JIS B 8009-1:2001 往復動内燃機関駆動発電装置―第1部:用途,定格及び性能 | ページ 2

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て定める。
4.2 その他の公的機関の規則による特殊要件に適合する必要がある場合には,注文者は,注文を行う前
に,その公的機関を明示する。
その他一切の要件は,受渡当事者間の合意によって定める。

5. 一般事項

5.1 発電装置

 発電装置の構成は,機械エネルギーを発生する一つ又は複数の往復動内燃機関によって,
その機械エネルギーを電気エネルギーに変換する一つ又は複数の発電機及び機械エネルギーを転送する構
成部品(例えば,継手,ギアボックス),更に,場合によっては,軸受,取付け用の構成部品などから成る。
5.1.1 内燃機関 内燃機関の形式は,次の二つに分けることができる。
− 圧縮点火機関
− 火花点火機関
発電装置の用途に従って,使用する内燃機関の選択に際しては,特に次の基準が重要である。
− 燃料の品質及び燃料消費量
− 排気排出物及び騒音の放射・放出
− 回転速度の範囲
− 質量及び寸法
− 瞬時負荷投入及び周波数動作
− 発電機の短絡特性
− 冷却系統
− 始動系統
− 保全
− 排熱の再利用
5.1.2 発電機 発動機の形式は,次の二つに分けることができる。
− 同期発電機
− 非同期発電機
発電装置の用途に従って,使用する発電機の選択に際しては,特に次の基準が重要である。
− 力率を考慮した負荷投入後の変化だけでなく,始動,通常運転及び過負荷運転時の電圧特性
− 短絡動作(電気的,機械的)
− 効率
− 発電機の設計及びエンクロージャの形式
− 並列運転動作
− 保全
5.1.3 制御装置及び開閉装置 制御,開閉及び監視装置は,制御装置と開閉装置に一体化され,発電装置
を運転する。
5.1.4 附属装置 附属装置は,発電装置の運転に不可欠な装置類で,例えば,次のようなものがある。
− 始動装置
− 吸気及び排気装置
− 冷却装置
− 潤滑油装置

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− 燃料装置(場合によっては,燃料処理装置も含む。)
− 補助電源装置

5.2 発電所

 発電所は,一つ又は複数の発電装置,その補助装置,関連制御装置及び開閉装置,そして
場合によっては,取付場所(例えば,雨風から保護するための建物,エンクロージャ又は特別な装置)で
構成される。

6. 適用基準

6.1 運転モード

 発電装置の運転モードは,重要な特性(例えば,経済性,信頼性のある運転,保全及
び修理の間隔)に影響を及ぼすことがあるので,注文者は,製造業者と要件について取り決める場合に,
考慮する必要がある(11.参照)。
6.1.1 連続運転 連続運転とは,時限の設定を行わずに発電装置を運転することである。ただし,保全の
時間間隔は考慮する。
6.1.2 時間制限運転 時間制限運転とは,一定の時間だけ発電装置を運転することである。
備考 接続装置からの必要な電力は主電源装置から供給するが,主電源装置が故障した場合に限り,
内部発電装置から供給する。通常の電源装置が故障した場合,内部発電装置がバックアップし,
非常電源として作動して一時的に一定の時間,次の各装置に電源を供給する。
a) 安全設備(例えば,建物からの緊急避難時)
b) 非常時運転を維持するため,運転の目的上重要な接続装置
c) すべて又は一部の接続装置
発電された電力は,ピークの電力需要(ピーク負荷運転)をカバーするために使用する。
主電源装置からの電力の供給がない場合,発電装置を必要に応じて運転する。

6.2 現地基準

6.2.1  陸上用 陸上用には,陸上で使用する定置式,可搬式又は移動式の発電装置を含む。
6.2.2 海上用 海上用には,船上及び海上設備で使用する発電装置を含む。

6.3 単機及び並列運転

 発電装置は,次の6.3.1及び6.3.2で述べるように,二通りの運転が可能である。
6.3.1 単機運転 単機運転とは,その構成又は始動及び制御のモードに関係なく,単一の電源として,他
の電源の支援を受けずに作動する発電装置である。
6.3.2 並列運転 並列運転とは,電源装置が,接続されたネットワークの電源を共有するために,同じ電
圧,周波数及び位相をもつ別の電源に電気的に接続されていることを意味する。主電源装置の特性,例え
ば,ネットワークの電圧,周波数,インピーダンスの範囲,変動などを,注文者は明確に指定する。
6.3.2.1 複数の発電装置による並列運転 この方式の運転では,2台以上の発電装置が,同期を取り,電
気的に(機械的ではなく)接続される。したがって,出力や回転速度が異なる発電装置でも使用すること
ができる。
6.3.2.2 系統連系運転 この方式の運転では,1台以上の並列運転を行う発電装置が系統と電気的に接続
される(6.3.2.1参照)。
備考1. 系統が公的なものである場合,電力会社など (public electricity board) から並列運転の許可を
得なければならない。保護装置も調整する。
2. 発電装置製造業者にて,始動状態を点検するために,ある期間,系統連系運転される発電装
置にも,備考1.を適用する。

