JIS B 8266:2003 圧力容器の構造―特定規格 | ページ 9

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a) 8.7.1 a) の真円度の規定によるほか,次のb) e) の規定による。
b) 真円に対する(+)又は(−)の最大偏差(mm)は,図8.2から求めるeの値を超えてはならない。
各値から得られた点が,曲線群の上に外れた場合にはe=1.0t,下に外れた場合はe=0.2tとする。
c) 真円に対する偏差の計測方法の例を,図8.3に示す。測定位置は胴の内表面又は外表面とし,溶接部
又は他の同様の盛り上がった箇所で測定してはならない。
d) 任意断面におけるtの値(mm)は,一定板厚の部分においては,板の呼び厚さから腐れ代を引いた値
とし,また,板厚の異なる断面においては,最も薄い板の呼び厚さから腐れ代を引いた値とする。
e) 図8.2及び図8.4のLの値は,次によって求める。
1) 円筒胴に対しては,附属書1の4.1に規定する外圧を受ける胴(又は管)の設計長さ(mm)とする。
D0は外径(mm)である。
図 8.2 外圧を受ける圧力容器の真円からの最大許容差e†
備考1. 真円に対する(+)又は(−)の偏差は,図8.3に示
すように弓形の型板を用いて胴の内側又は外側から
半径方向に測る。
2. 真円に対する偏差の計測に用いる型板の弦の長さは,
図8.4に示す弧の長さの2倍にとる。
図 8.3 真円に対する偏差の計測方法の例

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備考 図8.4は附属書1の図12と同じとする。
図 8.4 真円に対する(+)又は(−)の偏差を決めるための最大弧長†
2) 円すい胴に対しては,図8.2及び図8.4に用いるL及びD0の値は,次による。
Ds
Le 5.0Lc 1
Dl
ここに, Le : 円すい胴の等価長さ (mm)
Lc : 円すい胴の軸方向の長さ (mm)
Ds : 円すい胴の小径端の外径 (mm)
Dl : 円すい胴の大径端の外径 (mm)
2.1) 大径端に対しては,
L 攀
D0
2.2) 小径端に対しては,
D
L LeDl
s
2.3) 中央部の径に対しては,
2Dl
L Le
Dl Ds
D0 Dl+Ds)
2.4) 外径DXの任意の断面に対しては,
D
L LeDl
X
D0 堀
3) 球形胴に対しては,LはD0の21とする。

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8.8 成形鏡板の製作公差

 成形鏡板の製作公差は,次による。
a) 皿形,端部に丸みのある円すい形,半球形又は半だ円形の鏡板の内面は,それぞれの丸みの半径に沿
って正規の形状のゲージとのすき間をゲージの内側及び外側で測定し,規定の寸法から外側にDの
1.25 %,また,内側にDの0.625 %を超えて変形してはならない。ここに,Dは,鏡板の取り付けら
れる胴の設計内径である。また,鏡板のすみの丸みの半径は,設計寸法より小さくてはならない。
b) 外圧を受ける全半球形鏡板及び皿形又は半だ円形の鏡板で球の一部になっている部分は,上記a) 及
L
び8.7.2の球形胴に規定する偏差内に入っていなければならない。この場合,D0
参照]。
c) ) 及びb) による偏差の測定は,板の表面で行い溶接部で行ってはならない。
d) 鏡板の端部の円筒部の真円度は,8.7の規定による。また,突合せ溶接する場合は,9.1.9の規定も満
たさなければならない。

