JIS B 7450:1989 ディジタルスケール | ページ 2

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B 7450-1989
7.6 もどり誤差の最大値の求め方 もどり誤差の最大値は,7.3及び7.4によって求めた各測定箇所の行
き及びもどりのスケールユニットの読みの差の最大の値で求める。
8. 製品の呼び方 ディジタルスケールの呼び方は,規格名称,等級及び有効長による。ただし,規格名
称の代わりに製品名称を用いてもよい。
例 : ディジタルスケール 1級 600mm
9. 表示 ディジタルスケールには,次の事項を表示する。
(1) 等級及び有効長
(2) 最小表示量(1)又は最小出力単位(2)
(3) 製造番号
(4) 製造業者名又はその略号
注(1) ディジタルカウンタの場合
(2) インタフェースユニットの場合
10. 使用上の注意事項 ディジタルスケールを使用する場合,次の事項に注意しなければならない。
(1) スケールユニットの取付けに際しては,製造業者が定めた取付け仕様を参照し,曲げ,ひずみが生じ
ないよう注意する。
また,スケールユニットの取付け位置及び測定点の位置関係によって誤差が拡大されることがある
ので,取付け位置についても十分配慮すること。
(2) ディジタルスケールは,環境条件[例えば,粉じん(塵),油,装置振動,電気的ノイズなど]によっ
て誤動作することがあるので注意すること。
(3) ディジタルスケールは,環境条件(例えば,温度,温度変化)によって誤差の大きさが変化すること
があるので注意すること。
(4) ディジタルスケールを装置に取り付けて使用する場合,その使用条件が7.2の測定条件と異なり,ま
た,そのほかの原因によってスケールユニットの性能より低下することがあるので注意すること。
なお,ディジタルスケールが装置などに取り付けられた状態での誤差及びその推定値を求める方法
は,参考に示す。

――――― [JIS B 7450 pdf 6] ―――――

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参考 使用における測定の誤差の求め方
ディジタルスケールを使用する場合の使用状態又は環境によって発生する測定の誤差を予測的に求める
ための方法は,次による。
1. 測定の誤差を求めるための実験の方法 ディジタルスケールを使用する場合,本体7.の性能の測定方
法と使用条件が異なり,それによって測定の誤差の大きさが変化する。そこで,実際に装置などに取り付
けた状態での測定の誤差を求めるために,使用条件を考慮して因子を適切に選択した実験を次によって行
う。
1.1 因子と水準の設定
1.1.1 信号因子の設定 装置などに取り付けた状態でのディジタルスケールの目盛範囲内で,任意の数箇
所に相当する長さを標準器によって設定する。
例 : 有効長600mmのディジタルスケールにおいて,使用範囲は500mmである場合,信号因子の10
水準を次のように設定した。
M1=50.000mm, M2=100.000mm, M3=150.000mm, M4=200.000mm, M5=250.000mm,
M6=300.000mm, M7=350.000mm, M8=400.000mm, M9=450.000mm, M10=50.000mm
1.1.2 誤差因子の設定 ディジタルスケールを実際に使用するとき,誤差の原因になると思われる条件を
因子として取り上げる。このとき,因子の水準は,2水準又は3水準のいずれでもよい。
例 : 立形フライス盤に取り付けた後のディジタルスケールの測定の誤差を求める。この場合,工場内
での温度の変化によるデータの変動は大きいと考えられるが,現場でその水準を設定し実験する
のが困難であるので,現場の環境を代表する因子として始業直後 (A1),終業直前 (A2) を2水準
とする環境の影響 (A) を因子として取り上げる。さらに,スケール取付け位置から加工物までの
距離が誤差原因になると考えられることから誤差因子として取り上げることにした。したがって,
実験の誤差因子及びその水準を次のように設定した。
A : 環境の影響
A1 : 始業直後
A2 : 終業直前
B : 加工物の位置
B1 : テーブル面近傍
B2 : テーブル面から100mmの高さ
B3 : テーブル面から200mmの高さ
1.2 実験 実験手順は,次のようにする。
(1) 信号因子と誤差因子とのすべての組合せについて実験を行うようにする。
備考 因子数が多い場合には直交表を利用することによって実験回数を減じることができる。
(2) 実験は,やりやすい順序で誤差因子の組合せの実験を行う順序を決める。
(3) 誤差因子の組合せ条件が決められたならば,その条件の下で信号因子の各水準についてのスケールの
読みを求める。
(4) この手続を,誤差因子すべての組合せについて行う。
例 : 実験によって得たデータ例を参考表1に示す。

