JIS B 6190-3:2014 工作機械試験方法通則―第3部:熱変形試験 | ページ 4

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B 6190-3 : 2014 (ISO 230-3 : 2007)
持する回転しない部分に確実に固定し,次の事項について測定する。
a) 工具を保持する部品と工作物を保持する部品との間の機械の各送り軸に平行な直交3軸と平行な向き
での相対変位 例えば,主軸をC軸としたとき,d(XOC),d(YOC)及びd(ZOC)。測定装置の正確な位
置は,試験結果とともに記録する。
なお,加工空間内のどの位置で測定を行うかは,機械ごとの固有の基準による。
b) 工作機械のX軸及びY軸周りの傾き又は回転 例えば,主軸をC軸としたとき,d(AOC)及びd(BOC)。
主軸の前軸受にできるだけ近い工作機械構造の温度及び主軸端と同じ高さの機械周囲の室温は,少なく
とも5分4)ごとに記録するのが望ましい。室温に及ぼす機械の発熱(例えば,油圧機器)の影響を避ける
ために機械から適切な距離だけ離れた室温を測定することが重要である。測定された温度と変位との間に
確かな相関があるわけではないが,環境及び機械構造の熱的変化の指標になる。
試験は,次の主軸速度分布の一つによって行う。
− 変動速度分布。例えば,図6に示すような分布。
− 最高主軸速度の割合で表した一定速度。
主軸速度分布又はその割合を使った試験方法の選択は,機種別規格に規定する。必要な場合には,受渡
当事者間で,固有の条件に対応した特殊な試験手順(例えば,試験の前の暖機運転)について協定しても
よい。選んだ主軸速度分布は,工作機械の実際の利用状態を反映しているのが望ましい。例えば,その分
布は,マシニングセンタでは代表的な加工状態を表現するために2分から30分の間隔で主軸速度を様々に
変え,その間に1分30分間,周期的に主軸を停止させるように決めるのがよい。
全ての変位計の出力は,主軸を4時間回転させた状態で記録する。60分間における変位の変化が測定開
始からの最初の60分にわたって記録された最大変位の15 %未満の場合,又は受渡当事者間で協定した条
件になった場合には,測定開始から4時間未満で主軸を停止してもよい。主軸を停止させた後に,少なく
とも1時間変位の記録を続ける。主軸が回転している場合には,試験中にテストバーの振れの影響を取り
除くのが望ましい5)。
注4) 温度補正システムの中には5分未満のサイクル時間のものがある。そのような場合には,検出
する頻度をそれに伴って増やすのが望ましい。
5) テストバーの振れの影響は,ローパスフィルタ,平均処理又は主軸の回転位置とデータ収集と
を同期させることによって除去できる。

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B 6190-3 : 2014 (ISO 230-3 : 2007)
s : 最高主軸回転速度に対する割合(%)で表した主軸回転速度
t : 時間(分)
図6−熱変形試験における主軸速度分布の例

6.3 結果の説明

  測定結果は,図7に示すように時間に対する熱変位及び温度(室温及び主軸軸受温度)の図として描く。
工具と工作物との相対位置を一定に保つという工作機械の能力に及ぼす工作機械構造の暖機の影響は,
これらの曲線から評価できる。テストバーの振れの影響によって,主軸の始動及び停止で曲線にずれが発
生する可能性があることに注意するのが望ましい。このずれの影響は,熱変位を評価する場合には無視す
る。
角変位(図7)の図は,5.3に規定したように傾き角A及びBを計算して描く。
図7−マシニングセンタの主軸回転によって生じた直線変位,角変位及び温度変化

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B 6190-3 : 2014 (ISO 230-3 : 2007)
X1(mm) Y1(mm) Z(mm) A(″) B(″)
最初の60分 0.008 0.048 −0.061 6 22
0.020
主軸運転の間(t)(240 min) 0.124 −0.108 24 38
距離(l) 150 mm
ΔΩ : 角変位(″) a : 機械構造の温度
Δl : 直線変位(mm) b : 環境温度
T : 温度(℃) c : Y軸周りの角変位d(BOC)
S : 主軸回転速度(min−1)d : X軸周りの角変位d(AOC)
t : 時間(min) e : 最高回転速度=4 000 min−1
f : マイナスのZ方向変位が,明確となるように絶対値で示す。
図7−マシニングセンタの主軸回転によって生じた直線変位,角変位及び温度変化(続き)

6.4 結果の表示

  試験開始後60分間[d(XOC)   P1, 60,d(YOC)   P1, 60,d(ZOC)60,d(AOC)60,d(BOC)60]及び全主軸運転時間
[d(XOC) P1, t,d(YOC) P1, t,d(ZOC) t,d(AOC) t,d(BOC) t]での,各機械軸に平行な変位の範囲は,同じ方向
を向いた二つの変位計間の距離lとともに記録する(図1図3を参照)。ここに,tは,全主軸運転時間
の終わりの時間である。表1に示したこれらの値は,図7に示す例のように時間に対する温度及び変位の
図とともに表示する。また,次の項目は,図5に示すように,試験の結果とともに報告するのが望ましい。
a) 測定位置(L1の座標,図1参照)
b) 主軸端面とL1との距離
c) 温度検出器の位置
d) 温度検出器の種類

