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5.1.4 空気中イオン密度の評価 空気中イオン密度の平均的な評価は,全平均イオン密度値によって空気
中イオン密度区分を用いて行う。空気中イオン密度の時間的・空間的状態の評価は,全平均密度値,最大
密度値,最小密度値の項目によって行う。
5.1.5 空気中イオン密度測定結果の表示方法 空気中イオン密度測定結果による報告書の作成は,6.によ
る。
5.2 イオン発生器の発生量評価にかかわる測定方法
5.2.1 評価測定装置の構成 測定装置の構成は,図1に示すように,送風部,エアフィルタ部,イオン発
生器設置部,縮流混合部及び測定部で構成する。
1 2 6 4 5
3
1送風部,2エアフィルタ部,3イオン発生器設置部,4縮流混合部,5測定部,6気密扉付開口
図 1 イオン発生量評価測定装置の構成例
5.2.2 測定装置の構造 測定装置の構造は,次による。
a) 構造一般 試験装置の内面は,平滑であって,帯電しにくく,接地可能な表面抵抗の小さい,イオン
を自己発生しない材料であり,イオンの測定に影響を与えない構造にする。
b) 送風部 送風部は測定部での吹き出し流量が試料採取流量を十分上回る流量を供給可能な送風構造と
し,かつ,5.2.3 e)の流量調整が可能な構造とする。
c) エアフィルタ部 エアフィルタ部は,イオン発生器設置部に供給する空気を清浄にする部分で,設置
するフィルタは,HEPA又はULPAを用いる。測定部の空気の清浄度は,フィルタ上流側の空気質に
かかわらず,少なくともJIS B 9920に規定する清浄度クラス5の清浄度を維持する。
d) イオン発生器設置部 イオン発生器設置部の寸法は,イオン発生器が実際に使用されるときと同一の
状態で運転できる大きさとする。また,イオン発生器を装置内に設置するための気密扉を設ける。
e) 縮流混合部 イオン発生器から発生する正・負イオンが清浄空気と十分混合し,測定部における空気
中の正・負イオン密度が一様になる構造とする。
f) 測定部 イオン密度及び吹き出し流量を測定する場所で,かつ,5.2.4の測定が適正に行える寸法とす
る。測定部は外部に対して開放状態にする。
5.2.3 測定準備 測定準備は,次による。
a) 試験装置内の試験環境条件 試験装置内の試験環境条件は,表1に示すように,イオン発生器稼動前
の清浄度が少なくともクラス5以上の清浄度を満足していることを確認する。また,温度・湿度の試
験環境条件は,イオン発生器,イオン密度測定器のそれぞれの製造業者が指定する範囲内であること
を確認する。
――――― [JIS B 9929 pdf 6] ―――――
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表 1 試験環境条件
項目 試験環境条件
温度 535 ℃(又は製造業者が指定する範囲)
相対湿度 4080 %(又は製造業者が指定する範囲)
気圧 1 013.25 hPa±5 %
空気の清浄度 少なくともJIS B 9920クラス5
電源電圧 定格電圧±10 % (V)
b) 吹き出し流量の測定及び設定 試験装置の測定部の吹き出し流量は,通常,測定部の中央で測定した
平均流速が,同軸二重円筒式,又は平行平板式イオン密度測定器に流入する平均流速と同じになるよ
うに調整する(等速吸引)。測定部は外部に対して開放状態にし,試験装置が供給する流量は,試料採
取流量を十分上回り,試験装置の外部環境からの影響を遮断できるように調整する。
c) 接地の確認 発生した正・負イオンが試験条件下で電場などの影響を受けないように,試験の開始前
に試験装置,及びイオン密度測定器の接地を確認する。
d) イオンの飽和密度曲線及び限界移動度の設定 イオンの飽和密度曲線から限界移動度を設定する方
法は,5.1.2 b)と同様の方法による。(イオンの飽和密度曲線から限界移動を設定する方法については,
附属書1参照)。
e) 試料採取流量の確認 試料採取流量を変更する場合は,試験装置の吹き出し流量も同時に調整し,等速
吸引されていることを確認する。ただし,等速吸引が難しい場合は±20 %の範囲で調整する。(試料
採取流量の確認は,附属書1参照)。
5.2.4 測定 測定は,空気中イオン密度測定器を用い,次によって測定する。(空気中イオン密度測定器
については,附属書1参照)。
a) 試験装置内バックグランドイオン密度の測定 電位降下法によって電流を測定して,平均正・負バッ
クグランドイオン密度 N(/m3)を求める場合は,5.1.3
0 d)と同様の測定を行い,式(6)で求める。
1 1jn I0j, ,0 V,0 j
N0 19
,ただし I j (6)
1.6 10 nj1 Φ R
ここに, I0,j : イオン捕集用コンデンサから高抵抗を通して電位計
に流入したj回目の電流値 (A)
n : 全測定回数(回)
V0,j : 電位計指示電圧 (V)
R : 入力高抵抗値 (Ω)
Φ : 試料採取流量 (m3/s)
素電荷量 : 1.6 × 10-19 (C)
電荷蓄積法による電圧測定から,流入電流値を求める場合は,式(7)による。
1 1jn I0j, ,0 CV,0 j
N0 19
,ただし I j (7)
1.6 10 nj1 Φ t0 , j
ここに, C : 電位計固有の静電容量 (F)
t0,j : 測定時間間隔 (s)
b) 測定回数 イオン発生器の発生量評価にかかわる試験の測定回数は,正・負イオンそれぞれ5回以上
