JIS B 0190:2010 圧力容器の構造に関する共通用語 | ページ 2

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B 0190 : 2010
番号 用語 読み方 定義 対応英語(参考)
1139 運転サイクル うんてんさい operational cycle
運転によって初めの状態から新しい状態に移り,再
くる びサイクル開始時の状態に戻るまでの周期。運転サ
イクルには次の三つのサイクルが含まれている。
始動−停止サイクル 一つの極値が大気温度及び
大気圧力又はそのいずれかと等しく他の極値が正
常の運転状態であるようなサイクル。
正常の運転サイクル 始動及び停止の中間にあっ
て,目的を遂行するため容器に要求されるサイク
ル。
異常状態又は緊急状態のサイクル 設計上考慮し
なければならない異常状態又は緊急状態の発生及
びそれからの回復。
1140 設計荷重 せっけいかじ design load
構造計算又は応力解析に用いる荷重で,設計圧力を
ゅう 含む圧力及び他の機械的荷重など。
1141 試験荷重 しけんかじゅ test load
耐圧試験時に作用する荷重で,耐圧試験圧力を含む
う 圧力及び他の機械的荷重。
1142 運転荷重 うんてんかじ operating load
実際の運転状態における荷重で,圧力及び他の機械
ゅう 的荷重並びに熱的(定常及び非定常温度分布によ
る)荷重。
1143 運転荷重条件 うんてんかじ 運転荷重の変動幅,繰返し回数などの作用条件で, operating load
ゅうじょう 疲労解析における荷重条件として使用する。 condition
けん
1144 応力解析 おうりょくか stress analysis
公式によらない設計を行う目的で,ある条件下での
いせき 圧力容器各部に生じる応力を算出する方法。
1145 疲労解析 ひろうかいせ fatigue analysis
繰返し荷重によって疲労損傷を受けるおそれのあ
き る容器の設計の健全性を解析によって確認するた
めの手法。
1146 実験的解析 じっけんてき experimental analysis
応力解析の適用が困難な場合に,実際の機器及び模
かいせき 型に予想される荷重を加えて,応力を計測したり,
崩壊荷重を求めたりすることによって,新たに設計
する容器の強度評価を行う手法。
1147 簡易弾塑性解 かんいだんそ simplified
塑性解析の適用が実際的でない場合に,弾性解析の
析 せいかいせ elastic-plastic
結果を用いて安全側に塑性ひずみを算出する方法。
き analysis
1148 塑性解析 そせいかいせ 材料のひずみ硬化性を含む塑性的特性を考慮して, plastic analysis
き 応力,ひずみ,変形,崩壊荷重などを求める解析。
1149 塑性関節 そせいかんせ plastic hinge
極限解析で用いる理想化した概念で,材料をひずみ
つ 硬化がない弾完全塑性材と仮定し,部材のある断面
の領域が引張及び圧縮の降伏状態になり,部材がこ
の断面で外力に対して自由に回転できる状態。
1150 極限解析 きょくげんか limit analysis
塑性解析の一つで,材料の塑性的特性をひずみ硬化
いせき がない弾完全塑性として扱い,釣合いが不安定とな
る限界条件から崩壊荷重を求める解析。
1151 疲労強度減少 ひろうきょう fatigue strength
特定の繰返し回数における平滑材の疲労強度を,同
係数 どげんしょ じ繰返し回数における切欠き材の疲労強度で除しreduction factor
うけいすう た値。構造物の局部的な構造不連続では,切欠き効
果に起因して,その疲労強度が不連続のない場合に
比べて減少する。構造不連続部の疲労解析を行うと
きに用いる。

――――― [JIS B 0190 pdf 6] ―――――

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番号 用語 読み方 定義 対応英語(参考)
1152 応力集中係数 おうりょくし stress concentration
構造物の局部的な構造不連続部の最大応力を公称
ゅうちゅう factor
応力(構造上の不連続性がない部位における応力)
けいすう で除した値。構造不連続部の疲労解析を行うとき
に,疲労強度減少係数の代わりに算出した周囲の応
力に乗じる係数として用いる。
1153 設計疲労曲線 せっけいひろ design fatigue curve
設計上の疲労寿命を算定するために,繰返し応力強
うきょくせ さの振幅から許容できる繰返し回数を求めるため
ん の設計曲線。
1154 崩壊荷重 ほうかいかじ collapse load
構造物の変形が不都合に増加する状態に至るとき
ゅう の荷重。極限解析法によって求めた崩壊荷重は,ひ
ずみ硬化がない弾完全塑性材からなる構造物が保
持できる最大荷重で,この荷重で構造物の変形は無
制限に増加することになる。崩壊荷重は,塑性解析
法又は実験的解析法で求めた構造物の弾性変形の
割合を指定して定義することもある。
1155 熱応力ラチェ ねつおうりょ thermal stress
熱応力の変動によって,構造物に進行性の漸増非弾
ット くらちぇっ 性変形又はひずみが生じる現象。 ratcheting