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B 6190-3 : 2014 (ISO 230-3 : 2007)
e) テストバー並びに変位計取付具の形状,寸法及び材料
f) 使用した温度補正方法及び装置
g) 主軸速度条件
h) 協定に基づく特別な試験手順
i) 試験日時
j) 試験前の機械の準備手順(運転時間を含む)
k) 図1,図2,図3及び図5に示したような座標系と異なる場合,X,Y,Z,A及びBの各変位の正方

表1−主軸の回転による熱変形の試験結果表示例
X1 Y1 Z A B
最初の60分 d(XOC) P1, 60d(YOC) P1, 60d(ZOC)60 d(AOC)60 d(BOC)60
主軸運転の間(t)d(XOC) P1, t d(YOC) P1, t d(ZOC) t d(AOC) t d(BOC) t
距離(l)

7 直進軸の運動による熱変形

7.1 一般

  この試験は,機械の位置決めシステム及び案内面の摩擦によって発生する内部発熱が,工具−工作物間
で観察される機械構造の熱変形に及ぼす影響を確認するために行う。この試験では,機械スケールの熱膨
張及び暖機運転中の局所的な発熱による機械構造の熱変形(ねじり及び曲げ)に起因するドリフト量を,
機械の直進軸に沿った二つの位置において測定する。この試験は数値制御(NC)工作機械だけに適用する。
暖機運転中の機械の構造要素は,要素内の全ての箇所における熱膨張が等しくなる場合にだけ,その形
状を維持できる。すなわち,位置に対する温度勾配ではなく,時間に対する温度勾配だけがあり,熱膨張
係数(CTE)が同じ場合である。しかし,実際の機械構造内にはモータ,ボールねじの軸受・ナット,及
び油圧機器のような局所熱源があるために,常に温度勾配が存在する。
この温度勾配によって,それぞれの構造要素は異なる量の膨張を生じ,応力が発生するとともに構造の
ねじり及び曲げのような角変位を引き起こす。
この箇条に規定する測定を行うことによって,上述した熱変形(温度勾配による熱変形)を明らかにす
ることができる。

7.2 試験方法

7.2.1  測定位置
目標位置は,可能な場合には運動の端点付近を選択するのが望ましく,通常は目標位置の間隔は2 m以
下とする。それぞれの目標位置には他方の目標位置からだけ接近するようにする。したがって,測定値に
は運動の反転による誤差が含まれる。試験中に生じる運動の反転誤差の変化はそれほど大きくないものと
仮定する。
ボールねじ又はロータリエンコーダのようなシステムでは,運動の反転値(直線変位及び角変位の両方)
は温度によって変化する可能性がある。この場合には,可能な場合は両方向からの測定を行う。
7.2.2 測定装置
次のような三つの代表的な測定器の取付例がある。第1の例は,それぞれ5個の変位計を備えた2個の
取付具とテストバーとから構成する。テストバーは主軸に取り付け,二つの取付具は送り運動の移動範囲
の両端の位置でテーブルに確実に固定する(図8参照)。

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変位計は,それぞれの目標位置(P1及びP2)において,テストバーの位置及び方向の変化が測定でき
るように取り付ける。それぞれの目標位置において,対応する変位計の読みから,(全て工具と工作物との
間の相対運動に対応する)直交する二つの直線変位及び二つの角変位だけでなく,運動要素が運動する距
離の試験中の変化を計算する。これらの計算には次の式を用いる。これらの式は,運動の矢印の反対方向
が正の読みとなるように定義してある(図8に測定装置及び記号を示す)。
d(EXX) P1, t=(PX11) t−(PX11) t0
d(EXX) P2, t=−[(PX21) t−(PX21) t0]
d(EYX) P1, t=(PY11) t−(PY11) t0
d(EYX) P2, t=−[(PY21) t−(PY21) t0]
d(EZX) P1, t=−[(PZ1) t−(PZ1) t0]
d(EZX) P2, t=−[(PZ2) t−(PZ2) t0]
d(EAX) P1, t=[(PY11−PY12) t−(PY11−PY12) t0]/l
d(EAX) P2, t=−[(PY21−PY22) t−(PY21−PY22) t0]/l
d(EBX) P1, t=[(PX12−PX11) t−(PX12−PX11) t0]/l
d(EBX) P2, t=−[(PX22−PX21) t−(PX22−PX21) t0]/l
ここに, l : 同じ方向を測定する二つの変位計間の距離
t0 : 運動サイクルの開始時間
t : 運動サイクルの終了時間
PX21 : 測定位置P2におけるX方向の一つ目の変位計の読み
注記1 d(ECX) P1とd(ECX) P2とは,図8に示した測定装置を用いては算出できない。
注記2 上記の式の符号は,工作物に対する主軸の相対運動方向が正のとき,変位計の読みが正にな
るように定義してある。
図8−マシニングセンタのX軸運動によって生じる熱変形測定装置
第2の例は,図9に示す7個の変位計と2個のターゲットブロックとで構成された測定装置である。こ
の装置では,変位計取付具を主軸に取り付ける。また,2個のターゲットブロックは,運動の両端の位置

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