JIS B 6336-9:2002 マシニングセンタ―検査条件―第9部:工具交換及びパレット交換時間の評価 | ページ 2

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B 6336-9 : 2002 (ISO 10791-9 : 2001)

5. 工具交換時間 (CTC) の評価

5.1 動作

 CTCには,次の動作を含む。
a) 基準位置PRから工具交換位置PCまでの移動
b) 次の工具の割出し(ほとんどの場合は : 附属書A参照)
c) 工具交換
d) 工具格納装置と加工領域との間の可動扉の開閉
e) 工具交換位置から基準位置までの移動
備考 主軸の加減速時間は,a)及びe)の動作に含まれると仮定している。

5.2 基準位置及び工具交換位置

5.2.1  加工領域の決定 加工領域は,直交座標軸X軸,Y軸及びZ軸の最大移動距離によって決まる。
付加機能(工具交換,パレット交換など)だけに使われる座標軸の延長部分は,加工領域外であるとみな
す。
直交3軸以外の運動する部品,例えば,繰出し主軸,クイル又はラムは,工具交換のための運動を必要
としない位置に引っ込めたままにする。
5.2.2 基準位置PR 基準位置PRは,次に規定する直交3軸の値によって決めた加工領域内の位置である。
5.2.2.1 横形マシニングセンタ JIS B 6336-1の図1に示すような構造形態の基準位置は,次による。
XR : X軸の移動範囲の中央
YR : Y軸の移動範囲の最下端から1/4の位置
ZR : コラムに最も近い側のテーブル端上に主軸端がくる位置
テーブルが長方形の場合には,テーブルの長手方向をX軸と平行にする。
5.2.2.2 立て形マシニングセンタ JIS B 6336-2及びJIS B 6336-3の図1に示すような構造形態の基準位
置は,次による。
XR : X軸の移動範囲の中央
YR : Y軸の移動範囲の中央
ZR : Z軸の移動範囲の中央
5.2.3 工具交換位置PC 工具交換位置PCは,構造形態によって異なる。その座標をXc,Yc,Zcとする。

5.3 工具格納装置の形態

5.3.1  一般 この規格では,5.3.25.3.4に規定する3種類の工具格納装置の形態を対象とする。
ここに,Nは格納工具本数を示す。
5.3.2 ドラム式又はチェーン式の両方向割出工具格納装置 この形式の工具格納装置では,最後の工具
TNはT1と最も近く,TN/2はT1と最も遠い。
5.3.3 ドラム式又はチェーン式の一方向割出工具格納装置 この形式の工具格納装置では,最後の工具
TNは,一方の向きではT1と最も近く,もう一方の向きではT1と最も遠い。
5.3.4 ボックス式又はマトリックス式の工具格納装置 この形式の工具格納装置では,最後の工具TNは
T1から最も遠く,T2はT1と最も近い。

5.4 工具格納装置のアクセス方式

5.4.1  一般 この規格では,格納装置のアクセス方式が関係する場合には,次の2種類の方式を対象とし
ている。

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5.4.2 固定アクセス方式 この方式の格納装置では,工具は機械主軸と格納装置との間で直接交換される。
工具格納のアクセス方式は,固定である。すなわち,各工具は,次の工具が取り出される前にその工具固
有のスロットに戻される。この格納装置は,可動形(例えば,ドラム式又はチェーン式)又は固定形(例
えば,ボックス式)で,それぞれの工具固有のスロットに割り付けられる。
5.4.3 ランダムアクセス方式 この方式の格納装置では,機械主軸と格納装置との間で,工具の交換を行
うために工具交換装置を使う。この方式では,次の工具が主軸に装着されたあと,空になったどのスロッ
トにでも工具を格納できるようにランダムな位置決めができる。この格納装置には,可動形(例えば,ド
ラム式又はチェーン式)又は固定形(例えば,ロボットを使用した格納方式)がある。

