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6.2 不安定な電源電圧の試験
この試験は,校正サービス機関の裁量にゆだねる。電源を必要とする力計及び力変換器に対しては,電
源電圧±10 % の変動が有意な影響をもたないことを確認する。この確認は,ブリッジ校正器など力変換
器のシミュレータ又は他の適切な方法で行うことができる。
6.3 力計及び力変換器の設置条件
次の事項を保証するようにする。
a) 力計及び力変換器は,試験力の方向と力計及び力変換器の主軸とが負荷軸上に一致するように設置す
る。試験力は力計及び力変換器に衝撃を与えないように受感軸に沿って加え,その後,取り除く。試
験力を負荷したとき,適切な耐圧盤,継手,アタッチメントなどを用いる場合は,出力に影響しない
ようにする。
b) この校正又は試験の目的は,力計及び力変換器を校正装置又は試験装置に取り付けること又は取り外
すことがその計量性能に与える影響を調べることではないので,力計及び力変換器の校正装置又は試
験装置への取付けには,特別に注意する。
c) 力計及び力変換器に固有の誤差以外の誤差が入ることを防ぐために,表面粗さ,平面度,引っかきき
ず,偏心などの要因を考慮する。そして,力計及び力変換器の製造業者の要求によって,負荷条件を
設定する。
6.4 校正装置及び試験装置
校正装置及び試験装置は,次による。
a) 力計及び力変換器の負荷試験に使用する校正装置又は試験装置は,国家標準にトレーサブルでなけれ
ばならない。
b) 質量標準の値 (m) と校正又は試験場所の重力加速度 (gL) とによって生じる力 (F) は,次の式 (1) に
よって求める。
air
F m gL 1 (1)
m
6.5 指示装置の校正
力変換器の性能試験に使用する指示装置は,定期的に校正する。
6.6 過負荷試験
過負荷試験は,力計及び力変換器を校正又は試験のために出荷する前に,製造業者によって少なくとも
一度は行われなければならない。力計及び力変換器には,4回連続して定格容量に相当する力より8
12 %増の過負荷を加える。過負荷は,11.5分間維持する。
7 校正及び負荷試験の方法
7.1 準備
校正又は負荷試験の実施に当たっては,箇条6に規定する各条件について確認するとともに,次の事項
に留意する。
a) 初期荷重 負荷枠などの初期荷重は,力計及び力変換器の定格容量の10 %以上負荷されないように
する。ただし,初期荷重が10 %以上負荷される場合は,その大きさを試験成績書などに記録する。
b) 電気的安定性 電気的な測定を行う力計及び力変換器は,あらかじめ製造業者の指定する時間通電し
て電気的に安定させる。
――――― [JIS B 7602 pdf 6] ―――――
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c) ケーブル 電気的な測定を行う力計及び力変換器のケーブルは,その質量,長さなどが測定結果に影
響を及ぼさないように接続する。
温度特性試験を行う場合,通常ケーブルなどの接続部品は,力変換器と同じ試験温度にする。また,
指示装置は室温に維持する。
d) 接続部品 接続部品の温度変化の影響も試験結果の判定のときに考慮する。
7.2 試験の順序
力変換器の性能試験は,次の順序で行う。
a) 校正を含む,すべての試験を同じ装置で実施するときは,図1に示す順序で行う。
b) クリープ試験を一般負荷試験と異なる装置で行うときには,図2に示す順序で行う。
図1−同一試験機での試験順序
図2−クリープ試験だけ行う場合の試験順序
――――― [JIS B 7602 pdf 7] ―――――
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7.3 指示装置の分解能
7.3.1 アナログ表示
アナログ表示は,次による。
a) 目盛板上の目盛線は同じ太さで,指針の幅は,目盛線の幅とほぼ同じでなければならない。
b) 指示装置の分解能 (r) は,指針の幅と二つの隣接する目盛線の中心間の距離との比率で得られ,推奨
