JIS B 7442:2013 産業用X線CT装置―用語 | ページ 3

                                                                                              9
B 7442 : 2013
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1019 コーンビームX cone beam X-ray
円すい(錐)状に広がるX線のビーム。例えば,ビームの縁の形
線 状によらずエリア検出器で測定するときのX線のビーム。
1020 コーンビーム角 コーンビームX線の円すい(錐)の頂角の大きさ。 cone beam angle

c) 検出系用語
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2001 ライン検出器 line detector
X線の強度を一次元分布として測定することができる検出器。例
えば,多数の検出素子を一列に配置したものがある。
2002 エリア検出器 area detector
X線の強度を二次元分布として測定することができる検出器。例
えば,X線イメージインテンシファイア,フラットパネル検出器
などがある。
2003 フラットパネル flat panel detector
多数の微小な検出素子を平面状に配置したエリア検出器の一つ。
検出器 注記 入射したX線は,X線変換部で間接的又は直接的に電荷に
変換され,電気信号として取り出される。X線イメージイン
テンシファイアに対して,X線が間接的又は直接的に電気信
号に変換され,画像ひずみもなくなる。露光時間が可変で,
デジタル画像が取得できるため普及した。ただし,電子増倍
などの信号強度を増幅する機能はない。
2004 シンチレータ X線検出器の一種で,X線を可視光に変える機能をもつ部品。 scintillator
注記 X線フォトンによる分子励起によって蛍光を発生する
CWO,CsI,GOS,GGAO,BGOなどの結晶が使用される。
2005 検出素子サイズ size of a detector
検出器において,多数並べられた検出素子の大きさ。多くのもの
は長方形をしており,縦と横のそれぞれの長さとで表す。 element

――――― [JIS B 7442 pdf 11] ―――――

10
B 7442 : 2013
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2006 検出器コリメー detector collimator
検出器の直前に置かれ,検出器に入射するX線の方向及び形状を
タ 調整する器具。
注記 散乱X線などの不要なX線が検出器に到達しないように設
けられることが多い。“グリッド”とも呼ばれる。特に,可
動できる検出器コリメータを,“シャッタ”又は“イメージ
シャッタ”と呼ぶことがある。
2007 検出器フィルタ detector filter
低エネルギー域のX線を減弱するように,検出器の前面に置く材
質及び厚さが均一な板。
注記 X線束に含まれるエネルギーの低いX線がカットされるた
め,断面画像への線質硬化の影響を低減することができる。
2008 積分時間 画像再構成に寄与する一透過データの蓄積時間。 integral time
注記1 積分時間を長くすることで,画像雑音量を低減することが
できる。画像雑音として統計的ノイズが支配的な場合の画
像雑音量は,積分時間の平方根に反比例する。
注記2 一透過データを得るために,X線検出器の計測を,複数回
行い,その計測値を加算又は加算平均することもある。
2009 ビニング X線検出器の複数の素子を擬似的に結合させて1ピクセルとしてbinning
扱い,1ピクセル当たりの見掛けの受光面積を大きくして感度を上
げ,かつ,読出し画素数を減じてフレームレートを上げる手法。
2010 検出器アフター detector after glow
検出器に入射するX線が途切れた後に検出器に残る信号成分。シ
グロー ンチレータの場合には,残光という。半導体検出器の場合には,
結晶中に残存する格子欠陥にトラップされたキャリアが解放さ
れ,X線照射に遅れて発生する信号。
2011 検出器クロスト 隣り合う素子からの信号の漏れ又は映り込み。 detector cross talk
ーク
2012 測定レンジ, 検出系で測定できる最大値と最小値との範囲。 dynamic renge
ダイナミックレ 注記 空気層測定での検出器出力の測定値を,“Max”,オフセット
ンジ 測定での検出器出力の測定値を,“Min”と表記する場合,
測定レンジ=Max−Min
となる。これを基にして,ダイナミックレンジとは,
ダイナミックレンジ=20 log10[測定レンジ/ノイズレベル]
となり,ここでノイズレベルは,オフセット測定での検出器
出力の標準偏差をいう。
2013 空気層測定, air measurement,
検出器の感度及びX線の照射むらを校正するための計測で,ワー
リファレンス測 クによるX線減弱が一切ないときのX線検出器による計測及びそreference
定 の計測値。 measurement

