JIS B 6410:2009 プレス機械―サーボプレスの安全要求事項 | ページ 8

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注記 この例では,次のコンポーネントを用いている。
− 安全PLC又は安全リレーユニット : IEC 61508 に準拠したもので,カテゴリ4対応のも

図D.2−電源遮断システムの冗長化設計例1(二つの電磁接触器を用いた例)
注記 この例では,次のコンポーネントを用いている。
− 安全PLC又は安全リレーユニット : IEC 61508 に準拠したもので,カテゴリ4対応のも

− サーボアンプ : カテゴリ3対応の電源遮断機能(電子的遮断機能)を備えたもの
図D.3−電源遮断システムの冗長化設計例2(電磁接触器と電子的遮断とを用いた例)

――――― [JIS B 6410 pdf 36] ―――――

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注記 複数のサーボ駆動軸が機械的に(図では,スライドで)連結したサーボプレスにおいて,一方のサーボシステ
ムに障害が生じても,他方のサーボシステムを電源遮断し,制動機構によってスライドを減速できれば,その
機械的構造のために,例えば,スライドがロックしてしまい,結果的にスライドの危険な作動を防止できる冗
長化システムの例である。ただし,一方が主,他方が従の関係にあるマスタースレーブ系のように,2軸の作動
の不一致を許容するシステムでは,ここで意図する安全性能は達成できない。また,例えば,2軸を連結する機
械要素部分の不具合(例えば,リンクの損傷)など,単一障害で停止機能の冗長性を喪失する場合に対して解
析・評価が必要である。
この例では,次のコンポーネントを用いている。
− 安全PLC又は安全リレーユニット : IEC 61508 に準拠したもので,カテゴリ4対応のもの
− 制動機構 : ノーマリクローズド形の機械ブレーキ
図D.4−電源遮断システムの冗長化設計例3(複数のサーボシステムで冗長性を確保する例)

――――― [JIS B 6410 pdf 37] ―――――

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附属書E
(参考)
静的な制動性能監視機能の実装例
E.1 機械的制動機構の静的な制動性能監視の実装例
機械的制動機構に対して静的な制動性能監視機能を実行するサーボプレスを想定し,具体的な実装例を
機能ブロック図として図E.1に示す。ただし,この図は,主に静的な制動性能監視機能に関連するコンポ
ーネント及びそれらの作動を説明することを目的としており,これと同じ構成と作動のサブシステムを構
築すれば直ちに必要な安全性能(カテゴリ)が達成されることを必ずしも保証するものではない。選定し
たカテゴリに対する設計の妥当性は,ハードウェアの詳細な故障解析,プレスコントローラのソフトウェ
アの品質評価及び実装後の安全機能試験に基づいて,別途詳細に確認しなければならない。
1.フィードバック位置検出器 (1) からの信号をサーボアンプ(ドライバ)で処理する。
2.処理した信号をサーボアンプがプレスコントローラに送る。
3.フィードバック位置検出器 (2) からの信号をプレスコントローラが受け取る。
4.プレスコントローラでフィードバック位置検出器 (1) とフィードバック位置検出器 (2) の値を
比較し,不一致がなければ,これを監視テスト前のスライド位置の検出数値とする。
5. プレスコントローラが機械的制動機構(機械ブレーキ)を作動させる。
6. プレスコントローラがサーボアンプに制動性能監視用のトルク値での駆動を指令する。
7. サーボアンプから動力を供給し,モータがトルクを発生する。
8. フィードバック位置検出器 (1) からの信号をサーボアンプで処理する。
9. 処理した信号をサーボアンプがプレスコントローラに送る。
10. フィードバック位置検出器 (2) からの信号をプレスコントローラが受信する。
11. プレスコントローラでフィードバック位置検出器 (1) とフィードバック位置検出器 (2) の値を
比較し,不一致がなければ,これを監視テスト後のスライド位置検出数値とする。
12. 監視テスト前後の位置検出数値をプレスコントローラで比較し,数値が変化していれば,制動
機構の性能低下と判断して,スライドを起動できないようにし,異常を表示する。
図E.1−機械的制動機構の静的な制動性能監視機能の機能ブロック図

