この規格ページの目次
JIS B 0419:1991 規格概要
この規格 B0419は、図面指示を簡単にすることを意図し,個々に幾何公差の指示がない形体を規制するための三つの公差等級の普通公差(general geometrical toleraance)について規定。除去加工(removal of material)によって製作した形体に適用。
JISB0419 規格全文情報
- 規格番号
- JIS B0419
- 規格名称
- 普通公差―第2部 : 個々に公差の指示がない形体に対する幾何公差
- 規格名称英語訳
- General tolerances -- Part 2:Geometrical tolerances for features without individual tolerance indications
- 制定年月日
- 1991年2月1日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 2768-2:1989(IDT)
- 国際規格分類
ICS
- 17.040.10
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 機械計測 2021, 工具 2020, 製図 2020
- 改訂:履歴
- 1991-02-01 制定日, 1996-02-01 確認日, 2001-09-20 確認日, 2005-07-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS B 0419:1991 PDF [11]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
B 0419-1991
(ISO 2768-2 : 1989)
普通公差−第2部 : 個々に公差の指示がない形体に対する幾何公差
General tolerances−Part 2 : Geometrical tolerances for features without individual tolerance indications
日本工業規格(日本産業規格)としてのまえがき
この規格は,1989年第1版として発行されたISO 2768-2 (General tolerances−Part 2 : Geometrical tolerances
for features without individual tolerance indications) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更すること
なく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格の中で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
序文 すべての構成部品の形体は,常に寸法及び幾何形状をもっている。寸法の偏差及び幾何特性(形状,
姿勢及び位置)の偏差がある限界を超えると,部品の機能を損なうので,それらの偏差の制限を必要とす
る。
図面上の公差表示は,すべての形体の寸法と幾何特性の要素を確実に規制するために完全でなければなら
ない。すなわち,工場又は検査部門において,採否判定が暗黙の了解のもとに任されることがないように
しなければならない。
寸法及び幾何特性に対する普通公差の使用によって,この必要条件を満たしていることを確認する業務を
簡単にすることができる。
1. 適用範囲 この規格は,図面指示を簡単にすることを意図し,個々に幾何公差の指示がない形体を規
制するための三つの公差等級の普通幾何公差 (general geometrical tolerance) について規定する。
この規格は,主として除去加工 (removal of material) によって製作した形体に適用する。他の加工方法
によって製作した形体にこれを適用することができるが,通常の工場で得られる加工精度がこの規格に規
定された普通幾何公差内にあるかどうかについて確認することが必要である。
2. 一般事項 公差等級を選ぶ場合,個々の工場で通常に得られる加工精度を考慮しなければならない。
個々の形体に対して,より小さな公差が要求される場合,又はより大きな公差が許容され,かつ,それが
より経済的である場合には,そのような公差をISO 1101によって,直接指示するのがよい(附属書A.2
参照)。
参考 ISO 1101の規定内容は,JIS B 0021-1984(幾何公差の図示方法)と同等である。
この規格が6.に従って図面又は関連文書に引用されるときに,この規格による普通幾何公差を適用する。
――――― [JIS B 0419 pdf 1] ―――――
2
B 0419-1991 (ISO 2768-2 : 1989)
この普通幾何公差は,個々に幾何公差が指示されていない形体に適用する。
普通幾何公差は,円筒度,線の輪郭度,面の輪郭度,傾斜度,同軸度,位置度及び全振れを除くすべて
の幾何特性に適用する。
いずれにしても,この規格による普通幾何公差は,JIS B 0024による公差表示方式の基本原則が使用さ
れ,図面上に指示されたときに用いる(附属書B.1参照)。
3. 引用規格 次に掲げる国際規格は,この規格に引用されたことによって,この規格の規定を構成する。
出版の時点では,表示された版が有効である。すべての規格は,改正されるものであり,この規格に基づ
くことに合意した関係者は,次に列挙する規格の最新版を適用する可能性を調べることに努めるのがよい。
IEC及びISOの会員は,現行の国際規格の登録簿を維持管理している。