――――― [JIS B 7442 pdf 12] ―――――

                                                                                             11
B 7442 : 2013
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2014 オフセット測定 offset
X線の入射が一切ない場合のX線検出器による測定及びその測定
値。 measurement
注記 通常のX線CT装置では,検出器からの信号をアナログ・デ
ジタル変換(AD変換)してデジタル信号として処理してい
る。このAD変換では電子回路の要求から,最小電圧に対し
て微小な電圧をプラスしてかさ上げし,これをAD変換して
いる。このかさ上げを“オフセット電圧”と呼ぶ。
通常のX線CT装置では,このオフセット電圧と,暗電流
による電圧とがプラスされたものが,検出限界の下限とな
る。この検出限界の下限を測定する意味で“オフセット測定”
と呼んでいる。このオフセット測定値は,検出系の測定レン
ジを決めたり,ダイナミックレンジを決める。
d) 走査系用語
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3001 撮影領域 scan area,
CTで撮影する領域で,ワーク断面画像を再構成するためのデータ
が収集され,画像再構成される領域。 field of view
(FOV)
3002 並進−回転走査 ファンビーム角度が315°程度のファンビームX線と数個数 translate-rotate
モード 十個の少ない検出素子のライン検出器とが,ワークを挟んで向きmode
合って配置され,一定角度ごとの回転を繰り返しながらワークを
並進走査して再構成に必要な投影データを得る走査方法。一回の
並進走査が終了すると,向き合って配置されたX線源と検出器と
に対してワークが相対的にファンビーム角度分回転した位置に移
動する。回転移動した後,再度並進走査を行い,次の投影データ
を得る。この繰返しによって,全体の投影データを得る。第二世
代走査方式ともいう。
3003 回転走査モード X線源とワークを通過したX線とを検出する検出器を,ワークをrotate only mode
挟んで向き合って配置し,X線源と検出器とに対してワークを相
対的に回転走査させ,一つ以上の断面の投影データを得る走査方
法。第三世代走査方式ともいう。

――――― [JIS B 7442 pdf 13] ―――――

12
B 7442 : 2013
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3004 ら(螺)旋CT, spiral CT,
回転走査モードに加え,回転軸方向への移動を同時に組み合わせ
ヘリカル走査モ helical CT
て投影データを得る走査方法。回転軸方向に照射X線の幅を超え
ード るワークの投影データを得るために用いられる。
注記1 回転軸方向への移動ピッチをヘリカルピッチといい,この
ピッチ,スライス厚さ及び再構成間隔を適切に選択するこ
とが重要となる。風車状アーチファクト及び階段状アーチ
ファクトの項を参照。
注記2 通常のCTでは,一断面の走査後,ワークを少し動かして,
次の断面を走査するということを順次繰り返していた。一
方,これに対しら(螺)旋CTでは,例えば,ワークを回
転させながら,X線源−検出器系をその回転軸と平行に相
対的に移動することで,ら(螺)旋状に走査して複数の断
面を一度に撮影する方法。これによって従来の検査時間を
短縮する。
3005 ノーマル走査 normal scan
回転走査モードにおいて,360°分のX線投影データを収集し,断
面画像を画像再構成する走査方法。フル走査ともいう。
3006 ハーフ走査 half scan
回転走査モードにおいて,約180°分のX線投影データを収集し,
断面画像を画像再構成する走査方法。
注記 ノーマル走査に比べると画像雑音は増加する。
3007 オフセット走査 offset scan
撮影領域を広げる走査方法。撮影領域より大きなワークに対して,
回転中心をずらして画像再構成領域を広げて撮影することができ
る。
3008 1/4オフセット 1/4 offset scan
X線検出器を回転中心に対して対称に配置するのではなく,検出
走査 器配列ピッチの4分の1ずらすことで,断面画像の空間分解能を
向上させる投影データ収集方法。

――――― [JIS B 7442 pdf 14] ―――――

                                                                                             13
B 7442 : 2013
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3009 焦点−検出器間 X線源の焦点から検出器までの距離。 source-to-detector
距離 注記 略語では幾つかの略称が同じ意味で使用されている。 distance (SDD)
“FDD : focus-to-detector distance”
“SID : sorce-to-image distance”
“FID : focus-to-image distance”
3010 焦点−回転中心 source-to-rotation
回転走査モードにおける,X線源の焦点からワークの回転中心ま
間距離 での距離。 centre distance
注記 略語では幾つかの略称が同じ意味で使用されている。 (SRD)
“FCD : focus-to-centre distance”
“SOD : source-to-object distance”
“FOD : focus-to-object distance”
3011 焦点−並進軸間 source-to-translation
並進−回転走査モードにおけるX線源の焦点から並進軸までの距
距離 離。 axis distance
注記 略語では幾つかの略称が同じ意味で使用されている。 (STD)
“FTD : focus-to-translation axis distance”
3012 回転中心−検出 ワークの回転中心から検出器までの距離。 rotation
器間距離 centre-to-detector
distance (RDD)
3013 幾何学拡大率 焦点−検出器間距離を,焦点−回転中心間距離で除した比率。magnification
注記 X線で投影されたワークの検出器位置での大きさが,実ワー
クの大きさの何倍になるかを表現している。
3014 スライス slice
CTの断面。断面画像となる面の広がり,及びそれと直交する厚さ
方向をもつ。

――――― [JIS B 7442 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS B 7442:2013の国際規格 ICS 分類一覧