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B 1562 : 2009 (ISO 15243 : 2004)
A.2.4.3 手汗(指紋)による腐食
故障原因
取扱い不良。
(保存処理をしていない軸受を汗ばんだ手で触る。)
対策
水分,汗のついた手で軸受に触らない。
手袋を使用する。
A.2.4.4 接触による腐食
故障原因
腐食性の液体による腐食。
(保管中又は組込み後の静止している軸受におい
て,腐食性の液体による軌道面の転動体ピッチ間隔
に発生する腐食マークを写真に示す。)
対策
適切な保存処理を施す。
潤滑剤の品質及び給油間隔が適切であるかを確認す
る。
密封性を確認する。
A.2.4.5 内輪内径面全周のフレッチング(コロージョン)
故障原因
不十分なしめしろ。
[内輪と軸が繰り返し滑ることによって発生するフ
レッチング(コロージョン)。この場合には,内輪に
クリープが発生することもある。]
対策
荷重に対し適切なしめしろを設定する。
軸はめあい部の軸の表面粗さを考慮してしめしろを
適正にする。
――――― [JIS B 1562 pdf 31] ―――――
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B 1562 : 2009 (ISO 15243 : 2004)
A.2.4.6 外径面にフレッチング(コロージョン)が発生した深溝玉軸受の外輪円周方向のき裂
故障原因
揺動荷重及び外輪支持不足。
[外輪外径面のフレッチング(コロージョン)によ
るき裂。揺動荷重及び外輪支持不足がこの種の故障
に影響する。]
対策
軸受軌道輪を適切に支持する。
軸受周辺部品の変形の可能性を確認する。
A.2.4.7 外輪外径面全周の鏡面,スクラッチング及び部分的フレッチング(コロージョン)
故障原因
外輪とハウジング間のすきまばめ及び外輪回転荷
重。
[ハウジング内での外輪クリープによって,外輪外
径面が鏡面化したスクラッチングとわずかなフレッ
チング(コロージョン)を写真に示す。]
対策
荷重及び運転条件を考慮した適切なはめあいを選択
する。
A.2.4.8 擬似ブリネル圧こん
故障原因
静止した軸受に伝わる外部からの繰返し衝撃又は振
動。
(外部からの繰返し衝撃又は振動によって,軌道輪
と転動体間で微小振動を引き起こす。)
対策
適切な設計及び防振処置を施す。
可能ならゆっくりと軌道輪と転動体とを相対的に回
転させ,転動体の位置を変える。
A.2.4.9 擬似ブリネル圧こん(チャタマーク又はチャタリング)
故障原因
回転中の振動。
[回転中の振動によって擬似ブリネル圧こんが起こ
り,軌道面に細かいフルーチング(すだれ模様)又
はチャタマークが発生する。]
対策
適切な設計による防振処置を施す。
可能なら予圧を負荷する。
――――― [JIS B 1562 pdf 32] ―――――
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B 1562 : 2009 (ISO 15243 : 2004)
A.2.5 電食
A.2.5.1 電食(クレータ)
故障原因
電流通過。
(軌道及び転動体表面にクレータを発生させる。)
対策
機械又は軸受に適正な絶縁処理をする。
電気溶接時には機械の接地(アース)を確保する。
A.2.5.2 電食(グルービング)
故障原因
電流の漏れ。
[電流の漏れによって,回転する自動調心玉軸受の
外輪軌道に形成された溝(グルービング)。溝の底は,
黒い様相を示し,玉は黒く変色。]
対策
軸受に適正な絶縁処理をする。
A.2.5.3 電食(フルーチング)
故障原因
比較的弱い連続した電流通過。
(比較的弱い連続した電流通過による回転軸受の軌
道上のフルーチング。フルーチングの底は,黒く変
色。)
対策
絶縁を確認する。
接地(アース)を施す。
絶縁軸受を使用する。
――――― [JIS B 1562 pdf 33] ―――――
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B 1562 : 2009 (ISO 15243 : 2004)
A.2.6 塑性変形
A.2.6.1 過大荷重
故障原因
過大ミスアライメント。
(円すいころ軸受の過大ミスアライメントによる過
大荷重及び転動体接触部の塑性変形。これによって
外輪軌道にフレーキングが発生し,転走跡は,対角
線上に傾いている。)
対策
荷重,傾き及び軸又はハウジングの変形に関する使
用条件を確認する。
A.2.6.2 塑性変形(ブリネル圧こん)(転動体ピッチ間隔の軌道面の圧こん)
故障原因
軸受静止時の静定格荷重を超える過大荷重。
(輸送,組込み時又は組込み後の静止している軸受
に,静定格荷重を超える過大荷重が作用することに
よって,転動体ピッチ間隔で塑性変形が発生する。)
対策
輸送中の過大荷重に対する防護策を施す。
適切な組込方法を採用する。
軸受を組み込んだ機械を,適切に取り扱う。
A.2.6.3 塑性変形(ブリネル圧こん)(転動体ピッチに対応する圧こん)
故障原因
軸受静止時の衝撃荷重。
(軸受静止時の衝撃荷重は,転動体ピッチ間隔で軌
道に圧こんを発生させる。転動体がその上を通過す
ることによってフレーキングを引き起こす。)
対策
荷重条件を確認し,必要ならより適切な軸受を選定
する。
――――― [JIS B 1562 pdf 34] ―――――
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B 1562 : 2009 (ISO 15243 : 2004)
A.2.6.4 微細粒子の異物による軌道の圧こん
故障原因
組込み時又は運転時での異物混入。
不十分な密封性。
対策
組込み時及び運転中の清浄度を確認する。
潤滑装置(例えばグリースニップル)を洗浄する。
密封装置を改善する。
A.2.7 破壊
A.2.7.1 局部強制破壊
故障原因
組込不良。
工具による打撃。
(焼入れをした軸受部品を工具で打撃することによ
って,破壊が生じる。)
対策
適切な組込工具を使用し,適切な組込方法を採用す
る。
A.2.7.2 つばの破壊
故障原因
組込不良。
工具による打撃。
(焼入れをした軸受部品を工具で打撃することによ
って,破壊が生じる。)
対策
適切な組込工具を使用し,適切な組込方法を採用す
る。
――――― [JIS B 1562 pdf 35] ―――――
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JIS B 1562:2009の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 15243:2004(IDT)
JIS B 1562:2009の国際規格 ICS 分類一覧
- 21 : 一般的に使用される機械的システム及び構成要素 > 21.100 : 軸受 > 21.100.20 : 転がり軸受
JIS B 1562:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0104:1991
- 転がり軸受用語