JIS B 0149:1990 規格概要
この規格 B0149は、往復動内燃機関によって駆動される発電セットのうち,往復動内燃機関に関する用語及び定義について規定。
JISB0149 規格全文情報
- 規格番号
- JIS B0149
- 規格名称
- エンジン駆動発電セット用語
- 規格名称英語訳
- Glossary of terms and definitions of engine -- Driven generating sets
- 制定年月日
- 1990年3月1日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 01.040.29, 29.160.20
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1990-03-01 制定日, 1995-06-01 確認日, 2001-08-20 確認日, 2006-10-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS B 0149:1990 PDF [11]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
B 0149-1990
エンジン駆動発電セット用語
Glossary of Terms and Definitions of Engine− Driven Generating Sets
1. 適用範囲 この規格は,往復動内燃機関によって駆動される発電セットのうち,主として往復動内燃
機関(以下,機関という。)に関する用語及び定義について規定する。
引用規格 :
JIS B 0110 往復動内燃機関用語(附属装置)
JIS B 8002 往復動内燃機関の性能試験方法通則
2. 分類 用語は,次のとおり分類する。
(1) 一般
(2) 設置及び支持方式
(3) 機関と発電機との接続方法
(4) 運転特性
(5) 出力
(6) 回転速度
(7) 負荷
(8) 調速
(9) 発電セットの機関制御
(10) 始動特性
(11) 電力
(12) その他
3. 用語及び定義 用語及び定義は,次のとおりとする。
なお,参考のために,対応英語を示す。
備考1. 用語に丸括弧を付けてある部分は,紛らわしくない場合は省略してもよい。
2. 用語の下に丸括弧を付けて示す仮名書(漢字・欧字に対する)は,読み方を示す。
3. 二つ以上の用語を付記してある場合は,上位の用語を優先的に使用する。
――――― [JIS B 0149 pdf 1] ―――――
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B 0149-1990
(1) 一般
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1.1 発電セット generating sets
機械エネルギーを発生する機関,機械エネルギ
ーを電気エネルギーに変換する発電機並びに
エネルギーを伝達及び制御する部分(例えば,
継手,歯車装置,制御装置,配線など)によっ
て構成されるセット。場合によっては,軸受及
び据付部品を含む。
1.1.1 補機一体形発電セット generating sets with dependent
発電セットに使用される補機が,機関出力の一
部によって直接駆動されて一体構造となってauxiliaries
いる発電セット。
1.1.2 補機分離形発電セット generating sets with independent
発電セットに使用される補機が,機関とは別に
独立して駆動されている構造の発電セット。auxiliaries
1.2 発電所 power station
発電セット及びそれに附属する装置並びに関
連する制御装置を総括したもの。建物周囲の遮
へい物,天候に対する保護用特殊装置を含む。
(2) 設置及び支持方式
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2.1 設置方式 発電セットを設置する方式。 installation configuration
2.1.1 定置式セット 固定据付となった発電セット。 fixed type sets
2.1.2 移動式セット mobile type sets
移動できる車輪付及び専用の車両に搭載され
た発電セット。
2.1.3 可搬式セット 定置式及び移動式を除くその他の発電セット。 transportable type sets
2.1.3.1 携帯式セット 可搬式の中で携帯用の小形の発電セット。 portable type sets
2.2 支持方式 発電セットが支持される方式。 type of mounting
2.2.1 固定支持方式 直接に支持される方式。 rigid mounting type
2.2.2 弾性支持方式 振動対策として弾性的に支持される方式。 resilient mounting type
2.2.2.1 完全弾性支持方式 fully resilient mounting type
台板又は基礎の上に機関及び発電機を弾性支
持している方式。
2.2.2.2 半弾性支持方式 semi-resilient mounting type
機関は台板又は基礎の上に防振支持され,発電
機は振動防止のための構成部品とともに固定
支持される方式。
2.3 台板構造 発電セットが据え付けられている土台の構造。 set configurations
(だいばんこうぞう)
2.3.1 共通台板なし 機関と発電機とに共通の台板のないもの。set without base-frame
2.3.2 共通台板付 機関と発電機とに共通の台板のあるもの。 set with base-frame
2.3.2.1 共通台板付発電セット set with base-frame & integrally
共通台板に取り付けられた発電セットで,さら