ISO 1101 : 1983 Technical drawings−Geometrical tolerancing−Tolerancing of form, orientation, location
and run-out−Generalities, definitions, symbols, indications on drawings
ISO 2768-1 : 1989 General tolerances−Part 1 : Tolerances for linear and angular dimensions without
individual tolerance indications
備考 JIS B 0405-1991(普通公差−第1部 : 個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対す
る公差)がこの国際規格と一致している。
ISO 5459 : 1981 Technical drawings−Geometrical tolerancing−Datums and datum-systems for geometrical
tolerances
ISO 8015 : 1985 Technical drawings−Fundamental tolerancing principle
備考 JIS B 0024-1988(製図−公差表示方式の基本原則)がこの国際規格と一致している。
4. 用語の定義 この規格の目的に対して,幾何公差の用語の定義は,ISO 1101及びISO 5459による。
参考 ISO 1101及びISO 5459の規定内容は,それぞれJIS B 0021-1984及びJIS B 0022-1984(幾何公
差のためのデータム)と同等である。
5. 普通幾何公差 (附属書B.1参照)
5.1 単独形体に対する普通公差
5.1.1 真直度及び平面度 真直度及び平面度の普通公差は,表1による。公差をこの表から選ぶときには,
真直度は該当する線の長さを,平面度は長方形の場合には長い方の辺の長さを,円形の場合には直径をそ
れぞれ基準とする。
表1 真直度及び平面度の普通公差
単位 mm
公差等級 呼び長さの区分
10以下 10を超え 30を超え 100を超え 300を超え 1 000を超え
30以下 100以下 300以下 1 000以下 3 000以下
真直度公差及び平面度公差
H 0.02 0.05 0.1 0.2 0.3 0.4
K 0.05 0.1 0.2 0.4 0.6 0.8
L 0.1 0.2 0.4 0.8 1.2 1.6
5.1.2 真円度 真円度の普通公差は直径の寸法公差の値に等しくとるが,表4の半径方向の円周振れ公差
の値を超えてはならない(附属書B.2の例参照)。
――――― [JIS B 0419 pdf 2] ―――――
3
B 0419-1991 (ISO 2768-2 : 1989)
5.1.3 円筒度 円筒度の普通公差は,規定しない。
備考1. 円筒度は,三つの構成要素,すなわち,真円度,真直度及び相対向する母線の平行度からな
る。これらの構成要素のそれぞれは,個々に指示した公差又はその普通公差によって規制さ
れる。
2. 機能的理由から,円筒度が真円度,真直度及び平行度の普通公差の複合効果(附属書B.3参
照)よりも小さくなければならない場合には,ISO 1101によって,個々に円筒度公差を対象
とする形体に指示するのがよい。
Eの指示が適切である。
場合によっては,(例えば,はめあいの場合には),包絡の条件
5.2 関連形体に対する普通公差
5.2.1 一般事項 5.2.25.2.6に規定する公差は,互いに関連する形体で,幾何公差が個々に指示されて
いないすべての形体に適用する。
5.2.2 平行度 平行度の普通公差は,寸法公差と平面度公差・真直度公差とのいずれか大きいほうの値に
等しくとる。二つの形体のうち長いほうをデータムとする。それらの形体が等しい呼び長さの場合には,
いずれの形体をデータムとしてもよい(附属書B.4参照)。
5.2.3 直角度 直角度の普通公差は,表2による。直角を形成する二辺のうち長い方の辺をデータムとす
る。二つの辺が等しい呼び長さの場合には,いずれの辺をデータムとしてもよい。
表2 直角度の普通公差
単位 mm
公差等級 短い方の辺の呼び長さの区分
100以下 100を超え 300を超え 1 000を超え
300以下 1 000以下 3 000以下
直角度公差
H 0.2 0.3 0.4 0.5
K 0.4 0.6 0.8 1
L 0.6 1 1.5 2
5.2.4 対称度 対称度の普通公差は,表3による。二つの形体のうち長いほうをデータムとする。これら
の形体が等しい呼び長さの場合には,いずれの形体をデータムとしてもよい。
備考 対称度の普通公差は,次の場合に適用する(附属書B.5の例参照)。
・ 少なくとも二つの形体の一つが中心平面をもつとき。
・ 二つの形体の軸線が互いに直角であるとき。
表3 対称度の普通公差
単位 mm
公差等級 呼び長さの区分
100以下 100を超え 300を超え 1 000を超え
300以下 1 000以下 3 000以下
対称度公差
H 0.5
K 0.6 0.8 1
L 0.6 1 1.5 2
5.2.5 同軸度 同軸度の普通公差は,規定しない。
備考 同軸度は,半径方向の円周振れが同軸度と真円度とからなるので,極端な場合には,表4に示
す円周振れ公差の値と同じ大きさでよい。
――――― [JIS B 0419 pdf 3] ―――――
4
B 0419-1991 (ISO 2768-2 : 1989)
5.2.6 円周振れ 円周振れ(半径方向,軸方向及び斜め法線方向)の普通公差は,表4による。
円周振れの普通公差に対しては,図面上に支持面が指定されている場合には,その面をデータムとする。
