JIS B 9946:2019 排水・用水用オゾン処理装置―仕様項目及びオゾン濃度測定方法 | ページ 2

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1) 空気供給装置 送気装置(ブロワ又はコンプレッサ),空気冷却装置,空気乾燥装置などで構成する
装置。
− 送気装置は,空気冷却装置に原料ガスとなる空気を圧送する装置。
− 空気冷却装置は,送気装置で圧縮した空気の冷却を行う装置で,空冷式,水冷式及び冷凍式があ
る。各方式を併用する場合もある。
− 空気乾燥装置は,冷却した空気を除湿する装置。除湿には,アルミナゲル,ゼオライトなどを用
いて水分を吸着除去する。複数の吸着装置をもち,吸着と再生とを交互に行い連続的に乾燥空気
を得る。
2) 酸素供給装置(空気を原料として酸素を供給する場合) 送気装置,酸素富化装置などで構成する装
置。
− 送気装置は,酸素富化装置に原料となる空気を圧送する装置。
− 酸素富化装置は,空気中の酸素を富化する装置。窒素,二酸化炭素などを吸着剤で吸着し90 %以
上の酸素を得る。
注記 酸素富化装置は,酸素製造装置又は酸素発生装置ともいう。
3) 酸素供給装置(液体酸素から酸素を供給する場合) 液体酸素貯蔵塔,気化装置などで構成する装
置。
− 液体酸素貯蔵塔は,液体の酸素を貯蔵する装置。
− 気化装置は,液体酸素貯蔵塔から供給された液体酸素を気化させる装置。
b) オゾン発生部 次に示すオゾン発生器,電源装置,冷却装置などで構成する。オゾン発生方式は,一
般に放電方式(誘電体バリア放電又は沿面放電)が用いられている。
1) オゾン発生器 酸素を含んだ原料ガス中で,主に放電によって酸素からオゾンを人為的に発生させ
る装置。
2) 電源装置 オゾン発生器にオゾン発生に適した電圧及び周波数で電力を供給する装置で,その多く
はインバータ,昇圧トランスなどの組合せで構成する。
3) 冷却装置 オゾン発生器を冷却する装置で,空冷式又は水冷式とする。
c) オゾン反応部 反応装置,溶解装置などで構成する。
1) 反応装置 オゾンを水に溶解し,被処理物質と反応させる装置。
2) 溶解装置 オゾンを水に溶解する装置。溶解方式は,散気,下降流注入,インジェクタ又は機械か
くはん(攪拌)のいずれかの方式とする。
d) 排オゾン処理部 次に示す排オゾン分解装置,排オゾン吸引装置などで構成する。ただし,反応装置
の気密が保たれる場合には,排オゾン吸引装置は不要である。
1) 排オゾン分解装置 反応装置から放出されたオゾンを酸素に分解する装置。分解方式は,活性炭,
触媒,熱分解などとする。
2) 排オゾン吸引装置 排オゾンを吸引し,反応装置から排オゾン分解装置に送るために用いる装置。
主にファンが用いられる。
e) 管理点 通常,図1のM1M5に示す箇所でオゾン濃度を測定する。気相のオゾン濃度を測定する管
理点M1,M3M5と液相のオゾン濃度を測定する管理点M2とがある。これらの管理点における測
定値を基にして,処理装置の性能確認,運転制御,保守管理などを行う。
管理点に適用する測定方法として,次に示すものがある。
− オゾン濃度測定のための化学分析

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− オゾン濃度測定のためのオゾン濃度計
− 簡易測定のためのオゾン検知器
注記 オゾン処理装置各部の構成(詳細)については,参考文献[1]参照。