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6.4 始動及び制御モード

 発電装置の運転にかかわる始動及び制御のモードには,通常,次のようなも
のがある。
− 始動
− 監視
− 電圧及び周波数調整,及び場合によっては,その同期
− 切替え
− 停止
上記操作は,手動又は自動で,すべて又はその一部を行うことができる(ISO 8528-4参照)。
6.4.1 手動運転 手動運転には,手動で始動,制御する発電装置を含む。
6.4.2 半自動運転 半自動運転には,一部の機能の始動及び制御は手動で行うが,その他残りの機能は自
動で行う発電装置を含む。
6.4.3 自動運転 自動運転には,自動的に始動及び制御を行う発電装置を含む。

6.5 始動立上がり時間

 始動立上がり時間とは,電力がはじめて必要となった時点から,はじめて使用
可能となった時点までのその間の時間のことである。始動時間は,特定の用途の要求に適合しなければな
らない。
6.5.1 始動立上がり時間規定がない発電装置 この形式の発電装置では,その運転条件によって,始動時
間は重要でない。このような発電装置の始動は,通常手動で行う。
6.5.2 始動立上がり時間規定がある発電装置 この形式の発電装置では始動立上がり時間が指定されて
いる。したがって,その始動は通常自動的に行う。このような発電装置は,更に分類される(6.5.2.1から
6.5.2.3参照)。
6.5.2.1 短時間停電発電装置 この形式の発電装置では,始動立上がり時間が(秒単位で)指定されてい
る。停電してから,発電装置からの電源が使用可能となるまでの時間はかなり長い。このような場合,装
置全体の始動は,電源の要求があってから,静止状態から開始する。
6.5.2.2 瞬時停電発電装置 この形式の発電装置では,必要な開閉装置の切り替え時に,ミリセコンド単
位の時間,電源の供給が中断しても,電気機器の運転は行われる。蓄積された機械エネルギーを用いて,
接続されている装置に電源が短時間供給され,また必要に応じて,往復動内燃機関が始動し,加速する。
6.5.2.3 無停電発電装置 この形式の発電装置では,電気機器は連続的に運転が行われるので,主電源装
置が故障した場合でも,電源の供給が中断することはない。蓄積された機械エネルギーを用いて,接続さ
れている装置に短時間電源が供給され,また必要に応じて,往復動内燃機関が始動され,加速する。駆動
装置は一つの電源から別の電源に切り替えられるので,一時的に周波数の変動が起こることがある。
備考 切替え時の許容周波数変動幅は,受渡当事者間で合意することが必要である。

7. 性能分類

 提供される電気装置の種々の要件をカバーするため,四つの性能分類が指定される(7.1
から7.4参照)。

7.1 分類G1

 接続されている負荷装置で,電圧及び周波数の基本パラメータを指定するだけでよい用途
では,この分類が必要である。
例 一般的用途(照明及びその他の単純な電気負荷装置)
7.2 分類G2 電圧特性に関する要求が商用電源の特性と全く同じである用途では,この性能分類が必
要である。負荷の変動がある場合,電圧及び周波数の一時的変動が起こることがあるが,その変
動は許容範囲である。

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例 照明装置,ポンプ,送風機及びホイスト。

7.3 分類G3

 接続されている装置の周波数,電圧及び波形特性に対する要求が厳しい用途では,この性
能分類が必要である。
例 通信及びサイリスタ制御の負荷装置。整流器とサイリスタ制御の負荷装置はともに,発電機の電
圧波形に対するその影響に関して,特に考慮する必要がある。

7.4 分類G4

 周波数,電圧及び波形の特性に対する要求が特に厳しい用途では,この性能分類が必要で
ある。
例 データプロセッサ及びコンピュータシステム。

8. 設置条件

 現地の条例に適合するための種々の要件がある場合,発電装置の設計にも影響することが
ある。8.1から8.5で述べる設置条件だけでなく,受渡当事者は,これらの要件も考慮する必要がある。

8.1 設置方式

 8.1.1から8.1.3に示す設置方式では,必要なすべての補助装置を構成要素として取り付け
ても,又は取り付けなくてもよい。
8.1.1 定置式 この構成には,固定据付となっているすべての発電装置が含まれる。
8.1.2 可搬式 この構成には,その取り付けが定置式,又は移動式でないすべての発電装置が含まれる。
8.1.3 移動式 この構成には,一体式の車台に車輪が取り付けられ,発電装置が移動可能なすべての発電
装置が含まれる。

