JIS B 2713:2009 薄板ばねの設計計算式及び仕様の定め方 | ページ 5

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a) 巻き戻しの状態 b) 巻き締めの状態
図11−接触形ぜんまいのモデル
Ebt3
M kφ φ (9)
12l
6
M (10)
bt2
ここに, M : トルク (N・mm)
k : ばね定数 (N・mm/rad)
E : 縦弾性係数 (MPa)
b : 材料の板幅 (mm)
t : 材料の板厚 (mm)
l : ばねの展開長 (mm)
σ : 曲げ応力 (MPa)
D1 : 解かれたばねの内径 (mm)
D2 : ケースの内径 (mm)
d1 : 軸の外径 (mm)
d2 : 巻いたばねの外径 (mm)
φ : 変位角 (rad)
例 数値を代入した計算例として,次のときのトルクと応力とを求める。
E : 2.06×105 (MPa) b : 5 (mm)
t : 0.2 (mm) l : 500 (mm)
のとき,ばね定数kは次の式による。
.206 105 5 2.03
k
12 500
=1.37 (N・mm/rad)
したがって,3/4巻(270°)巻いたときのトルクMは,270°を3/2 π radと表して,次の式によ
る。
3
M .137 π .645 (N・mm)
2
このときの応力σは,次の式による。
6
2 .645 194 (MPa )
5 2.0

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7.3.3 非接触形ぜんまい
非接触形ぜんまいばねは,次の二つの場合による。
a) 巻数が多く外端固定支持の場合 図12に示す非接触形ぜんまいのトルクM及び応力σは,式 (11) 及
び式 (12) によって求める。
図12−非接触形ぜんまい(外端固定支持)のモデル
EI
M kφ φ (11)
l
M

(pdf 一覧ページ番号 )

                            Z
ここに, M : トルク (N・mm)
k : ばね定数 (N・mm/rad)
E : 縦弾性係数 (MPa)
I : 断面二次モーメント (mm4)
l : ばねの展開長 (mm)
σ : 曲げ応力 (MPa)
Z : 断面係数 (mm3)
φ : 変位角 (rad)
b) 巻数が多く外端自由支持の場合 図13に示す,非接触形ぜんまいのトルクM及び応力σは,式 (13) 及
び式 (14) によって求める。
図13−非接触形ぜんまい(外端自由支持)のモデル
EI
M kφ φ (13)
.125l
2M

(pdf 一覧ページ番号 )

                             Z

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ここに, M : トルク (N・mm)
k : ばね定数 (N・mm/rad)
E : 縦弾性係数 (MPa)
I : 断面二次モーメント (mm4)
l : ばねの展開長 (mm)
σ : 曲げ応力 (MPa)
Z : 断面係数 (mm3)
φ : 変位角 (rad)
7.3.4 定荷重ぜんまい
図14に示す,定荷重ぜんまいの荷重P及び応力σは,式 (15) 及び式 (16) によって求める。
図14−定荷重ぜんまいのモデル
2
Ebt3 1 1 1
P 2 (15)
264. Rn Rn R1
Et

(pdf 一覧ページ番号 )

                            2Rn
ここに, P : ばねにかかる荷重 (N)
E : 縦弾性係数 (MPa)
b : 材料の板幅 (mm)
t : 材料の板厚 (mm)
Rn : コイルの最小自然半径 (mm)
R1 : コイル外半径 (mm)
σ : 曲げ応力 (MPa)
例 数値を代入した計算例として,次のときの荷重と応力とを求める。
E : 1.86×105 (MPa) b : 25 (mm) t : 0.15 (mm)
Rn : 10 (mm) R1 : 12 (mm)
のとき,荷重Pは次の式による。
2
.186105 25 .0153 1 1 1
P .578 (N)
264. 102 10 12
また,応力σは次の式による。
.186 105 .015
.140 103 (MPa)
2 10

