JIS B 1754:1998 歯車装置の受入検査―第2部:歯車装置の機械振動の測定方法及び振動等級の決定

JIS B 1754:1998 規格概要

この規格 B1754は、個々の箱に入れられた密閉型の増速及び減速歯車装置の機械振動を測定する方法について規定。歯車箱と軸の振動を測定する方法,計測器の種類,測定手順及び振動レベルを決定するための試験方法を規定。受入のための振動等級値も含まれている。

JISB1754 規格全文情報

規格番号
JIS B1754 
規格名称
歯車装置の受入検査―第2部 : 歯車装置の機械振動の測定方法及び振動等級の決定
規格名称英語訳
Acceptance code for gears -- Part 2:Determination of mechanical vibrations of gear units during acceptance testing
制定年月日
1998年3月20日
最新改正日
2018年10月22日
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対応国際規格

ISO

ISO 8579-2:1993(IDT)
国際規格分類

ICS

17.160, 21.200
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
機械要素(ねじを除く) 2021
改訂:履歴
1998-03-20 制定日, 2003-11-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS B 1754:1998 PDF [17]
B 1754 : 1998 (ISO 8579-2 : 1993)

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。従来の日本工業規格(日本産業規格)には歯車装置の騒音測定方法だけが制定されていたが,国際規格
では歯車装置の受入検査規定として騒音及び振動の測定方法並びにこれらの等級決定方法を定めている。
今回は,振動の測定方法を国際規格の一致規格として制定したものである。
JIS B 1754には,次に示す附属書がある。
附属書1(参考) 変位,速度及び加速度の波形の関係
附属書2(参考) 系の効果
附属書3(参考) 振動計測器及び考慮すべき特性
附属書4(参考) 代表的な振動等級値適用例
附属書5(参考) 参考文献

(pdf 一覧ページ番号 )

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                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
B 1754 : 1998
(ISO 8579-2 : 1993)

歯車装置の受入検査−第2部 : 歯車装置の機械振動の測定方法及び振動等級の決定

Acceptance code for gears−Part 2 : Determination of mechanical vibrations ofgear units during acceptance testing

序文 この規格は,1993年第1版として発行されたISO 8579-2 (Acceptance code for gears−Part 2 : 
Determination of mechanical vibrations of gear units during acceptance testing) を翻訳し,技術的内容及び規格票
の様式を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で下線(点線)を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲
1.1 方法 この規格は,個々に箱に入れられた密閉型の増速及び減速歯車装置の機械振動を測定する方
法について規定する。この規格は,歯車箱と軸の振動を測定する方法,計測器の種類,測定手順及び振動
レベルを決定するための試験方法を規定する。受入れのための振動等級値も含まれている。
この規格は,歯車伝動系のねじり振動計測は含まない。
この規格は,その設計された速度,荷重,温度範囲及び潤滑法の範囲内で,製造業者の設備によって受
入検査される歯車装置についてだけ適用する。歯車装置は,製造業者の了承に基づき,製造業者が推奨す
る方法に従って運転される場合には,他の場所で試験してもよい。現場で使用されている歯車装置の振動
測定には,他の振動評価の国際規格が必要になることがある。
この規格は,歯車が組み込まれて一体となっている圧縮機,ポンプ,タービンなど,又は動力取出し用
歯車などの特殊な歯車装置,若しくは補機駆動用の歯車列には適用しない。
備考1. これらの機器の受入基準は,個々に独立して規定されなければならない。しかし,合意され
るなら,それらの機器に対してこの規格又は適切な他の規格を適用してもよい。
1.2 特殊条項 振動測定には特殊条項が要求されることがある。したがって,測定の種類及び受入基準
は,交渉の初期の時点で製造業者と使用者との間で合意されていることが望ましい。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。この規格は,最新版を適用する。
JIS B 0153 機械振動・衝撃用語
備考 ISO 2041 : 1990, Vibration and shock−Vocabularyがこの規格と同等である。

