JIS B 7760-2:2004 全身振動―第2部:測定方法及び評価に関する基本的要求 | ページ 2

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B 7760-2 : 2004 (ISO 2631-1 : 1997)
ヨーイング (zr)
背もたれ面 ピッチング (yr)
座席面
ローリング (xr)
足支持面
a) 座位 b) 立位
c) 仰が(臥)位
図 1 人体の支持面座標系

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B 7760-2 : 2004 (ISO 2631-1 : 1997)
表 1 補正係数の一般的指針 基本補正係数
補正係数 健康 快適性 振動知覚 乗物酔い
(7. 参照) (8. 参照) (8. 参照) (9. 参照)
Wk z 軸 座席面 z 軸 座席面 z 軸 座席面
z 軸 立位 z 軸 立位
上下方向 仰が(臥)位 上下方向 仰が(臥)位 −
x ,y,z軸 足支持面
(座位)
Wd x,y軸 座席面 x,y軸 座席面 x,y軸 座席面
x,y軸 立位 x,y軸 立位
水平方向 仰が(臥)位 水平方向 仰が(臥)位 −
y,z軸 背もたれ面
Wf − − − z軸 立位,座位
表 2 補正係数の一般的指針 補足補正係数
補正係数 健康 快適性 振動知覚 乗物酔い
(7. 参照) (8 .参照) (8. 参照) (9. 参照)
Wc x 軸 背もたれ面 x 軸 背もたれ面 − −
(7.2.3参照)
We − rx,ry,rz軸 座席面 rx,ry,rz軸 座席面 −
Wj 上下方向 仰が(臥)位 上下方向 仰が(臥)位
− 頭部 頭部 −
(8.2.2.3 備考 参照) (8.2.2.3 備考 参照)

5. 振動の計測

5.1 一般

 振動の大きさを示す主要な量は加速度である(4.1参照)。
非常に低い周波数及びレベルの振動(例えば,建物,船舶など)の場合には,振動速度の計測を行って
加速度に変換してよい。

5.2 計測の方向

5.2.1  振動が入力すると考えられる位置を原点とした座標系に従って計測する。人体の主要な部位に関す
る基本座標系(以下,人体座標系という。)を図1に示す。
5.2.2 上記の座標軸方向に,正確に振動変換器を設置することが困難な場合は,必要があれば,変換器の
感応軸を15°まで偏らせてもよい。傾いた座席に座っている人物に対しての計測の方向は,人体座標軸に
従って定める。x軸は必ずしも鉛直方向ではない。人体座標系の重力場に対する方向を記録しておくこと
が望ましい。
5.2.3 1個の計測位置に設置される複数の振動変換器は,軸方向が互いに垂直になるように設定する。同
一測定点において,各軸方向の振動計測のために置かれる変換器は,できるだけ近接させなければならな
い。

5.3 計測の位置

5.3.1 振動変換器は,人体と振動体との接触面における振動を計測できるように設置しなければならない。
人体に伝達される振動は,人体と接触面で計測しなければならないが,人体と振動体との接触主要部は
必ずしも明確ではない。
この規格では,座位の人体について,3個の主要接触部を用いることとしている。それは,支持座席面,
背もたれ面及び足支持面である。座席面での計測は座骨結節の直下で,背もたれ面での計測は身体の主要

