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B 8356-2 : 2021 (ISO 2942 : 2018)
単位 mm
記号の説明
1 : 圧縮空気供給装置2 : エアフィルタ3 : レギュレータ4 : 浸せき(漬)槽
5 : 試験液
6 : 温度計
7 : 試験フィルタエレメント
8 : 圧力計
9 : フィルタエレメント保持及び回転ジグ
図1−バブルポイント試験装置の例
5 試験方法
警告 引火点の低い溶剤を使用する場合は,火災又は爆発のリスクがあるので注意する。溶剤蒸気の吸
入を避けるために,適切な予防措置を講じなければならない。必ず適切な保護具を使用する。
5.1 一般手順
5.1.1 試験フィルタエレメントの識別番号又は部品番号が,その製造業者の仕様書どおりであることを確
認する。組立完全性基準値を決定し,フィルタエレメント製造業者が提供する基準値を表面張力で補正し
た補正値を決定する。
5.1.2 フィルタエレメントから包装又は保護カバーを取り外す。試験結果の妥当性に影響する可能性のあ
る欠陥の有無を,目視で検査する。清浄なフィルタエレメントをその長軸が試験液の液面と平行になるよ
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B 8356-2 : 2021 (ISO 2942 : 2018)
うに(4.2参照),バブルポイント試験装置(4.1参照)に取り付ける。
5.1.3 フィルタエレメントを試験液に浸す。試験液の温度は,22 ℃±5 ℃でなければならない。
5.1.4 次の手順に進む前に,フィルタろ材繊維が十分に湿潤するように,フィルタエレメントを試験液に
5分間以上浸す。フィルタエレメントをエレメント保持及び回転ジグ(4.1.5)に固定する前に,浸せき(漬)
槽(4.1.4)内で試験液に浸してもよい。フィルタエレメント保持及び回転ジグにフィルタエレメントを固
定してから試験液への浸せき(漬)を行う場合は,フィルタに空気圧がかからないように注意する。
5.1.5 圧力計を試験装置に接続する配管に試験液が入らないように注意する。
5.2 組立完全性試験(気泡発生の有無)
5.2.1 使用する試験液における組立完全性最低許容圧力PT(kPa)を次に示す式(1)で計算する。
PM
PT 0.0001 (1)
21.15
ここで, PM : フィルタエレメント製造業者が示す2-プロパノール
で試験する場合の完全性許容圧力(kPa)
γ : 試験液の表面張力(mN/m)
ρ : 試験液の密度(kg/m3)
試験報告書(附属書A参照)に,フィルタエレメント製造業者が提示した圧力PM及びPTを記録する。
式(1)は,表面張力が21.15 mN/mである2-プロパノールを参照試験液とすることを前提としている。2-
プロパノール以外の流体を参照試験液とする場合は,表面張力を21.15 mN/mとしたときの値にPMを補正
する必要がある。
注記 式(1)において,定数0.000 1はmm(m/s2)の単位 をもち,定数21.15の単位はmN/mである。
5.2.2 試験装置の配管内に存在する試験液を押し出し,フィルタエレメント内を加圧するために,フィル
タエレメントの内側に,PTの約10 %の空気圧を与える。必要に応じて,フィルタろ材の最上部が液面から
12±3 mmの深さになるように試験液量を再調整する。
5.2.3 空気圧が安定した後,フィルタエレメントを,その長軸回りで360°回転させる。連続気泡の発生
がないことを確認した後,空気圧を適切な増分(例えば100 Pa)で除々に(少なくとも4段階)PTまで増
加させる。空気圧を上げる度にフィルタエレメントを360°回転させ,連続気泡の発生がないことを確認
する。これを空気圧がPTに達するまで継続する。
フィルタエレメントの外側構造物の表面又は内部に気泡が残っていて,これが僅かな気泡として認めら
れることがあるので,これらの気泡は無視しなければならない。フィルタ製造業者が指定した空気圧以下
で安定した連続気泡だけを対象とする。
信頼できる観察のためには,適切な照明が必要である。
液膜の平衡状態を保つために,圧力を上げすぎないように,ゆっくりと空気圧を上げる。液膜の平衡が
失われないように,誤った,代表的ではないファーストバブルが発生するような試験フィルタエレメント
の機械的振動又は揺れを防止する。
フィルタエレメントからの気泡発生を妨げたり,フィルタエレメントから気泡を放出したりしないよう
に,フィルタエレメントを回転させる速さを制御する必要がある。
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B 8356-2 : 2021 (ISO 2942 : 2018)
試験全体にわたって,フィルタろ材の最上部が試験液の液面から12 mm±3 mmの深さになるように試
験液量を調整する。
5.2.4 試験報告書(附属書A参照)に,試験液の温度を記録する。
5.2.5 合格基準は,フィルタエレメント製造業者が指定する圧力を,使用する試験液の表面張力で補正し
たPT以下の空気圧で連続気泡が発生しない事である。試験報告書(附属書A参照)に,フィルタエレメ
ントの合否を記録する。
5.3 ファーストバブルポイントの測定
5.3.1 フィルタエレメントを長軸回りに360°回転させながら内側に空気圧を徐々に与える。5.2.3に従っ
て,圧力を適切な増分で増加させる。空気圧は0から始めるが,この試験が組立完全性試験の続きである
場合は,5.2.3で到達した圧力から始める。
最初の連続気泡の発生が観察されたら直ちに昇圧を停止し,試験報告書(附属書A参照)に空気圧P及
び気泡の発生箇所を記録する。この空気圧P(kPa)は試験液におけるファーストバブルポイントである。
2-プロパノールの表面張力で補正した圧力(標準化ファーストバブルポイント)PRを,式(2)で計算する。
21.15
