JIS B 0955-1:2020 工作機械―環境評価―第1部:エネルギー効率の高い工作機械の設計手法 | ページ 5

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B 0955-1 : 2020 (ISO 14955-1 : 2017)
作機械の構成要素に特に注意して,個々の改善点を監視することができる。
結果を環境主張又は限定条件付き環境主張の形で報告する場合には,次の要求事項を満たさなければな
らない。
− 主張者は,その環境主張の検証に必要なデータの評価及び提供に責任を負わなければならない。
− 主張に先立って,その環境主張の検証のために必要な信頼性のある再現可能な結果を得るために,評
価措置を実施しなければならない。
詳細は,JIS Q 14021:2000を参照。特に比較主張の評価,方法の選択,情報へのアクセス(JIS Q 14021:2000
の6.参照),回収エネルギー(JIS Q 14021:2000の7.6参照),及び工作機械へ供給するエネルギーの節減
(JIS Q 14021:2000の7.9参照)に関して記載されている。
注記 工作機械及びその応用分野の中には,工作機械の構成要素に,温度制御された環境が必要にな
ることがある。場合によっては,閉ループプロセス制御を導入することによってこの要求事項
がなくなり,その結果として工作機械に供給されるエネルギーを測定することによって直接的
には考慮されない可能性のある環境エネルギーの節約となる。節約されるエネルギーは,工場
の立地場所及び地域の気候によって異なる。そのような場合に,引用されたエネルギーの数値
について過度に単純化された解釈を避けるために,適格性のある宣言を含めることは妥当であ
る。

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B 0955-1 : 2020 (ISO 14955-1 : 2017)
附属書A
(参考)
工作機械のエネルギー効率改善策一覧
表A.1は,工作機械のエネルギー効率を改善するための一覧である。この表に記載した改善策は,一般
にエネルギー効率を向上させるのに適している。ただし,それらを実装する場合は,与えられた状況,シ
ステム設計,使用される技術,及び調査中の工作機械の適用範囲内で考慮するのが望ましい。さらに,実
装の決定は,機能性,標準化,信頼性,コストなどの複数の基準を考慮するのがよい。
表A.1の“A”列の“○”は金属切削工作機械,“B”列の“○”は液圧プレス,“C”列の“○”は機械
サーボプレス及び機械プレス,並びに“D”列の“○”は木材加工機械(様々な木材加工機械の技術を考
慮している。)の適用可能性について示している。
表A.1−エネルギー効率の高い工作機械を設計するための改善策
A : 金属切削工作機械,B : 液圧プレス,C : 機械(サーボ)プレス,D : 木材加工機械
No. 改善策 説明 A B C D
1 機械全体の改善策
1-1 移動質量の最小化 ○
質量の加速に必要なエネルギーは,質量に比例する(E=1/2× ○ ○ ○
m×v2)。制動中に一部のエネルギーが回収されても,効率係数1
未満のエネルギーが供給され,回収される。加速に必要なエネル
ギーを削減する最も良い方法は,質量を減らすことである。
1-2 摩擦の低減 ○
摩擦の低減は,機械的摩耗の減少及び品質の向上を意味する ○ ○ ○
が,エネルギー削減につながるのが望ましい。種々ある軸受(転
がり軸受,滑り軸受,静圧軸受,磁気軸受)を選択するときは,
環境保護の側面も考慮する。
速度依存の摩擦を低減するときは,選択した駆動技術の特性に
基づいて最適化するのが望ましい。
1-3 機械全体の設計の最 ○
工作機械は,使用者の要求に従って設計するが,運転範囲が最 ○ ○ ○
適化 適作業条件で指定されているかどうかを確認する。サイズ,性能
などを過剰に増やさないようにする。
1-4 暖機運転なしに即時 自動温度補償の提供。 ○
加工を実行するため
の設計
1-5 工作物のクランプ ○
工作物をクランプしたままにするために必要なエネルギーを ○
なくすか,又は最小限に抑える。
1-6 工具のアンクランプ 工具のアンクランプに必要なエネルギーを最小化する。 ○ ○
1-7 複数の主軸又は複数 ○
用途に応じて,複数の主軸をもつ工作機械又は複数の工作物を ○
の工作物保持具をも 一度に搭載できる工作機械を検討する。1回限りの取付け,共有
った工作機械 している補助ユニット,及びより短い部品搬送時間は,独立した
工作機械と比較して,より高いエネルギー効率が得られる可能性
がある。
1-8 再クランプ回数の最 非生産時間を短縮すると,エネルギー効率が向上する。 ○ ○
小化
1-9 様々な加工技術の組 ○
1台の工作機械で,様々な加工方法を組み合わせて,1回限り ○
合せ の取付け及び調整を行うだけの場合は,結果として高品質・高生
産性が得られ,エネルギー効率が向上することになる(例えば,
旋削及びフライス削りの組合せ,フライス削り,中ぐり及びエッ
ジバンディングの組合せなどを検討する。)。

