JIS B 8266:2003 圧力容器の構造―特定規格 | ページ 4

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じて適切なものとする。
8) 斜角探傷は,深さが9.5 mm又は試験する材料の呼び厚さの3 %のいずれか小さいほうで,長さが
約25 mm,幅が深さの2倍以下のノッチによって感度調整する。
9) 斜角探傷法で1個以上の欠陥が見つかり,それによるエコーが対比試験片ノッチからのエコーより
大きい場合には,不合格とする。

5.5 ボルト,ナット及び座金

 フランジその他の取付け・取外しする部品に用いるボルト(植込みボル
トを含む。),ナット及び座金は,適用JISボルト,ナット又はねじの規格によるほか,次による。
a) 最終機械仕上げされたねじ,軸及び六角頭の各部について外観検査を行い,ラップ,シーム,割れな
どの欠陥のあるものは不合格とする。
b) 呼び径50 mmを超えるボルト及びナットは,磁粉探傷試験又は浸透探傷試験を行い,軸方向と異なっ
た方向の線状欠陥のあるものは不合格とする。また,長さ25 mmを超える軸方向の線状欠陥のあるも
のも不合格とする。
c) 炭素鋼又は低合金鋼のナットとほぼ同じ硬度の座金は,480 ℃以下の金属温度で使用してもよい。
d) 金属温度が480 ℃を超えるものに対しては,低合金鋼のナット及び座金を用いる。
e) ナット(袋ナットを含む。)は,ねじ全長がはめ合うものでなければならない。
f) ナットは,JIS B 1181のスタイル2以上の寸法とする。

6. 設計

6.1 設計一般

6.1.1  設計に考慮すべき荷重 設計に当たっては,少なくとも次のa)   h) に示す荷重を考慮し,設計荷
重,運転荷重及び試験荷重の各荷重条件について,同時に作用すると考えられる荷重の最も厳しい組合せ
条件によって圧力容器を設計しなければならない。
a) 水頭圧を含む内圧・外圧
b) 容器の自重及び運転時・試験時における内容物の質量
c) 付加される荷重(例えば,附属する機器・装置,附属品,操作器具,断熱材,腐食又は侵食防止用の
ライニング,配管などの質量)
d) 風荷重・積雪荷重・地震荷重
e) ラグ,リング,サドルその他のタイプのサポートの反力
f) 急激な圧力変化を含む衝撃荷重
g) 温度条件からくるひずみ差による荷重,取り付けられた配管又は他の附属部品の膨張・収縮による反

h) 圧力又は温度変化に起因するか,又は他の機器からの繰返し荷重,動的荷重及び機械的荷重
備考 地震荷重と風荷重とは,同時に組み合わせる必要はない。
6.1.2 設計圧力 設計圧力には,次の事項を考慮しなければならない。
a) 設計圧力は,各運転状態における運転圧力及び運転温度の関連において最も厳しい条件に対して定め
なければならない。
b) ) の条件において圧力容器の内外,又は2室以上からなる圧力容器に対しては,相互間における最大
の圧力差を考慮しなければならない。
6.1.3 設計温度 設計温度には,次の事項を考慮しなければならない。

