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B 1083 : 2008
1 P
K min 0.5 μb, min Db
0.577 μth, min d2 (12)
d 2π
1 P
K max 0.5 μb, max Db
0.577 μth, max d2 (13)
d 2π
4) 締付け用具,締付け停止などによる締付けトルクのばらつき±δT % 3) を考慮し,KmaxとKminとの
比の値が式(9)の条件を満足するかどうかを確認する。
式(9)の条件を満足しない場合には,例えばμth及びμbのばらつきが小さい種類の潤滑剤に変更す
るなどの方策を取る。
注3) 6.2.2.1 a) 2)の注1) を参照。
5) 目標締付けトルクTAを式(11)で求める。
6.2.2.2 高い締付け力を与えたい場合
トルク法によって,なるべく高い締付け力を与えたい場合4) には,次の手順による。
注4) 締付け力の上限値(FH)を,降伏締付け軸力(σyの規格値を用いて計算した場合)として与えて
いる場合に対応する。
a) 6.2.2.1 c)を参照して,ねじ部品及び被締結部材の表面状態・潤滑条件に対するねじ面の摩擦係数の最
小値(μth, min)及び座面の摩擦係数の最小値(μb, min)を見積もる。
b) 1)で見積もったμth, minを用いて式(14)によって降伏締付け軸力Fyを求める。ただし,σyは規格値を用
いる。
σy As
Fy (14)
2
3 P
1 3 0.577 μth, min d2
dAs 2π
ここに, σy : ボルトの下降伏点ReLの最小値
又はボルトの0.2 %耐力Rp0.2の最小値
c) 1)で見積もったμth, min及びμb, minを用いて式(12)によってトルク係数の最小値(Kmin)を求める。
d) 締付け用具,締付け停止などによる締付けトルクのばらつき±δT % 5) を見込んで目標締付けトルク
TAを式(15)によって求める。
K min Fy d
TA (15)
δT
1
100
注5) 6.2.2.1 a) 2)の注1) を参照。
6.2.3 トルク法に用いる締付け用具
JIS B 4650で規定するプレート形,ダイヤル形,プレセット形及び単能形の手動式トルクレンチ又はこ
れと同等以上の性能をもつ手動式若しくは動力式のレンチを用いる。
6.3 回転角法締付け
6.3.1 回転角法の特性
回転角法は,ボルト頭部とナットとの相対締付け回転角Θを締付け指標として初期締付け力を管理する
方法で,弾性域締付け及び塑性域締付けの両方に用いることができる(図3参照)。
Θ−F曲線のこう配が急な場合は,回転角の設定誤差による締付け力のばらつきが大きくなる。そのた
め,弾性域締付けでは,被締結部材及びボルトの剛性が高い場合に不利になる。一方,塑性域締付けでは,
――――― [JIS B 1083 pdf 11] ―――――
10
B 1083 : 2008
初期締付け力のばらつきは,主として締付け時のボルトの降伏締付け軸力Fyに依存し,回転角誤差の影響
を受けにくく,そのボルトの能力を最大限に利用できる(より高い締付け力が得られる。)という利点をも
つが,ボルトのねじ部又は円筒部が塑性変形を起こすため,ボルトの延性が小さい場合及びボルトを再使
用する場合には注意を要する。
過剰な締付け力によって被締結部材に不都合が生じるおそれがある場合には,使用するボルトの降伏点
(又は耐力)及び引張強さの上限値を規定しなければならない。
図3−締付け回転角と締付け軸力との関係(回転角法締付け)
6.3.2 回転角法における締付け指標の目標値
回転角法における締付け指標の目標値(目標締付け回転角ΘA)を決める代表的な方法を,次に示す。
a) 弾性域締付けの場合 回転角法によって,弾性域締付けを行う場合には,次の手順による。
1) 弾性域のこう配ηの値を,実測によるΘ−F線図の直線部分の傾きから読み取るか,又はボルトの
ばね定数Kb及び被締結部材の圧縮ばね定数Kcを用いて,式(16)によって推定する。
P Kb Kc
η (16)
360 (Kb Kc )
2) 弾性域における線形領域(Θ−F線図の直線部)の中で,なるべく小さい締付け力を作用させるた
めの締付けトルク(スナグトルクTS)の値を6.2.2.1に示す方法に準じて求める。
3) 式(17)又はΘ−F線図によって,スナグトルクを作用させた点(スナグ点と呼ぶ。)を起点とした目
標締付け回転角ΘAを求める。
1 TS
ΘA FA (17)
η Km d
ただし,式(17)におけるKmは,トルク係数の平均的な値とし,FAは目標締付け力とする。締付け力
の下限値(FL)及び上限値(FH)が与えられている場合は,FAとしてその範囲内の値を選ぶ。
――――― [JIS B 1083 pdf 12] ―――――
11
B 1083 : 2008
b) 塑性域締付けの場合 回転角法によって,塑性域締付けを行う場合には,次の手順による。
1) 式(7)又はΘ−F線図などの締付け特性線図によって降伏締付け軸力Fyを推定する。
2) 弾性域のこう配ηの値を,実測によるΘ−F線図の直線部分の傾きから読み取るか,又はボルトの
ばね定数Kb及び被締結部材の圧縮ばね定数Kcを用いて,式(16)によって推定する。
3) 弾性域における線形領域(Θ−F線図の直線部)の中で,なるべく小さい締付け力を作用させるた
めの締付けトルク(スナグトルクTS)の値を6.2.2.1に示す方法に準じて求める。
4) 式(18)又はΘ−F線図によって,1)で推定した降伏締付け軸力の値Fyに対応する締付け回転角Θyを,
スナグ点を起点として求める。
1 TS
Θy Fy (18)
η Km d
