7
B 8266 : 2003
部分溶込み溶接によって取り付ける(図5.1参照)。
a)本体から採取する場合 b)試験材から採取する場合
図5.1 試験片の採取要領
3.3) 試験片を採取する材料端に,熱遮へい体又は熱絶縁体を使用する。
3.4) 材料の冷却曲線資料及び試験材の冷却速度を調節できる装置があり,この装置によって試験材を
材料の冷却曲線と時間差20秒以内,温度差15 ℃以内になるように冷却する。
4) 材料が,オーステナイト化温度から焼ならし又は急速冷却をされる前に,クラッド又は肉盛溶接さ
れるものの場合には,試験材はこのような熱処理前に本体と同じ厚さのものにクラッド又は肉盛溶
接されていなければならない。
5) 試験材に対して,容器の溶接後熱処理に対応する熱処理を行う場合には,その材料が実際に受ける
溶接後熱処理の合計保持時間の80 %以上の保持時間で,連続して1回の保持時間としてもよい。
5.3.4 鉄鋼材料の非破壊試験 鉄鋼材料の非破壊試験は,JIS材料規格の規定に従って行わなければなら
ないほか,次による。
a) 鋼板 呼び厚さが100 mmを超えるすべての鋼板は,超音波探傷試験を行い,JIS G 0801又はJIS G
0802に適合しなければならない。
b) 鍛鋼品 鍛鋼品の超音波探傷試験は,次による。
1) 呼び厚さが100 mm以上の炭素鋼及び低合金鋼の鍛鋼品はすべて,JIS G 0587によって超音波探傷
試験を行わなければならない。この場合,リング,フランジ,その他の中空鍛鋼品で,外径と内径
との比が1.4以下のものは,垂直法及び斜角法による超音波探傷試験を,その他の鍛鋼品は,垂直
法による超音波探傷試験を行う。超音波探傷試験の時期及び判定基準は,次の1.1) 及び1.2) の規
定に適合しなければならない。
1.1) 探傷時期 探傷時期は,通常鍛鋼品の機械的性質を得るための最終熱処理後(ひずみ取り焼鈍は
除く。)とする。また,探傷範囲は,鍛鋼品の全域とする。ただし,鍛鋼品の形状が完全な超音波
探傷試験を妨げるときは,最終熱処理前の完全な探傷が可能な状態のときに行う。この場合も最
終熱処理後に可能な全域を探傷しなければならない。
1.2) 判定基準 JIS G 0587の附属書1における附属書1表1及び附属書1表2の1類,2類及び3類の
ものを合格とする。
2) 呼び厚さがl00 mm以上のステンレス鋼鍛鋼品はすべて,JIS G 3214の附属書に規定する超音波探傷
試験を行わなければならない。この場合,リング,フランジ,その他の中空鍛鋼品で,外径と内径
との比が1.4以下のものは,垂直法及び斜角法によって,また,その他の鍛鋼品は垂直法による超
音波探傷試験を行う。
c) クラッド鋼 呼び厚さ8 mm(合せ材を含む。)以上のステンレスクラッド鋼,ニッケル及びニッケル
――――― [JIS B 8266 pdf 11] ―――――
8
B 8266 : 2003
合金クラッド鋼,チタンクラッド鋼,銅及び銅合金クラッド鋼はJIS G 0601の5.(超音波探傷試験)
によって接合部について超音波探傷試験を行い,JIS G 3601,JIS G 3602,JIS G 3603及びJIS G 3604
に規定する表3(接合状態)の1種Fに適合しなければならない。肉盛クラッド鋼の超音波探傷試験
による接合状態は,受渡当事者間の協定による。
d) 鋳鋼品 鋳鋼品は,次に示す試験方法及び試験範囲によって,放射線透過試験又は超音波探傷試験及
び磁粉探傷試験又は浸透探傷試験を行わなければならない。
1) 放射線透過試験 放射線透過試験は,鋳鋼品の厚さ300 mm以下のすべての部分に適用し,その試