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表A.1−エネルギー効率の高い工作機械を設計するための改善策(続き)
A : 金属切削工作機械,B : 液圧プレス,C : 機械(サーボ)プレス,D : 木材加工機械
No. 改善策 説明 A B C D
1-10 軸クランプ ○
モータによる励磁ブレーキを使用する代わりに軸クランプを 〇
使用する。
1-11 長い軸 ○
ストロークが長くて重い軸は,ストロークを短くして高加速度 ○
に対応できるようにする。
1-12 生産性の向上 ○
使用(生産)していないか,又は生産性が低ければ,効率は下 ○
がる。例えば,切削パラメータを最適化することで生産性を最大
化する。
1-13 資源の消費を削減す ○
運転者が運転中断になることを予想したときに介入するよう ○ ○ ○
るために,使用者と に運転者に指示を与える。例えば,待機状態にするためのボタン
のやり取りを提供 を押すように指示する。
1-14 主軸回転中の工具交 ○
主軸の加減速を避けるため,主軸回転中の工具交換(例えば, ○
換 ボーリングヘッドの交換)を可能にすることを検討する(マシニ
ングセンタではかなり頻繁に工具を交換する。)。
1-15 工具交換を減らす ○
総型工具又は同一主軸(双主軸)に異なる工具を取り付けるこ ○
とを可能にすることを検討する。
1-16 垂直軸用のカウンタ ○
カウンタバランスシステムは,垂直方向の運動システムの位置 ○ ○ ○
バランスシステム エネルギーを減らす。加減速を更に減少させる(例えば,ばね形
式の取付けを検討する。)。
1-17 高効率ダイクッショ ダイクッションは,材料の流れを抑制するために必要である。 ○○
ン エネルギー効率が低いと,必要なエネルギーはほとんど熱に変換
される。
低エネルギー消費又は回生フィードバックのダイクッション
制御システムを使用して,熱に変換されるエネルギーを最小限に
する。
1-18 差動シリンダの回生 制御バルブにおける圧力低下の減少。 ○
回路を使用
1-19 金型クランプ 最適効率技術のクランプシステムを選ぶ。受動的なクランプシ ○○
ステム(例えば,ばねによるクランプ,電気式のクランプ,磁気
式のクランプの検討)を選定する。
1-20 ハンドリング技術 非生産時間及びセットアップ時間を最適化するために,ハンド ○○
リングロボット及び/又は自動ハンドリング装置を使用する。
2 送り駆動ユニット
2-1 インバータシステム ○
送りユニットは,ブレーキエネルギーを主電源にフィードバッ ○ ○ ○
の回生フィードバッ クすることができる。
ク[例えば,サーボ
モータ,主軸,アク
ティブ・フロント・
エンド(Active Front
End,AFE技術)]
2-2 モータ
2-2-1 省エネルギーモータ ○
IEC 60034-30規格群及びモータサイズ(IE/容量)に対応した ○ ○ ○
の使用 エネルギー効率をもつモータ又は可変リラクタンスモータを使
用する。
2-2-2 磁束制御の使用 ○
損失,例えば,非同期モータの損失を減らすために,磁束制御 ○
を使用する。

