JIS B 8266:2003 圧力容器の構造―特定規格 | ページ 12

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B 8266 : 2003 すみ肉溶接継手
2) 判定基準 放射線透過試験の判定は,1類とする。ただし,溶込み不足,融合不良,割れ及びこれ
に類するきずは不合格とする。
b) 超音波探傷試験 超音波探傷試験は,次による。
1) 鋼溶接部の超音波探傷試験の方法 鋼溶接部の超音波探傷試験は,JIS Z 3060及び次による。
1.1) IS Z 3060の5.5(検出レベルの選定)における検出レベルは,L検出レベルとする。
1.2) 感度調整のために用いる対比試験片は,いずれの場合もJIS Z 3060の4.3.2(対比試験片)のRB-4
とする。
1.3) 鋼溶接部の判定基準 鋼溶接部の超音波探傷試験の判定基準は,JIS Z 3060の附属書6(試験結果
の分類方法)に規定の1類を合格とする。ただし,割れ,融合不良又は溶込み不足は,長さに関
係なく不合格とする。
2) アルミニウム溶接部の超音波探傷試験 アルミニウム溶接部の超音波探傷試験は,次による。
2.1) アルミニウム突合せ溶接部の超音波探傷試験は,JIS Z 3080によって行い,同規格の附属書(試
験結果の分類方法)に規定の1類を合格とする。
2.2) アルミニウム管の溶接部の超音波探傷試験は,JIS Z 3081によって行い,同規格の附属書(試験
結果の分類方法)に規定の1類を合格とする。
2.3) アルミニウムのT形溶接部の超音波探傷試験はJIS Z 3082によって行い,同規格の附属書(試験
結果の分類方法)に規定の1類を合格とする。
3) その他の材料の溶接部の超音波探傷試験は,1) に準じて行う。
c) 磁粉探傷試験 磁粉探傷試験は,次による。
1) 磁粉探傷試験は,JIS G 0565及び次による。ただし,標準試験片については,同規格の表1(A形
標準試験片)に規定のA2-30/100を用いる。
2) 磁粉探傷試験を行った場合において,次の条件に適合する場合には,これを合格とする。
2.1) 表面に割れによる磁粉模様がない。
2.2) 線状磁粉模様の最大長さが4 mm以下である。
2.3) 円形状磁粉模様の最大長径が4 mm以下である。
2.4) 分散磁粉模様に関しては,面積2 500 mm2内において磁粉模様の種類及び大きさに応じ,次の表に
よる点数の総和が12点以下である。
長さ又は直径が2 mm以下 長さ又は直径が4 mm以下
線状磁粉模様 3点 6点
円形状磁粉模様 1点 2点
d) 浸透探傷試験 浸透探傷試験は,次による。
1) 浸透探傷試験は,JIS Z 2343-1~4による。
2) 指示模様の合否の判定は,c) 2) の規定で磁粉模様を指示模様に読み替えて,それによる。
e) 目視試験 溶接部の目視試験で,次の1) 及び2) に規定の事項を確認する。
1) 溶接部には溶込み不良,融合不良,割れ,アンダカット,オーバラップ,クレータ,スラグの巻き
込み,ブローホールなど継手性能に影響を及ぼす欠陥があってはならない。 また,余盛は滑らかに
盛り上がっていなければならない。
2) 一時的に溶接によって取り付けた取付物の除去跡は,滑らかに仕上がっており,欠陥があってはな
らない。

11.4 非破壊試験技術者

 非破壊試験技術者は,次による。

――――― [JIS B 8266 pdf 56] ―――――

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a) 放射線透過試験技術者,超音波探傷試験技術者,磁粉探傷試験技術者及び浸透探傷試験技術者は,権
威ある機関の技量検定に合格し,その技量について格付けされた資格のある者とする。
b) 目視試験技術者は,圧力容器の材料,製作方法,発生するきずなどに関する必要な知識をもち,この
規格の内容に習熟し,かつ,経験のある者とする。
c) 非破壊試験技術者は,色覚が正常で,遠方視力は0.7以上でなければならない。