PR P 0.0001 (2)
試験報告書(附属書A参照)に,P,PR,試験液の温度,及び気泡発生箇所を記録する。
フィルタエレメントの外側構造物の表面又は内部に気泡が残っていて,これが僅かな気泡として認めら
れることがあるので,これらの気泡は無視しなければならない。
液膜の平衡状態が失われて低い空気圧で気泡が発生しないように,試験フィルタエレメントの機械的振
動又は揺れを防止する。
5.3.2 フィルタエレメントの空気圧を完全に下げて,フィルタろ材繊維を試験液で湿潤させる。その後,
5.3.1の手順を更に2回繰り返し(合計3回の測定を行う。),空気圧及び気泡発生箇所を記録する。2回目
及び3回目の測定では,空気圧を除々にではなく,5.3.1で測定した圧力の0 %から50 %まで開始圧力を速
やかに上げることが可能である。
6 データの表記
試験報告書(附属書A参照)に,組立完全性試験結果とファーストバブルポイント試験結果を記録する。
7 規格適合表示
この規格に適合することを試験報告書,カタログ及び販売資料に記載する場合は,次の文言を用いる。
“フィルタエレメントの組立完全性及びファーストバブルポイントは,JIS B 8356-2(油圧用フィルタ性
能評価方法−第2部 : フィルタエレメントの組立完全性試験及びファーストバブルポイントの測定)に適
合する。”
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B 8356-2 : 2021 (ISO 2942 : 2018)
附属書A
(参考)
フィルタエレメント組立完全性及びファーストバブルポイントの
試験報告書(例)
試験日 : オペレータ :
試験液
種類 : 表面張力 : mN/m 温度 : ℃
フィルタエレメント
製造業者 :
製造業者の識別
製品番号又は部品番号 :
ロット番号/製造日 :
使用済み/未使用 :
コメント :
組立完全性試験
フィルタエレメント製造業者による組立完全性最低許容圧力 : 表面張力 mN/mの試験液において kPa
試験液の表面張力における組立完全性最低許容圧力計算値 : PT= kPa
連続気泡の発生 : □なし(合格) □あり(不合格)
連続気泡の発生箇所 : □ろ材 □サイドシール □エンドキャップ
2-プロパノールで試験した場合の組立完全性最低許容圧力 : PM= kPa
ファーストバブルポイント試験
最初に連続気泡の発生が観察されたときの空気圧
測定値,P 標準化圧力,PR 気泡の発生箇所 コメント
kPa kPa
□ろ材
1回目 □サイドシール
□エンドキャップ
□ろ材
2回目 □サイドシール
□エンドキャップ
□ろ材
3回目 □サイドシール
□エンドキャップ
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附属書B
(参考)
異なる試験液を用いて得られたファーストバブルポイント値を変換する
基礎理論
この附属書は,液体で湿潤したフィルタエレメントから最初の連続気泡が発生するとき,SAE/ARP 901
及びASTM F 316(参考文献を参照)に従って,フィルタエレメントの組立完全性を検証し,ファースト
バブルポイントを測定する方法を記載している。フィルタエレメントの最大孔又は最大穴の毛細管圧PRと
試験液に浸せき(漬)したフィルタエレメントにかかる圧力水頭PHとの合計を,フィルタエレメントに与
える空気圧Pが上回ると,最初の連続気泡が発生する。したがって,Pは次に示す式(B.1)で表される。
PPR PH (B.1)
圧力水頭は次に示す式(B.2)で表される。
HP
hg (B.2)
ここで, ρ : 試験液の密度
h : 試験液の液面からフィルタろ材最上部までの深さ
g : 重力加速度
毛細管圧又はバブルポイントは次に示すYoung-Laplaceの式(B.3)で表される。
4cos
PR (B.3)
d
ここで, γ : 試験液の表面張力
θ : フィルタエレメントの細孔壁と試験液の接触角
d : 連続気泡が発生する孔又は穴の直径
フィルタエレメントの組立てに欠陥がある場合,ファーストバブルポイントPRは欠陥によって生じた
穴の大きさで決まる。欠陥がない場合は,PRはフィルタろ材の最大細孔径で決まる。最初の連続気泡が発
生する圧力においては,接触角は0°となるので,その状況下では式(B.3)は次に示す式(B.4)で表される。
4
PR (B.4)
d
式(B.4)は,ファーストバブルポイントは試験液の表面張力と細孔径の関数であることを示している。同
じフィルタエレメントを異なる試験液で試験した場合,バブルポイント値又は毛細管圧は異なる値となる。
異なる試験液でのバブルポイント値は式(B.5)に示す関係にある。
PR1 P
1R2
(B.5)
PR2 2
ここで, PR1 : 試験液1でのバブルポイント値(kPa)
PR2 : 試験液2でのバブルポイント値(kPa)
γ1 : 試験液1の表面張力(mN/m)
γ2 : 試験液2の表面張力(mN/m)
したがって,試験液1及び試験液2の表面張力が分かれば,次に示す式(B.6)によって,試験液2でのバ
ブルポイント値から試験液1でのバブルポイント値が計算可能である。
P
1R2
PR1 (B.6)
2
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JIS B 8356-2:2021の引用国際規格 ISO 一覧
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JIS B 8356-2:2021の国際規格 ICS 分類一覧
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JIS B 8356-2:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0142:2011
- 油圧・空気圧システム及び機器―用語