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支持範囲で,また,足支持面での計測は足が置かれる機会の最も多い支持面でなされなけれならない。仰
が(臥)位の場合の計測点は,骨盤,背中,及び頭の下の支持部とする。いずれの場合においても,計測
位置について詳細に記録しなければならない。
備考1. 人体の接触面での直接の計測が実用的でない場合は,乗物又は建物の回転中心若しくは重心
のような固定点で計測してもよい。この場合,採取されたデータを人体応答評価に用いるた
めに,付加的な計算及び構造物の動的挙動に関する知識が必要である。
2. 背もたれでの計測は,人体との接触面でなされることが望ましい。それが困難な場合には,
背もたれのクッションの後ろの構造体で計測してよい。その場合,クッションの振動伝達率
の補正が必要である。
3. 剛強な面から人体に伝達される振動を人体との接触部の近傍(通常,接触部中心から10 cm
以内)で計測してもよい。
5.3.2 剛強でない,柔らかな支持体(シートクッション,寝台など)から人体へ伝達される振動は,人体
と主要支持部との間に振動変換器を挿入して計測しなければならない。
これは振動変換器を適切な形状の保持具で保護することによって可能である。この保持具は柔らかな物
体面における圧力分布を著しく変えるものであってはならない。剛強でない面での計測のときは,被験者
はその環境における通常の姿勢をとらなければならない。
備考 座席振動の計測に際して,一般に使用される保持具の設計については,ISO 10326-1に規定さ
れている。

5.4 信号調整に関する一般的要求

 ここに定められる評価には,周波数バンドの全域にわたる振動を計
測時間で平均化した値を用いる。振動変換器の周波数応答特性及び信号処理に先んじた信号調整は,この
規格の箇条に規定する周波数範囲に適合しなければならない。
信号調整装置のダイナミックレンジは,最高及び最低の信号に適応したものでなければならない。後に
信号処理をする信号は,ローパスフィルタ回路を通して記録する。このローパスフィルタは,−3 dBの遮
断周波数を対象とする最高周波数の約1.5倍とする。これは,S/N比をできるだけ大きくして,対応する
各箇条に規定する周波数範囲で位相特性の線形性を保つためである。

5.5 計測時間

 計測時間は,十分な精度の統計値を得るため,また,典型的な振動暴露であることを確
かめるため,十分な長さとする。また,計測時間は記録する。
計測時間内の特定の時間帯で異なる特性の振動が生じている場合は,各時間帯に分けて解析する必要が
ある。
備考 定常的な不規則信号では,計測の精度はフィルタのバンド幅と計測の継続時間に依存する。例
えば,1/3オクターブバンド幅を使用したとき,90 %の信頼レベルを確保しようとすれば,計
測時間は,下限周波数 (LLF)が1 Hzのときは108秒,LLFが0.5 Hzのときは 227秒が必要で
ある。計測時間は,その環境の典型的な振動が計測できるように十分に長くとるのが普通であ
る。

5.6 振動条件の報告

 この規格は,振動条件の報告,比較と評価の簡素化及び標準化を目指して作成さ
れたものである。正しく適用することによって,明確な結果報告書が得られる。この規格の箇条,附属書
又は幾つかの補正係数を参照することも助けになる。
6.3に規定された補足評価法を使用するときは,使用した補足評価法を明確に報告する。
評価した振動の大きさ及び継続時間を報告することが望ましい。もし,6.3(クレストファクタが9を超
える場合)の補足評価法を使用したときは,基本評価法による値と補足評価法による値を併記して報告す

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るものとする。また,クレストファクタを決定した区間を報告する必要がある。
複雑な振動のシビアリティーを1個又は少数の値で表現することは便利であり,本質的である。しかし
ながら,振動状態についての更に詳しい情報が利用できることが望ましい。報告には周波数の内容(振動
スペクトル),振動方向,振動状況の変動,更に応答に影響するすべての要因が含まれることが望ましい。
備考 上記以外の次のような要因も人体応答に影響する。
− 人の特性(年齢,性別,体格,肥満形かやせ形か,など)
− 経験,期待,積極性,(作業の難しさに対して)
− 身体の姿勢
− 行動条件(例えば,運転者であるか,乗客であるかなどで行動は異なる。)
− 経済的必要性