5 仕様項目及び要求性能

5.1   原料ガス供給部
5.1.1 仕様項目
処理装置の製造業者及び利用者(以下,受渡当事者という。)は,次に規定する仕様項目について,適切
な仕様内容を決める。
a) 原料ガス性状(ガス種,露点温度及び酸素濃度)
b) 原料ガス流量
c) 使用温度,使用湿度及びその他使用雰囲気に関わる事項
5.1.2 要求性能
原料ガス供給部の要求性能は,次による。
a) 供給ガスの露点温度(大気圧下)は,−50 ℃以下としなければならない。ただし,やむを得ない事情
があり,例えば,受渡当事者間で協定した場合は,この限りではない。
b) 空気供給装置及び酸素供給装置(空気を原料として酸素を供給する場合)は,使用圧力及び容器の大
きさによって,JIS B 8265の規定に適合しなければならない。
c) 定められた規模以上の酸素供給装置(液体酸素から酸素を供給する場合)は,JIS B 8265の規定に適
合するほか,高圧ガス保安法,消防法などの関連する法規に適合しなければならない。
d) 送気装置を使用する場合は,その容量に応じて騒音規制法及び振動規制法の規定を考慮しなければな
らない。
e) 空気供給装置において冷凍機を使用する場合は,高圧ガス保安法の規定に適合しなければならない。
f) 酸素濃度が25 %以上の供給ガスに接する部分は,禁油処理を施さなければならない。
5.2 オゾン発生部
5.2.1 オゾン発生器
5.2.1.1 仕様項目
受渡当事者は,次に規定する仕様項目について,適切な仕様内容を決める。
a) オゾン発生量及び発生オゾン濃度
b) 冷却方式,一次側冷媒温度及び水質(水冷の場合)
c) 使用温度,使用湿度,その他使用雰囲気に関わる事項
d) 最大使用圧力
5.2.1.2 要求性能
オゾン発生器の要求性能は,表1による。

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表1−オゾン発生器の要求性能
項目 要求性能
オゾンの漏えい オゾン発生器からオゾンの漏えいがあってはならない。
接地 オゾン発生器は,使用電圧及び容量に応じて適切な接地工事を施さな
ければならない。
材料 オゾンと接触する部位は耐オゾン性材料を使用しなければならない。
直流電圧1 000 Vを印加して5 MΩ以上。
絶縁抵抗(充電部−接地間)
機械的耐圧力 − 安全弁,圧力スイッチなどを設け,圧力の上昇を防止する対策を
しなければならない。
− 最大使用圧力の水圧にあっては1.5倍,気圧にあっては1.25倍の
圧力を加圧して漏れがあってはならない。
禁油処理 オゾン又は25 %以上の酸素に接する部分には,禁油処理を施す。
注記 オゾン発生器の要求性能に関する補足事項は,B.2参照
5.2.2 電源装置
5.2.2.1 仕様項目
受渡当事者は,次に規定する仕様項目について,適切に仕様内容を決める。
a) 入力電流,入力電圧及び入力周波数
b) 出力電流,出力電圧及び出力周波数
c) 電源容量
d) 使用温度,使用湿度及びその他使用雰囲気に関わる事項
5.2.2.2 要求性能
電源装置の要求性能は,表2による。
なお,絶縁耐力試験の試験電源は,周波数50 Hz又は60 Hzのほぼ正弦波形の交流で,その容量は500 VA
以上の性能をもち,試験電圧をゼロから規定値まで一様に上昇できる機能を備えることが望ましい。
表2−電源装置の要求性能
項目 要求性能
接地 機器の鉄台及び金属製外箱には,使用電圧,目的及び容量に応じて適
切な接地工事を施さなければならない。また,使用場所の状況に応じ
て漏電遮断器を設ける。
絶縁抵抗 直流電圧1 000 Vを印加して5 MΩ以上。
絶縁耐力 電圧をゼロから一定割合(電圧計で読み取れる速さ)で次の規定試験
電圧まで上昇させた後,1分間保持しても異常のないことを確認する。
− 定格電圧2.2 kV超え3.6 kV以下の場合は,10 kV
− 定格電圧3.6 kV超え7.2 kV以下の場合は,16 kV
高電圧・高周波 感電防止対策(保護カバー,インターロックなど)及び高周波対策(フ
ィルタなど)を施さなければならない。
注記 電源装置の要求性能に関する補足事項は,B.3参照。
5.2.3 冷却装置
5.2.3.1 仕様項目
受渡当事者は,次に規定する仕様項目について,適切な仕様内容を決める。
a) 冷却能力
b) 冷媒