1156 シェークダウ shakedown
弾性シェークダウンと塑性シェークダウンとがあ
ン る。弾性シェークダウンは,構造物が数サイクルの
荷重繰返しを受けた後に,最終的に弾性的挙動を示
す現象。塑性シェークダウンは,数サイクルの荷重
繰返しを受けた後に,最終的に応力−ひずみ関係が
閉じたループ曲線を描く現象。
1157 クリープ領域 くりーぷりょ creep range,
許容応力が材料のクリープ特性によって定まる温
ういき 度領域。 creep regime
1158 安全係数 あんぜんけい safety factor
材料と製品のばらつき,荷重及び応力推定の不確か
すう さなどに備えて,設計時に余裕をとるための係数。
圧力容器の構造においては,材料強度から許容応力
を決めるための係数のことを意味する場合が多い。
安全率ともいう。同じ意味で,設計係数を用いるこ
ともある。
1159 設計係数 せっけいけい design factor
材料と製品のばらつき,荷重及び応力推定の不確か
すう さなどに備えて,設計時に余裕をとるための係数。
圧力容器の構造においては,材料強度から許容応力
を決めるための係数のことを意味する場合が多い
が,設計時に余裕をとるための荷重倍数を意味する
こともある。
1160 構造上の不連 こうぞうじょ structural
構造物の形状が急激に変化している箇所で,応力及
続性 うのふれん びひずみ分布に影響を与える原因となるもの。 discontinuity
ぞくせい
1161 長手継手 ながてつぎて 円筒胴などにおいて胴の長さ方向の(溶接)継手。 longitudinal joint
(of shell)
1162 周継手 しゅうつぎて circumferential joint
円筒胴などにおいて胴の周方向の(溶接)継手。
(of shell)
1163 溶接継手効率 ようせつつぎ weld joint efficiency
溶接継手設計において,母材の強さから溶接継手の
てこうりつ 強さを求めるときに乗じる係数。仕上げの状態,非
破壊試験の有無及びその種類によって決まる1.00
以下の係数。

――――― [JIS B 0190 pdf 7] ―――――

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番号 用語 読み方 定義 対応英語(参考)
1164 鋳造品品質係 ちゅうぞうひ casting quality factor
鋳造品の許容応力を求めるときに乗じる係数。仕上
数 んひんしつ げの状態,非破壊試験の有無及びその種類によって
けいすう 決まる1.00以下の値。
1165 致死的物質 ちしてきぶっ lethal substance
有毒なガス又は液で,単独又は空気と混合し,極少
しつ 量のガス又は液の蒸気を吸い込んだときに生命に
危険を生じる物質。
b) 部材及び形状
番号 用語 読み方 定義 対応英語(参考)
2101 たて形容器 たてがたよう vertical vessel
胴の中心軸が鉛直となるように据え付ける圧力容
き 器。
2102 横置容器 よこおきよう horizontal vessel
胴の中心軸が水平となるように据え付ける圧力容
き 器。
2103 複合容器 ふくごうよう 2個以上の独立した圧力室をもつ圧力容器。 composited pressure
き vessel
2104 耐圧部 たいあつぶ pressure retaining
圧力容器を構成する部品のうち,圧力を保持し圧力
による荷重を受ける部分。 parts
2105 非耐圧部 ひたいあつぶ 耐圧部以外の構造部分。 nonpressure parts
2106 胴 どう shell
圧力容器の端部を除く主体部を構成する円筒形,円
すい形,球形などの部分。
2107 円筒胴 えんとうどう 円筒形の胴。 cylindrical shell
2108 円すい胴 えんすいどう 円すい形の胴。 conical shell
2109 球形胴 きゅうけいど 球形の胴。 spherical shell

2110 非円形胴 ひえんけいど 横断面が円形ではなく,多角形,だ円形などの胴。 noncircular shell

2111 鏡板 かがみいた head
圧力容器の端部又は中間間仕切りを形成する皿形
などの形状をした部分。単に鏡ともいう。
2112 皿形鏡板 さらがたかが 断面の形状が皿形をした鏡板。 torispherical head
みいた
2113 半だ円体形鏡 はんだえんた 断面の形状が半だ円形をした鏡板。 ellipsoidal head
板 いけいかが
みいた
2114 全半球形鏡板 ぜんはんきゅ 断面の形状が半球形をした鏡板。 hemispherical head
うけいかが
みいた
2115 円すい形鏡板 えんすいがた 円すいの形状をした鏡板。 conical head
かがみいた
2116 平鏡板 ひらかがみい flat head
全部又は中央の大部分が平板の形をした鏡板。

2117 ふた板 ふたいた cover plate
圧力を保持する目的で,開口部を閉鎖するために取
り付け,取り外すことのできるふた。
円すい胴の大径側の端部。
2118 (円すい胴の) (えんすいどう large end (of conical
大径端部 の)だいけい section)
たんぶ
円すい胴の小径側の端部。
2119 (円すい胴の) (えんすいどう small end (of conical
小径端部 の)しょうけ section)
いたんぶ