に制御装置及び附属装置も同一の台板に据えmounted
付けた発電セット。
2.4 設置場所 発電セットが設置される場所の状況。 installation features
2.4.1 屋内設置 inside installation
天候の影響を直接受けない場所に据え付けら
れること。
備考 この場合は,室温の最高及び最低温
度に対する考慮が必要である。
2.4.2 屋外設置 outside installation
完全に天候の影響にさらされた屋外に据え付
けられること。
2.4.3 エンクロウジャ設置 enclosure installation
屋内,屋外を問わず天候又は騒音対策として遮
へいされること。
――――― [JIS B 0149 pdf 2] ―――――
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B 0149-1990
(3) 機関と発電機との接続方法
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3.1 継手方式 機関と発電機とを接続する方式。 coupling arrangement
3.1.1 固定継手方式 機関の軸と発電機の軸とを固定する方式。 rigid coupling
3.1.2 弾性継手方式 flexible coupling
機関の軸と発電機の軸とを弾性的に接続する
方式。
3.2 組立方式 機関本体と発電機本体とを結合する方式。assembly arrangement
3.2.1 フランジハウジング付 assembly arrangement with flange
機関本体と発電機本体とがフランジ形式で結
合される方式。 -housing
3.2.2 assembly arrangement without
フランジハウジングなし 機関本体と発電機本体とが切離された状態で
結合される方式。 flange-housing
(4) 運転特性
番号 用語 定義 対応英語(参考)
4.1 運転モード 発電セットの運転に要求される条件。 modes of operation
4.1.1 連続運転 運転時間に制限がない発電セットの運転。continuous operation
4.1.2 時間制限運転 limited time running operation
運転時間に制限がある場合の発電セットの運
転。
4.2 発電モード 発電セットに要求される電力側の条件。 modes of power generation
4.2.1 常用発電 常時連続運転を要求される場合の発電。 continuous power generating
4.2.2 ピークカット用発電 peak-cut power generating
電力需要に合わせ,ある所要の期間連続運転を
要求される場合の発電。
4.2.3 非常用発電 emergency power generating
火災その他非常事態に対応して必要な電力を
供給する場合の発電。
4.3 運転条件 運転に際し,供給電源としての条件。 operating conditions
4.3.1 単機運転 single operation
1台の発電セットで専用電源として稼動する場
合。
備考 専用電源とは,外部電源からの電力
の供給がない場合をいう。
4.3.2 並列運転 parallel operation
2台以上の発電セットを電気的に接続して,共
通の負荷に電力を供給する場合。
4.3.3 系統連系運転 parallel operation with mains
発電セットを商用電源と電気的に接続して,共
通の負荷に電力を供給する場合。
4.4 電力中断時の発電特性 generating behaviour in case of
停電に対応する機関の始動に対する電力側の
要求条件。 interrupted power supply
4.4.1 始動立上り時間規定がな generating sets with no specified
発電セットとして運転される条件の下で電力
い発電セット が必要となってから利用できるようになるま start-up time
での時間について規定されていない発電セッ
ト。
4.4.2 始動立上り時間規定があ generating sets with a specified
他電源からの供給電力が停止してから,発電セ
る発電セット ットが利用できるようになるまでの時間が規 start-up time
定される発電セット。
備考 この場合始動は,一般に自動始動で
ある。
4.4.2.1 長時間中断発電セット long break set
他電源からの供給電力が停止してから,発電セ
ットが利用されるまで,かなりの時間が許容さ
れる発電セット。
――――― [JIS B 0149 pdf 3] ―――――
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B 0149-1990
番号 用語 定義 対応英語(参考)
4.4.2.2 短時間中断発電セット short break set
他電源からの供給電力が停止した場合,必要な
切換操作が行われる極めて短時間の間に発電
セットによって電力の供給を行う発電セット。
電気機械の回転の継続は,貯えられた機械エネ
ルギー又は電気エネルギーによって賄われる。
備考 周波数のずれに対する許容値は,受
渡当事者間の協議で定める。
4.4.2.3 電力中断がない発電セッ no break set
他電源からの供給電力が停止しても,電力供給
ト が中断されることなく完全に行われる発電セ
ット。
備考 周波数のずれの許容値については,
受渡当事者間の合意で定める。
(5) 出力
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5.1 出力の種類 機関製造業者が定める出力の種類。 kinds of declared power