8.9 調質高張力鋼の工作についての特別規定

 調質高張力鋼の工作についての特別規定は,附属書12に
よる。

8.10 ステンレスクラッド鋼の工作についての特別規定

 ステンレスクラッド鋼の工作についての特別規
定は,附属書13による。

9. 溶接施工

9.1 溶接施工一般

9.1.1  溶接方法及びその使用制限 この規格による圧力容器の製作に用いる溶接方法及びその使用制限
は,次による。
a) 溶接は,被覆アーク溶接,サブマージアーク溶接,ティグ溶接,ミグ又はマグ溶接,プラズマアーク
溶接,セルフシールドアーク溶接,エレクトロスラグ溶接,エレクトロガスアーク溶接及び電子ビー
ム溶接とする。
b) チタンの溶接は,ティグ溶接,ミグ溶接,プラズマアーク溶接又は電子ビーム溶接とする。
c) エレクトロスラグ溶接及びエレクトロガスアーク溶接は,母材がフェライト鋼及びフェライトを含む
溶接金属を生じさせるような次の1)3) に規定のオーステナイト鋼の突合せ溶接に限り用いてもよ
い。
1) IS G 4303,JIS G 4304及びJIS G 4305のSUS304,SUS304L,SUS316及びSUS316L。
2) IS G 3214のSUSF304,SUSF304L,SUSF316及びSUSF316L。
3) IS G 5121のSCS13A,SCS14A,SCS16A及びSCS19A。
d) 加圧溶接方法は,抵抗溶接,爆着及び摩擦圧接とする。
e) アークスタッド溶接及び抵抗スタッド溶接は,荷重のかかるものでも,かからないものでも,非耐圧
部材の取付け溶接だけに用いてもよい。ただし,調質高張力鋼には用いてはならない。また,フェラ
イト系材料の場合には,溶接後熱処理を必要とする。圧力容器は,10.1の溶接後熱処理の規定を適用
する。円断面のスタッドの最大径は25 mmとする他の形のものは,25 mm径の断面積以下のものとす
る。
f) 摩擦圧接法は,JIS B 8285の3.2(母材の種類)の付表1(母材の区分)に規定のP番号が指定された
材料だけに用いる。
9.1.2 溶接施工方法の確認及び記録 溶接施工方法の確認及び記録は,次による。
a) 圧力容器又はその部分の製作者は,溶接に先立ち,溶接継手ごとの溶接施工要領書を作成し,その要

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領書による溶接方法及び条件ごとに溶接施工方法の確認試験を行い,溶接施工方法の確認試験の評価
基準を満足しなければならない。
b) 製作者は,溶接施工方法確認試験の結果について,記録(書)を作成しなければならない。
c) 適用する溶接施工方法の確認を得るまでは,実製品の溶接を行ってはならない。
d) 耐圧部の溶接及び荷重を伝える非耐圧取付物と耐圧部との溶接施工方法は,溶接施工方法の確認を得
なければならない。
e) 非耐圧取付物で本質的に荷重を伝える役目をしないもの(例えば,伝熱用の突起物,断熱材取付け用
のピンなど)を耐圧部に取り付ける溶接施工方法は,次による。
1) 手動又は半自動溶接の場合には,溶接施工方法の確認を必要とする。
2) 自動溶接で溶接施工要領書に従って溶接を行う場合には,溶接施工方法の確認試験は不要とする,
ただし,溶接施工要領書は,できるだけJIS B 8285によることが望ましい。
9.1.3 溶接士及び自動溶接士 溶接士及び自動溶接士は,次による。
a) 溶接士 手動及び半自動溶接を行う溶接士は,次のJISによる技術検定又はこれらと同等以上の技術
検定に合格し,その技量について格付けされた資格のある者とする。
JIS Z 3801, JIS Z 3805, JIS Z 3811, JIS Z 3821, JIS Z 3841
b) 自動溶接士 自動溶接を行う溶接士は,自動溶接施工方法について十分な技量をもつことを確認され,
かつ,経験のある者とする。
9.1.4 溶接部の照合 溶接部には,それを施工した溶接士,自動溶接士を記号又は照合マークなどによっ
て確認できるようにしなければならない。ただし,製作者が各溶接部についての記録書によって溶接士又
は自動溶接士が確認できる場合には,記号又は照合マークを省略してもよい。
9.1.5 溶接材料の確認,取扱い及び保管 製作者は,圧力容器の溶接に用いる溶接材料[JIS B 8285の
3.4(溶接材料)参照。]全般について十分な管理のもとに,その取扱い及び保管について確認しなければ
ならない。特に低水素系溶接棒及びフラックスは,湿気の吸収を最少に抑えるようにしなければならない。
9.1.6 溶接最低温度 母材の温度が−20 ℃より低い場合には,一切の溶接を行わないのがよい。母材の
温度が0 ℃より低く,−20 ℃より高いときは,溶接開始点から80 mmの範囲にわたって表面を溶接に先
立って15 ℃程度に温めて溶接する。母材の表面が湿っている場合,氷が張っている場合,表面に雪が降
り込んでいる場合,風が強い場合などは,溶接士,自動溶接士及び作業場が適切に保護されていない限り,
溶接を行わないほうがよい。
9.1.7 取付け及び位置合せ 溶接される部分の取付け及び位置合せは,次による。
a) 溶接される部分は,取付け及び位置合せを行い,溶接中はその位置に保持しなければならない。
b) 溶接される端面の位置決め及び保持のために適切なジグを用いるか,又は仮付溶接によって行ってよ
い。仮付溶接を用いる場合には,次による。
1) 仮付溶接に用いる溶接方法及び溶接士は,確認された溶接施工方法に従って資格のある溶接士が行
わなければならない。
2) 仮付溶接を行った場合には,その目的を達したときに完全に取り除くか,又は仮付溶接の始端部と
終端部をグラインダ又は適切な方法で仕上げ,仮付溶接が十分に満足な状態で最終溶接の中に溶け
込むようにする。
3) 仮付溶接は,目視試験によって欠陥を調べ,欠陥が発見された場合には除去しなければならない。
c) 一時的に取り付けた取付物を取り除いた跡は,滑らかに仕上げ,磁粉探傷試験又は浸透探傷試験を行
う。欠陥は除去し,その跡を検査しなければならない。溶接による補修が必要な場合には,9.3による。