5) Θ−F線図などによって,極限締付け軸力の値Fuに対応する締付け回転角Θuの最小値を,スナグ点
を起点として推定する。
6) スナグ点を起点とした目標締付け回転角ΘAは,式(19)を目安として選ぶ。
1
Θ≦
y Θ≦
A (Θy Θu ) (19)
2
6.3.3 回転角法に用いる締付け用具
回転角の検出には,角度割出し目盛板(分度器),電気的な検出器などを用いる。
塑性域締付けの場合は,ボルト頭部又はナットの形状を利用した目視による角度管理が可能な場合もあ
る。
スナグトルクを作用させるには,6.2.3に示したトルクレンチを用いるのが望ましい。
6.4 トルクこう配法締付け
6.4.1 トルクこう配法の特性
トルクこう配法は,Θ−T曲線(図4参照)のこう配(dT/dΘ)を検出し,それを締付け指標として初期締
付け力を管理する方法で,通常はそのボルトの降伏締付け軸力が初期締付け力の目標値となる。この締付
け法は,一般に初期締付け力のばらつきを小さくし,かつ,そのボルトの弾性域を最大限に利用しようと
する場合に用いる。ただし,初期締付け力の値を管理するためには,塑性域の回転角法の場合と同様,ボ
ルトの降伏点又は耐力について十分な管理を行う必要がある。
トルクこう配法は,塑性域の回転角法締付けと比較して,ボルトの延性及び再使用性が問題になること
は少ない。
――――― [JIS B 1083 pdf 13] ―――――
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B 1083 : 2008
図4−締付け回転角に対する締付け軸力及び締付けトルクの関係(トルクこう配法締付け)
6.4.2 トルクこう配法における締付け指標の目標値
トルクこう配法における締付け指標 [トルクこう配(dT/dΘ) の目標値は,最大トルクこう配(dT/dΘ) ax
の1/21/3程度に選ぶ。締付けトルク及び回転角のサンプリング間隔は,締付け力の値に影響を及ぼさな
いように小さくとることが必要であるが,Θ−T曲線の微視的な変化を平均化できる程度の間隔がよい。
6.4.3 トルクこう配法に用いる締付け用具
締付け時に締付けトルク及び回転角を同時に検出し,更にそれらのこう配を計算・比較する必要がある
ため,電気的な検出器,マイクロコンピュータなどの演算装置を内蔵した用具が必要である。
――――― [JIS B 1083 pdf 14] ―――――
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附属書A
(参考)
ねじ面及び座面の摩擦係数に対する
トルク係数の計算例
序文
この附属書は,ねじ面及び座面の摩擦係数に対するトルク係数の計算例を記載するものであって,規定
の一部ではない。
A.1 ねじ面及び座面の摩擦係数に対するトルク係数の計算例
ねじ面の摩擦係数μth及び座面の摩擦係数μbに対するトルク係数Kの計算例を,表A.1に示す。これら
の計算例は,式(2)によって求めたものである。
なお,計算には,表A.2に示す値を用いている。また,トルク係数Kの計算例は,それぞれのねじの呼
び径に対するKの平均値を示している。
表A.1−ねじ面の摩擦係数μth及び座面の摩擦係数μbに対するトルク係数Kの計算例
−並目ねじ,六角ボルト・ナットの場合
μb
μth 0.08 0.10 0.12 0.15 0.20 0.25 0.30 0.35 0.40 0.45
0.08 0.115 0.127 0.140 0.159 0.191 0.222 0.254 0.286 0.317 0.349
0.10 0.125 0.138 0.150 0.169 0.201 0.233 0.264 0.296 0.328 0.359
0.12 0.136 0.148 0.161 0.180 0.212 0.243 0.275 0.307 0.338 0.370
0.15 0.151 0.164 0.177 0.196 0.227 0.259 0.291 0.322 0.354 0.386
0.20 0.178 0.190 0.203 0.222 0.254 0.285 0.317 0.349 0.380 0.412
0.25 0.204 0.217 0.229 0.248 0.280 0.312 0.343 0.375 0.407 0.438
0.30 0.230 0.243 0.256 0.275 0.306 0.338 0.370 0.401 0.433 0.465
0.35 0.256 0.269 0.282 0.301 0.332 0.364 0.396 0.427 0.459 0.491
0.40 0.283 0.295 0.308 0.327 0.359 0.390 0.422 0.454 0.485 0.517
0.45 0.309 0.322 0.334 0.353 0.385 0.417 0.448 0.480 0.512 0.543
――――― [JIS B 1083 pdf 15] ―――――
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JIS B 1083:2008の国際規格 ICS 分類一覧
- 21 : 一般的に使用される機械的システム及び構成要素 > 21.060 : 締結用部品 > 21.060.10 : ボルト,ねじ,びょう
JIS B 1083:2008の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0101:2013
- ねじ用語
- JISB0205-1:2001
- 一般用メートルねじ―第1部:基準山形
- JISB1084:2007
- 締結用部品―締付け試験方法
- JISB4650:2002
- 手動式トルクレンチ