11.5 非破壊試験の再試験

 溶接部の目視による試験,放射線透過試験などの非破壊試験で不合格となっ
た場合には,次に基づいて補修を行い,合格しなければならない。
a) 放射線透過試験を行い,不合格の場合は,不合格の原因となったきずを完全に除去して再溶接し,そ
の部分について再び放射線透過試験を行い,合格しなければならない。
b) 放射線透過試験以外の非破壊試験(目視試験,磁粉探傷試験,浸透探傷試験及び超音波探傷試験)で
きずが検出され,不合格の原因となったきずは完全に取り除き,欠陥部の補修を行い,それぞれの試
験を行い,合格しなければならない。

11.6 耐圧試験

11.6.1 一般 耐圧試験に関する一般事項は,次による。
a) 圧力容器は,完成後附属書17の2. によって耐圧試験を行わなければならない。耐圧試験によって,
圧力容器に局部的な膨らみ,伸びなどの異状が生じないとき,これを合格とする。
なお,オーステナイト系ステンレス鋼以外の鉄鋼材料による圧力容器の耐圧試験は圧力容器の最低
設計金属温度に17 ℃加えた温度以上の耐圧試験時温度(金属温度)で実施する。
b) 耐圧試験後,耐圧部の主要な部分に溶接補修をした場合には,再度耐圧試験を行わなければならない。
c) 2室以上の室で構成されている複合容器(6.1.6参照)の耐圧試験は,次による。
1) それぞれの室が独立して操作される場合には,それぞれ別個の圧力容器として取り扱い,一方の耐
圧試験を行うときは,他方は空としておく。
2) 複合容器の各室が,運転開始,運転中及び停止の期間中に生じ得る最大差圧で設計された共通部材
のある場合であって,かつ,その差圧が隣接する室の高い方の圧力より小さい場合には,その共通
部材は,設計差圧を設計圧力として11.6.2又は11.6.3の規定によって算定した耐圧試験圧力で試験
する。
3) 2)に規定の共通部材の試験後,隣接する室を同時に耐圧試験しなければならない。この場合,室間
の差圧を共通部材の試験に用いた圧力に制限する。
4) 差圧設計した圧力容器は,共通部材及びその制限差圧を表示し,試験結果を試験成績書に記載しな
ければならない。
d) 鉛ライニング,亜鉛めっき又は非金属材料でライニング又はコーティングする圧力容器の耐圧試験は,
通常,めっき,ライニング又はコーティング施工前に行う。
e) 外圧を受ける容器は,11.6.2又は11.6.3の規定において設計圧力を設計外圧と読み替えて算出した試
験圧力で,内圧による耐圧試験を実施しなければならない。ただし,その圧力は,設計内圧の1.5倍
以上とする。
11.6.2 水圧試験圧力 内圧を受ける圧力容器の水圧による耐圧試験圧力は,次による。
a) 水圧による耐圧試験圧力 水圧による耐圧試験圧力は,次の算式によって求める。
t
Pt .125P
d
ここに, Pt : 耐圧試験圧力 (MPa)