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d) すみ肉溶接を行う場合は,重ねた板は十分に密着させて溶接中に離れないようにしておかなければな
らない。
e) 摩擦圧接で二つの部材を接合する場合には,一方は固定位置に保持し,他方を回転させる。接合され
る二面は,回転軸に対して直角とする。
適用できる継手の代表的なものは,丸棒と丸棒,管と管,丸棒と管,丸棒と板及び管と板の接合と
する。
9.1.8 開先部の清掃 開先部の清掃は,次による。
a) 開先面及び開先近傍の表面は,鋼材では開先面から13 mm以上離れたところまで,また,非鉄金属材
料では50 mm以上離れたところまで清掃し,スケール,さび,油,グリース及び他の有害な異物を除
去する。有害な酸化物は,溶接金属の溶着する面から除去する。多層溶接の場合は,各パスごとに,
振動工具,たがね,エアーチップハンマー又は他の適切な方法でスラグをすべて取り除き,溶接金属
中に不純物が混入しないようにする。
b) 溶接される鋳鋼表面は,機械仕上げ,チッピング又はグラインダで表面スケールを除去し,健全な金
属面を露出させる。
9.1.9 突合せ溶接継手の端面の食違い 突合せ溶接される継手の端面の食違いは,次による。
a) 突合せ溶接継手の端面の食違いは,7.1.1に規定する溶接継手の位置の分類に応じて,表9.1に示す最
大許容値以下とする。ただし,調質高張力鋼については,附属書12の3.3による。
表 9.1 突合せ溶接継手の許容最大食違い
薄い方の母材の呼び厚さt 継手の分類
(mm) A B, C及びD
1 1
t≦13 t t
4 4
1
13 < t≦19 3.0 mm t
4
19 < t≦38 3.0 mm 5.0 mm
1
38 < t≦50 3.0 mm t
8
1(最大10 mm) 1(最大19 mm)
50 < t t t
16 8
b) ) に規定した最大許容値内にあるすべての食違いは,完了した溶接幅にわたって3 : 1のテーパに仕
上げるか,又は必要なら溶接線を超えて肉盛溶接でテーパを付ける。このような追加肉盛溶接による
仕上げは,9.1.16による。
9.1.10 予熱 予熱は,次による。
a) 溶接施工要領書には,最少必要予熱条件を定めなければならない。
b) 溶接施工要領書に予熱が定められていない場合でも,予熱は溶接継手を完成させるための一助として,
溶接中に用いてもよい。
c) 予熱の要否及び温度は,化学成分,接合される部分の拘束の程度,高温における材料の特性及び厚さ
など各種の要素に関係するので,附属書14の2 b) に規定の溶接後熱処理を必要としない条件にある
ものを除き,予熱についての一般指針を,附属書18に示す。
9.1.11 溶接部の形状 溶接部の形状は,次による。
a) -1継手の溶接の溶込みは,次による。
1) -1継手は,完全溶込みで,完全に溶融していなければならない。溶接表面は,目の粗い波(リッ

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JIS B 8266:2003の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8266:2003の関連規格と引用規格一覧

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規格名称