比率は,1/2,1/5又は1/10 とする。目盛板上で1/10分割を目視によって推定するためには,1.25 mm
以上の間隔を必要とする。
c) アナログ表示に適切な副尺があれば,その装置の目盛を直接分割読取りとしてもよい。
7.3.2 デジタル表示
分解能は,デジタル指示装置上の最下位の有効数字の1増分とする。ただし,無負荷時における指示装
置の指示変動が1増分を超えないことを条件とする。
7.3.3 読取値の変動
無負荷の状態で,指示装置の表示が分解能のために事前に計算した値より大きく変動する場合,分解能
は変動範囲の半値幅であるとみなす。
7.3.4 単位
分解能 (r) は,力の単位に変換する。
7.4 使用範囲の下限
校正の実施中又は終了後,すなわち力測定に使用するときの弾性変位量の読取精度を考慮して,力計の
使用範囲の下限は,0.02×Fc以上でなければならない。
7.5 弾性変位量の測定値の決定
弾性変位量は,力を加えたときの読みと力を加えていないときの読みとの差として定義する。
注記 弾性変位量の測定値の決定に関するこの定義は,長さの単位の読みによる出力だけでなく,電
気の単位による読みにも適用する。
7.6 校正及び一般負荷試験
力計の校正の実施,又は力変換器の特性のうち定格出力,直線性,ヒステリシス差及び繰返し性を求め
るために,箇条6に規定する校正及び試験の条件下で次に示す負荷試験を行う。
a) 負荷試験に先立ち,試験を行う最大の力を3回繰り返して負荷しなければならない(以下,予備負荷
という。)。
なお,予備負荷前後の無負荷時の出力を記録する。
b) 負荷試験を開始するとき,無負荷時の出力を記録する。
c) 負荷試験は,できるだけ等間隔で,試験を行う最大の力を少なくとも5段階に分割した試験力で行う。
d) 性能試験においてヒステリシス差を評価する場合の負荷試験は,試験力増加及び試験力減少の両方向
について3回以上繰り返して実施しなければならない。このとき,試験力はできるだけ同一時間間隔
で負荷する。
なお,ヒステリシス差を評価しない場合は,試験力の減少方向は省略できる。
e) 校正において相対往復誤差を評価する場合の負荷試験は,試験力の増加方向では3回以上実施し,試
験力の減少方向では1回に省略することができる。このとき,試験力はできるだけ同一時間間隔で負
荷する。
なお,相対往復誤差を評価しない場合は,試験力の減少方向は省略できる。
f) 無負荷に相当する表示を記録する。このとき,負荷を完全に除いてから30秒の時間をおくことを推奨
――――― [JIS B 7602 pdf 8] ―――――
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する。
g) 各特性値又は相対誤差は,箇条10に規定する計算式によって求める。
h) 引張圧縮両用の力計で,弾性体への力の作用方向が共通な場合には,引張力又は圧縮力で行った校正
結果を,もう一方の力の作用方向にも適用できる。この場合,試験成績書などにその旨を明記する。
8 クリープ試験
この試験は,使用者から要求があった場合,又はその力変換器の製造業者が必要な場合にだけ実施する。
力変換器のクリープは,箇条6に規定する校正及び試験の条件の下で,次に示す方法によって定格容量
に相当する試験力を負荷して求める。ただし,定格容量に相当する試験力を負荷した状態を安定保持する
ことが困難な場合は,クリープに代えてクリープ回復性の試験を行う。
a) 試験に先立ち,7.6 a) に規定する予備負荷を行う。
b) 予備負荷の終了から60分経過後に試験を開始する。試験は,無負荷時の出力を記録した後に行う。
c) 定格容量に相当する試験力の負荷は,できるだけ速やかに行う。
d) 力変換器の出力測定は,負荷が定格容量に相当する試験力に達してから約5秒後に始め,以後連続し
て記録する。その中に20分経過後の出力の記録を含める。
e) 定格容量に相当する試験力の保持時間は30分とする。ただし,クリープを評価する時間が別に定めら
れている場合は,それに従い,試験成績書などにその時間を記録する。