――――― [JIS B 8266 pdf 57] ―――――

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P : 設計圧力 (MPa)
水圧試験温度における材料の設計応力強さ (N/mm2)
設計温度における材料の設計応力強さ (N/mm2)
備考1. 水圧試験温度と設計温度における設計応力強さの比( は,ボルト材を含めた圧力
容器の耐圧部材すべての設計応力強さの比(備考2.参照)のうち,最も小さくなる値を
用いる。
2. 付表3.2及びJIS B 8265の付表2.1.1及び付表2.2の許容引張応力を使用する場合には,
許容引張応力の比。
b) 圧力の制限 圧力容器の任意の点における水圧試験時の圧力(水頭圧を含む。)が,耐圧試験圧力 (Pt)
の106 %を超える場合には,試験中に加わると予想されるすべての荷重を考慮し,水圧試験圧力の上
限を,次の1) 及び2) によって制限しなければならない[附属書8の表3の注(17) 参照]。
1) 計算で求めた一次一般膜応力強さ (Pm) は,水圧試験温度での材料の降伏点又は0.2 %耐力 (Sy) の
90 %を超えてはならない。
2) 計算で求めた一次一般膜応力強さ (Pm) と,一次曲げ応力強さ (Pb) とを加えて求めた応力強さは,
次の制限条件を満足しなければならない。
2.1) Pm≦0.67Syの場合は,Pm+Pb≦1.35Sy
2.2) 0.67Sy Pm+Pb≦2.35Sy−1.5Pm
ここに,Syは1)による。
11.6.3 気圧試験圧力 附属書17の2.1のb) に限って,気圧による耐圧試験を行ってもよい。気圧による
耐圧試験圧力は,次による。
a) 気圧による耐圧試験圧力 耐圧試験圧力は,次の算式によって求める。
t
Pt .115P
d
ここに,Pt,P, び 11.6.2 a)による。
b) 圧力の制限 圧力容器の任意の点における気圧試験時の圧力が試験中に加わると予想されるすべての
荷重を用いて,気圧試験圧力の上限を,次の1) 及び2) によって制限しなければならない[附属書8
の表3の注(17) 参照]。
1) 計算で求めた一次一般膜応力強さ (Pm) は,気圧試験温度での材料の降伏点又は0.2 %耐力 (Sy) の
80 %を超えてはならない。
2) 計算で求めた一次一般膜応力強さ (Pm) と,一次曲げ応力強さ (Pb)とを加えて求めた応力強さは,
次の2.1)又は2.2)の制限条件を満足しなければならない。
2.1) Pm≦0.67Syの場合は,Pm+Pb≦1.20Sy
2.2) 0.67Sy Pm+Pb≦2.20Sy−1.5Pm
ここに,Syは1) による。
11.6.4 気液併用耐圧試験圧力 附属書17の2.1のc) によって耐圧試験を行う場合の耐圧試験圧力は,次
による。
a) 耐圧試験圧力 耐圧試験圧力は,11.6.3 a) の算式によって求める。
b) 圧力の制限 圧力容器の任意の点における耐圧試験時の圧力(水頭圧を含む。)が,耐圧試験圧力 (Pt)

――――― [JIS B 8266 pdf 58] ―――――

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の106 %を超える場合には,試験中に加わると予想されるすべての荷重を考慮し,耐圧試験圧力の上
限を11.6.3 b) 1) 及び2) によって制限しなければならない。

11.7 漏れ試験

 受渡当事者間の協議によって,圧力容器は,11.6に規定する耐圧試験に合格した後,附
属書17の3. によって次の液体漏れ試験,気密試験及び気体漏れ試験のいずれかの漏れ試験を行ってもよ
い。
見付けられた漏れの箇所は,この規格の該当する規定によって補修し,再試験を行う。
a) 液体漏れ試験 附属書17の3.2の規定によって行う液体漏れ試験は,設計圧力又は11.6.211.6.4に
定める試験圧力の34倍のいずれか大きいほうに等しい圧力で行う。
b) 気密試験 気密試験は,附属書17の3.3の規定によって,設計圧力以上の圧力で行う。
c) 気体漏れ試験 気体漏れ試験は,高度の気密性を必要とする圧力容器に対して附属書17の3.4の規定
によって行う。試験方法及び試験圧力は,受渡当事者間の協定による。

