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B 7080-1 : 2015 (ISO 9211-1 : 2010)
2.5 位相関係
2.5.1
位相変化,dΦ(λ)(phase change)
電磁波の位相[Φ(λ)]と参照波の位相[Φ0(λ)]間の位相角度差[dΦ(λ)=Φ(λ)−Φ0(λ)]。
電場ベクトル(E)は,次の式で表す。
2πvt
E Acos Φ(λ)
λ
ここに, E : 電場ベクトル
A : 振幅ベクトル
v : 媒質中の伝搬速度
t : 時間
λ : 媒質中の波長
Φ(λ) : 位相
電磁波による空間内の一点における電場(E0)は,次の式で与えられる周期関数によって記述すること
ができる。
2πvt
E0 Acos Φ0 (λ)
λ
2.5.2
位相遅延,リターデーション,ΔΦ(λ)(phase retardation)
電場ベクトルのp成分とs成分の間の位相変化の差。
ΔΦ(λ)=dΦp(λ)−dΦs(λ)
3 機能別コーティングに関する用語の定義
コーティングの機能を表す用語は,コーティングすることによって変化する表面の主要な性質によって
定義する。
表1に定義するような主機能を実現しようとするコーティングは,一つ以上の副機能を含むことがある。
主機能に関連する副機能は,相対的に重要である。
――――― [JIS B 7080-1 pdf 6] ―――――
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B 7080-1 : 2015 (ISO 9211-1 : 2010)
表1−コーティングの機能に関する用語
機能 略号 定義 適用例
反射(reflecting) RE レーザミラー
特定の波長範囲にわたって,光学表面の反射率を
増加させる機能
AR
反射防止(antireflecting) 反射防止膜レンズ
特定の波長範囲にわたって,光学表面の反射率を
減少させる機能。通常,コーティングによって透
過率を増加させる。
ビームスプリット(beam BS ニュートラルビームスプ
特定の波長範囲にわたって,入射放射束を一方は
splitting) リッタ
透過,他方は反射の二つの放射束に分割する機
能。各放射束のエネルギー分布は,本質的に波長
パーシャルリフレクタ
選択性がなく,入射エネルギー分布を再現する。
減衰(attenuating) AT ニュートラルデンシティ
特定の波長範囲にわたって,透過率を減少させる
機能 フィルタ
フィルタ(filtering) FI 波長選択的に透過率を変化させる機能 レーザ線スペクトル選択
a) バンドパス FI-BP フィルタ
b) バンド阻止 FI-BR ラマンノッチフィルタ
波長選択又は波長結合 SC ダイクロイックミラー
入射放射束を,二つ又はそれ以上の放射束に分割
(selecting or combining) ビームコンバイナ
する機能。各放射束は限定されたスペクトル領域
SC-LP
a) ロングパス(long pass) コールドミラー
に広がり,反射か透過のいずれかで伝搬する。そ
b) ショートパス(short SC-SP 近赤外カットフィルタ
の逆の光路は,異なるスペクトル領域の放射束を
pass) 結合する。
偏光(polarizing) PO 偏光子
光の特定の波長範囲にわたって,出射電磁放射の
偏光状態を制御する機能 非偏光ビームスプリッタ
PC
位相変化(phase changing) 位相遅延コーティング
特定の波長範囲にわたって,入射電磁放射に対す
る出射電磁放射の位相変化,及び/又はsベクト
ルとpベクトルとの間の位相差を制御する機能
吸収(absorbing) AB 光トラップ
特定の波長範囲にわたって,入射放射束から指定
した値を吸収する機能 紫外線吸収素子
付加機能 SU 電気伝導
非光学特性を与える機能。非光学特性は,しばし
(supplementary) ば光学機能と結びつく。 化学的又は機械的保護
4 一般的なコーティング欠陥に関する用語の定義
注記 検査方法は,JIS B 7080-4及びISO 14997に規定されている。コーティングの欠陥の例を,附
属書Aに示す。
4.1 点状欠陥
4.1.1
ピンホール(pinhole)
薄膜内の非常に小さな穴(図A.1参照)。
4.1.2
突沸(spatter)
