5
B 0153 : 2001
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1.34 コンプライアン 剛性の逆数。 compliance
ス
1.35 [単純曲げを受 はり(梁)の曲げ変形において,軸方向の応力が生じない面。neutral surface (of
けるはり(梁)の] a beam in simple
備考 中立面が曲げだけの結果か,又は曲げと他の荷重との組
中立面 合せの結果によるのかを示しておくべきである。 flexure)
1.36 [単純曲げを受 はり(梁)断面に現れる中立面の位置。 neutral axis (of a
けるはり(梁)の] beam in simple
中立軸 flexure)
1.37 (系の)伝達関数 系の出力(又は応答)と入力(又は励振)との数学的関係。transfer function
(of a system)
備考 通常,振動数の関数として与えられ,複素関数であるこ
とが多い[応答(1.17),伝達率(1.18),伝達インピーダン
ス(1.44) 及び周波数応答(B.13) 参照]。
1.38 複素励振 実部と虚部をもつ励振。 complex excitation
備考1. 複素励振及び複素応答の概念は,歴史的に計算を簡略
化するために導き出されてきたものである。実際の励
振及び応答は,複素励振と複素応答の実部である。も
し,系が線形ならば,重ね合わせの原理が成り立つの
で,この手法を適用できる。
2. 複素励振 (complex excitation) を複合振動 (complex
vibration)又は複雑な波形の振動による励振と混同すべ
きでない。この意味での“複合振動 (complex vibration)”
という用語の使用は,好ましくない[単振動 (2.3) の
備考2参照]。
1.39 複素応答 complex response
複素励振に対する線形系の応答[複素励振(1.38)の備考参照]。
備考 実部と虚部をもつ振幅を複素振幅 (complex amplitude)
といい,複素応答は,定量的に複素振幅で表される。
1.40 複素系のパラメ complex system
複素応答に対する複素励振の比,又はその比から導かれる複素量。
ータ parameter
備考 電気的及び機械的インピーダンスは,複素系のパラメー
タの例である。
1.41 インピーダンス impedance
(同じ単位系で)系の励振の応答に対する比。その両方とも複素量
で,その両方の偏角は,時間とともに直線的に同じ割合で増加する。
この用語は,線形系に対してだけ適用される[機械インピーダンス
(1.42)参照]。
備考1. この概念は,非線形系にも拡張され,増加インピーダ
ンス (incremental impedance) という用語が類似の量を
記述するために用いられる。
2. インピーダンスに関連する用語及び定義は,正弦振動
だけを受けている系に対し適用する。
1.42 機械インピーダ mechanical
単振動している機械系において,ある点の速度の複素振幅に対す
ンス る,同じ点又は異なる点に作用している力の複素振幅比。 impedance
備考 ねじれ機械インピーダンスの場合,“力”及び“速度”は,
それぞれ“トルク”及び“角速度”に置き換える。
1.43 自己インピーダ direct impedance ;
単振動している機械系において,ある点の速度に対する,同じ点に
ンス, driving-point
作用をしている力の複素振幅比[インピーダンス (1.41) 及び機械イ
駆動点インピー ンピーダンス (1.42) の備考参照]。 impedance
ダンス
1.44 伝達インピーダ transfer impedance
単振動しているある機械系において,ある点の速度に対する,異な
ンス る点に作用している力の複素振幅比[インピーダンス(1.41)及び機械
インピーダンス(1.42)の備考参照]。
――――― [JIS B 0153 pdf 6] ―――――
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B 0153 : 2001
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1.45 自由インピーダ free impedance
他の系へのすべての接続点が自由で,拘束力が作用しないとき,複
ンス 素励振力の速度複素振幅に対する比。自由インピーダンスは,モビ
リティマトリックスの単一要素の数学的逆数。
備考1. 古くは,固定インピーダンスと自由インピーダンスと
を区別しないことが多かった。このため古い資料を解
釈するときは注意が必要である。
2. 実験的に決定された自由インピーダンスをマトリック
スに組み込むことはできるが,このマトリックスは,
構造の数学的モデルから生じる固定インピーダンスマ
トリックスとは全く違うものである。したがって,こ
のマトリックスを系全体の理論解析の際に機械インピ
ーダンスとして用いることはできない。
1.46 負荷時インピー loaded impedance
変換器の負荷時電気的インピーダンス,又は構造物の負荷時駆動点
ダンス 機械インピーダンス。これらは,出力側に通常の負荷,又は構造物
が接続されたときの入力側でのインピーダンスである。