5.5 試験方法

5.5.1  測定すべきデータ 固定アクセス方式及びランダムアクセス方式の工具格納装置の工具交換時間
は,主に割出時間に依存して変化する。したがって,この規格では工具交換時間の最大値と最小値とを測
定する方法について規定する。
5.5.2 測定器具 この測定には,少なくとも2本の工具ホルダと1個のストップウオッチとが必要である。
ダイヤルゲージは,主軸が基準位置PRに到達したことを確認するために使用する。
5.5.3 試験の実施
5.5.3.1 一般 完全な試験は,試験プログラムの開始から終了までの間に,割込みが行われることなく,
10回の工具交換サイクルを数値制御で実行する。
試験プログラムは,最初の工具が主軸に装着され,他の工具が測定すべき時間に対応する格納装置の適
切なスロット(5.5.3.2.1,5.5.3.2.2又は5.5.3.3.1に規定する)又は工具交換装置の待機位置(5.5.3.3.2参照)
にすでに存在する状態で開始する。機械の各軸は,5.2.2に規定する基準位置PRになければならない。
試験プログラムは,プログラムされたすべての工具交換サイクルが完了し,最後の工具が主軸に装着さ
れ,機械の各軸が基準位置PRに戻ったときに終了する。
各試験サイクルは,基準位置PRから工具交換位置まで,早送りで行う。必要があれば,機械の軸のどの
軸を使ってもよい。
その後に,工具交換動作を行い,続けて早送りで基準位置PRに戻る。
この規格の目的のためには,主軸を回転させる必要はなく,基準位置PRでのドウエル時間はゼロにする。
必要があれば,工具を交換する位置で主軸をオリエンテーションする。
試験プログラムを終了した後に,必要な時間を求めるために全測定時間を10で割る。
5.5.3.2 固定アクセス方式の工具格納装置
5.5.3.2.1 最大工具交換時間 この値を求めるための各工具交換動作は,格納されたばかりの工具から最
も遠い工具を格納装置から取り出して,実行する。
5.5.3.2.2 最小工具交換時間 この値を求めるための各工具交換動作は,格納されたばかりの工具に最も
近い工具を格納装置から取り出して,実行する。
5.5.3.3 ランダムアクセス方式の工具格納装置
5.5.3.3.1 最大工具交換時間 この値を求めるための各工具交換動作は,格納されたばかりの工具から最
も遠い工具を格納装置から取り出して,実行する。
割出時間は,最初のサイクルが他の機能によって部分的に隠されるので,他のサイクルとは異なる。し
たがって,この場合の試験プログラムは,11回のサイクルを実行し,時間の測定を基準位置PRに主軸が1
回目に戻ってきたときから開始する。1回目のサイクルは,無視し,10サイクル分を測定する。

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5.5.3.3.2 最小工具交換時間 この値を求めるための試験プログラムは,すべての割出時間が完全に加工
時間に含まれてしまうことを想定しているために,割出時間は工具交換時間に現れてこない。
この目的のために,次の工具は,格納装置から取り出す必要はない。工具交換装置の待機位置に次の工
具を準備しておく。

5.6 万能主軸頭

 各軸に平行な向きと異なる方向に向けることができる万能主軸頭は,工具を交換する
ために指定された一つの位置に戻さなければならない場合がある。これは,工具交換装置がない場合には,
ほとんどが固定アクセス方式の工具格納装置の場合である。
それ以外の場合には,工具交換装置は,二つ以上の向きに向けられた万能主軸頭に対応することができ
る(例えば,横と立て)。
この両方の場合とも,最大工具交換時間(5.5.3.2.1及び5.5.3.3.1参照)及び最小工具交換時間(5.5.3.2.2
及び5.5.3.3.2)は,水平及び垂直にオリエンテーションしたときの主軸について求める。

5.7 結果の表示

5.7.1  一般 試験結果には,次の情報を含めなければならない。
5.7.2 試験データ 試験した場所,日付及び責任者
5.7.3 試験した機械 機械の記述は,次による。
− 製造業者
− 形式
− 製造番号
− 製造年
− 直交3軸の移動範囲 (Xc - XR,Yc - YR,Zc - ZR),mm(5.2.1参照)
− 各軸の早送り速度,m/min
− 主軸頭の向き(横,立て,万能)
5.7.4 工具及び格納装置 工具及び工具格納装置の記述は,次による。
− 工具シャンクの形式及び大きさ
− 試験に使用した工具ホルダの長さ及び質量
− 工具格納装置の形式及び格納本数(5.3参照)
− 工具格納装置のアクセス方式(5.4参照)
5.7.5 試験結果
a) 最大工具交換時間,CTCmax,5.5.3.2.1又は5.5.3.3.1による。
b) 最小工具交換時間,CTCmin,5.5.3.2.2又は5.5.3.3.2による。
c) 工作機械が,万能主軸頭の場合には,
− 横軸にしたときの最大工具交換時間
− 横軸にしたときの最小工具交換時間
− 立て軸にしたときの最大工具交換時間
− 立て軸にしたときの最小工具交換時間

6. パレット交換時間 (PCT) の評価

6.1 動作

 PCTには次の動作を含む。
a) 基準位置PRからパレット交換位置まで,パレットを付けたレシーバを移動させる。
b) レシーバからパレットのクランプを外す。

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c) 安全ガードを開く。
d) パレットを搬出する。
e) 必要なときには,次のパレットを受け取るために第2の位置にレシーバを位置決めする。
f) 次のパレットを搬入する。
g) レシーバ上のパレットをクランプする。
h) 安全ガードを閉じる。
i) パレット交換位置から基準位置PRまで次のパレットをつけたレシーバを戻す。

