JIS B 7075:2018 光学及びフォトニクス―光学材料及び構成物―波長が0.78μmから25μmまでの赤外線の範囲で使用する光学材料の特性 | ページ 2

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B 7075 : 2018 (ISO 11382 : 2010)

5 名称

5.1 一般

  この規格を適用する光学材料の名称は,次によって特定する。
a) 材料名(5.2参照)
b) 製造業者名(5.3参照)
c) 材料構造(記載方法は選択可能。5.4参照)
d) 製造工程(5.5参照)
e) この規格の規格番号

5.2 材料名

  材料名には,商標又は一般名称(例えば,ゲルマニウム,サファイヤなど)を使い,製造方法も続けて
記載する。

5.3 製造業者名

  名称には製造業者名を含む。

5.4 材料構造

  判明している場合は,次の例のように材料構造の種類を記載する。
− 非結晶材料(ガラス,プラスチックなど)
− 多結晶材料
− 結晶(天然,合成の別)
− セラミックス

5.5 製造工程

  名称には,製造工程を含む。ただし,記載は省略形が可能である(例えば,化学気相堆積法をCVDと
するなど)。製造工程中のある個所の変更によって,一つ以上の材料特性に変化が起きる場合は,その旨の
言及を行う。
注記 自然界には赤外域を透過する様々な材料が存在するが,その希少性,並びに大きさ及び純度の
限界のため,光学材料は通常人工的に製造又は精製される。

5.6 名称の表記方法

  次の例のように,名称の各要素を順番に“−”でつないで標記する。
例1 ゲルマニウム−A社−単結晶タイプn−帯域溶融法−JIS B 7075
例2 硫化亜鉛−B社−多結晶−熱間等方圧加圧法−JIS B 7075

6 光学特性

6.1 一般

  データ取得の方法を記載する。文書からデータを参照して引用する場合は,参照した文書及びその出版
年月日を記載する。
材料形状は,図1に示す光学研磨面1及び2をもつ平行平面板とする。

――――― [JIS B 7075 pdf 6] ―――――

4
B 7075 : 2018 (ISO 11382 : 2010)
1,2 光学研磨面
3 入射光束
4 反射成分
5 透過成分
6 散乱成分
図1−素子における光伝ぱ(播)を示す概略図
図1において,入射光束は次のように分割される。
− 反射成分
− 透過成分
− 散乱成分
− 吸収成分
mを素子面の番号を表す記号とすると,入射光束の各成分は,式(1)式(3)による。
τm m αm δm 1 (1)
1 i2
t 2 (2)
1 i 1 2
τs2τi
τt 2 2 (3)
1 τis
ここに, τt : 素子の透過率
τm : 面mの正透過率
τ1 : 面1の正透過率
τ2 : 面2の正透過率
τs : 面1と2とが同等面の場合,面mの正透過率
τdm : 面mの散乱透過率
τi : 素子の内部透過率
ρm : 面mの正反射率
ρ1 : 面1の正反射率
ρ2 : 面2の正反射率
ρs : 面1と2とが同等面の場合,面mの正反射率
ρdm : 面mの散乱反射率
αm : 面mの吸収率
δm : 面mの全散乱 δm=ρdm+τdm

6.2 透過率

6.2.1  提供する仕様項目
製造業者が提供する仕様項目は,次による。

――――― [JIS B 7075 pdf 7] ―――――

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B 7075 : 2018 (ISO 11382 : 2010)
a) 測定方法は,ISO 15368による。
注記 ISO 15368を翻訳し,参考として附属書JAに記載する。
b) 透過率の測定は2013+ ℃で行う。試料の標準厚さは2±0.1 mm,5±0.1 mm又は10±0.2 mmとする。

c) 透過率は,X軸に波長(又は波数)を,Y軸に透過率をとったグラフで表示する。透過率の不確かさ
[例えば,標準不確かさ(±σ)又は拡張不確かさ(±kσ,k=2)]は,曲線上のエラーバー(図2参
照)又はグラフの説明文中で示す。
d) 次の事項を記載する。
− 試料の厚さ(曲線が複数となる場合は,それぞれの厚さが分かるよう注を付けて同一グラフ上で表
示する。)
− 測定時の試料の温度及びその不確かさ
− 透過率に影響を与えるパラメータ値(例えば,半導体の抵抗率)
e) 他に記載のない限り,入射光線は試料表面に垂直に入射し,偏光していないものとする。
透過率の例を図2に示す。
材料 : ゲルマニウム,厚さ2 mm,温度(20±0.5) ℃
X軸 : 波長(単位μm)
Y軸 : 透過率
エラーバー : 標準不確かさ
図2−透過率の例
6.2.2 温度依存
透過率の測定は,温度依存がある場合,それを明示できるように選択した適切な温度範囲で行う。この
データのグラフを6.2.1に記載する方法で表示する。
通常の温度範囲は,−40 ℃+70 ℃であるが,低温(50 K又は77 K),又は高温(≦500 ℃又は≦700 ℃)
で使用する可能性もある。

6.3 線形吸収係数

6.3.1  一般
内部透過率τiは,線形吸収係数αを使い,次の式(4)で示す。

――――― [JIS B 7075 pdf 8] ―――――

6
B 7075 : 2018 (ISO 11382 : 2010)
i
e−d

(pdf 一覧ページ番号 )

