42
B 8266 : 2003
プル),溝,オーバラップ及び急激な凹凸がなく,放射線透過試験及び他の必要な非破壊試験の合否
判定ができるのに十分な程度であれば,溶接したままでよい。放射線透過フィルムによる合否判定
で,溶接部の表面状態が問題になる場合には,フィルムは合否判定のために実際の溶接表面と比較
しなければならない。
2) 溶接部の表面が母材面より低いものは,次の2.1) 及び2.2) の条件がすべて満足されていれば差し
支えない。
2.1) 厚さの減少が,いかなる箇所においても隣接する材料の設計厚さ未満に減少していない。
2.2) 厚さの減少が,隣接する材料の呼び厚さの10 %か,0.8 mmのいずれか小さい方を超えていては
ならない。
b) -2継手は,継手全長にわたり溶接底部において完全な溶込み及び溶融が得られるように,継手部の
位置合せ及びすき間に対して特別の注意を払わなければならない。
c) P継手は,溶接される部材のうちの少なくとも一つの部材の全厚にわたる開先溶接で,各部材に完全
に溶融していなければならない。
d) P継手は,ノズル取付け継手における部分溶込みの最小溶込み深さをノズルネックの呼び厚さの1.25
倍とする。
e) W継手は,次の1) 及び2) による。
1) W継手は,母材に適切な溶込みが得られるような溶接とする。
2) すみ肉溶接縁において溶接のために生じた母材の厚さの減少は,a) 2) の規定による。
9.1.12 余盛の高さ及び仕上げ いかなる箇所においても,溶接開先が完全に溶接金属で埋められて突合せ
溶接の溶接金属の表面が隣接する母材の表面より低くならないように,溶接部に余盛を付けてもよい。余
盛の高さ及び仕上げは,次による。
a) 余盛の高さ(図9.1参照)は,表9.2に示す値以下とする。
表 9.2 余盛の高さ
単位mm
母材の呼び厚さ 余盛の高さ
t 管の周継手 他の溶接部
t<2.5 2.5 1.0
2.5 ≦ t≦5 3.0 1.5
5 < t≦13 4.0 2.5
13< t≦25 5.0 2.5
25 < t≦50 6.0 3.0
50 < t≦75 6.0 4.0
75 < t≦100 6.0 5.0
100 < t≦125 6.0 6.0
125 < t 8.0 8.0
――――― [JIS B 8266 pdf 46] ―――――
43
B 8266 : 2003
備考 図中の記号の意味は,次による。
t : 胴又は鏡板の実際厚さ
a1,a2 : 余盛の高さ
図 9.1 余盛の高さ及び溶接による食違い
b) 仕上げ 溶接部の止端は,母材の表面と段が付かないように滑らかにしなければならない。
c) -2継手では裏当ての反対側の溶接表面に余盛を付けてもよい。
9.1.13 裏はつり 完全溶込み両側溶接を行う場合には,一方の側から溶接を行い,反対側から裏はつりを
行った後溶接を行わなければならない。ただし,初層部に適切な融合が得られ,開先の底部に欠陥が生じ
ない溶接方法を用いるときで,溶接施工方法の確認試験で確認された場合には,裏はつりを省略してもよ
い。
9.1.14 ピーニング ゆがみの調整,残留応力の緩和,又は溶接の品質向上に役立つと思われる場合には,
溶接金属をピーニングしてもよい。ただし,溶接後熱処理を行わない場合には,初層及び最終層に対して
ピーニングを行ってはならない。
――――― [JIS B 8266 pdf 47] ―――――
44
B 8266 : 2003
9.1.15 溶接の中断及び再開 溶接を中断する場合には,再開する場合に必要な溶融が得られるように特に
注意を払わなければならない。サブマージアーク溶接ではクレータ部をはつり取るのがよい。
9.1.16 溶接金属による母材表面の肉盛 溶接金属による母材表面の肉盛は,次による。ただし,溶接肉盛
によるクラッドを除く。
a) 母材表面に肉盛溶接するものは,次の1) 又は2) のために行うものに限る。
1) 母材の厚さを元の厚さに戻す,又は強度上母材の厚さを増すため。
2) 7.2.1及び9.1.9 b) に規定のテーパ部を形成するために溶接継手の形状を修正するため。
b) 肉盛溶接施工前に,肉盛厚さに対して突合せ溶接による溶接施工方法の確認試験を行う。
9.1.17 後熱 溶接部の遅れ割れを防止するため,必要に応じて溶接直後に後熱を行う。ただし,この後熱
は10.1に規定する溶接後熱処理とは目的を異にしているので,この後熱によって溶接後熱処理を省略して
はならない。
9.2 溶接継手の非破壊試験