1.47 固定インピーダ blocked impedance,
変換器の固定電気的インピーダンス,又は構造物の駆動点機械イン
ンス,Zij Zij
ピーダンス。これらは,出力側が無限の機械インピーダンスをもつ
負荷に接続されたときの入力側のインピーダンスである。
備考1. 固定インピーダンスは,j点に加えられた励振速度の複
素振幅に対するi点における固定,又は駆動点力応答
の複素振幅の比によって作られる周波数応答関数であ
る。このとき,構造物のほかのすべての測定点は,“固
定”すなわち速度0に拘束される。構造体の解析対象と
するすべての点を完全に拘束するのに必要なすべての
力とモーメントは,固定インピーダンスマトリックス
を得るために測定されなければならない。
2. 測定点の数又は場所のどんな変化も,すべての測定点
での固定インピーダンスを変化させる。
3. 構造物を質点,剛性及び減衰要素で数学的にモデル化
する場合,又は有限要素でモデル化する場合,固定イ
ンピーダンスが有効である。そのような数学的モデル
と実験的モビリティデータとを統合又は比較すると
き,解析的な固定インピーダンスマトリックスをモビ
リティマトリックスに,又はその逆に変換する必要が
ある。
――――― [JIS B 0153 pdf 7] ―――――
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B 0153 : 2001
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1.48 周波数応答関数 複素調和励振力の振幅に対する複素応答の比の周波数依存性。frequency-response
function
備考1. 周波数応答関数は,励振関数の形に依存しない線形動
的システムの特性である。励振は,時間的に調和,ラ
ンダム又は過渡的関数であり得る。ある励振によって
得られた実験結果は,別の励振に対する系の応答を予
測するのに使用される。
2. 系の線形性は,系のタイプ及び入力の大きさに依存し,
実際は近似に過ぎない。特に衝撃励振を適用する場合,
非線形の影響を避けるのに注意をはらうべきである。
非線形として知られている構造体(例えば,リベット
接合構造)は,衝撃励振で試験されるべきでなく,ま
た,そのような構造体の試験に対し,ランダム励振を
用いるときには十分な注意を払うべきである。
3. 運動が速度,加速度又は変位で表現されるとき,対応
する周波数応答関数の名称は,それぞれ,モビリティ,
アクセレランス及び動コンプライアンス,又はインピ
ーダンス,有効質量及び動剛性と呼ばれる(付表1参
照)。
1.49 解析周波数範囲 frequency range of
最低周波数から最高周波数までの範囲で,単位は,ヘルツで表す。
interest
例えば,モビリティデータは,一連の試験においてその範囲で取得
される。
1.50 (機械)モビリテ (mechanical)
単振動をする機械系のある点の速度の,その系の同じ点又は別の点
ィ,Yij に作用している力に対する複素振幅比。 mobility, Yij
備考1. 機械モビリティは,機械インピーダンスの逆数である。
2. モビリティは,点jにおける励振力の複素振幅に対す
る点iの速度応答の複素振幅比によって表される周波
数応答関数。ここで点j以外のすべての点は,構造体
を使用するための通常の支持以外に拘束されず,自由
に応答できる状態にある。典型的なプロットを付図1
に示す。
3. 速度応答は,並進,回転のどちらでも表され,対応す
る励振力は,並進力又はモーメントで表される。
4. 測定される速度応答が並進であり,外力が直線的に作
用するなら,モビリティの単位は,SI単位でm/N・sに
なる。
1.51 自己(機械)モビ direct (mechanical)
単振動をしている機械系で同一点における速度と力との複素振幅
リティ, 比。 mobility,
駆動点(機械)モ driving-point
備考1. 駆動点モビリティは,点jにおける励振力の複素振幅
ビリティ,Yjj に対する同じ点における速度応答の複素振幅の比を (mechanical)
m/N・sで表現した周波数応答関数である。ここで点jmobility, Yjj
以外のすべての点は,構造体を使用するための通常の
支持以外に拘束されず,自由に応答できる状態にある。
2. 用語“点”は,場所と方向を示す。用語“座標”も,“点”
と同じ意味で用いられる。
1.52 周波数平均モビ frequency-averaged
指定された周波数範囲で平均された点iでの励振力の大きさに対す
リティ量 mobility
る,同じ点での速度応答の大きさの比のrms値で,単位はm/N・s。
magnitude
――――― [JIS B 0153 pdf 8] ―――――
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B 0153 : 2001
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1.53 伝達(機械)モビ transfer
単振動をしている機械系のある点における力に対する同じ系の別
リティ の点での速度の複素振幅比。 (mechanical)
mobility
備考 伝達モビリティは,点jにおける励振力に対する点iにお