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表A.1−エネルギー効率の高い工作機械を設計するための改善策(続き)
A : 金属切削工作機械,B : 液圧プレス,C : 機械(サーボ)プレス,D : 木材加工機械
No. 改善策 説明 A B C D
2-3 高品質減速器の使用 − JIS B 1702規格群に規定する品質の円筒歯車対の使用 ○ ○ ○
− 低摩擦シールの使用
− 潤滑の最適化
2-4 運動しない送り軸に ○
パートプログラムの実行中に補間に関係しない送り軸の指令 ○
ブレーキを使用 を切り(パルスを停止),ブレーキを使ってクランプする。
2-5 高効率インバータ 高効率パワー素子を使ったインバータを使用する。 ○ ○ ○ ○
2-6 200 V系統の代わり ○
高電圧系統(例えば,400 V)は,抵抗損失の低減によって, ○
に,より高い電圧系 エネルギー効率を向上させることができる。
統(例えば,400 V)
(適用可能な場合)
2-7 異なるドライブ間で ○
DCリンク電圧を利用し,異なるドライブ間のエネルギーの均 ○
エネルギーのバラン 衡をとると送りユニットのサイズを小さくすることができる。
スをとるDCリンク
電圧
2-8 動的パラメータの最 ○
設定信号の加速度又は速度を制限する選択肢は,プロセスに従 ○ ○ ○
適化 ってモータ効率又は速度の最適化をより有効に活用することに
なる。この場合に,モータの過負荷能力(capability)は,活用し
ない。
2-9 モータ出力の最適化 ○
効率の最適値の近くで運転するモータを選択する。オーバサイ ○ ○ ○
ズ又は過負荷は,エネルギー損失を生む。
2-10 最も効率的な駆動シ 工作機械が最もよく作動する運転条件に対する最も効率的な ○ ○
ステムの提供 駆動システムを提供する。様々な形式の駆動システムのエネルギ
ー効率を比較する(例えば,サイクルタイムの短いプロセス用に
は直接駆動ポンプ,サイクルタイムの長いプロセス用には駆動を
検討する。)。3-1参照。
2-11 主要な軸に多圧力ア ○
多圧力(multi-pressure)アキュムレータシステムを使用すると,
キュムレータシステ アキュムレータとアクチュエータとの間の圧力低下を減らすこ
ムの使用 とができる。
2-12 主駆動用の直接エネ 直結式のエネルギー貯蔵駆動システムは,使用している主電動 ○
ルギー貯蔵駆動シス 機の出力を低減する可能性がある(例えば,フライホイールを検
テム 討する。)。
2-13 主駆動用の間接エネ パワーピークを下げるために,エネルギー貯蔵駆動システムを ○○
ルギー貯蔵駆動シス 使用する(例えば,電気的に結合されたフライホイール,コンデ
テム ンサバンクを検討する。)。
2-14 駆動のインテリジェ ○
駆動が必要でないとき,駆動のインテリジェント制御でエネル ○ ○ ○
ント制御 ギーの使用を遮断する(電動モータを検討)。
2-15 インバータシステム 適切なインバータを選ぶ,すなわち, ○ ○ ○ ○
の予備容量及び使用 − モータサイズに近いインバータを選定する。
者固有レイアウトの − オーバサイズは,エネルギー損失を発生する。
極小化
3 液圧システム
3-1 最適な駆動補助シス
テム(モータポンプ
システム)の選択
3-1-1 ○
機能又はシーケンスによっては,要求プロフィール(ポンプの ○ ○ ○
構成,例えば,高圧又は低圧,可変容量又は固定容量)に合致し
ているポンプシステムが必要になる。