験方法はJIS G 0581によって,きずの判定は,次による。
1.1) 割れ,鋳造時のケレン及び鋳ぐるみの溶着不良は,不合格とする。
1.2) ブローホール,砂かみ及び介在物並びに引け巣は,表5.1の分類に適合するときは,合格とする。
表5.1 ブローホール,砂かみ及び介在物並びに引け巣の判定分類
欠陥種類 試験部の肉厚
20 mm以下 20 mmを超えるもの
ブローホール 1類 2類
砂かみ及び介在物 1類 2類
引け巣 線状 1類 2類
樹枝状 1類 2類
2) 超音波探傷試験 鋳鋼品の厚さが300 mmを超える部分は,可能な限り,垂直法による超音波探傷
試験を行わなければならない。試験は次の規定によるほか,JIS Z 2344による。
2.1) 探傷時期は,鋳鋼品の機械的性質を得るための最終熱処理後とする。
2.2) 鋳鋼品の試験部表面は,スケール,砂などがなく超音波の伝達を妨げない状態とし,必要に応じ
研磨,機械加工などによって平滑にする。
2.3) 探触子の直径は,2030 mmとする。ただし,必要に応じて他の直径の探触子を使用してもよい。
2.4) 試験周波数は,1 MHzとする。ただし,欠陥の位置,性状などを推定するために,他の周波数を
使用してもよい。
2.5) 探傷感度を調整するために使用する対比試験片は,鋳鋼品と同等の金属組織をもっているものと
する。ただし,超音波減衰度が同等であることが確認された場合には,他の材質も使用してもよ
い。
対比試験片の寸法は,表5.2及び図5.2による。ただし,対比試験片6-Bは,探傷距離が350 mm
を超える場合に使用する。
――――― [JIS B 8266 pdf 12] ―――――
9
B 8266 : 2003
表5.2 対比試験片の寸法及び番号
単位 mm
l L W (7) 番号
25 45±3 50以上 6-025
50 70±3 50以上 6-050
75 95±3 50以上 6-075
150 170±3 75以上 6-150
250 270±3 100以上 6-250
B (6) B ±20 125以上 6-B
注(6) は,鋳鋼品の厚さとする。
(7) は,幅又は直径とする。
単位 mm
図5.2 対比試験片
2.6) 探傷感度は,対比試験片番号6-250平底穴からのFエコーが,目盛板の10 %になるように調整す
る。この感度で他の対比試験片を探傷し,それぞれの平底穴からのFエコーの頂点を結ぶ曲線を
対比線とする。鋳鋼品の肉厚が250 mmを超え350 mm以下の場合には,対比線を延長する。
材料の厚さが350 mmを超える場合には,6-B試験片の平底穴からのエコー高さが10 %になる
ように調整して,対比線を作成する。
次に,鋳鋼品の表面粗さと対比試験片の探傷面の粗さとの相違による探傷感度の差異を補正する
ために,試験片のうち鋳鋼品の肉厚に最も近いものを選び,平底穴及び側面の影響の最も少ない位
置で,上記感度によって底面エコーの高さを求める。次に鋳鋼品上に探触子を置き,その底面エコ
ー高さが対比試験片のそれと一致するように調整し,これを探傷感度とする。
2.7) 試験の結果,次に示すエコーが検出されたときは,ビーム路程,走査特性などからその異常部が
欠陥かどうかを判定し,欠陥と判定された場合には,不合格とする。
2.7.1) 対比線を超えるエコーを示す異常部の面積が20 cm2を超えるもの。
2.7.2) 対比線を超えるエコーを示す異常部の最大長さが65 mmを超えるもの。
2.7.3) 対比線を超えるエコーを示す異常部が同一平面上に二つ以上あり,相互の間隔が大きい方の異常
部の最大長さより小さい場合,これらの異常部群の範囲が20 cm2を超えるもの。