支持面が指定されていない場合には,半径方向の円周振れに対して,二つの形体のうち長いほうをデータ
ムとする。二つの形体の呼び長さが等しい場合には,いずれの形体をデータムとしてもよい。
表4 円周振れの普通公差
単位 mm
公差等級 円周振れ公差
H 0.1
K 0.2
L 0.5
6. 図面上の指示
6.1 この規格による普通公差を,JIS B 0405による普通公差とともに適用する場合には,次の事項を表
題欄の中又はその付近に指示する。
a) “JIS B 0419”
b) IS B 0405による公差等級
c) この規格による公差等級
例 JIS B 0419-mK
参考 ISO 2768-2では,“JIS B 0419”を“ISO 2768”と表示している。
この場合,暗示されてはいるが,角度数値が指示されていない直角 (90°) に対しては,JIS B 0405に
よる角度寸法に対する普通公差は適用しない。
6.2 普通寸法公差(公差等級m)を適用しない場合には,図面上に指示する表示からその記号を除く。
例 JIS B 0419-K
6.3 すべての単一のサイズ形体1) (feature of size) に包絡の条件
Eを適用する場合には,6.1に規定した表
示に記号“E”を追加する。
例 JIS B 0419-mK-E
備考 包絡の条件 Eは,形体の寸法公差よりも大きい真直度公差を個々に指示した形体,例えば,素
形材 (stock material) には適用できない。
7. 採否 特に明示した場合を除いて,普通幾何公差を超えた工作物でも,工作物の機能が損なわれない
場合には,自動的に不採用としてはならない(附属書A.4参照)。
1) この規格では,単一のサイズ形体は,一つの円筒面又は平行二平面からなるものとする。
――――― [JIS B 0419 pdf 4] ―――――
5
B 0419-1991 (ISO 2768-2 : 1989)
附属書A 幾何特性に対する普通公差表示方式の背景にある概念(参考)
A.1 普通公差は,本体6.に基づき,この規格を引用することによって,図面上に指示するのがよい。
普通公差の値は,工場の通常の加工精度の程度に対応したものであり,適切な公差等級を選び,図面上
に指示される。
A.2 工場の通常の加工精度に対応する公差値を超えて公差を大きくしても,通常,生産の経済性における
利益は得られない。いずれにしても,工場の機械及び普通の技能によれば,通常,大きな偏差をもつ形体
を製造することはない。例えば,JIS B 0419-mHに等しいか,又はそれより良い,通常の加工精度をもつ
工場で製造した長さ80mmで,直径25mm±0.1mmの形体は,幾何偏差が真円度に対しては0.1mm以内に,
母線の真直度に対しては0.1mm以内に,半径方向の円周振れに対しては0.1mm以内によく入っている(こ
れらの数値は,この規格から採用している)。より大きな公差を指示したとしても,その特定の工場に利益
をもたらすことはない。
しかし,機能的理由によって,形体に“普通公差”よりも小さい公差値を要求する場合には,その特定
の形体に対して,個々に隣接して,より小さな公差を指示する。この種の公差は,普通公差の適用範囲外
である。
形体の機能が普通公差の値に等しいか,又はそれより大きい幾何公差を許容する場合には,公差を個々
に指示しないで,本体6.に規定したように図面上に明示するのがよい。この種の公差は,普通幾何公差方
式の概念を最大限に使用できる。
機能が普通公差よりも大きな公差を許容し,かつ,より大きな公差が生産上の経済性をもたらす場合に
は,“規則の例外”がある。これらの特別な場合には,より大きな幾何公差をその特定の形体に隣接して個々
に指示するのがよい。例えば,大きい直径で薄いリングの真円度公差がその例である。
A.3 普通幾何公差の適用には,次の利点がある。
a) 図面が容易に読め,情報伝達が図面の使用者に,より効果的になる。
b) 製図者は,機能が普通公差と等しいか,又はそれより大きい公差を許容することだけを知れば十分で
あるので,詳細な公差の算定を避けることによって時間を節約できる。
c) 図面は,どの形体が通常の工程能力 (normal process capability) によって生産できるかを容易に指示で
き,それはまた,検査水準を下げることによって品質管理業務を助ける。
d) 個々に指示した幾何公差をもつ残りの形体は,大部分はその機能上相対的に小さい公差が要求され,
それゆえ製造において特別な努力が要求される形体を規制するものである。これは製造計画に役立ち,
検査要求事項を解析する際に品質管理業務に役立つものである。
e) 発注及び受注契約の技術者は,契約が成立する前に“工場の通常の加工精度”が分かるので,容易に
注文を取り決めることができる。これはまた,図面が完全であることを期待しているから,受渡当事
者間の引渡しにおいて,争いを避けることができる。
これらの利点は,普通公差を超えないという十分な信頼性があるとき,すなわち,特定の工場の通常の
加工精度が図面上に指示された普通公差に等しいか,又はそれより加工精度がよいときにだけ得られる。
そのためには,工場では次のことを行うのがよい。
・ 測定によって,工場の通常の加工精度をつかむ。
――――― [JIS B 0419 pdf 5] ―――――
次のページ PDF 6
JIS B 0419:1991の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 2768-2:1989(IDT)
JIS B 0419:1991の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.040 : 線及び角度の測定 > 17.040.10 : 許容限界及びはめ合い