――――― [JIS B 6410 pdf 38] ―――――

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附属書F
(参考)
ソフトウェアに適用する方策の例
F.1 一般
サーボプレスで使用するソフトウェアは,信頼でき,かつ,障害発生時の挙動が許容可能であるように
試験され,評価され,証明されなければならない。この規格では,この目的を達成する具体的方策は規定
しないが,例として,ISO 13849-1:2006の4.6に基づく方策をこの附属書に示す。
なお,同じソフトウェアを複数の安全機能で利用する場合,ソフトウェアは最も高い性能基準の安全機
能の要求事項に適合しなければならない。
F.2 基本方策
安全機能にかかわるソフトウェアに対しては,最低限,次の基本方策を適用する。
a) ソフトウェア開発プロセスへの検証及び妥当性確認活動を伴うVモデルの採用(ISO 13849-1:2006の
図6参照)
b) 機能要求仕様,安全度要求仕様及び設計の文書化
c) モジュラー化及び構造化された設計,プログラミング及びコーディング
d) 決定論的原因障害の抑制
e) 正しい実装の検証
f) 機能試験,例えば,ブラックボックステストの実施
g) ソフトウェア変更にかかわる適切なソフトウェア安全ライフサイクル活動の実施及び管理
h) 使用者による変更を防止する保護
F.3 組込みソフトウェア
安全関連部の組込みソフトウェアは,サーボプレスがハンドインダイである場合はJIS C 0508-3に規定
する安全度水準3 (SIL3) の要求事項に従って,それ以外は適切な安全度水準に従って設計・開発・実現・
検証・管理する。
F.4 アプリケーションソフトウェア
安全機能にかかわるアプリケーションソフトウェアは,制約可変言語で記述する場合はISO
13849-1:2006の4.6.3に,完全可変言語で記述する場合はISO 13849-1:2006の4.6.2に従って設計・開発・
実現・検証・管理する。
F.5 ソフトウェアベースのパラメータ設定
安全機能にかかわるソフトウェアベースのパラメータ設定,例えば,安全機能の開始時刻,開始位置又
は監視機能の許容値の設定は,製造業者が提供する専用のソフトウェアツールを用いることでだけ実施で
きるようにし,例えば,パスワードなどによって権限のない変更を阻止する。また,パラメータ設定にか
かわるすべてのデータのインテグリティは保守する必要があり,このためには,ISO 13849-1:2006の4.6.4
又はJIS B 9961:2008の6.11.2への適合を考慮する。

――――― [JIS B 6410 pdf 39] ―――――

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附属書G
(参考)
参考文献
[1] JIS B 9714:2006 機械類の安全性−予期しない起動の防止
[2] JIS B 9715 機械類の安全性−人体部位の接近速度に基づく保護設備の位置決め
[3] JIS B 9961:2008 機械類の安全性−安全関連の電気・電子・プログラマブル電子制御システムの機能
安全
[4] JIS C 0508-3:2000 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全−第3部 : ソフトウェア
要求事項
[5] JIS C 8201-5-1 低圧開閉装置及び制御装置−第5部 : 制御回路機器及び開閉素子−第1節 : 電気機械
式制御回路機器
[6] ISO 13732-1,Ergonomics of the thermal environment−Methods for the assessment of human responses to
contact with surfaces−Part 1: Hot surfaces
[7] ISO 13849-1:2006,Safety of machinery−Safety-related parts of control systems−Part 1: General principles
for design
[8] IEC 61508 (all parts),Functional safety of electrical / electronic / programmable electronic safety-related
systems
[9] IEC 61800-5-2:2007,Adjustable speed electrical power drive systems−Part 5-2: Safety requirements−
Functional

JIS B 6410:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 6410:2009の関連規格と引用規格一覧