2.7.4) 鋳鋼品の形状に起因しない底面エコーの消失を伴ったエコー。ここで,底面エコーの消失とは,
底面エコー高さが目盛板の5 %以下となることをいう。
3) 磁粉探傷試験 磁性材料の鋳鋼品は,JIS G 0565によって,通常全表面を磁粉探傷試験しなければ
ならない。
きずの判定は,次による。
――――― [JIS B 8266 pdf 13] ―――――
10
B 8266 : 2003
3.1) 円形状磁粉模様のある場合,表5.3に示す基準に適合する場合には,合格とする。
3.2) 線状磁粉模様がある場合,表5.3に示す基準に適合する場合には,合格とする。
表5.3 円形状磁粉模様及び線状磁粉模様の最大長さ又は長さの合計
単位 mm
探傷部の呼び厚さ 磁粉模様の最大の長さ又は長さの合計
20以下 4
20を超え60以下 8
60を超えるもの 16
3.3) 分散磁粉模様がある場合,表5.3に示す磁粉模様の長さの合計に適合する場合には,合格とする。
4) 浸透探傷試験 非磁性材料の鋳鋼品は,可能な限り全面を,JIS Z 2343-14に準じて浸透探傷試験
を行わなければならない。
欠陥の判定は,磁粉模様を指示模様に読み替えて3) 3.1)3.3) による。ただし,割れ又はホット
ティアがある場合には不合格とする。
5.3.5 衝撃試験及び最低設計金属温度
a) 圧力容器の最低設計金属温度 圧力容器の最低設計金属温度は,容器の運転及び環境条件(最低運転
温度,運転時の異常状態,外気温度,その他冷却源など)から,その設計・製作に要求される最低金
属温度を許容できる温度でなければならない。通常,この要求される最低金属温度を最低設計金属温
度とする。ただし,実施される衝撃試験の温度又は附属書15の規定で衝撃試験が免除される場合で,
免除される温度がこの要求される最低金属温度(最低設計金属温度)より低い場合には,受渡当事者
間の協定によって,最低設計金属温度を下げてもよい。
b) 衝撃試験 圧力容器の胴,鏡,ノズル,マンホール,強め材,フランジ,管板,平ふたなどの構成部
材及び圧力保持構成部材への溶接取付物は,それぞれ個別の構成部材として,個々の材料の種類,厚
さ及びa) の要求される最低設計金属温度に基づき,附属書15によって衝撃試験の要求について評価
しなければならない。衝撃試験を行う場合は,附属書15の規定によって最低設計金属温度以下で衝撃
試験を行う。
c) 最低設計金属温度及び衝撃試験温度に対する特別規定 オーステナイト系ステンレス鋼以外の鉄鋼材
料で製作した容器の特別規定は,次による。ただし,衝撃試験が免除される場合は,免除される温度
を衝撃試験温度とみなしてよい。
1) 圧力容器の耐圧試験時における最低設計金属温度に対する試験温度については,11.6.1 a) による。
2) 最低設計金属温度が−10 ℃未満の場合で,ノズルの取付溶接部及び局部応力の大きい他の部分を溶
接後熱処理を行わない場合の衝撃試験温度は,最低設計金属温度より17 ℃低く設定しなければな
らない。ただし,厚さ50 mm未満の9 % Ni鋼は除く。
3) 致死性物質を入れる容器においては,呼び厚さに応じ,衝撃試験温度を最低設計金属温度より次に
掲げる値だけ低く設定しなければならない。
呼び厚さ 25 mm以下 0℃
25 mmを超え 50 mm以下 11 ℃
50 mmを超え 75 mm以下 22 ℃
75 mmを超えるもの 33 ℃
5.4 非鉄金属材料
――――― [JIS B 8266 pdf 14] ―――――
11
B 8266 : 2003
5.4.1 最低設計金属温度 材料は,材料区分ごとに示した表5.4の最低設計金属温度未満では使用しては
ならない。