――――― [JIS B 8266 pdf 16] ―――――

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a) 設計温度は,高温側(設計温度という。)と低温側(最低設計金属温度という。)の二つの設計温度を
設定しなければならない。
b) 設計温度は,各運転温度において材料の肉厚方向の平均温度以上とする。ただし,いかなる場合も設
計温度は5.1 e) に規定する材料の最高使用温度範囲を超えてはならない。また,外圧を受ける圧力容
器の設計温度は附属書1付図2に規定する外圧曲線の図及び各曲線の備考に示される使用温度制限に
示されている最高温度を超えてはならない。
c) 最低設計金属温度は,通常運転状態,異常運転状態,運転中の急激な圧力低下に伴う温度低下,圧力
が保持されたまま温度が大気温度によって低下する場合には,日平均気温の年間最低値などを考慮し
て決定しなければならない。ただし,日平均気温の年間最低値が−10 ℃以上の場合には大気温度に対
する考慮は必要としない。
d) 圧力容器の各部について,それぞれ異なった温度を設定した場合には,それぞれの部分について設計
温度を定める。
e) 材料の温度は,必要に応じて公式として認められている伝熱計算式から求めるか,又は既設の同種の
圧力容器によって同一の使用条件において圧力容器に温度計(熱電対,サーミスタなど)を取り付け,
材料の温度及び内容物の温度を測定して求める。
f) 圧力の変動がほとんどない正常運転時において,温度が急激,かつ,周期的に変化する場合には,そ
の最高温度(低温の場合には,その最低温度)及びそのときの圧力を使用して設計する。
6.1.4 最小制限厚さ 耐圧部に使用する板の成形後の腐れ代を除いた厚さは,次に規定する最小制限厚さ
以上でなければならない。ただし,ベローズ形伸縮継手,プレート式熱交換器の熱伝導板及び熱交換器の
伝熱管で呼び径6B以下のものを除く。
a) 炭素鋼及び低合金鋼は,6 mm。
b) 高合金鋼及び非鉄金属は,3 mm。
6.1.5 腐れ代 腐れ代及び摩耗代(以下,これらを総称して腐れ代という。)は,次による。
a) 腐れ又は摩耗(腐れという。)が予想される圧力容器の部分に対しては,算式によって求めた厚さに腐
れ代を加えなければならない。
b) 圧力容器の部分によって腐れの度合いが異なることが予想される場合には,圧力容器のすべての部分
に同じ腐れ代をとらなくてもよい。
c) 炭素鋼又は低合金鋼製の圧力容器で,圧縮空気,水蒸気又は水に用いるものは,1 mm以上の腐れ代
を加えなければならない。ただし,伝熱管の場合には,腐れ代はとらなくてもよい。
d) ) の場合を除き,同様の使用条件による経験的事実から,腐れが生じないか,表層だけにとどまって
いることが明らかな場合には,腐れ代をとらなくてもよい。
e) 腐れ,その他の損傷の予測が困難なものでは,損傷が起こると予想される部分を容易に検査できる構
造とする。
f) この規格及び関連JISの設計計算式に用いられている寸法記号には,特記がない限り腐れ代を除いた
寸法を用いる。
6.1.6 複合容器 複合容器は,次による。
a) 2個以上の独立した圧力室(それぞれ個別に耐圧試験及び漏れ試験ができる構造でなければならな
い。)をもつ圧力容器であって,それらが同じか,又は異なった圧力及び温度で運転使用されるものに
対しては,それぞれの圧力室は予想される圧力と温度との組合せの最も厳しい条件に耐えられるよう
に設計・製作しなければならない。

――――― [JIS B 8266 pdf 17] ―――――

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b) この規格及びJIS B 8265のそれぞれの規定に従って設計・製作された圧力室を組み合わせ,結合させ
て複合容器としてもよい。ただし,その場合両圧力室が結合される継手部は,規格の規定の厳しいほ
うの圧力室側の規定にすべて従わなければならない。
6.1.7 クラッド鋼 クラッド鋼は,次のe) による算式によって,合せ材又は肉盛溶接部を強度に算入す
ることができる。ただし,次のa) d) に規定するそれぞれの条件をすべて満たすものに限る。
a) 合せ材が5.1の規定を満たしているか,又は9.4の規定による肉盛が行われている。
b) 突合せ溶接継手は,母材の溶接部の上に耐食金属を肉盛して,合せ材又は肉盛溶接部と同じ成分にな
るようになっている。
c) クラッド鋼は,次によるJIS規格材料又はこれらと同等以上の材料である。
1) IS G 3601の1種F
2) IS G 3602の1種F
3) IS G 3603の1種F
4) IS G 3604の1種F
d) クラッド鋼は,合せ材又は肉盛溶接部と母材のそれぞれの設計応力強さとの比は0.7以上である。
e) 合せ材又は肉盛溶接部を強度に算入する場合のクラッド鋼の設計応力強さは,次の算式によって求め
る。
btb ctc
tb tc
ここに, クラッド鋼の設計温度における設計応力強さ (N/mm2)
拿 母材の設計温度における設計応力強さ (N/mm2)
合せ材又は肉盛溶接部の設計温度における設計応力強さ
(N/mm2)で肉盛クラッドの場合の肉盛溶接部は,化学成分の最も
近い材料の値を用いる。
tb : 母材の呼び厚さ (mm)
tc : 合せ材の呼び厚さ又は肉盛溶接部の厚さから腐れ代を除いた厚
さ (mm)
ただし,合せ材又は肉盛溶接部の設計応力強さが母材の設計応力強さより大きい場合には,クラッ
ド鋼の設計応力強さは,母材の設計応力強さを用いる。
6.1.8 ライニング ライニングの厚さは,圧力容器の厚さ算定に当たって,部分的にでも強度に算入して
はならない。
6.1.9 知らせ穴 知らせ穴は,次による。
a) 溶接で取り付ける当て板形式の強め材又は強め輪には知らせ穴を設けなければならない。知らせ穴に
は,管の呼び径41B以下のプラグ取付用ねじを設けなければならない。
b) 本体胴板の厚さが危険な程度に減少したことを確認するために,知らせ穴を設けてもよい。知らせ穴
は,直径4.5 mm以下,深さを同寸法の継目無胴の計算厚さの80 %以上とし,損耗が予想される面の
反対側からあける。
クラッド又はライニングを施した圧力容器に知らせ穴を設ける場合には,穴の深さは合せ材(又は
肉盛溶接部)又はライニング材まで達してよい。
致死的物質を内蔵する圧力容器に知らせ穴を設ける場合には,漏えいした流体が大気中に流出しな
いよう措置を構じなければならない。