6.2 基準位置PR

6.2.1  一般 基準位置PRは,通常,5.2.2と同様に直交3軸の値によって決めた加工領域内の位置である。
ただし,付加機能(工具又はパレットの交換)のためだけに使われる座標軸の延長部分は,含まない。
6.2.2 横形マシニングセンタ JIS B 6336-1の図1に示す形態に対しては,レシーバは,次に示す軸方向
に平行に移動する。
移動軸なし 形態05,08及び11
X軸 形態07及び10
Y軸 形態12
Z軸 形態02
X軸及びY軸 形態06及び09
Z軸及びX軸 形態01及び04
3軸 形態03
6.2.3 立て形マシニングセンタ JIS B 6336-2及びJIS B 6336-3の図1に示す形態に対しては,レシーバ
は,次に示す軸方向に平行に移動する。
移動軸なし 形態05,08,及び11
X軸 形態07及び10
Y軸 形態02
Z軸 形態12
X軸及びY軸 形態01及び04
Z軸及びX軸 形態06及び09
3軸 形態03
したがって,6.1のa),e)及びi)の動作は,もっと複雑に又はもっと簡単に,若しくは全く運動させない
で実行される。

6.3 パレット格納装置の形態

6.3.1  一般 次の形態の格納装置を対象とする。ただし,Nはパレット格納場所の数を示す。
6.3.2 旋回台式又はチェーン式両方向割出パレット格納装置 この形式のパレット格納装置では,最後の
パレットPNは,P1に最も近く,PN/2はP1と最も遠い。
6.3.3 旋回台式又はチェーン式一方向割出パレット格納装置 この形式のパレット格納装置では,最後の
パレットPNは,一方の向きでは,P1に最も近く,逆の向きでは,P1と最も遠い。
6.3.4 位置式パレット格納装置 この形式のパレット格納装置では,通常,機上に置かれる旋回台式は,
二つのパレットを装備し,その一つは加工位置にあり,もう一つは取付け/取外し位置にある。2位置式
は,取付け/取外し位置に位置決めされ,機械自身がパレットを格納し,取り出す。

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6.3.5 リニア式及びスタッカ式パレット格納装置 この形式のパレット格納装置は,個々のパレット交換
装置にパレットを供給する2軸の搬送台車を使って,通常は,多数のマシニングセンタが使用する。パレ
ットは,搬送台車の両側に置くことができる。
この形式のパレット格納装置では,最後のPNは,P1と最も遠く,P2はP1に最も近い。

6.4 パレットアクセス方式

6.4.1  一般 この規格では,固定アクセス方式及びランダムアクセス方式の二つのアクセス方式を対象と
している。
6.4.2 固定アクセス方式 この方式の格納装置では,パレットは,機械側のレシーバと格納装置との間で
直接交換され,パレットの格納場所は,固定されている。すなわち,各パレットは,次のパレットを取り
出す前に,そのパレット固有の場所に戻される。それらは可動形パレット格納装置(例えば,旋回台式又
はチェーン式)又は固定形パレット格納装置(例えば,2位置式格納装置)で,各パレットは,固有の場
所に割り付けられる。
6.4.3 ランダムアクセス方式 この方式のパレット格納装置では,2位置式パレット交換装置は,機械側
のレシーバと格納装置との間でパレットを交換するために使われる。この方式は,機械側のレシーバに次
のパレットを載せた後に,空いているどの場所にでもパレットを格納できるようにランダムな位置決めが
できる。
それらは,可動形パレット格納装置(例えば,旋回台式又はチェーン式)又は固定形パレット格納装置
(例えば,搬送車を使うリニア式又はスタッカ式格納装置)である。

6.5 試験方法

6.5.1  測定すべきデータ 固定アクセス方式の多位置式パレット格納装置では,パレット交換時間は,割
出時間に依存し,変化する。したがって,この規格ではパレット交換時間の最大値と最小値とを測定する
方法について規定する。
固定アクセス方式の2位置式パレット格納装置では,パレット交換時間は一般に二つの向きで同じであ
る。したがって,ただ一つの値だけが測定される。
ランダムアクセス方式のパレット格納装置では,次のパレットを割出しする時間は,現在のパレット上
で加工する時間よりも通常は短い。したがって,その割出時間は省略でき,ただ一つの値だけが測定され
る。
6.5.2 試験器具 この試験には,パレット2台,ダイヤルゲージ1個及びストップウオッチ1個が必要で
ある。ダイヤルゲージは,パレットが基準位置PRに到達したことを確認するために使用する。
6.5.3 試験の実施
6.5.3.1 一般 完全な試験は,試験プログラムの開始から終了までの間に,割込みが行われることなく,
10回のパレット交換サイクルを数値制御で実行する。
試験プログラムは,最初のパレットがレシーバに装着され,他のパレットが測定すべき時間に対応する
格納装置の適切な位置(6.5.3.2.1,6.5.3.2.2又は6.5.3.3に規定するように)又はパレット交換装置の待機位
置(6.5.3.4参照)にすでに準備された状態から開始する。機械の各軸は,6.2に規定する基準位置PRにな
ければならない。
試験プログラムは,プログラムされたすべてのパレット交換サイクルが完了し,最後のパレットがレシ
ーバに装着され,機械の各軸が基準位置PRに戻ったときに終了する。
すべての試験サイクルは,基準位置PRからパレット交換位置まで,早送りで行う。
その後にパレット交換動作を行い,続けて早送りで基準位置PRに戻る。

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JIS B 6336-9:2002の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10791-9:2001(IDT)

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