9.2.1 B-1継手の非破壊試験 分類A,分類B,分類C及び分類Dに用いるB-1継手の非破壊試験は,す
べて全線放射線透過試験(以下,RTという。)を行う。ただし,分類CのB-1継手で疲労解析を必要とし
ない場合は,表9.3の注(12) ) による。
9.2.2 B-2継手の非破壊試験 分類Bに用いるB-2継手の非破壊試験は,すべてRTを行う。
9.2.3 FP継手の非破壊試験 分類C及び分類Dに用いるFP継手の非破壊試験は,次による。
a) ノズルの取付けでノズルネック端面が容器壁上に付いている場合[付図3 a)及びb) 参照],ノズル内
径とほぼ同じ寸法に容器壁にあけた穴の端面は磁粉探傷試験(以下,MTという。)又は浸透探傷試験
(以下,PTという。)を行う。
b) 付図1 b) 2) 及び3) に示すような構造の隅角部の溶接継手の場合,寸法bがts以上である場合を除き,
溶接に先立って管板及びステーなしの平鏡板は全面超音波探傷試験(以下,UTという。)を行う。ラ
ミネーションがなければ合格とする。
c) 分類CのFP継手は,胴の厚さが64 mmを超える場合にはRT又はRTの困難な場合はUTを行い,64
mm以下の場合は内外面からMT又はPTを行う。
d) 分類DのFP継手は,穴径が152.4 mmを超え,かつ,胴の厚さが64 mmを超える場合にはRT又は
RTの困難な場合はUTを行い,穴径が152.4 mm以下の場合には,又は穴径が152.4 mmを超え,かつ,
胴の厚さが64 mm以下の場合には,内外面からMT又はPTを行う。
e) T又はPTは,表9.3のII欄に規定の材料で溶接後熱処理が行われるものに対しては,溶接後熱処理
後に行う。
9.2.4 PP継手及びFW継手の非破壊試験 PP継手及びFW継手の非破壊試験は,溶接表面をすべてMT
又はPTを行う。MT又はPTは,表9.3のII欄に規定の材料で溶接後熱処理が行われるものに対しては,
溶接後熱処理後に行う。
9.2.5 その他の溶接部の非破壊試験 9.2.19.2.4に規定されていない溶接部の非破壊試験は,次による。
a) 9.1.16に規定の溶接による母材表面の肉盛部の非破壊試験は,次による。
1) 溶接肉盛部は,全面をすべてMT又はPTを行う。
2) 溶接肉盛をRTの必要な溶接継手に行った場合には,肉盛後にRTを行う。
b) 非耐圧部材及び強め輪の取付溶接部の圧力容器の非破壊試験は,溶接表面すべてに対してMT又はPT
を行う。
――――― [JIS B 8266 pdf 48] ―――――
45
B 8266 : 2003
9.2.6 溶接施工方法による非破壊試験の追加 溶接施工方法によっては,次のa) c) に規定する非破壊
試験を行わなければならない。
a) 摩擦圧接法による溶接継手に対しては,RT後にUTを行う。
b) フェライト鋼をエレクトロスラグ溶接法で溶接した継手又はエレクトロガス溶接法で38 mmを超え
る1パスで溶接した継手は,RT後にUTを行う。このUTは,結晶細粒化熱処理(オーステナイト化)
又は溶接後熱処理後に行う。
c) 電子ビーム溶接法による溶接継手に対しては,RT後にUTを行う。
9.2.7 高合金鋼又は非鉄金属材料で製作された圧力容器の溶接部の非破壊試験 高合金鋼又は非鉄金属
材料で製作された圧力容器の溶接部の非破壊試験は,9.2.19.2.4の規定によるほか,次による。
a) 胴の厚さが19 mmを超えるP番号8Aのオーステナイト系ステンレス鋼及びP番号4143のニッケ
ル及びニッケル合金の溶接部,並びに36 %ニッケル合金鋼の溶接部は(熱処理を行う場合は熱処理
後)PTを行う。割れはすべて除去しなければならない。
b) チタン製圧力容器の7.1.1 a) 及びb) にそれぞれ規定する分類A及び分類Bの継手は,すべての溶接
継手にPTを行う。
9.2.8 圧力容器の溶接継手の位置及び種類による分類並びにその非破壊試験一覧表 圧力容器のすべて
の溶接継手は,その継手位置による分類,許容される継手の種類及び母材の区分又は用途別に応じて表9.3
による。この場合に必要とされる非破壊試験は,これらの表の規定によって行い,合格しなければならな
い。ただし,放射線透過試験を要求される継手で,圧力容器の構造上放射線透過試験を行うことが不可能
な場合には,放射線透過試験を超音波探傷試験に変更してもよい。この場合,試験方法を確立しておかな
ければならない。
備考 表9.3は,7.に規定する溶接継手の位置及び形式による分類に対する非破壊試験の方法を材料別
にまとめたものとする(詳細については,適用規定及び適用図を参照。)。これらの表に規定す