蒸着コーティングにおいて,蒸着材の小さな塊が熱いるつぼから基板表面に飛び込み,そこに付着した
ときに生じる欠陥(図A.2参照)。
4.1.3
パーティクル(particle)
薄膜上又は薄膜中にある非常に小さな蒸着材片(図A.3参照)。
――――― [JIS B 7080-1 pdf 7] ―――――
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B 7080-1 : 2015 (ISO 9211-1 : 2010)
4.1.4
ダスト(fine dust)
薄膜上又は薄膜中にある複数(多くの場合,かなりの数を指す。)の物質の小さな破片(図A.4参照)。
4.1.5
ぶつ(nodule)
表面にある小さな(通常はコーティングの)こぶ状の欠陥(図A.5参照)。
4.2 線状欠陥
4.2.1
スクラッチ(scratch)
鋭利な,又は粗い表面の器具でつけられたように見える表面のきず又は引っかききず(図A.6参照)。
注記 引っかききずは,さまざまな偶発的な原因によって,光学表面上にさまざまな程度で発生する。
4.2.2
ヘアライン(hairline scratch)
非常に細く滑らかな引っかききずで,通常は直線的(図A.7参照)。
注記 ヘアラインは,その特異性及びその直線性によって特徴付けられる。他のスクラッチは,カー
ブしている,複数の又は隣接するスクラッチと接触せずに接近している。
4.2.3
クラック(crack)
コーティング層の割れ目(図A.8参照)。
4.2.4
マイクロクラック(crazing)
コーティング層の小さな割れ目(多くの場合,熱応力による。)(図A.9参照)。
4.3 面状欠陥
4.3.1
しみ(stain)
表面の不規則な局部的変色。化学作用によって生じた変化に起因する(図A.10参照)。
4.3.2
擦りきず(abrasion)
硬い表面で擦られたことによる表面の損傷(図A.11参照)。
4.3.3
拭き残り(lint mark)
光学表面上の布又は紙の繊維の残存物(図A.12参照)。
4.3.4
膜抜け(void)
指定のコーティングをした表面領域内で,コーティングされていない局所部分(図A.13参照)。
4.4 体積欠陥
4.4.1
膜がれ(peeling)
基板周辺から部分的に離したコーティングの領域(図A.14参照)。
――――― [JIS B 7080-1 pdf 8] ―――――
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B 7080-1 : 2015 (ISO 9211-1 : 2010)
4.4.2
部分膜がれ(flaking)
基板周辺以外の領域から部分的に離したコーティングの領域(図A.15参照)。
4.4.3
膨れ(blister, bubble)
コーティングの下部か内部にある含有物。薄膜をもち上げようとする(図A.16参照)。
5 その他の用語
5.1
有効部(clear aperture)
仕様に適合する表面の領域。
5.2
リム(rim)
有効部外の領域。
5.3
サンプル(witness sample)
コーティングされた実際の部品及び基板の代わりに用いる標本。分光試験及び環境試験に用いる。
注記 サンプルの採り方についての詳細(例えば,材料,表面状態,寸法,バッチ番号,コーティン
グ室内での位置など)は,受渡当事者間の協定による。
――――― [JIS B 7080-1 pdf 9] ―――――
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B 7080-1 : 2015 (ISO 9211-1 : 2010)
附属書A
(参考)
典型的な光学コーティング欠陥の顕微鏡写真
典型的な光学コーティング欠陥の顕微鏡写真を図A.1図A.16に示す。
図A.1−ピンホール
――――― [JIS B 7080-1 pdf 10] ―――――
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JIS B 7080-1:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9211-1:2010(IDT)
JIS B 7080-1:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.37 : 映像技術(用語集)