6.3.2  提供する仕様項目(6.5.2でも同様に記載する。)
線形吸収係数αは,不確かさ値とともに,次の項目を含む表の形で記載する。
− 波長(重要なスペクトル構造を全て提示できる十分なサンプル数とする。)
− 温度
− (異方性材料での)伝ぱ(播)方向
− 特定のパラメータ(例えば,半導体の抵抗率)

6.4 透過率の均一性

6.4.1  一般
製造過程における,内包物,気泡,局所変化などの現象によって,透過率の不均一性が発生する可能性
がある(例えば,不完全なアニール,組成の局所変化)。
6.4.2 泡及び異物
JIS B 0090-3に規定する記号1)がこの規格の目的に適切であり,これに従う。ただし,赤外材料の多くは
不透明で可視光域で散乱現象を起こすため,その測定は,より複雑である。
実験器具(例えば,陰影法のための器具)には,赤外検出器を備える。この場合器具の画素素子は,求
められている最小偏位寸法と一致していなければならない。
注1) IS B 0090-3で使われている記号の説明を,参考として附属書JBに記載する。
6.4.3 製造工程での局所変化
材料の不均質性によって引き起こされる光の偏位の検出感度は,測定器具の性能に依存し制限される(干
渉計,密度計など)。使用する器具の空間分解能及び測光分解能を記載する。この二つのパラメータは,通
常互いに関連している。

6.5 屈折率

6.5.1  一般
理論上,屈折率n~は,次の式(5)によって表される複素数である。
~
n n ik (5)
kは減衰係数であり,線形吸収係数αとの関係は,次の式(6)によって表される。
αλ
k (6)

吸収率が無視できるほど小さい場合,式(5)の実数部分nは材料の屈折率を表す。
屈折率は,次の要因に依存する。
− 波長
− (異方性材料での)伝ぱ(播)方向
− 温度
− その他のパラメータ(例えば,不純物ドーピング)
屈折率は,製造法によって,又は同一の製造法でも製造バッチごとに異なる。公称の屈折率は,個々の
製造工程での値の平均値を示すのがよい。
6.5.2 提供する仕様項目
製造業者が提供する仕様項目は,次による。
13
a) 屈折率は,大気を外部媒体として温度が20 +

℃の場合の値を記載する。

――――― [JIS B 7075 pdf 9] ―――――

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B 7075 : 2018 (ISO 11382 : 2010)
b) 公称屈折率は,次のいずれかの方法で記載する。
− 波長の関数を使ったデータ表の形式
− 分散公式の内の1数式を使う(例えば,セルマイヤの分散公式)。
c) 次の事項に関する臨界パラメータ値を記載する。
− 公式が有効なスペクトル領域
− スペクトル領域内の最大不確かさ
d) 異方性材料に関しては,伝ぱ(播)及び偏光の方向を記載する。

6.6 屈折率の変動

  屈折率の値は,製造バッチごとに変動の可能性がある。表1に各クラスごとの屈折率変動の許容限界を
示す。各クラスは,実際の屈折率と公称屈折率との差の最大値の関数として定義する。
屈折率は,波長4.00 μm又は10.00 μmにおいて定義することが望ましい。前述の波長における透過率が
ゼロ又はゼロに近い場合は,透過域内で整数値をとる一つ以上の波長において,マイクロメートルを単位
として定義する。
六つのクラスは,測定した透過率nms及び公称屈折率nnomの差の最大値によって定義し,表1による。
表1−屈折率変動のクラス分類における各クラスの許容限界値
クラス(λ=4 μm) ) 1 2 3 4 5 6
nms−nnomb) ≦0.000 01 ≦0.000 1 ≦0.001 ≦0.005 ≦0.01 >0.01
注a) 個々のケースごとに波長を記載する(この例では4 μm)。
b) msは,nnomで規定されている条件(温度など)と同じ条件の下で測定する。

6.7 屈折率の温度依存

  値dn/dT 2)を記載することが望ましい。一般に,値dn/dTは波長によって変動する可能性があるので,適
切な個々の波長における値を記載する。
適用限界及び不確かさ(標準不確かさ又は拡張不確かさ)を記載する。
なお,値dn/dTの代わりに,(波長及び温度の関数のような)他の式を用いてもよい。
注2) は温度で,屈折率の温度についての微分係数。屈折率温度係数という。

6.8 光学的均質性(屈折率の均一性)

  材料の全体で,屈折率が均一であることが重要である。温度は,材料のどこで測定しても均一であると
する。均一性は,材料の大きさ及び形状によって変化する可能性がある。
均一性を示す指数として,7区分を定義するものとする。それぞれの区分は,表2に示すように,対象
となる材料物の中でのパラメータdn 3)の値によって決まる。
注3) 屈折率の基準値からの微小変動量。
表2−屈折率の均一性
クラス 1 2 3 4 5 6 7
dn ≦0.000 004 ≦0.000 01 ≦0.000 04 ≦0.000 1 ≦0.000 4 ≦0.001 >0.001

――――― [JIS B 7075 pdf 10] ―――――

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JIS B 7075:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11382:2010(IDT)

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