る以外のものについては,受渡当事者間の協定による。
9.3 溶接部の欠陥の補修
9.3.1 不合格欠陥の除去 溶接部の非破壊試験又は目視試験によって検出された割れ,ピンホール,溶込
み不良などの欠陥並びに耐圧試験及び漏れ試験で検出された欠陥は,機械的方法又はガウジングによって
欠陥を除去しなければならない。
9.3.2 補修部の再溶接 欠陥を除去した跡は,9.1.3の規定による溶接士が9.1.2の規定で確認された溶接
施工方法に従って再溶接しなければならない。
9.3.3 補修溶接部の試験 補修溶接部は,当初の溶接部に行ったのと同じ試験方法で再試験しなければな
らない。試験の結果,補修が満足すべきものでない場合には,補修溶接は不合格とする。
9.3.4 補修溶接部の溶接後熱処理 補修溶接部には,10.1の溶接後熱処理についての規定を適用する。
――――― [JIS B 8266 pdf 49] ―――――
46
B 8266 : 2003
B8
2
表 9.3 材料別溶接継手の位置及び形式による分類並びにその非破壊試験
26
継手の 許容され 適用規定項目番 適用図の番号 母材の区分による溶接継手の非破壊試験の方法 備考
6 : 2
位置に る継手の 号 I欄(13)(14) II欄(13)(14) III欄(13)(14)(15) IV欄(13) 母材の区分はJIS B 8285
よる分 形式によ 付表1参照
0
P-1グループ番号3,P-3グ
P-1グループ番号 調質高張力鋼 P-2125, 27
0
類 る記号
3
ループ番号3,P4,5,6及
1及び2,P-3グル P-3135
(P-1グループ番号3の一
ープ番号1及びび7,P-9A及び9B,P-51 P-4145
部,P-3グループ番号3の
2,P-8A及び8B 一部,P-5グループ番号2
及びP-52(ただし,III欄の
材料を除く。) の一部及びP-11A及び
11B)
分類A B-1(18) 表7.1 − RT RT RT+(MT又はPT) RT
分類B B-1(18) 表7.1 − RT RT RT+(MT又はPT) RT
B-2(18) 表7.1 − RT RT − RT
分類C B-1(18) 表7.1 付図1 a) RT(12) RT RT+(MT又はPT) RT 9.2.1参照
付図7 a) 1)4)
FP(16) 表7.1 付図1 b) RT又はUT RT又はUT − RT又はUT 胴の厚さ>64 mm
付図7 a) 5),6) 9.2.3 c) 参照
付図7 b) 1) MT又はPT(12) MT又はPT − PT 胴の厚さ≦64 mm
PP+FW, 表7.1 付図7 b) 2-1) MT又はPT(12) − − − フランジ材料については
PP又はFW 付図7 b) 2-2) 6.7.1 2 a) 参照
分類D B-1(18) 7.2.4 d) 付図2 a),b-1),b-2),
RT RT RT+(MT又はPT) RT
c) e)
FP(17) 付図3 a) ) ) -1) g)
表7.1,7.2.4 a) RT又はUT RT又はUT RT又はUT+(MT又はPT) RT又はUT 穴径>152.4 mmかつ,胴の
及びb) 厚さ>64 mm
MT又はPT(12) MT又はPT PT 穴径≦152.4 mm又は穴径>
152.4 mmで胴の厚さ≦64
mm
7.2.4 e) 付図6 a) ) ) MT又はPT(12) − − PT 2B以下の管継手
FP+FW 表7.1,7.2.4 c) 付図4 a) c) MT又はPT(12) − − PT
FW 表7.1,7.2.4 e), 付図6 d) MT又はPT(12) − − PT
7.2.4 f) 付図4 d)
PP 表7.1,7.2.4 f) 付図5 a) ) ) MT又はPT(12) MT又はPT − PT 穴の内径≦101.6 mm
取付物 B-1 6.15 付図8 MT又はPT(12) MT又はPT MT又はPT PT
の溶接 FP 附属書11
FP+FW
PP+FW
FW
――――― [JIS B 8266 pdf 50] ―――――
次のページ PDF 51
JIS B 8266:2003の国際規格 ICS 分類一覧
- 23 : 一般的に利用される流体システム及びその構成要素 > 23.020 : 流体貯蔵装備 > 23.020.30 : 圧力容器,ガスボンベ
JIS B 8266:2003の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称