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B 1754 : 1998 (ISO 8579-2 : 1993)
3. 定義 この規格では,次の定義を用いる。これらのうち幾つかはISO 2041の定義を引用したもので,
一部にはJIS B 0153-1985から引用したものもある。
3.1 非接触型変換器 (non-contact transducer)間隔又は変位を非接触で,それに比例した電気信号に変換
する変換器。
3.2 加速度 (acceleration) 速度の時間微分を表すベクトル量(ISO 2041の1.3)
備考2. 附属書1参照
3.3 物体又は質量要素の基準点に対する位置の変化を表すベ
変位 (displacement ; relative displacement)
クトル量(ISO 2041の1.1)
備考3. 附属書1参照
3.4 周波数応答 (frequency reponse) 入力信号の周波数の関数として表される出力信号。周波数応答は
通常はグラフとして与えられ,出力信号と,もし可能であれば位相差又は位相角を周波数の関数として示
す(ISO 2041のB.13)。
3.5 (振動の)p-p値 (peak-to-peak value)ある量の極値の間の代数差(ISO 2041の2.35)。
3.6 時刻t1からt2の間の1価関数の二乗値の平均値の平
rms値 (root-mean-square value ; r. m. s. value)
方根。実効値ともいう。
備考4. 1価関数f (t) のt1とt2の間のrms値は
2/1
2tt
rms値 f (t) 2 dt /(t2
t1 )
1
備考5. 振動理論では,振動の平均値は0である。この場合,rms値は標準偏差 ( ‰死 地 二乗平
均値は分散 ( ‰死 地 ISO 2041のA.37)。
3.7 変換器 (transducer) 信号又は量を,それに対応する同種若しくは異種の信号又は量に変換するた
めの器具 (JIS B 0153-1985) 。
3.8 変位の時間微分を表すベクトル量(ISO 2041の1.2)
速度 (velocity ; relative velocity)
備考6. 附属書1参照
3.9 振動 (vibration)機械システムの位置又は運動を表す量の大きさの時間的な変化であって,その大
きさがある平均値又は基準値を中心に,交互に大きくなったり小さくなったりするもの(ISO 2041の2.1)。
4. 一般
4.1 系に対する考慮 歯車装置は,系の影響が極力小さくなるようにして試験することが望ましい(附
属書2参照)。
4.2 系の影響 現場で使用中の歯車装置の振動レベルは,附属書2に示すような製造業者の管理を超え
た要因によって悪影響を受けることがある。伝達系の初期設計段階で伝達系全体の振動を予測し,系の影
響を検討することが望ましい。全体系の検討の責任がどこにあるかは,この段階で明確に決められていな
ければならず,すべての関係者において合意されていることが望ましい。
4.3 歯車箱又は軸の測定 歯車装置の振動は二つの方法で測定できる,すなわち,歯車箱上か,又は軸
上である。転がり軸受では,軸受すきまが小さく,軸と歯車箱の相対運動がほとんど起こらないので,こ
のような軸受を用いる歯車装置に対しては歯車箱の振動測定が望ましい。
滑り軸受を用いる歯車装置では,軸と歯車箱の振動測定が可能である。軸振動測定は歯車箱の測定から
は明りょうに得られない詳細な情報を得ることができるが,ある周波数範囲に限られる(通常は0から
500Hz)。歯車箱の振動測定は,かみあい周波数を考慮する場合の基本となる,より広範囲な周波数範囲及

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B 1754 : 1998 (ISO 8579-2 : 1993)
びダイナミックレンジを得られる利点がある(1.2参照)。
それぞれの計測器は,固有の特性をもっているので,与えられた歯車装置及び運転条件に対し,計測器
を選ぶ際には注意をする必要がある(附属書3参照)。軸と歯車箱の振動測定結果を合成することは,歯車
装置の軸の絶対的な運動を得るのに有効である。
受入検査における運転条件が実際の使用条件と著しく異なる場合は,振動データを評価する際にその相
違を考慮しなければならない。
5. 計測機器
5.1 種類 振動は,速度及び変位の計測周波数範囲にわたって測定精度が既知の変換器及び計測器で測
定しなければならない。計測器は,また,既知の精度の速度,変位又は両者に対応する電気信号出力をも
たなければならない。変換器は,取付方法,温度,磁場,表面仕上げなどの環境条件に対し校正された範
囲内で使用されなければならない。振動計測システムの種類及び使用法は,適切な国際規格に適合するも
のでなければならない。計測器は1/3オクターブを超えないバンド幅の狭帯域分析能力をもつことが望ま
しい。
5.1.1 軸測定計測器 軸振動を測定するために推奨する変換器は,非接触型変換器である。計測器は,振
動変位のp-p値を読めるものでなければならない。しかし,軸回転の周波数が3 000min−1未満で,信号周
波数が200Hz未満,かつ,表面の滑り速度が30m/s未満ならば接触式変換器を使用してもよい。
5.1.2 歯車箱測定計測器 歯車箱の振動測定には,サイズモ式変換器を推奨する。装置は,振動速度のrms
値をmm/sで得られるような正しいrms整流を行える特性をもつ電気計測器を含んでいなければならない。
変換器の取付け方法は,周波数応答に影響を与える。したがって,ねじ止め若しくはスタッドボルト止め,
又は接着剤を用いて固定することが望ましい。歯車の最大のかみあい周波数が1 000Hz未満で,測定範囲
が3 000Hz未満ならば,軽量の加速度ピックアップを磁石で固定する方法を使用してもよい。手持ちの接
触式振動計は認められない。
参考1 サイズモ式変換器とは,サイズモ系から構成され,サイズモ系の二つの要素の間の相対運動
から出力信号を発生する変換器である。
参考2 サイズモ系とは,基礎枠とそれに対して1個又はそれ以上のばね要素を介して取り付けられて
いる一つの質量要素からなる系であり,通常は減衰要素も含まれている。
5.2 測定周波数範囲 計測器の測定周波数範囲は,最も低い軸の回転周波数と最も高いかみあい周波数
を測定できるものでなければならない。軸振動変位の測定周波数範囲は,0Hzと500Hzの間であることが
望ましい。歯車箱の振動速度の測定周波数範囲は,加速度積分式測定法を用いる場合には10Hz10 000Hz
又はそれ以上が望ましい。
5.3 許容誤差 変換器と出力装置を含む計測システムは,すべての動作温度範囲で,読みの10%以内の
誤差で振動レベルを指示できるものでなければならない。
5.4 校正 振動出力装置は,基準信号で検査しなければならない。そして,それぞれの一連の歯車装置
の振動測定の直前と直後に定められた調整を行わなければならない。
測定装置全体の校正は,少なくとも2年に1回行うことが望ましい。
6. 振動測定

