JIS B 1083:2008 ねじの締付け通則 | ページ 2

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B 1083 : 2008
1参照)(JIS B 1084)。
3.26
締付け特性値(tightening characteristics)
締付けに関与する変数(トルク係数,総合摩擦係数,ねじ面の摩擦係数,座面の摩擦係数,降伏締付け
軸力,降伏締付けトルク,締付け回転角,極限締付け軸力など)の値。
3.27
ボルトのばね定数(stiffness of bolt, spring constant of bolt)
ボルト・ナット結合体の座面に作用する引張力(軸力)の変化とボルトの軸方向変形量(伸び)との比。
3.28
被締結部材の圧縮ばね定数
(compressive stiffness of clamped parts, compressive spring constant of clamped parts)
被締結部材の座面に作用する圧縮力の変化と被締結部材座面間の軸方向変形量(縮み)との比。
3.29
スナグトルク(snag torque)
回転角締付け法において,座面を密着させるのに必要な締付けトルク。
図1−ボルトの伸びと締付け軸力との関係

――――― [JIS B 1083 pdf 6] ―――――

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4 記号及び意味

  この規格で用いる主な記号及びその意味は,表1による。
表1−記号及び意味
記号 意味
As ねじの有効断面積
Db 座面の摩擦に対する直径(計算値又は実測値)
Do ナット座面又はボルト頭部座面の外径,dw, min又はdk, min(製品規格参照)
d ねじの呼び径
d2 ねじの有効径の基準寸法
dAs ねじの有効断面積に等しい面積をもつ円の直径
dh ボルト穴径
F 初期締付け力又は締付け力
FA 目標締付け力
FH 設計段階で指示する締付け力の上限値
FL 設計段階で指示する締付け力の下限値
Fu 極限締付け軸力
Fy 降伏締付け軸力
K トルク係数
Kb ボルトのばね定数
Kc 被締結部材の圧縮ばね定数
P ねじのピッチ
Q 締付け係数
ReL ボルトの下降伏点
Rp0.2 ボルトの0.2 %耐力
T 締付けトルク
TA 目標締付けトルク
TS スナグトルク
Tb 座面トルク
Tth ねじ部トルク
Ty 降伏締付けトルク
η Θ−F線図における弾性域のこう配
Θ ボルト頭部とナットとの相対締付け回転角(単位 度)
ΘA 回転角法において,スナグ点を起点とした目標締付け回転角(単位 度)
Θu 回転角法において,極限締付け軸力の値に対応する,スナグ点を起点とした締付け回転角(単位 度)
Θy 回転角法において,降伏締付け軸力の値に対応する,スナグ点を起点とした締付け回転角(単位 度)
μb 座面の摩擦係数
μth ねじ面の摩擦係数

5 ねじ締付けの基礎

5.1 トルクと締付け力との関係

  弾性域締付けにおける締付けトルクと締付け力との関係は,次の式(1)による。
T Tth Tb K Fd (1)

――――― [JIS B 1083 pdf 7] ―――――

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ここに,
1 P
K 0.5 μb Db
0.577 μth d2 (2)
d 2π
P
Tth F 0.577 μth d2

(pdf 一覧ページ番号 )


F
Tb μb Db (4)
2
接触する座面が円環状の場合には,式(5)による。
Do dh
Db (5)
2
注記 ねじ面の摩擦係数μth及び座面の摩擦係数μbに対するトルク係数Kの計算例を,表A.1に示す。

5.2 締付け回転角と締付け力との関係

  締付け回転角と締付け力との関係が線形である場合,弾性域締付けにおける締付け回転角と締付け力と
の関係は,次の式(6)による。
F 1 1
Θ 360 (6)
P Kb Kc

5.3 降伏締付け軸力

  全断面が降伏するものとすれば,ボルトのねじ部が最弱断面である呼び径ボルト及び有効径ボルトの降
伏締付け軸力Fyは,式(7)によって求めた値になる。
σy As
Fy (7)
2
3 P
1 3 0.577 μth d2
dAs 2π
ここに, σy : ボルトの下降伏点ReLの最小値
又はボルトの0.2 %耐力Rp0.2の最小値
なお,ボルトの円筒部が最弱断面である伸びボルトの降伏締付け軸力は,式(7)を用い,式中のdAs 及び
Asをそれぞれ最弱断面の直径及び断面積に置き換えて求めた値になる。

5.4 降伏締付けトルク

  5.3の降伏締付け軸力に対応する降伏締付けトルクTyは,式(8)によって求めた値になる。
Ty KFy d (8)
注記 ねじ面の摩擦係数μthに対する降伏締付け軸力Fyの計算値を,表B.1に示す。