――――― [JIS B 8266 pdf 18] ―――――

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6.1.10 排液用穴 腐食を受ける圧力容器の胴又は縦形容器の底部鏡板には,できる限り最低位置に排液用
穴を1個設けなければならない。排液用穴に代えて排液用の立上り管を設ける場合には,立上り管の開口
端と圧力容器最低部との間隔は,6 mm以下を標準とする。
6.1.11 検査などに必要な穴 検査などに必要な穴は,次による。
a) 圧力容器には,検査,修理,清掃などの用に供する穴を設ける。ただし,次に規定する圧力容器は,
この限りでない。
1) 胴の内径が300 mm以下の圧力容器。
2) 胴の内径が500 mm以下の圧力容器で,呼び径121B以上の取り外すことのできるノズルを2個以上
設けたもの。
3) 鏡板,ふた板などを取り外すことのできる圧力容器で,鏡板,ふた板などの大きさがb) に規定す
る穴の大きさ以上であるもの。
4) 腐食のおそれがなく,気密な構造が必要な圧力容器で,取外しのできる呼び径121B以上のノズルを
2個以上設けたもの。
5) 熱交換器その他の圧力容器で,構造,形状又は用途の関係で,検査,修理,清掃などに供する穴を
設ける必要がないと認められるもの。
b) )の穴の数及び寸法は,胴の内径に応じ,次による。ただし,だ円形又は長円形の穴を設ける場合に
は,長径の短径に対する比を1.5以下とする。
1) 胴の内径が300 mmを超え,500 mm以下である場合には,穴は2個以上設け,そのうちの1個以上
は,長径75 mm以上,短径50 mm以上のだ円形又は直径75 mm以上の円形とする。
2) 胴の内径が500 mmを超え,1 000 mm以下である場合には,穴は1個設け,長径375 mm以上,短
径275 mm以上のだ円形,直径375 mm以上の円形又は長径400 mm以上,短径270 mm以上の長円
形のマンホールとする。ただし,穴を2個以上設け,そのうち1個以上が,長径90 mm以上,短径
70 mm以上のだ円形又は直径90 mm以上の円形である場合にはこの限りでない。
3) 胴の内径が1 000 mmを超える場合には,2) に規定するマンホールを1個以上設ける。