8.2 発電装置の構成

 往復動内燃機関駆動発電装置の種々の仕様について契約上の情報を簡略化するた
め,代表的な装置の構成例を,次に示す。
− A : 共通台板なし
− B : 共通台板付き
− C : 共通台板付きで,制御装置,開閉装置及び附属装置を一体に取り付けている。
− D : 上記Cの構成に,エンクロージャ付き(9.参照)
− E : 上記Cの構成に,車輪が一体的に取り付けられている,又はトレーラに搭載されている(8.1.3参
照)。

8.3 支持方式

 支持方式(8.3.1から8.3.3参照)については,受渡当事者間で合意して定める必要がある。
8.3.1 固定支持 この方法では,発電装置は,弾性取付台を用いずに取り付ける。発電装置の取り付けを
行う基礎を,弾性率の低い基体上に,例えば,弾性層を挿入せずに,コルクタイル上に取り付ける場合は,
この取付法は,固定であると見なす。
8.3.2 弾性支持 この方法では,発電装置は,弾性取付台を用いて取り付ける。特殊な用途(例えば,船
や自動車)では,弾性取付台を抑制することが必要な場合がある。
8.3.2.1 完全弾性支持 完全弾性支持は,往復動内燃機関及び発電機を組み付けた共通台板に弾性体を介
し基礎に取り付け,振動の伝達を防止する。
8.3.2.2 半弾性支持 半弾性支持は,往復動内燃機関を,構成部品を用いて振動絶縁を行い弾性的に取り
付け,発電機は共通台板又は基礎に直接固定する。
8.3.3 弾性基礎取付け この方法では,発電装置は弾性基礎(減衰質量)に取り付け,そして弾性基礎は,
例えば,防振取付台によって負荷基礎から隔離する。

8.4 機関と発電機間の接続

 往復動内燃機関と発電機間の接続は,電力を送電する構成部品,及び機関
と発電機間の組み付けによって決められ,すなわち,機関,発電機及び取付方法の設計,電源及び回転速
度によって異なる。

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8.4.1 継手方式 代表的な継手方式には,固定,ねじり固定,たわみ,ねじりたわみ又はクラッチ結合が
ある。
8.4.2 組立方式 往復動内燃機関と発電機の組み付けには,フランジハウジングは付けても,付けなくて
もよい。

8.5 その他の取付け上の特徴-天候の影響

8.5.1  屋内設置 この方法では,発電装置は,天候の直接的影響にさらされない場所に取り付け,最高及
び最低の室温に注意する。
8.5.2 天候に対する保護措置を講じた屋外設置 この方法は,次の二つに分けることができる。
− 保護エンクロージャ内の設置
− 保護屋根の下の設置
8.5.3 野外設置 この方法では,野外に取り付けられ,天侯に完全にさらされる。

9. 放射・放出

 発電装置を運転すると,騒音,振動及び電磁妨害の放射並びに熱放散及び排気排出物の
放出がある。環境保護及び作業員の健康及び安全に関する適用条令がある場合は,受渡当事者は,性能仕
様について合意する際に,これらについて考慮する。

10. 標準大気条件

 発電装置の定格出力を決定する場合,機関,発電機及び開閉装置について,各々の標
準大気条件が適用されることに注意する必要がある。
現地条件については,11.参照。

10.1 往復動内燃機関の標準大気条件

 往復動内燃機関の定格出力については,JIS B 8002-1に従って,次
の標準大気条件が適用される。
− 大気圧,Pr : 100kPa
− 大気温度,Tr : 298K (25℃)
− 相対湿度, 30%
− 給気冷却器冷却水温度,Tcr : 298K (25℃)

10.2 発電機の標準大気条件

 発電機の定格出力については,JIS C 4034-1及びISO 8528-3に従って,次
の標準大気条件を適用する。
− 冷却空気温度 : 313K (40℃) 以下
− 冷却装置入口での冷却水温温度 : 298K (25℃) 以下
− 高度 : 海抜1 000m以下

10.3 制御装置及び開閉装置の標準大気条件

 制御装置及び開閉装置の定格については,以下の標準大気
条件を適用する。
1kV未満の制御装置及び開閉装置については,IEC 60439-1 : 1999,及びIEC 60439-2 : 2000による。
− 周囲大気温度 : 313.15K (40℃) 以下24時間の平均温度308.15K (35℃) 以下
− 高度 : 海抜2 000m以下
− 屋内設置の場合の相対湿度については次による。
相対湿度 : 50%以下,313.15K(40℃) にて
1kVから52kVの制御装置及び開閉装置についてはIEC 60298 : 1990による。
− 周囲大気温度 : 313.15K (40℃) 以下,24時間の平均温度308.15K (35℃) 以下
− 高度 : 海抜1 000m以下

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JIS B 8009-1:2001の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 8528-1:1993(MOD)

JIS B 8009-1:2001の国際規格 ICS 分類一覧

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