とし,測定結果の平均値からイオン発生量を算出する。
――――― [JIS B 9929 pdf 7] ―――――
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c) 試料空気中イオン密度の測定 電位降下法によって電流を測定して,平均正・負イオン密度N (/m3)
を求める場合は,5.1.3 d)と同様の測定を行い,式(8)で求める。
1 1jn Ij Vj' (8)
N ,ただしI'j
19 nj1 Φ
1.6 10
ここに, I'j : イオン捕集用コンデンサから高抵抗を通して電位計に流
入したj回目の電流値 (A)
n : 全測定回数 (回)
V'j : 電位計指示電圧 (V)
R : 入力高抵抗値 (Ω)
Φ : 試料採取流量 (m3/s)
素電荷量 : 1.6 × 10-19 (C)
電荷蓄積法による電圧測定から,流入電流値を求める場合は,式(9)による。
1 1
j n I
j
CVj
N 19
,ただし Ij (9)
1.6 10 nj 1 Φ tj
ここに, C : 電位計固有の静電容量 (F)
t'j : 測定時間間隔 (s)
d) イオン発生量の計算 イオン発生器による正・負イオンの発生量Q[/(m3・s) ]の計算は,吹き出し流量
を最初の流量に対し1.31.5倍程度変化させて測定し,それぞれの平均バックグランドイオン密度値,
及び平均空気中イオン密度値から,式(10)で求める。
(L2 L1 ) (N1 N0,2 )
N0,1 ) (N2
Q (10)
(N1 (N2
N0,1 ) N0,2 )
Ψ1 Ψ2
ただし, L1 , L2
M m M m
ここに, L1 : 1回目の換気率 (/s)
L2 : 2回目の換気率 (/s)
Ψ1 : 1回目の測定部の吹き出し全流量 (m3/s)
Ψ2 : 2回目の測定部の吹き出し全流量 (m3/s)
M : 評価試験装置の内容積 (m3)
m : 被試験体(イオン発生器)の外容積 (m3)
N : 1回目のバックグランドイオン密度測定値 (/m3)
0 1,
N : 1回目の空気中イオン密度測定値 (/m3)
1
N : 2回目のバックグランドイオン密度測定値 (/m3)
,0 2
N2 : 2回目の空気中イオン密度測定値 (/m3)
5.2.5 イオン発生器の評価 イオン発生量試験結果の記載事項は平均値,最大値及び最小値の3項目とし,
イオン発生器のイオン発生量区分は平均値で表示する。
5.2.6 イオン発生器試験結果の表示方法 イオン発生器によるイオン発生量試験結果による報告書の作
成は,6.による。
6. 報告書の作成
報告書の記載内容は,次のとおりとする。
a) 測定の種類 空気中イオン密度の測定,イオン発生量測定の別。
b) 測定場所 測定場所,測定点数,測定面積,測定高さ等を入れる。
c) 測定環境条件 温度,相対湿度,気圧,天候,換気率及びエアロゾル濃度,又は空気の清浄度。
――――― [JIS B 9929 pdf 8] ―――――
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d) 測定時に設定した限界移動度 イオンの飽和密度曲線から求めた限界移動度の値(附属書1参照)。
e) 測定結果 平均値,最大値及び最小値の3項目をa)の区分によって正・負イオン別に集計。
f) 評価区分の表示 測定結果に基づく区分の表示。
g) イオン密度測定器の状況 使用した測定器の校正年月日。必要に応じてトレーサビリティにかかわる
事項。
h) 測定年月日
i) 測定者
――――― [JIS B 9929 pdf 9] ―――――
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測定結果報告書(例)
試験年月日 : 年 月 日
試験実施者 : 所 属
氏 名
1.測定の種類 イオン密度測定 イオン発生量測定
2.測定場所 屋外測定 : ( )
屋内測定 : ( )室
広さ( )m2,測定点( )点
測定高さ 床上( )m
3.測定環境条件 天候( )
温度( )℃,相対湿度( )%,換気率( )回/時
気圧( )hPa,空気清浄度( )
4.測定器 1.型式( ),メーカー名( )
2.校正年月日( 年 月 日 )
3.センサー構造 同軸二重円筒型センサー 平板形センサー
4.吸引流量( )m3/s
5.限界移動度( )×10−4 m2/(V・s)
5.測定結果 正イオン 平均値( )
最大値( )
最小値( )
評価区分 クラス( )
負イオン 平均値( )
最大値( )
最小値( )
評価区分 クラス( )
[記載事項]1 1.測定の種類については,いずれか一方を〇で囲んで下さい。
2 4.測定器 3.センサー構造については,いずれか一方を〇で囲んで下さい。
――――― [JIS B 9929 pdf 10] ―――――
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JIS B 9929:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.060 : 体積,質量,密度,粘度の測定
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.35 : クリーンルーム及び関連する制御環境
JIS B 9929:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB9920:2002
- クリーンルームの空気清浄度の評価方法