JIS B 1562:2009 転がり軸受―損傷及び故障―用語,特性及び原因 | ページ 4

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B 1562 : 2009 (ISO 15243 : 2004)
図31−ハウジングの不十分な支持による外輪の疲労破壊
5.6.4 熱き裂 (thermal cracking) heat cracking]
熱き裂は,滑り運動による高い摩擦熱に起因する。通常,き裂は,滑り方向に直角に現れる(図32参照)。
焼入れ鋼部品は,高い摩擦熱によって表面が再硬化すると,高引張残留応力によって熱き裂を発生しやす
い。
図32−内輪側面の熱き裂

――――― [JIS B 1562 pdf 16] ―――――

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B 1562 : 2009 (ISO 15243 : 2004)
附属書A
(参考)
故障分析−損傷例−用語

序文

  この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
A.1 故障分析
A.1.1 取外し前後の確認
故障によって軸受を機械から取り外すときには,故障の再発防止対策と同様に,故障原因を分類するこ
とが望ましい。信頼性の高い分析結果を得るためには,現状確認及び軸受調査を系統だった手順によって
行うのが有益である。頻度の高い故障の特性及びその推定原因の相互関係を表A.1に示す。
軸受の調査に考慮すべき項目は,次による。
− 軸受のモニタリング装置による軸受の運転データ及び分析記録の取得
− 潤滑状態を確認するための潤滑剤試料の採取
− 使用機械及び軸受の外部環境の確認
− 組込み状態の確認
− 組込み位置の表示
− 軸受及び部品の取外し
− 軸受及び部品の組立位置の表示
− 軸受座(取付面)の確認
− 軸受単体での評価
− 軸受構成部品の検査
− 必要な上記の確認結果と共に専門家に相談又は専門家に軸受を発送1)
故障原因を解明するために,上記手順を正しく選定することが必要である。
注1) 故障した軸受は,故障状態を維持することが望ましい。
A.1.2 接触跡
A.1.2.1 一般
故障解析を実施する上で,接触跡,特に稼動時の軌道面の転走跡をどう解釈するかが重要である。転走
跡には荷重,運転すきま及びミスアライメントの影響が,明確に現れているからである。一般的な軸受及
び用途における典型的な転走跡を図A.1図A.11に示す。

――――― [JIS B 1562 pdf 17] ―――――

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B 1562 : 2009 (ISO 15243 : 2004)
表A.1−損傷のマトリックス
損傷の特性
摩耗 疲労 腐食 破壊 変形 き裂

異 こ ス ス焼ス スフウ チ ピスフ腐 研
(フ 電 破 保 局局 変 圧 マ 熱 熱

常 ん コ ミ付カ クルォ ャ ッポレ食 削
さレ 食 壊 持 部部 形 こ ー き 処

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推定原因 変
グ グ候ン ングボ グ ググ) グー ンリ
ググ ー 色 (チ グン
デ ・ コン グ
ィ 溶 ログ
ン 融 ー
グ ジ


)
潤滑不足

潤滑過多

滑 不適切な粘度

品質不良

汚染


過大速度

運 過大荷重


条 繰返し変動荷重


件 振動

通電

絶縁不良

組込不良



焼きばめ温度不良
ミスアライメント


込 予圧不良




衝撃

固定不良


取付面不良


はめあい不良


設 軸受選定不良

計 周辺部品不良

取 保管不良

い 輸送時の振動
熱処理不良

製 研削不良
造 表面仕上不良


部品精度不良


材 材料組織の欠陥

料 材料組合せ選定不良

――――― [JIS B 1562 pdf 18] ―――――

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B 1562 : 2009 (ISO 15243 : 2004)
A.1.2.2 ラジアル軸受
点接触 線接触
内輪 : 転走跡は,軌道中央部の全円周上に見られ,幅は均一である。
外輪 : 転走跡は,軌道中央部に見られ,ラジアル荷重の負荷方向で最も広く,負荷方向から離れるに従って狭
くなる。
なお,標準的に使うはめあい及び普通すきまの場合,転走跡は,軌道全周の半分よりも少ない範囲に
見られる。
図A.1−一方向ラジアル荷重の場合(内輪回転−外輪静止)
内輪 : 転走跡は,軌道中央部に見られ,ラジアル荷重の負荷方向で最も広く,負荷方向から離れるに従って狭
くなる。
なお,標準的に使うはめあい及び普通すきまの場合,転走跡は,軌道全周の半分よりも少ない範囲に
見られる。
外輪 : 転走跡は,軌道中央部の全円周上に見られ,幅は均一である。
図A.2−一方向ラジアル荷重の場合(内輪静止−外輪回転)

――――― [JIS B 1562 pdf 19] ―――――

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B 1562 : 2009 (ISO 15243 : 2004)
内輪 : 転走跡は,軌道中央部の全円周上に見られ,幅は均一である。
外輪 : 転走跡は,軌道中央部で,全円周上に見られる場合と,一部不連続になっている場合がある。ラジアル
荷重の負荷方向で幅は最も広い。
図A.3−一方向ラジアル荷重でラジアル予圧の場合(内輪回転−外輪静止)
点接触 線接触
単列軸受 複列軸受
内輪及び外輪 : 転走跡は,アキシアル荷重の負荷方向に偏り,両軌道面の全円周上に見られ,幅は均一である。
図A.4−一方向アキシアル荷重の場合(内輪回転及び/又は外輪回転)

――――― [JIS B 1562 pdf 20] ―――――

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JIS B 1562:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 15243:2004(IDT)

JIS B 1562:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 1562:2009の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB0104:1991
転がり軸受用語