――――― [JIS B 0190 pdf 8] ―――――

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B 0190 : 2010
番号 用語 読み方 定義 対応英語(参考)
2120 (鏡板の)中高 (かがみいた 鏡板の凸側の面。 convex side (of head)
面 の)ちゅうこ
うめん
2121 (鏡板の)中低 (かがみいた 鏡板の凹側の面。 concave side
面 の)ちゅうて (of head)
いめん
2122 鏡板のフラン かがみいたの 鏡板の端部の円筒状の部分。 head flange,
ジ部 ふらんじぶ head skirt
2123 タンジェント tangent line
円筒胴と,隅に丸みのある鏡板又は円すい胴とを接
ライン 続した構造における曲がりの始まる線。
2124 ジャケット jacket
二重構造の容器で基本容器を覆った部分の容器。
2125 ドーム dome
内容物の分離などをするために,容器本体の上部に
突き出した分岐胴部。
2126 サンプ sump
内容物の分離などをするために容器本体の下部に
突き出した分岐胴部。
2127 強め輪 つよめわ stiffening ring
円筒胴,円すい胴などに,剛性を高めるために取り
付ける輪状の部材。
2128 (胴の)伸縮継 (どうの)しん expansion joint
伸縮を容易にして,胴に生じる熱応力を緩和するた
手 しゅくつぎ めに取り付ける胴の一部を構成する波形断面をも(of shell)
て つ輪状の部材。
2129 ライニング lining
容器の内面に,金属の薄板,ゴム,ガラスなどを内
張りすること,又は内張り。
2130 管板 かんばん tubesheet
熱交換器などで多数の管を溶接又は拡管などによ
って取り付ける板。“くだいた”ともいう。
2131 管穴 かんあな 管板に管を取り付けるためにあけた穴。 tube hole
2132 ステー stay
管板,平鏡板などに加わる荷重の一部又は全部を分
担する棒,管板などの強度部材。部材の形状によっ
て棒ステー,管ステー,ガセットステーなどという。
2133 仕切板 しきりいた 熱交換器などで各流路間を区切るための板。 pass partition plate
2134 穴 あな 圧力容器にあけた開口部。 opening,
hole
2135 マンホール 内部作業などのため,人が出入りする穴。 manhole
2136 知らせ穴 しらせあな telltale hole
胴板などの厚さの減少や,特定箇所の初期漏れを検
知するために外側から設けた穴。
2137 検査穴 けんさあな 内部点検のための穴。 inspection opening
2138 掃除穴 そうじあな 内部の掃除のための穴。 sweep hole,
hand hole
2139 のぞき窓 のぞきまど peep hole
運転時に内部点検をするために,ガラス板などを取
り付けた穴。

――――― [JIS B 0190 pdf 9] ―――――

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番号 用語 読み方 定義 対応英語(参考)
2140 ノズル, nozzle
圧力容器の胴,鏡板などに配管,計装品などを接続
(管台) (かんだい) するために設けた分岐部。
2141 ノズルネック, ノズルの胴部。 nozzle neck
(管台壁) (かんだいへ
き)
2142 強め材 つよめざい reinforcement
開口部などで,剛性を高めるために有効な部材。
2143 スタブエンド ルーズ形フランジ(ラップジョイント形フランジ) stub end
用のノズルの端部。
2144 (フランジの) フランジ背面の軸方向に設けられた突起部分。hub (of flange)
ハブ
2145 取付物 とりつけぶつ attachments
強め材,ラグ,支持構造物,ブラケットなど,圧力
容器に溶接又は植込みボルトなどで取り付けた部
品。
2146 当て板 あていた pad plate,
局部的に加わる応力を緩和するなどの目的で取付
wear plate
物,支持構造物などを設けた耐圧部に取り付ける
板。
2147 ラグ lug
容器のラダー,ダビット,保温材,内部部材などを
取り付けるための金具類。
2148 支持構造物 しじこうぞう 圧力容器を支持するための構造部分で,スカート, support structure
ぶつ サドル,レグ,ラグサポートなど。
2149 スカート たて形容器を円筒又は円すい状で支持する構造物。 skirt support
2150 サドル saddle support
横置容器を,その胴の約1/3以上を支持するための
くら(鞍)状の構造物。
2151 レグ leg support
たて形容器を支持するために,形鋼,管などで製作
した脚状の構造物。
2152 ラグサポート lug support
たて形容器を架構などに据え付けるために胴に設
けたラグ形式の支持構造物。
2153 ブラケット 容器に保温材などを取り付けるための取付物。bracket
2154 附属品 ふぞくひん auxiliaries
液面計,圧力計,温度計及びそれらに附属するバル
ブなどの部品。
2155 過圧防止安全 かあつぼうし pressure relief device
圧力容器の内圧(外圧)が所定の圧力を超えた場合
装置 あんぜんそ に,危険を防止するために自動的に直ちに所定の圧
うち 力以下にする装置。安全弁,逃し弁,破裂板,過圧
自動停止装置などがある。
2156 急速開閉ふた きゅうそくか quick opening closure
繰返し開閉を行うために,ふた板を急速に作動でき
装置 いへいふた る装置。
そうち

――――― [JIS B 0190 pdf 10] ―――――

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