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B 0955-1 : 2020 (ISO 14955-1 : 2017)
表A.1−エネルギー効率の高い工作機械を設計するための改善策(続き)
A : 金属切削工作機械,B : 液圧プレス,C : 機械(サーボ)プレス,D : 木材加工機械
No. 改善策 説明 A B C D
3-1-2 ○
負荷サイクル[間欠運転における一定速度,サーボモータ又は ○ ○ ○
非同期モータによる可変速度(極数変化,速度制御/調圧)]に
応じて電源を入れる。
3-1-3 ○
オーバサイズを避け,最適効率の範囲でポンプを運転するため ○ ○ ○
には,適切なサイズ及び形式のモータ及びポンプを選ぶ。
3-1-4 ○
ポンプ駆動と負荷サイクルとの間で,できるだけ最良のマッチ ○ ○ ○
ングを達成し,需要ピーク(潜在的な小型化)を補償するための
液圧エネルギーの一時的貯蔵を採用する(例えば,アキュムレー
タへの貯蔵を検討する。)。
3-1-5 ○
速度制御形ポンプ及び可変容量形ポンプは,制御バルブの代わ ○ ○ ○
りに可変速度で圧力制御を行うことができる。
3-2 圧力レベルを負荷サ
イクルに合わせ,か
つ,工作機械上の
様々なアクチュエー
タとも合わせる。
3-2-1 ○
可変容量形ポンプ,速度制御形ポンプ又はゼロ・プレッシャ ○ ○ ○
ー・サーキュレーション(zero-pressure circulation)を用いて圧力
調整を行う。
3-2-2 ○
同一圧力レベル(圧力低下損失なし)で運転するように設計さ ○ ○ ○
れたアクチュエータを使用する。
3-2-3 ○
圧力制御形駆動システム(例えば,可変速度駆動,圧力調整可 ○ ○ ○
能な可変容量形ポンプを検討)を使って圧力調整を行う。
3-2-4 ○
高圧力を必要とする個々のアクチュエータに対する増圧装置 ○ ○ ○
を使用する。
3-2-5 ○
安全規準を十分に考慮したオン/オフモード又は待機モード ○ ○ ○
を使用する。
3-3 液圧損失/漏れの低

3-3-1 ○
スロットル制御システムの代わりに容量制御システムを使用 ○ ○ ○
する。
3-3-2 ○
内部の漏れを低減(例えば,アキュムレータチャージユニット ○ ○ ○
又は液圧クランプ装置にシートバルブを検討)する。
3-3-3 液圧管路の設計を最適化し,液圧抵抗を低減する。 ○ ○ ○ ○
3-3-4 分散供給について検討する。 ○ ○ ○ ○
3-3-5 低パイロットオイル消費のパイロット操作バルブを使用する。 ○ ○ ○
3-3-6 低圧力低下のマニホールドを使用する。 ○ ○ ○ ○
3-4 管の寸法決定 ○ ○ ○ ○
配管(長さ,直径など)の設計を最適化し,流体抵抗を減らす。
管は,摩擦損失,すなわち,エネルギー損失を引き起こす。最
終的に,管は,圧力低下を引き起こし,工作機械のエネルギー効
率に負の影響を及ぼす。管及び継手の長さ,内径,流量,及び取
付け半径は,用途に合わせて最適化する。この要求事項について
は適用可能なところで,機能を識別し,説明する。
3-5 電磁操作弁のエネル
ギー効率の向上
3-5-1 ○
スイッチングの間だけ作動するパルスバルブ(デテント付き) ○ ○ ○
を使用する。

――――― [JIS B 0955-1 pdf 25] ―――――

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JIS B 0955-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 14955-1:2017(IDT)

JIS B 0955-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