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B 9955 : 2017
ある。
一般の問題に対しては,式(E.17)又は式(E.18)によって物理的感度が計算される。
Pf Pf X1,X2, ,Xi ΔXi,,Xn Pf
≒ i ,2,1,n (E.17)
Xi X ΔXi
又は,
Pf Pf X1,X2, ,Xi ΔXi,,Xn Pf X1,X2, ,Xi ΔXi, ,Xn
≒ i ,2,1,n (E.18)
Xi X 2ΔXi
破損確率の計算にAFOSMを適用できる場合には,簡易的に感度を求めることができる。確率変数Y1, Y2,
···, Ynからなる関数g(Y1, Y2, ···, Yn)=0で表されるモデルの破損確率Pfについて,AFOSMを用いると標準
正規空間上Y'1, Y'2, ···, Y'nで信頼性指標βは,次のようになる。
n
* g
yi
i1 Yi y*
β (E.19)
2
n
g
i1 Yi y*
* * * *
ここに, y , ny は限界状態関数上の最も原点から近い点であり,設計点と呼ばれる。設計点
y1 , y2 ,
iy* は,信頼性指標βと,限界状態関数gの設計点における単位勾配αiとを使って次のように表される。
yi * (E.20)
αiβ
ここに,
g
Yiy* 2 (E.21)
αi
n
g
i1 Yiy*
通常,αiは破損確率に対する各変数の感度(Sensitivity index)として扱われる。
αiと確率的感度との関係について次に記載する。信頼性指標βの設計点における標準正規空間上での勾
配と−αiとは一致する。
β
αi (E.22)
Yi y*
また,信頼性指標βと破損確率Pfとの間にはPf=Φ(−β)の関係があるので,次が成り立つ。
Pf β
φβ (E.23)
Yiy*
Yi y*
ここに,Φは標準正規分布関数,φは標準正規確率密度関数である。したがって,破損確率の設計点に
おける標準正規空間上での勾配とαiとは,次のような関係となる。
Pf
φβα (E.24)
Yiy*
αiは,単位ベクトルなので次のように表すことができる。
――――― [JIS B 9955 pdf 56] ―――――
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Pf
Yi y*
αi (E.25)
2
n
Pf
i1 Yiy*
P
確率的感度 iηは,次のように表すことができる。
Pf
Yi y*
ηiP (E.26)
2
n
Pf
i1 Yiy*
P
したがって,確率的感度 iηとαiとは,次のような関係となる。
P
ηi αi (E.27)
式(E.27)は次のことを示唆している。荷重−耐力モデルにおいて,荷重変数の平均が上昇すると破損確
率は上がり(平均に対して感度が正),強度変数の平均が上昇すると破損確率は下がる(平均に対して感度
が負)。式(E.27)から,αiが正となる変数は強度変数,αiが負となる変数は荷重変数となることが分かる。
一般に,限界状態関数は,g=R−Lのように荷重変数と強度変数とが明確に線形分離されているものは少
ない。この場合,αiの評価によって破損確率Pfに与える影響度の評価だけでなく,荷重変数と強度変数と
の分類が可能となる。
E.7 設計法における信頼性検証
E.7.1 設計値に基づく部分係数法
設計法の中では設計値xdを直接に示していない。確率変数をまず,代表値xkで表す。さらに,一連の部
分係数と荷重組合せ係数とがある(箇条9参照)。多くの場合,基本的な要求事項は,式(E.28)式(E.30)
のように定式化できる。
g(xd)=Rd−Sd≧0 (E.28)
ここに,
Sd=S(Fd, ad, θd ···) (E.29)
Rd=R(fd, ad, θd ···) (E.30)
Sは荷重効果,Rは対応する強度で,
Fd=γf Fk,又はFd=γfΨ0Fk : 荷重変数の設計値
fd=fk/γm : 材料特性の設計値
ad=anom±Δa : 幾何学的特性の設計値
θd : モデルパラメータの設計値
kは特性値を示す。
通常,次のような全体モデルにおける部分係数γSdとγRdとを介して,設計値θを式に取り込む。
Sd Δa (E.31)
γSdS γf Fk , γfΨ0Fk , anom
1 fk
Rd R , anomΔa (E.32)
γRd γm
部分係数は,まずE.6.1E.6.3に従って設計値を求め,次に式(E.33)を適用することによって導く。
――――― [JIS B 9955 pdf 57] ―――――
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γfFd Fk , γm fk fd (E.33)
上記の方法は実用面から見ると扱いにくい。そのため,次の簡略化をしばしば行う。
荷重側 Sd (E.34)
S γFFk ,anom
fk 1
強度側 Rd R ,anom又は Rd R fk ,anom (E.35)
γM γR
この場合,γFとγM(又はγR)とは元の式と同じ値になるように補正を行うことが望ましい。
E.7.2 キャリブレーションに基づく部分係数
部分係数のキャリブレーションは,幾つかの文献に記載されている5)。
注5) 例えば,Thoft-Christensen and Baker: Structural Reliability Theory and Its Applications, 1982を参照。
E.7.1に記載した手順のなかで,設計値法を具体化したものとして部分係数法を紹介している。一つの代
替法は,任意に決定した部分係数法のフォーマットからスタートして,機械製品の信頼性が目標値にでき
る限り近くなるように部分係数を選択するというものである。
部分係数のフォーマットを次のように記載できると仮定する。
fk1 fk 2
g , , ≧0
, γ1fFk1 , γf 2Fk 2 ,
(E.36)
γm1γm 2
ここに, fki : 材料iの特性強度
γmi : 材料iの部分係数
Fki : 荷重jの特性値
γfj : 荷重jの部分係数
ここで,n個の要素を代表的な組合せとして定義する。これらの要素は設計法の適用範囲を適切に含む
ように,次の項目を考慮して選ぶことが望ましい。
− 荷重の種類
− 構造寸法の種類
− 材料の種類
− 限界状態の種類
与えられた一連の部分係数(γm1, γm2, ···γf1, γf2, ···)の組合せを用いて,代表的な機械製品が設計される。
それぞれの要素は,目標値からは多少ずれた信頼性水準をもつことになる。信頼性指標βを用いて,偏差
の総和Dを式(E.37)のように表現する。
n
D βk γmi, γfj
βt (E.37)
k1
ここに, βt : 目標信頼性指標
βk : 部分係数(γm1,γm2,γf1,γf2)の組を用いて設計した要素kの
信頼性指標
明らかに,偏差の総和Dを最小とする部分係数の組合せが最良なものと考えられる。要素の重要度にば
らつきがあるような場合は,重み係数を用いることも考えられる。
βの代わりに,破損確率そのものを使うことも考えられる。目標確率より大きい場合には,目標確率よ
りも小さな場合より,大きな重みを与える方が現実的である。さらに,広範囲にわたる代表的な機械製品
に対して,経済的な規範,式(E.4)を最適化することも考えられる。
参考文献 ISO 2394:1998,General principles on reliability for structures
ISO 12491:1997,Statistical methods for quality control of building materials and components
JIS B 9955:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 21 : 一般的に使用される機械的システム及び構成要素 > 21.020 : 機械,装置、設備の特性及び設計