTV)を組み立てる。
B.5.2 位置決め及び配列
B.5.2.1 カメラ
  カメラは,被験体を水平に見るよう垂直に配置する。
B.5.2.2 被験体
  被験体は,直立させカメラの視野中心に向き合わせ,レンズ光軸に対し90°になるよう対向させる。
  特に指定のない限り,被験体の画像がモニタ画面の垂直視野いっぱいになるようにする。
B.5.2.3 モニタ
  モニタは,観察者が楽に見られる高さで,観察者に向けて据え付け,位置決め・配置し,ぎらつき及び
反射のないようにする。

――――― [pdf 12] ―――――

A 8338 : 2011 (ISO 16001 : 2008)
B.6   水平視野試験
B.6.1 照度
  照度は,50 lx(ルクス)を超え,50 000 lx未満とする。
B.6.2 試験手順
  モニタ画面の中央で,画面高さの25 %になるように被験体をカメラから離して配置する。カメラから被
験体位置までの距離を測定し記録する。被験体の画像の垂直中心線がモニタ画面の端にくるまで円弧に沿
って被験体を移動させ,その位置に印を付ける。
  モニタ画面の反対側についても同様の手順で被験体を移動させ,その位置に印を付ける。印を付けた2
点間の距離を測定し記録する。それから,三角法で左右方向の視野角を計算する。
B.7   垂直視野試験
B.7.1 照度
  照度は,50 lx(ルクス)を超え,50 000 lx未満とする。
B.7.2 試験手順
  カメラとモニタとを90°回転する。モニタ画面の中央で,画面高さの25 %になるように被験体をカメ
ラから離して配置する。カメラから被験体位置までの距離を測定し記録する。被験体の画像の垂直中心線
がモニタ画面の端にくるまで円弧に沿って被験体を移動させ,その位置に印を付ける。モニタ画面の反対
側についても同様の手順で被験体を移動させ,その位置に印を付ける。印を付けた2点間の距離を測定し
記録する。それから,三角法で左右方向の視野角を計算する。
B.8   検知距離
B.8.1 照度
  照度は,50 lx(ルクス)を超え,50 000 lx未満とする。
B.8.2 試験手順
  被験体の画像が画面上で7.0 mmの身長になる地点まで,被験体をカメラの光軸に沿って移動し配置す
る。その被験体の位置からカメラまでの距離を測定し記録する。
    注記 装置の有効作動範囲は,最低画面身長が7.0 mmを基にしている。これは,画面高さのほぼ10 %
          に当たり,視覚検知目的に適合すると一般的に考えられている数値である。
B.9   追加試験
B.9.1 装置解像度
B.9.1.1 照度
  照度は,20 lx(ルクス)を超え,200 lx未満とする。
B.9.1.2 試験手順
  被験体の画像がモニタ画面の中央において,モニタ画面中央高さの100 %になるように,被験体をカメ
ラから離して配置する。監視カメラ(CCTV)の解像度は,被験体上の尺度Hから尺度Aまでのうち,ど
こまで読み取ることができるかを判定し,記録する。
B.9.1.3 試験判定基準
  TV画像走査線200本又は同等レベル[B.1 a)参照]よりも高い解像度を実現しなければならない。

――――― [pdf 13] ―――――

                                                                   A 8338 : 2011 (ISO 16001 : 2008)
B.9.2 解像度への光の影響
B.9.2.1 試験手順
  製造業者の仕様に明記されている照度の最低から最高までの間の適切な数段階で,B.9.1.2の手順を繰り
返す。最低許容解像度が得られる照度を記録する。
B.9.2.2 試験判定基準
  仕様に示された照度範囲において,TV画像走査線200本又は同等レベル[B.1 a)参照]よりも高い解像
度を実現しなければならない。又は,仕様照度範囲を,TV画像走査線200本相当の解像度が得られるレ
ベルに下げなければならない。
B.9.3 画面端部でのひず(歪)み
B.9.3.1 照度
  照度は,50 lx(ルクス)を超え,50 000 lx未満とする。
B.9.3.2 試験手順
  被験体の画像がモニタ画面中央高さの25 %になるように,被験体をカメラから離して配置する。
  カメラからその被験体までの距離を測定し記録する。
  モニタ画面の端であると観察者が指摘する位置まで,円弧に沿って被験体を移動させ,そのときの画像
での被験体高さを測定し記録する。
B.9.3.3 試験判定基準
  画像での被験体高さ25 %は,画面の端部においても減寸が観察されてはならない。
B.9.4 画面端部での解像度
B.9.4.1 照度
  照度は,50 lx(ルクス)を超え,50 000 lx未満とする。
B.9.4.2 試験手順
  被験体の画像がモニタ画面の中央において,モニタ画面中央高さの100 %になるように,被験体を配置
する。
  被験体を画面の片側に移動させ,解像度を測定し記録する。
  被験体を180°回転させ,もう片側の画面端についても同様に解像度を測定し記録する。
B.9.4.3 試験判定基準
  TV画像走査線200本又は同等レベル[B.1 a)参照]よりも高い解像度を実現しなければならない。モニ
タ画面全域でその解像度が得られない場合には,その装置の視野は,上記の解像度が実現された角度を仕
様値としなければならない。
B.9.5 強い光による影響
B.9.5.1 照度
  試験は,屋外の直射日光の下で行う。
B.9.5.2 試験手順
  カメラを直接太陽に向け,モニタ上にマスキングを作り出す。
  被験体をカメラの直前に配置する。被験体の画像がマスキングで全体が覆われるまで,被験体をカメラ
から遠ざける。
  カメラから被験体までの距離及びマスキングの幅を測定し記録する。この測定は,被験体の肩位置で行
う。

――――― [pdf 14] ―――――

A 8338 : 2011 (ISO 16001 : 2008)
B.9.5.3 試験判定基準
  特に指定がない限り,マスキングの最大幅は画面可視幅の5 %以内でなければならない。
B.9.6 照度が急変したときの回復
B.9.6.1 照度
  被験体を,明るく照明された背景を背に高い位置に設置して,モニタ画面上の背景にはほぼ何も見えな
いようにする。
B.9.6.2 試験手順
  カメラを覆い5秒間そのままにしておく(被験体を光軸上に戻す。)。覆いを外す。被験体の輪郭がはっ
きり見えるようになるまでの所要時間を測定し記録する。
B.9.6.3 試験判定基準
  特に指定がない限り,回復時間は1.5秒以下でなければならない。
B.10 付加機能の試験
  モニタの鏡像・正像,昼光・夜光設定など,装置の付加機能があれば全てその作動を検証する。
    注記 システムによっては,前方使用・後方使用を切換できるものがある。前方使用では,モニタ画
          像は,通常は正像に設定,後方使用で鏡像となる。前方使用及び後方使用の二つのカメラが一
          つのモニタに接続している場合は,正像と鏡像との自動切換が要求されることがある。
B.11 記録
B.11.1 情報
  試験実施の監視カメラ(CCTV)について,次の情報を記録する。
− モニタ及びカメラの技術仕様
− ケーブルの長さ
− 形式番号
− 製造番号
− 試験日
B.11.2 試験値
  B.6,B.7及びB.8の各試験から得た試験値は,図B.1及び図B.2に示すように記録する。
B.11.3 実測値
  B.9の試験の実測値を,対応する試験判定基準とともに記録する。
B.11.4 付加機能の性能
  B.10の試験で評価した付加機能の性能について,機能ごとに合否判定結果を記録する。

JIS A 8338:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 16001:2008(IDT)

JIS A 8338:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 8338:2011の関連規格と引用規格一覧