6.2 設計に用いる材料の設計応力強さ及び応力強さの許容限界

6.2.1  設計応力強さ 設計温度における材料の設計応力強さSmは,6.1.1に規定の各種荷重の組合せによ
って生じる各種の応力の許容限界を定める基本となるもので,次による。
a) 設計温度における設計応力強さは,次による。ただし,次の各付表に示される温度範囲より低温側で
使用される場合には,付表に示された最低温度に該当する設計応力強さをそのまま使用できる。
1) 鉄鋼材料の設計応力強さは,付表2.1による値とする。
2) 非鉄金属材料の設計応力強さは,付表2.2による値とする。
3) 応力解析による設計を行う場合のボルトに適用するボルト材の設計応力強さは,付表3.1による値
とする。
4) 応力解析による設計を行わない場合のボルトに適用するボルト材の許容引張応力は,付表3.2によ
る値とする。
b) 材料の設計応力強さの設定基準は,次による。
1) 付表2.1及び付表2.2によるJIS規格材料の設計応力強さの設定基準は,附属書9の2.による。
2) 付表3.1及び付表3.2によるJIS規格ボルト材の設計応力強さ及び許容引張応力の設定基準は,附属
書9の3.による。
3) 同等材料の設計応力強さの設定基準は,同等とみなされる規格材料の設計応力強さと同じとする。

――――― [JIS B 8266 pdf 19] ―――――

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4) 特別認定材料の使用温度範囲及び設計応力強さの設定基準は,次による。
4.1) 使用温度範囲は,附属書10による確性試験によって確認された範囲とする。
4.2) 鉄鋼材料及び非鉄金属材料の設計応力強さの設定基準は,4.1) で確認された使用温度範囲で確認
された引張強さ及び降伏点又は0.2 %耐力の値を用いて,附属書9の2.の規定によって求めた値
とする。
4.3) 特別認定材料として認定されたボルト材料の設計応力強さの設定基準は,附属書9の3. によって
求めた値とする。
c) 鉄鋼材料及び非鉄金属材料の設計温度における設計応力強さは,a) 1),a) 2),b) 3) 及びb) 4.2) の規
定にかかわらず,フランジを附属書3,附属書4,附属書5又は附属書6によって,ボルト締めふた板
を附属書7,また円形平鏡板を附属書1によって,設計する場合に用いる規格材料又はこれらと同等
の材料においては,付表2.1又は付表2.2による材料であってもそれらの材料のJIS B 8265の付表2.1.1
(鉄鋼材料の許容引張応力)又は付表2.2(非鉄金属材料の許容引張応力)による許容引張応力の値を
用いなければならない。特別認定材料を用いる場合には,b) 4.2)と同様にして確認した値を用い,次
によって許容引張応力を設定しなければならない。
1) 常温以上の各温度における許容引張応力は,次の値のうちの最小のもの以下とする。
1.1) 常温における規定最小引張強さの1/4
1.2) 各温度における引張強さの1/4
1.3) 常温における降伏点又は0.2 %耐力の1/1.5
1.4) 各温度における降伏点又は0.2 %耐力の1/1.5
2) 常温未満の設計温度における許容引張応力は,上記1.1)又は1.4)の値のうち小さいほう以下とする。
d) 付表2.1及び付表2.2による設計応力強さの中に,オーステナイト系ステンレス鋼鋼材及び非鉄金属材
料の幾つかに設計温度における0.2 %耐力の1/1.5を超え90 %に達するものがあるが,これは0.1 %
の永久ひずみを生じる応力に相当し,この変形量を容認できない場合には,容認できる変形量とする
ために設計応力強さを下げるべきであり,永久ひずみ量を制限する必要がある場合の設計応力強さは,
付表5.25.5に示す0.2 %耐力に表6.1に示す係数を乗じた値とする。ただし,この値より付表2.1
及び付表2.2による設計応力強さのほうが小さい場合は,小さいほうの値を用いなければならない。
表6.1 高合金鋼,ニッケル及び高ニッケル合金の
永久ひずみ量を制限するのに用いる係数†
制限する永久ひずみ量 % 係数
0.10 0.90
0.09 0.89
0.08 0.88
0.07 0.86
0.06 0.83
0.05 0.80
0.04 0.77
0.03 0.73
0.02 0.69
0.01 0.63
6.2.2 各種応力の許容限界 各種応力の許容限界については,附属書8の2.3及び2.4の規定による。
6.2.3 軸方向圧縮荷重に対する許容圧縮応力 設計温度における許容圧縮応力は,次による。
a) 軸方向圧縮荷重に対する許容圧縮応力は,設計応力強さと同じ値とする。ただし,b) に規定するB

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JIS B 8266:2003の関連規格と引用規格一覧

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規格名称