f) クリープ回復性を求める場合には,a),b),c) 及びe) に従って定格容量に相当する試験力を負荷し
た後,できるだけ速やかに負荷を取り除き,d) に準じて無負荷時の出力を30分間測定する。ただし,
クリープ回復性を評価する時間が別に定められているときはそれに従い,試験成績書などにその時間
を記録する。
g) 各特性値は,箇条10に規定する計算式によって求める。
9 温度特性試験
この試験は,使用者から要求があった場合,又はその力変換器の製造業者が必要な場合にだけ実施する。
力変換器の温度範囲内の上限及び下限に近い温度並びに箇条6に規定する環境条件下で,7.6に規定する
一般負荷試験を行う。また,箇条6に規定する環境条件下で,7.6に規定する一般負荷試験を既に行って
いる場合には,その測定結果を採用してもよい。
ゼロ点の温度特性及び出力の温度特性だけを求める場合には,各試験温度において,無負荷時及び定格
荷重負荷時の出力だけを測定すればよい。
a) 試験は,恒温槽を備えた試験装置に力変換器を設置して行う。ただし,ゼロ点の温度特性だけを求め
る場合は,別の恒温槽で試験してもよい。
b) 負荷及び力変換器の出力測定は,力変換器の温度が試験温度に達し,かつ,十分安定していることを
確認した後に行う。
c) 温度条件の安定を監視するために,必要に応じて無負荷時の出力を連続して記録する。
d) 無負荷時の温度特性の試験をするときには,指示装置のゼロ点を調整してはならない。
e) 無負荷時の温度特性及び出力の温度特性は,測定結果のうち,無負荷時及び定格容量に相当する試験
力の負荷時の出力から,箇条10に規定する計算式によって求める。
――――― [JIS B 7602 pdf 9] ―――――
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10 データの解析
10.1 力計の校正結果
力計の校正結果は,次による。
a) 相対繰返し性誤差 相対繰返し性誤差は,校正されたすべての力に対して,次の式(2)によって求める。
なお,力の単位で表示する力計の場合は,式中のXをF又はFiに置き換えて計算する。
Xmax Xmin
b 100 (2)
X
n
Xi
i 1
X
n
ここに, n : 繰返しの回数
b) 相対内挿誤差 相対内挿誤差は,校正された力の関数として,弾性変位量を与える一次,二次又は三
次の内挿校正式を測定値から最小二乗法で推定して決定される。内挿校正式の推定は,mV/Vなど力
の単位以外の単位で表示する力計に適用する。
使用する式は,試験成績書などに記載しなければならない。相対内挿誤差は,次の式(3)によって求
める。
X Xa
fc 100 (3)
Xa
c) 相対指示誤差 相対指示誤差は,校正されたすべての力に対して,次のいずれかによって求める。相
対指示誤差は,力の単位で表示する力計に適用する。
1) 真の力の平均値Fの%で表される相対指示誤差は,次の式 (4) によって求める。
iFF
q 100 (4)
F
2) 一定の真の力Fの%で表される相対指示誤差は,次の式(5)によって求める。
注記 “一定”とは,同じ値の力Fを,行われる3回の測定に使用することを意味する。
iFF
q 100 (5)
F
d) 相対ゼロ誤差 ゼロ点は各試験シリーズの測定開始前に調整し,各シリーズの試験終了後に記録する。
相対ゼロ誤差は,次の式(6)によって求める。
なお,力の単位で表示する力計の場合は,式中のXをFに置き換えて計算する。
――――― [JIS B 7602 pdf 10] ―――――
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JIS B 7602:2009の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.100 : 力,重さ及び圧力の測定
JIS B 7602:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8103:2019
- 計測用語