6. 振動の評価

6.1 補正加速度実効値による基本評価法

 この規格による振動評価は,常にこの項に定義されている補
正加速度実効値を含む。
補正加速度実効値は,並進振動に対してはm/s2,回転振動に対してはrad/s2で表す。補正加速度実効値
は次の式によって算出する。
1
1 T2 2
aw aw (t) dt (1)
T 0
ここに, aw(t) : 周波数補正を行った並進又は回転振動加速度の瞬時値で,
時間についての関数(m/s2又はrad/s2)
T : 計測時間(秒)
種々の方向の振動に対して,推奨又は規定される周波数補正曲線とその適用を表1及び表2に示す。ま
た,これに関する詳細な説明を本章以降の各章と附属書B,附属書C及び附属書Dに示す。
なお,補正曲線を数値化して表3及び表4に示し,その厳密な定義は附属書Aに示す。

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表 3 1/3オクターブバンドでの基本補正係数
周波数バンド 周波数 Wk Wk Wd Wd Wf Wf
番号(1) f 係数 係数 係数
x Hz (1 000倍値) dB (1 000倍値) dB (1 000倍値) dB
−17 0.02 24.2 −32.33
−16 0.025 37.7 −28.48
−15 0.031 5 59.7 −24.47
−14 0.04 97.1 −20.25
−13 0.05 157 −16.10
−12 0.063 267 −11.49
−11 0.08 461 −6.73
−10 0.1 31.2 −30.11 62.4 −24.09 695 −3.16
−9 0.125 48.6 −26.26 97.3 −20.24 895 −0.96
−8 0.16 79.0 −22.05 158 −16.01 1 006 0.05
−7 0.2 121 −18.33 243 −12.28 992 −0.07
−6 0.25 182 −14.81 365 −8.75 854 −1.37
−5 0.315 263 −11.60 530 −5.52 619 −4.17
−4 0.4 352 −9.07 713 −2.94 384 −8.31
−3 0.5 418 −7.57 853 −1.38 224 −13.00
−2 0.63 459 −6.77 944 −0.50 116 −18.69
−1 0.8 477 −6.43 992 −0.07 53.0 −25.51
0 1 482 −6.33 1 011 0.10 23.5 −32.57
1 1.25 484 −6.29 1 008 0.07 9.98 −40.02
2 1.6 494 −6.12 968 −0.28 3.77 −48.47
3 2 531 −5.49 890 −1.01 1.55 −56.19
4 2.5 631 −4.01 776 −2.20 0.64 −63.93
5 3.15 804 −1.90 642 −3.85 0.25 −71.96
6 4 967 −0.29 512 −5.82 0.97 −80.26
7 5 1 039 0.33 409 −7.76
8 6.3 1 054 0.46 323 −9.81
9 8 1 036 0.31 253 −11.93
10 10 988 −0.10 212 −13.91
11 12.5 902 −0.89 161 −15.87
12 16 768 −2.28 125 −18.03
13 20 636 −3.93 100 −19.99
14 25 513 −5.80 80.0 −21.94
15 31.5 405 −7.86 63.2 −23.98
16 40 314 −10.05 49.4 −26.13
17 50 246 −12.19 38.8 −28.22
18 63 186 −14.61 29.5 −30.60
19 80 132 −17.56 21.1 −33.53
20 100 88.7 −21.04 14.1 −36.99
21 125 54.0 −25.35 8.63 −41.28
22 160 28.5 −30.91 4.55 −46.84
23 200 15.2 −36.38 2.43 −52.30
24 250 7.90 −42.04 1.26 −57.97
25 315 3.98 −48.00 0.64 −63.92
26 400 1.95 −54.20 0.31 −70.12
注(1) は,IEC 61260によるバンド番号。
備考1. 補正係数の許容誤差については,6.4.1.2を参照。
2. 1 Hz未満の領域はWfに適用,180 HzではWf以外の補正係数に適用する。
3. 表中の値はバンド制限を考慮して計算されたものである。

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JIS B 7760-2:2004の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 2631-1:1997(IDT)

JIS B 7760-2:2004の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 7760-2:2004の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB0153:2001
機械振動・衝撃用語
JISZ8131:2000
機械振動及び衝撃―人体暴露―用語