――――― [JIS B 7450 pdf 7] ―――――

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参考表1 実験によって得たデータ
M1 M2 M3 ······ ······Mc
A1 B1 x111 x112 ··· x11c
B2 x121 x122 x12c
B3
A2 B1
B2
B3 x231 x232 x23c
2. 分散分析 1.2によって得たデータについて分散分析を行う。
解析手順 3因子の場合の手順について述べる。ただし,a,b,cをそれぞれ因子A,B,Mの水準数と
する。
(1) 補助表の作成 実験によって得られたディジタルスケールの読みxijkから標準器のMkを引いた偏差値
yijkを次のように計算し,参考表2の補助表を作成する。
yijk=xijk−Mk
参考表2 参考表1の補助表
M1 M2 M3 Mc 合計
A1 B1 y111 y112 ······ y11c
A1 B2 y121 y122 y12c
A1 Bb
Aa B1 ······
Aa B2
Aa Bb yab1 yab2 yabc
計 T1 T2 ······ Tc T
(2) 有効除数rを求める。
21 22 23 2
r r0 (M M M Me )
ここに, r0=abでMiに対する反復数。
(3) 全変動STを求める。
全変動 ST=(y2111+y2112+············+y2abc)
自由度 fT=a・b・c
(4) 偏差値の感度係数 戀
M1T1 M 2T2 McTc
偏差値の感度係数 21 22 2
a b(M M Mc )
(5) 回帰項の成分S を求める。
(M1T1 M 2T2 McTc ) 2
回帰項の成分 S 21 22 2
a b(M M Mc )
(6) 誤差変動Seを求める。
誤差変動 Se=ST−S
自由度 fe=a・b・c−1
(7) 誤差分散Veを求める。
Se
誤差分散 Ve
abc 1

――――― [JIS B 7450 pdf 8] ―――――

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(8) 分散分析表にまとめる(参考表3参照)。
参考表3 誤差を求めるための分散分析表
要因 f S V
戀 1 S 戀 V 戀
e fe Se Ve
T fT ST
3. 測定の誤差の求め方 測定の誤差の大きさは,目盛間隔の校正を行う場合と行わない場合とでは相違
が生じることがある。2.の分散分析において1次回帰項の成分S 戰 差分散Veと比較して大きい場合には
目盛間隔の校正を行うことが望ましい。簡易的には,S 戀一 湘 ,目盛間隔の校正を行うことが望ま
しい。しかし,校正を行うか否かは,見込まれる誤差との比較において使用者によって選択される。
(1) 目盛 間隔の校正(傾斜校正)をしない場合
(a) 誤差分散VTは,次の式によって求める。
VT=ST/ (a・b・c)
(b) 測定SN比 次の式によって求める。
1/VT
(c) 測定の誤差の信頼限界95%は,簡易的に次によって求める。
3
(2) 目盛 間隔の校正(傾斜校正)をする場合
(a) 参考表3の値及び偏差値の感度係数 を用いて,測定SN比は,次の式によって求める。
1
(SβVe )
r 1 2
Ve Ve
(b) 信頼限界95%の測定の誤差は,簡易的に次によって求める。
3
(c) 目盛 間隔の校正のための校正式を用いて,測定値 をディジタルスケールの読みy,感度係数 戰
て次の式によって求める。
M y/
となる。ただし,感度係数戰 佝 値の感度係数 から
拿 1+
として求める。
計算例
有効長600mmの1級のディジタルスケール(最小表示値1 を工作機械に取り付けたところ,次の
データを得た。誤差因子として環境の影響 (A) は始業直後 (A1),終業直前 (A2) の2水準,加工物の位置
(B) はテーブル近傍 (B1),テーブルから100mm (B2),テーブルから200mm (B3) の3水準とした。
ここで設定値は,M1=50 000 M2=100 000 M3=150 000 M4=200 000 M5=250 000
M6=300 000 M7=350 000 M8=400 000 M9=450 000 M10=500 000 地

――――― [JIS B 7450 pdf 9] ―――――

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参考表4 測定の誤差を求めるための偏差値のデータ
単位
Mi M1 M2 M3 M4 M5 M6 M7 M8 M9 M10
A1B1 2 4 3 6 4 4 2 5 7 4
A1B2 4 7 7 12 10 8 5 9 13 6
A1B3 6 10 12 18 18 16 12 16 18 13
A2B1 4 8 10 15 11 9 13 12 16 19
A2B2 6 13 18 21 18 16 19 19 19 23
A2B3 9 14 20 26 25 31 26 26 24 30
計 31 56 70 98 86 84 77 87 97 95
(1) 有効除数rを求める。
r=2×3×(50 0002+100 0002+150 0002+······+500 0002)=5 775 000 000 000
(2) 全変動STを求める。
ST=22+42+62+······+302=13 467.0
(3) 偏差値の感度係数 を求める。
31 50 000 56 100 000 70 150 000 95 500 000
2 2 2 2
.0000 041
2 3 (50 000 100 000 150 000 500 000 )
(4) 1次回帰項の成分S を求める。
(31 50 000 56 100 000 70 150 000 95 500 000) 2
Sβ 2 2 2 2
9 713.93
2 3 (50 000 100 000 150 000 500 000)
(5) 誤差変動Seを求める。
Se=ST−S =13 399.0−9 664.8=3 753.07
(6) 誤差分散Veを求める。
Ve=Se/ (60−1) =63.61
このことを分散分析表にまとめると参考表5となる。
参考表5 分散分析表
単位
要因 f S V
戀 1 9 713.93 9 713.93
e 59 3 753.07 63.61
T 60 13 467.0
このことから,測定の誤差は,次のようになる。
(1) 傾斜校正しない場合
誤差分散VTは,
13 4670.
VT 224.45
60
測定SN比
1/VT=0.004 45
測定の誤差の信頼限界95%は,簡易的に
3
44(9.m)
.0004 45

――――― [JIS B 7450 pdf 10] ―――――

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JIS B 7450:1989の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 7450:1989の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7541:2001
標準尺
JISZ8103:2019
計測用語