表5.4 非鉄金属材料の最低設計金属温度
材料区分 銅及び銅 ニッケル及びニッ アルミニウム チタン及びチ ニッケルク
合金 ケル合金 及びアルミニ タンパラジウ ロム鉄合金
ウム合金 ム合金
最低設計金属温度 −269 ℃ −196 ℃
5.4.2 試験材及び試験片の採り方 非鉄金属材料の試験材及び試験片の採り方は,適用材料規格による。
5.4.3 試験材の熱処理 試験材の熱処理は,次による。
a) 圧力容器の製作中に熱処理を受ける部材を代表する試験材は,圧力容器に適用する熱処理条件に従っ
て熱処理しなければならない。この場合,熱処理条件は,受渡当事者間で協議して決めなければなら
ない。加熱速度,熱処理温度の保持時間及び冷却速度は,圧力容器に適用する熱処理条件を代表する
ものでなければならない。
b) 試験片を採用する試験材が本体付きのものでない場合には,試験材の大きさは,圧力容器の製作に用
いる材料の冷却速度を代表するのに十分な大きさとする。
c) いずれの場合でも,試験材の寸法(たて,よこ,厚さ)は3t×3t×t以上とする。ここに,tは,呼び
厚さとする。また,試験片の採取位置は,試験材のどの端面からもt以上離れていなければならない。
5.4.4 非鉄金属材料の非破壊試験 非鉄金属材料の非破壊試験は,JIS規格材料の規定に従って行わなけ
ればならないほか,次による。
a) 板 呼び厚さが100 mmを超える板は,次の超音波探傷試験を行わなければならない。
1) 垂直探傷法とする。
2) 振動子は,直径2030 mmの円形又は一辺25 mmの角形とする。
3) 試験周波数は,材料の種類に応じて適切なものでなければならない。
4) 探傷感度は,板の欠陥がない部分からの第1回底面エコーの高さを,ブラウン管目盛高さの80 %
に調整する。
5) 板の形状に起因しない底面エコーの消失を伴った欠陥エコーのあるものは,不合格とする。ここで
底面エコーの消失とは,底面エコー高さが目盛板の5 %以下となることをいう。
b) 鍛造品 呼び厚さが100 mmを超える鍛造品は,次の超音波探傷試験を行わなければならない。
1) 四角の鍛造ブロックは,できる限りほぼ直交する2方向から垂直探傷法とする。
2) フランジ及び輪形鍛造品を含む中空状鍛造品は,1) に加えて直接接触法又は水浸法若しくは局部水
浸法を用いて斜角探傷法とする。これら中空鍛造品は,厚さ又は形の上から斜角探傷法が困難なも
のでない限り,軸に直角な1面から及び周方向からの両方から探傷する。
3) 平円盤形鍛造品は,いずれか一つの平面から及び円周面からの両方から探傷する。
4) 鍛造品は,製造中のいずれかの時点で材料の全容積を,探傷しなければならない。熱処理を受ける
材料に対しては,最終熱処理後に探傷することが望ましいが,形の上から完全に行えない場合には,
最終熱処理後,できる限りの範囲を再探傷する。
5) 垂直探傷法は,a) 2)5) による。
6) 直接接触法による斜角探傷では,25×25 mm又は25×38 mmの45度の振動子を用い,周波数は,
材料に応じて適切なものとする。
7) 水浸法又は局部水浸法による斜角探傷は,19 mm径の振動子を用い,屈折角と周波数は,材料に応
――――― [JIS B 8266 pdf 15] ―――――
次のページ PDF 16
JIS B 8266:2003の国際規格 ICS 分類一覧
- 23 : 一般的に利用される流体システム及びその構成要素 > 23.020 : 流体貯蔵装備 > 23.020.30 : 圧力容器,ガスボンベ
JIS B 8266:2003の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称