19
B 1562 : 2009 (ISO 15243 : 2004)
内輪 : 転走跡は,アキシアル荷重の負荷方向に偏り,軌道面の全円周上に見られ,幅は均一である。
外輪 : 転走跡は,アキシアル荷重の負荷方向に偏り,ラジアル荷重の負荷方向で幅が最も広く,全円周上に見
られる場合と,一部不連続になっている場合がある。
図A.5−一方向ラジアル荷重及び一方向アキシアル荷重(合成荷重)の場合(内輪回転−外輪静止)
点接触 線接触
内輪 : 転走跡は,軌道中央部の全円周上に見られ,幅は均一で図A.1よりも広い。
外輪 : 転走跡は,対角線上に傾いて,幅が変化している。
図A.6−外輪が傾いた場合(内輪回転−外輪静止)
――――― [JIS B 1562 pdf 21] ―――――
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B 1562 : 2009 (ISO 15243 : 2004)
内輪 : 転走跡は,対角線上に傾いて,幅が変化している。
外輪 : 転走跡は,軌道中央部の全円周上に見られ,幅は均一で図A.2よりも広い。
図A.7−内輪が傾いた場合(内輪静止−外輪回転)
内輪 : 転走跡は,軌道中央部の全円周上に見られ,幅は均一である。
外輪 : 転走跡は,軌道の圧縮発生部で幅が最も広く,円周方向の長さは,変形量及び軸受の初期ラジアル内部
すきまによって変化する。
図A.8−外輪がだ円変形した場合(内輪回転−外輪静止)
――――― [JIS B 1562 pdf 22] ―――――
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B 1562 : 2009 (ISO 15243 : 2004)
A.1.2.3 スラスト軸受
軸軌道盤
ハウジング
軌道盤
軸及びハウジング軌道盤 : 転走跡は,軌道中央部の全周上に見られ,幅は均一である。
図A.9−一方向アキシアル荷重の場合(軸軌道盤回転−ハウジング軌道盤静止)
軸軌道盤 : 転走跡は,幅が均一で図A.9よりも広く,軌道中央部全周上に見られる。
ハウジング軌道盤 : 転走跡は,幅が均一ではなく,軌道全周上に見られ偏心している。
図A.10−一方向アキシアル荷重で軸軌道盤に対しハウジング軌道盤が偏心した場合
(軸軌道盤回転−ハウジング軌道盤静止)
軸軌道盤 : 転走跡は,軌道中央部の全周上に見られ,幅は均一である。
ハウジング軌道盤 : 転走跡は,軌道中央部に見られ,その幅は均一ではなく,全周上に見られる場合と,一部
不連続になっている場合がある。
図A.11−ハウジング軌道盤が傾いた場合(軸軌道盤回転−ハウジング軌道盤静止)
――――― [JIS B 1562 pdf 23] ―――――
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B 1562 : 2009 (ISO 15243 : 2004)
A.2 故障事例−故障原因及び対策
A.2.1 一般
軸受の真の故障原因は,その後発生した損傷によってはっきりしなくなる場合が多い。
次に示す事例の順番は,図1に示す故障モードの分類による。故障モードは,外観によって分類してい
る。各々の事例には,“故障原因”という見出しで,故障の説明をしている。その説明には,故障内容と(主
要)推定原因及び注釈を記載している。
各々の事例には,“対策”という見出しで,故障を防ぐために推奨する対策又は是正処置を示している。
A.2.2 疲労
A.2.2.1 フレーキング
故障原因
内部起点による材料の疲労。
(負荷圏に発生する繰返し荷重によって,材料組織
変化及び疲労き裂を起こす。)
対策
より長い寿命が必要な場合は,より大きな定格荷重
の軸受を使用する。
A.2.2.2 自動調心ころ軸受の片列軌道のフレーキング
故障原因
過大アキシアル荷重。
(自動調心ころ軸受の片列軌道の全周上に発生した
早期疲労及び早期フレーキングを写真に示す。)
対策
より大きいアキシアル荷重を負荷できる適切な軸受
を選定する。
軸受にかかるアキシアル荷重を低減する。
A.2.2.3 180度対称位置における2か所の軌道のフレーキング
故障原因
ハウジングのだ円変形。
二つ割りハウジングの組立不良。
ハウジング組込面への異物かみ込み。
(自動調心ころ軸受の外輪のフレーキングを写真に
示す。)
対策
周辺部品の形状精度の確認及び必要ならば精度の改
善をする。
二つ割りハウジングを適切に組み立てる。
組立時に清浄な状態を維持する。
注記 軌道上の転走跡によって,内輪又は外輪が真
円度不良であるかどうかがわかる。
――――― [JIS B 1562 pdf 24] ―――――
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B 1562 : 2009 (ISO 15243 : 2004)
A.2.2.4 入れ溝(例えば入れ溝付き複列アンギュラ玉軸受)を起点としたフレーキング(スポーリング)
故障原因
軸受選定不良。
組込不良。
入れ溝方向へのアキシアル荷重の負荷。
対策
片列だけ入れ溝のある複列軸受の場合は,アキシア
ル荷重の方向を考慮して,軸受を組み込む。
両方向にアキシアル荷重がかかる場合には,入れ溝
のない軸受を使用する。入れ溝付き軸受を使う場合
は,少なくとも入れ溝側の方向には,ごく小さなア
キシアル荷重しかかからないようにする。
入れ溝付き単列軸受の場合は,アキシアル荷重は,
ラジアル荷重に比べ小さくする。
A.2.2.5 転動体ピッチ間隔の軌道のフレーキング(スポーリング)
故障原因
組込不良及び/又は取扱不良。
(転動体ピッチ間隔で軌道に圧こんが発生する。転
動体がその上を通過することによってフレーキング
を引き起こす。)
対策
適切な工具を使って正しく組み込む。
組込み時に転動体に力がかからないようにする。
円筒ころ軸受の場合,可能ならばゆっくりと軸を回
転させながら組み込む。
A.2.2.6 内輪回転,外輪静止の自動調心玉軸受の外輪軌道全円周の強い転走跡
故障原因
軸とハウジングとの大きな温度差。
周辺部品の精度不良。
軸受内部すきまの選定不良。
対策
軸及びハウジングの寸法を確認する。
軸受の内部すきまに影響する温度を確認する。
適切なすきまをもった軸受を選定する。
内輪が,テーパ軸に組み込まれる場合,正しいアキ
シアル方向の押込み量を設定する。
――――― [JIS B 1562 pdf 25] ―――――
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JIS B 1562:2009の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 15243:2004(IDT)
JIS B 1562:2009の国際規格 ICS 分類一覧
- 21 : 一般的に使用される機械的システム及び構成要素 > 21.100 : 軸受 > 21.100.20 : 転がり軸受
JIS B 1562:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0104:1991
- 転がり軸受用語