5.1.1 発電セット出力 力率を考慮した発電セットとしての発生電力。 generating set power
5.1.1.1 定格出力 declared power
発電セットの製造業者が定める運転状態で引
き渡す場合の発電セット端子における出力。単
位は,kVAで表す。
備考 特別な規定がなければ,力率0.8と
してkWで表示してもよい。
5.1.1.2 連続出力 continuous power
発電セットとして,規定の整備間隔及び大気条
件の下で,年間運転時間に制限がなく連続して
出し得る出力。
備考 保全は,製造業者が定めたとおり実
施される場合とする。
5.1.1.3 プライム出力 prime power
規定の整備間隔及び大気条件の下で,年間運転
時間に制限がなく,かつ出力が変動する状態で
出すことができる最高出力。
備考 保全は,製造業者によって定められ
たとおり実施される場合とし,24時
間を通しての許容平均出力は,機関
製造業者が指定するプライム出力
の比率を超えてはならない。許容平
均出力を定める場合に,プライム出
力の30%以下の負荷は30%として
計算し,停止時間は計算に入れな
い。
5.1.1.4 制限時間出力 limited time running power
規定の整備間隔及び大気条件の下で,発電機が
熱的に安定な状態に達するまで,十分な時間を
取ることを条件として,年間500時間,連続運
転は最大300時間まで出力を供給できる最高
出力。
備考 保全は,製造業者によって定められ
たとおり実施されるもの。
5.1.2 機関軸出力 機関の動力取出し軸における出力。 engine power
――――― [JIS B 0149 pdf 4] ―――――
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B 0149-1990
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5.1.2.1 ISO標準出力 ISO standard power
機関製造業者が指定する所定の整備間隔の期
間,次の条件で出すことができる連続正味軸出
力。
(a) 機関製造業者の運転台の諸条件及び指定
された回転速度。
(b) 標準大気条件に修正又は調整した出力。
(c) 機関製造業者によって指定された保全条
件。
5.1.2.2 サービス出力 service power
個別の用途−設置場所の条件−に対し,交流発
電機を主要な独立補機とともに駆動し,発電セ
ットの定格出力を出すのに必要な機関出力。接
続された負荷に対し,連続して電力の供給を確
保するためには,機関で駆動する発電セットの
最大負荷は,サービス出力より大きくないこと
が必要。発電セットを駆動する機関は,いかな
る過負荷時の負荷の要求にも対応できる付加
出力分の余裕をもつ必要がある。JIS B 8002(往
復動内燃機関の性能試験方法通則)で規定され
る過負荷出力は,この対象として利用できると
考えてはならない。
5.1.2.3 修正出力 corrected power
ある大気条件で定められた機関出力を,機関に
対するいかなる調整も行わないで,他の大気条
件の下での出力に修正された出力。
5.1.2.4 調整出力 adjusted power
ある大気条件で定められた機関出力を,他の大
気条件に合わせた機関の調整によって得られ
た機関の出力。
(6) 回転速度
番号 用語 定義 対応英語(参考)
6.1 定格回転速度 機関の定格出力における機関の回転速度。 declared speed
備考 発電セットの定格周波数に対応す
る。
6.2 無負荷回転速度 no-load speed
定格回転速度の発電セットと同じ回転速度状
態における機関の無負荷整定回転速度。
6.3 部分負荷回転速度 partial-load speed
定格出力に対してある割合で運転中の機関の
安定状態における機関の回転速度。
6.4 lowest adjustable no-load speed
無負荷最低調整回転速度 調速機の速度設定機構によって得られる無負
荷の最低の整定回転速度。
6.5 highest adjustable no-load speed
無負荷最高調整回転速度 調速機の速度設定機構によって得られる無負
荷の最高の整定回転速度。
6.6 始動回転速度 firing speed
外部のエネルギー源を利用して停止状態にあ
る機関を自力運転可能にする回転速度。
6.7 最大許容回転速度 maximum permissible speed
速度制限の下,安全な状態で機関製造業者が安
全状態を保証する回転速度。
6.8 setting speed of over-speed limiting
過速度制限設定回転速度 ある速度を超えると,過速度制限装置が作動す
る回転速度。 device
6.9 operating speed of over-speed
過速度制限作動回転速度 過速度制限装置が定められた速度設定に対し
作動を始める回転速度。 limiting device
6.10 response time of over-speed
過速度制限装置応答時間 過速度制限装置の作動について信号を受けて
から作動を始めるまでの時間。 limiting device
――――― [JIS B 0149 pdf 5] ―――――
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JIS B 0149:1990の国際規格 ICS 分類一覧
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.29 : 電気工学(用語集)
JIS B 0149:1990の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0110:1999
- 往復動内燃機関―特殊項目用語
- JISB8002:1986
- 往復動内燃機関の性能試験方法通則