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c) 使用温度,使用湿度及びその他使用雰囲気に関わる事項
5.2.3.2 要求性能
冷却水,冷却風などによる冷却部の腐食,耐久性を考慮した設計がされていなければならない。
5.3 オゾン反応部
5.3.1 反応装置
5.3.1.1 仕様項目
受渡当事者は,次に規定する仕様項目について,適切な仕様内容を決める。
a) オゾン注入率
b) 処理水量
c) 反応装置容量
d) 反応装置水深
e) 使用温度,使用湿度,その他使用雰囲気に関わる事項
5.3.1.2 要求性能
反応装置の要求性能は,次による。
a) 反応装置で水処理をする間,反応装置は密閉されていなければならない。ただし,気密性が低いコン
クリートなどで構成された反応装置の場合,水面上の気相部は,排オゾン吸引装置によって負圧に維
持されなければならない。
b) オゾン又はオゾン水と接する部位は,耐オゾン性材料を使用しなければならない。
c) 反応装置からオゾン発生器への処理水の逆流を防止する手段が講じられていなければならない。
注記 反応装置の要求性能に関する補足事項は,B.4参照。
5.3.2 溶解装置
受渡当事者は,次に規定する仕様項目について,適切な仕様内容を決める。
a) 溶解方式
b) ガス流量
c) 使用温度及び使用圧力
5.4 排オゾン処理部
5.4.1 排オゾン分解装置
5.4.1.1 仕様項目
受渡当事者は,次に規定する仕様項目について,適切な仕様内容を決める。
a) 分解方式
b) 分解剤の種類及び充量(分解剤を使用する場合)
c) 適応できる排オゾン濃度の範囲,排ガス温度及び排ガス流量
d) 使用温度,使用湿度,その他使用雰囲気に関わる事項
5.4.1.2 要求性能
排オゾン分解装置の要求性能は,次による。
a) 排オゾン分解能力は,排気オゾン濃度を0.4 ppm未満に分解できる性能をもたなければならない。
b) オゾンと接触する部位は,濃度レベルに応じた耐オゾン性材料を使用しなければならない。
c) オゾン反応部からの排ガスに泡その他のオゾン分解を阻害する物質が含まれている場合には,排オゾ
ン処理装置の性能を確保するため,排ガスの消泡装置,水洗装置などを設けなければならない。
d) 熱分解方式の場合は,使用温度に応じた材料を使用しなければならない。また,人が直接高温部に接

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触しないような構造を具備するとともに,消防法を遵守し,他の機器に対し熱遮断を行う,又は隔離
距離を確保しなければならない。
注記 人及び環境への安全性を考慮して,オゾンの排出基準濃度を0.4 ppm未満としているが,この
濃度は,大気汚染防止法施行令別表五に定められるオキシダントの重大緊急報発令基準濃度に
合致する。
5.4.2 排オゾン吸引装置
受渡当事者は,次に規定する仕様項目について,適切な仕様内容を決める。
a) 排オゾン吸引ファン能力(吸引流量,吸引圧力など)
b) 適応できる排オゾン濃度の範囲及び排ガス温度
c) 使用温度,使用湿度,その他使用雰囲気に関わる事項

6 耐オゾン性材料

  オゾン又はオゾン水と接触する各構成部の装置本体及び附属機器,配管,弁,センサ,継手,シール,
パッキンなどには,耐オゾン性材料を使用しなければならない。これらの部分に使用する耐オゾン性材料
の例を,表3に示す。
耐オゾン性材料は,オゾンの使用状況(乾燥か湿潤かの別,高濃度か低濃度かの別など)に応じて使い
分ける。また,定期交換によって機能及び性能が確保できる材料を使用する。
注記 耐オゾン性を高めるために,耐オゾン性材料の表面に,更にPFA,PTFE,PVC などのライニ
ング加工,チタン板張りなどを施す場合がある。
表3−耐オゾン性材料の例
構成部名 装置名 耐オゾン性材料(例)
オゾン発生部 オゾン発生器 SUS304,SUS316L,SUS821L,SUS323L,SUS329J3L,ガラス,セラ
ミック,アルミニウム(耐食性処理),PTFE,EPDM,CSM,FFKM
冷却装置 SUS304,SUS821L,SUS323L,チタン,FRP,黄銅
オゾン反応部 反応装置 コンクリート,モルタル,SUS304,SUS316L,SUS821L,SUS323L,
SUS329J3L,PVDF,PVC,PTFE,FRP a),EPDM,CSM,FFKM
溶解装置 セラミック,SUS304,SUS316L,SUS821L,SUS323L,SUS329J3L,
PVDF
排オゾン処理部 排オゾン分解装置 SUS304,SUS821L,SUS323L,PTFE,PVDF,FRP a),EPDM,CSM,
FFKM
排オゾン吸引装置 SUS304,SUS821L,SUS323L,PVC,FRP a)
注a) 100 ppm未満のオゾン濃度に限定して使用することができる。

7 処理装置の使用エネルギー管理

  原料ガス供給部,オゾン発生部,オゾン反応部及び排オゾン処理部で使用される電力量を定期的に計測
し,その運用,点検及び保守に活用することを,本処理装置の利用者に推奨する。特に,オゾン発生部で
は,電力原単位を定期的に調査し,この経時変化を参考にして,適切な点検及び部品交換を行うことがで
きるようにするのが望ましい。
なお,これらは,発生オゾン濃度,原料ガス流量,冷却温度などの影響を受けることに注意する必要が
ある。

――――― [JIS B 9946 pdf 10] ―――――

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