6 ねじの締付け管理方法

6.1 一般事項

  ねじ締結体に対する締付け管理方法の選択は,締付け方法個々の特性を十分に理解した上で,設計で指
示された初期締付け力のばらつきの許容範囲(締付け係数などで示される。),締付け力の大きさ,締付け
の領域などを基に行わなければならない。表2に代表的なねじ締付け管理方法,及びそれらを選択する目
安としての締付け力のばらつきの程度(Qで表す。)を示す。

――――― [JIS B 1083 pdf 8] ―――――

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表2−代表的なねじ締付け管理方法
締付け管理方法 締付け指標 締付けの領域 締付け係数
Q a)(参考値)
トルク法 締付けトルク 弾性域 1.43
回転角法 締付け回転角 弾性域 1.53
塑性域 1.2
トルクこう配法 締付け回転角に対する締付け 弾性限界 1.2
トルクのこう配
注a) 実際の締付け力のばらつきは,それぞれの締付け方法に関与する幾つかの固有
な因子によって大きく変化するために,その範囲を厳密に示すことはできない
(6.2.1,6.3.1及び6.4.1参照。)。

6.2 トルク法締付け

6.2.1  トルク法の特性
トルク法は,5.1に示した締付けトルクと締付け力との線形関係を利用した締付け管理方法である(図2
参照)。この方法は,締付け作業時に締付けトルクTだけを管理するために,特殊な締付け用具を必要と
しない作業性に優れた簡便な方法である。しかし,締付けトルクの90 %前後はねじ面及び座面の摩擦に
よって消費されるため,初期締付け力のばらつきは,締付け作業時の摩擦特性の管理の程度によって大き
く変化する。
図2−締付けトルクと締付け軸力との関係(トルク法締付け)
6.2.2 トルク法における締付け指標の目標値
トルク法における締付け指標の目標値(目標締付けトルクTA)を決める代表的な方法を,次に示す。
各締付け特性値を実験で求める場合には,JIS B 1084の箇条9(特定の条件での試験)に規定する特定
の条件での試験方法を適用し,試験条件が実際の状態と同じになるように管理する。

――――― [JIS B 1083 pdf 9] ―――――

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6.2.2.1 締付け力の下限値及び上限値が与えられている場合
設計段階で,締付け力の下限値(FL)及び上限値(FH)が示されている場合には,次の手順による。
a) 実験によってトルク係数を推定して求める場合
1) 各試料のトルク係数(K)をJIS B 1084に規定する方法で求め,統計的手法を用いて,トルク係数の最
小値(Kmin)及び最大値(Kmax)を推定する。
2) 締付け用具,締付け停止などによる締付けトルクのばらつき±δT % 1) を考慮し,KmaxとKminとの
比の値が式(9)の条件を満足するかどうかを確認する。
δT
1
Kmax 100
≦ Q (9)
Kmin δT
1
100
ここに,
FH
Q (10)
FL
式(9)の条件を満足しない場合には,例えば潤滑剤の種類を変更するなど,KmaxとKminとの比の値
を小さくする方策を取る。
注1) δTには,トルクレンチなどの目盛誤差が含まれているが,JIS B 4650では,トルクの誤差
率を±3 %(ダイヤル形の精密級では±1 %)としている。
3) 目標締付けトルクTAを,式(11)で求める。
Kmin FH d
TA (11)
δT
1
100
b) 既存のトルク係数のデータを利用して求める場合 ねじ部品及び被締結部材の表面状態・潤滑条件が
実際の状態と同じであるとみなされる場合には,既存のトルク係数のデータを利用することができる。
1) 既存のデータから,トルク係数の最小値(Kmin)及び最大値(Kmax)を見積もる。
2) 締付け用具,締付け停止などによる締付けトルクのばらつき±δT % 2) を考慮し,KmaxとKminとの
比の値が式(9)の条件を満足するかどうかを確認する。
式(9)の条件を満足しない場合には,例えばμth及びμbのばらつきが小さい種類の潤滑剤に変更す
るなどの方策を取る。
注2) 6.2.2.1 a) 2)の注1) を参照。
3) 目標締付けトルクTAを式(11)で求める。
c) 既存の摩擦係数のデータを利用して求める場合 ねじ部品及び被締結部材の表面状態及び潤滑条件が
実際の状態と同じであるとみなされる場合には,JIS B 1084に規定する方法で求めた摩擦係数のデー
タを利用することができる。
1) 座面の摩擦に対する直径DbをJIS B 1084に規定する方法で求める。
2) 既存のデータから,ねじ面の摩擦係数の最小値(μth, min)及び最大値(μth, max),並びに座面の摩擦係数の
最小値(μb, min)及び最大値(μb, max)を見積もる。
3) 式(12)及び式(13)によってトルク係数の最小値(Kmin)及び最大値(Kmax)を求める。

――――― [JIS B 1083 pdf 10] ―――――

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