ける速度応答の複素振幅の比をm/N・sで表現した周波数
応答関数である。ここで点j以外のすべての点は,構造
体を使用するための通常の支持以外に拘束されず,自由
に応答できる状態にある。
1.54 動剛性, a) 動的な状態における,変位の変化に対する力の変化の比。 dynamic stiffness,
動こわさ, b) 単振動をしている状態で変位に対する力の複素振幅比。 dynamic elastic
動弾性係数, constant,
備考1. 動剛性は,ひずみ(振幅及びスペクトル),ひずみ速度,
動ばね定数,k* 温度,その他の条件に依存することがある。 dynamic spring
2. 次の式で表される線形並進1自由度系 constant, k*
d2x dx
m 2
c kx F
dt dt
において,x=xoe i F=F0e i 剛性k*は,次の
式に等しい。
F0 2
k* k m i c
x0
これらの式で,
m : 質量,x : 変位,t : 時間,c : 線形(粘性)減衰係数,k :
1 ,
剛性(弾性係数),F0 : 力振幅,e : 自然対数の底,i=
角振動数,x0 : 変位振幅
1.55 みかけの質量, 単振動において加速度に対する力の複素振幅比。 apparent mass,
有効質量 effective mass
備考 加速度に対する力の比は,加速度がgで与えられるとき,
有効重量又は有効荷重と呼ばれることもある。
1.56 スペクトル ある量の周波数又は波長の関数としての記述。 spectrum
備考 スペクトルという用語は,通常広範囲にわたり連続する
成分を示すのに使用される(例えば,音響周波数スペク
トル)。
――――― [JIS B 0153 pdf 9] ―――――
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B 0153 : 2001
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1.57 (ある量の)レベ level (of a quantity)
ある量の同種の基準量に対する比の対数。対数の底,基準量及びレ
ル ベルの種類を表示する必要がある。
備考1. 一般に使用されるレベルの種類の例として,電気パワ
ーレベル,音圧レベル,電圧の二乗などがある。
2. この国際基準で定義するレベルは,基準量に対する比
が対数の底と等しいときを基準比と呼び,これの対数
を単位として測定されている。
3. この定義を数式化すると
q
L logr
q0
ここに,
L : log r rを単位として測定されるレベル
r : 対数の底であり基準比である。
q : 対象とする量
qO : 同じ種類の基準量
4. q1とq2の二つのレベルの差は,対数の定理から基準値
が相殺され,次の式のように同じ式で表される。
q1 q2 q1
logr logr logr
q0 q0 q2
5. 振動用語では,レベルという用語は,振幅,平均値,
rms値又はこれらの値の比を示すことがあるが,このよ
うな使い方は,好ましくない。
1.58 ベル bel
対数の底が10のときのレベルの単位。ベルの使用は,パワーに比
例した量のレベルに制限される[レベル(1.57)及びデシベル(1.59)の
備考参照]。
1.59 デシベル (dB) ベルの1/10。 decibel (dB)
備考1. デシベル単位のレベル量は,10を底にしたパワーに類
する量の比の対数を10倍したものである。すなわち,
X2 X
Lp 10 log10 20 log10
X20 X0
2. パワーに類する量として,音圧の二乗,粒子速度の二
乗,音の強さ,音響エネルギ密度,電圧の二乗などが
ある。このようにデシベルは,音圧の二乗のレベルの
単位であるが,短くしてもあいまいにならないので,
普通これを音圧レベルと呼んでいる。
b) 振動
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2.1 振動 vibration
機械系の運動又は位置を表す量の大きさが平均値又は基準値より
も大きい状態と小さい状態とを交互に繰り返す時間的変化[振動
(1.8)参照]。
2.2 周期振動 periodic vibration
独立変数が一定量増加するごとに同じ値を繰り返すような周期量。
備考1. 時間tの関数として示される周期量yは,次のように
表される。
y f (t) (tn )
ここに,
n : 整数, 定数,t : 独立変数
2. 準周期(概周期)振動は,周期振動からごくわずかだ
け逸脱する振動である。
――――― [JIS B 0153 pdf 10] ―――――
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JIS B 0153:2001の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 2041:1990(MOD)
JIS B 0153:2001の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.160 : 振動,衝撃及び振動の測定
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.17 : 度量衡及び測定.物理的現象(用語集)