――――― [JIS B 2713 pdf 23] ―――――

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8 仕様の定め方

8.1 薄板ばねの特性

  薄板ばねの使用方法によって,要求のばね特性に適した形状を選定する。ばね特性の代用として,寸法
許容差を指定する場合が一般的であるが,機能上の理由などで,ばね特性を指定する場合には,次に規定
する項目から選択して仕様を決める。高さ又は荷重を指定するときは,図15を参照する。
a) 指定高さのときの荷重 指定高さのときの荷重は,そのときのたわみが全たわみ1) の2080 %にな
るように決める。
注1) 全たわみとは,無荷重時から最大荷重時までのばねのたわみをいう。
b) 指定荷重のときの高さ 指定荷重のときの高さは,そのときのたわみが全たわみの2080 %になる
ように決める。
c) ばね定数 ばね定数は,全たわみの3070 %にある二つの荷重点における荷重の差及びたわみの差
によって決める。
図15−ばね特性の指定の仕方

8.2 設計応力

  薄板ばねの設計応力は,箇条7の各種の設計計算式から求める。設計応力は,使用条件,表面状態,硬
さ,切欠き部形状,加工欠陥の有無,端面の処理方法など,多くの事項を考慮する必要があるが,大まか
には,次に規定する方法で目安をつけることができる。
a) 静荷重を受ける薄板ばね 静荷重又は低レベルの繰返し荷重を受ける薄板ばねの許容曲げ応力は,鉄
鋼材料の場合は,材料の引張強さの70 %以下とするのが望ましい。
b) 繰返し荷重を受ける薄板ばね 繰返し荷重を受ける薄板ばねの許容曲げ応力は,薄板ばねを使用する
ときの下限応力と上限応力との関係,繰返し回数,材料の表面状態などの疲れ強さに影響を及ぼす諸
因子を考慮して,適切な値を選ばなければならない。
薄板ばね寿命を予測する方法の一例を,次に示す。図16の疲れ強さ線図を用いて,繰返し荷重を受
ける薄板ばねの寿命を推定することができる。
なお,図16はJIS B 2709による寿命予測を容易にするために,最小荷重Pminを最大荷重Pmaxで除
した値をγとすると,通常,γは設計の当初において分かっていることが多いので,図16にγの斜線
を併記した。γは,次の式で表す。
min Pmin
max Pmax

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上限応力係数又は下限応力係数のいずれかと,このγとで寿命予測は容易に行うことができる。薄
板ばねの材料では,引張強さの規定がないものがあり,薄板ばねの硬さから引張強さを換算し求めな
ければならない場合がある。表16を参照して硬さから引張強さに換算する。
材料にビッカース硬さが450HVのSK85Mを用いた薄板ばねにσmax=630 (MPa)及びσmin=126 (MPa)
の応力が作用する場合の寿命回数を推定する。σB値は,表16の換算表から1401 (MPa) を得る。上限
応力係数σmax/σBは,次の式による。
max 630
.045
B 1401
ここに,σBは,材料の硬さから換算した引張強さである。また,γは,次の式となり,
min 126
.020
max 630
図16に示す×印の点を得る。この点は,図から明らかなように107回以上の寿命を期待することがで
きる。
図16−疲れ強さ線図

8.3 設計及び加工上の注意事項

8.3.1  設計上の注意事項
薄板ばねの設計に当たっては,次に規定する事項に注意する。
a) 接触形ぜんまい
1) 接触形ぜんまいは,板同士のしゅう(摺)動に伴い生じる摩擦のために,巻き戻すときのトルクが
巻き上げるときのトルクを下回る,いわゆるヒステリシス特性を示す。過大な摩擦を避け,安定し
たトルク特性を得るために,ばねの長さは,板厚の15 000倍までとする。
2) ばね板の曲率半径が小さい部分に応力集中が生じ,耐久性の低下につな(繋)がることから,応力

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