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B 1754 : 1998 (ISO 8579-2 : 1993)
6.1 軸の測定 軸の振動変位の測定は,歯車箱に対して相対的に測定することが望ましい。極力軸受の
近くで歯車箱の剛性のある部分に取り付けた非接触型変換器を使用することが望ましい。軸振動の測定は,
(互いに垂直な)直交する3方向で,かつ,その一つは軸に平行に測定しなければならない。この軸方向
の変換器は,各軸で1か所にあれば十分である。変換器の個数と取付位置は,製造業者と使用者との間で
合意されなければならない。
機械的及び電気的な振れは,軸回転周波数における許容振動変位の25%又は6 を
超えないことが望ましい。変換器の位置における軸の機械的又は電気的な振れは,振れの測定と軸振動の
測定の間でベクトルと位相の関係が維持される限り,実際の振動レベルを得るために振動の読みから差し
引いてもよい。このように差し引いた実際の振動測定での許容誤差は,5.3で示した値を超えてはならない。
6.2 歯車箱の測定 歯車箱の振動測定は,軸受台のような剛性の高い部分で測定しなければならない。
軸受を支持していない部分での測定は,歯車装置の性能を明示しないので,行ってはならない。測定は,
直交する3方向で,そのうち二つは回転軸に垂直な(望ましくは水平と鉛直な)方向で行われなければな
らない。歯車装置の外部から接近できるそれぞれの軸受位置で測定することを推奨する。軸受台で測定で
きない場合は,直近の取付部分で測定してもよい。変換器の個数と位置は,歯車箱の剛性と軸の数による
ので,製造業者と使用者との間で合意されなければならない。
6.3 測定の単位 この規格で用いる単位を表1に示す。
表1 測定の単位
量 単位
速度 mm/s
速度 (rms) B(基準速度v0=5×10−5mm/s)
変位(p-p値)
周波数 Hz
参考3 dBは,ある信号を基準信号に対する比率で表現する方法で,比の常用対数を20倍したもので
ある。
7. 試験方法 歯車装置の振動測定は,製造業者の工場内試験時に行うことが望ましい。試験用の伝達系
は,使用者からの申し出がない限り製造業者の裁量による。
7.1 試験系の配置 試験用の伝達系,駆動機,歯車装置及び負荷装置は,実際に使用される継手か,又
は等価のオーバハング質量をもつ継手で結合しなければならない。
7.2 試験条件 製造業者と使用者との間で他に合意のない限り,この規格では次の条件を適用する。
7.2.1 歯車装置は,その設計された速度で,(もし可変速ならばその速度範囲の算術平均速度で)試験す
る。
7.2.2 歯車装置は,その設計された回転方向で,(もし正逆運転ならば両方向で)試験する。
7.2.3 歯車装置は,無負荷で,又は安定化するための軽負荷で試験する。
7.2.4 試験の測定は,実際の潤滑装置を使用し,運転状態に対応した潤滑油粘度の状態で行う。
7.2.5 振動測定は,機械類がその設計された温度範囲で運転されているときに実施する。

――――― [JIS B 1754 pdf 5] ―――――

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JIS B 1754:1998の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 8579-2:1993(IDT)

JIS B 1754:1998の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 1754:1998の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB0153:2001
機械振動・衝撃用語