12. 附属品

 附属品は,次による。

12.1 過圧防止安全装置

12.1.1 一般事項 過圧防止安全装置の一般事項は,次による。
a) この規格の範囲に含まれるすべての圧力容器は,大きさ又は圧力とは無関係に12.1の規定による過圧
防止安全装置を備えていなければならない。この規格で他に定義されている場合を除き,JIS B 8210
の2.(用語の定義)に定義する用語を用いる。
b) 熱交換器及びそれに類する圧力容器は,内部の故障に際して過圧から防止されていなければならない。
c) 完全に液体の充満した状態で運転される圧力容器は,特に過圧防止装置がない限り逃し弁を備えてい
なければならない。
d) 圧力源が圧力容器の外側にあり,かつ,圧力容器内の圧力が運転温度で設計圧力を超えないようにそ
の圧力源が確実に制御されている場合(12.1.6で許容される場合を除く。)は,a) に規定の過圧防止
安全装置を圧力容器に直接取り付ける必要がない。
e) 任意の圧力容器を隔離できるような弁を一切含まない一つの配管系にまとめて接続された複数の圧力
容器は,取り付けるべき過圧防止安全装置の所要吹出し量の計算に当たっては,圧力容器相互の連結
配管を含めて一つの圧力容器とみなす。
12.1.2 過圧防止安全装置の種類 大気中に直接,又は間接に開放する圧力逃し弁,破裂板又は逃し管は,
過圧防止安全装置として用いてもよい。
a) 圧力逃し弁 圧力逃し弁は,次による。
1) 安全弁及び逃し弁は,直接ばね式のものでなければならない。
2) 安全弁は,JIS B 8210に規定するばね安全弁又はこれと性能及び構造が同等以上のものとする。
なお,安全弁は,JIS B 8225によって吹出し係数を確認したものであることが望ましい。
3) ばねパイロット付安全弁は,そのパイロットが自力作動式であり,主弁が設定圧力以下で自動的に
開き,かつ,パイロットのある主要部が故障した場合でもその全定格容量を排出することができる
ものは,2個以上の安全弁を備える場合にその一部として用いてもよい。ただし,この場合,圧力
容器に必要とされる安全弁の総吹出し量の21以上は,ばねパイロット式安全弁以外のばね安全弁に
よらなければならない。
4) 安全弁の吹始め圧力の許容差は,JIS B 8210の規定による。

――――― [JIS B 8266 pdf 59] ―――――

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5) 逃し弁は,その管口径が1/2B以上のものでなければならない。
備考1. 逃し弁とは,定常状態に復帰した後は再閉鎖して,流体がそれ以上流出しないように設計さ
れた圧力逃し装置をいう。
逃し弁は,入口側の静圧力で働く圧力逃し弁で,開放圧力を超える圧力増加に比例して開
くものとする。
2. 安全弁は,入口側の静圧力で働く圧力逃し弁で,急速開放作動又はポップ作動という特徴を
もつものとする。
安全弁は,適用に応じて急速開放作動又はポップ作動という特徴若しくは開放圧力を超え
る圧力増加に比例して開く特徴をもつ圧力逃し弁とする。
3. ばねパイロット付安全弁は,その主要逃し装置が自力作動式の補助圧力逃し弁と組み合わさ
れており,かつ,それによって制御される圧力逃し弁とする。
b) 破裂板 破裂板は,次による。
1) 破裂板は,JIS B 8226に規定する破裂板,又はこれと性能と構造とが同等以上のものとする。
2) 破裂板は,圧力容器に単独又は適宜に安全弁若しくは逃し弁と組み合わせて用いてもよい。組み合
わせる場合には,12.1.5 b) 及び12.1.7 b) を参照する。
12.1.3 所要吹出し量 過圧防止のため圧力容器からの所要吹出し量は,次の値以上とする。
a) 圧力源が圧縮機又はポンプである場合には,その圧縮機又はポンプの1時間当たりの吐出量 (kg/h)。
b) )以外の圧力源から気体を導入する圧力容器は,1時間当たりの最大導入量 (kg/h)。ただし,最大導
入量の測定が困難な場合には,次による。
W
ここに, W : 所要吹出し量 (kg/h)
v : 導入管内の気体の流速 (m/s) で,次の値以上の値とする。
過熱蒸気 30
飽和蒸気 20
一般気体 10
r : 気体の密度 (kg/m3)
d : 管の内径 (cm)
c) 熱交換器などの圧力容器で蒸気(水蒸気とは限らない。以下,同じ。)を発生する場合には,次による。
W H
L
ここに, W : 所要吹出し量 (kg/h)
H : 入熱量 (kJ/h)
L : 安全装置の吹出し量決定圧力における当該液体の蒸発潜熱
(kJ/kg)
備考 蒸気を発生しない熱交換器などであっても,液体を充満した状態で密閉されることがある圧力
容器は,熱源の漏えいによる熱膨張を考慮して適切な安全装置を設けなければならない。
d) 外部に水噴霧装置又は散水装置を設けた圧力容器の所要吹出し量は,それらの環境条件を考慮して定
める。
12.1.4 過圧防止安全装置の吹出し量 過圧防止安全装置の吹出し量の算定は,次による。
a) ばね式安全弁の蒸気及びガスに対する公称吹出し量の算定は,JIS B 8210の附属書(安全弁の公称吹

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規格名称