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B.2.13 静電気対策靴及び静電気対策床
静電気対策靴と静電気対策床との組合せは,お互いを組み合わせた状態でJIS C 61340-4-5の図1(人体
と組み合わせた履物及び床システムの電気抵抗を測定するセットアップ)に基づく確認を行い,人体に発
生する静電気電位を,測定環境で±20 V以内になるようにする。
B.2.14 静電気対策衣服
静電気対策衣服は,外衣服だけでなく,内衣服も静電気が発生しない材質を選定し,外衣服と内衣服と
の組合せも静電気電位が発生しないようにする必要がある。そのため,表面電位計を用いて,外衣服の上
から表面電位を測定し±100 V以内であることを確認する。
B.2.15 表面電位計
表面電位計で測定を行うときには,必ず本体を接地点(GP)に接続する。
B.3 前処理及び測定環境における注意事項
B.3.1 前処理
前処理は,供試品の状態で行う。供試品の静電気電位の発生状態は,環境の温度及び相対湿度に依存す
る水分含有量によって影響を受けるため,測定環境条件にて保存する必要がある。供試品の相対湿度によ
る飽和点は,供試品の材質,寸法などによって異なるため,事前の調査を行い,その内容を関連規格など
に記載しておく必要がある。
B.3.2 測定環境
供試品を前処理条件とは異なる環境条件で測定する場合,測定を完了するまでの時間が異なると,同じ
測定環境条件で同じ供試品を測定しても,測定値が異なる場合もある。よって測定は,前処理条件と同じ
環境条件で実施することが望ましい。
環境条件は,温度・湿度要因以外でも測定を実施する部屋の空調装置,扉及び窓の開閉,並びに静電気
電位測定器近くで稼働している別装置の排気又は人体の移動による気流によって変化する。測定は静電気
電位測定器周辺の測定エリアに影響を及ぼす気流のない場所で行う必要がある。実際に,静電気測定時に
影響を与えた実例として次のものなどが挙げられる。
a) 空調装置からの気流
b) プロジェクターからの排気による気流
c) 他の測定器からの排気による気流
d) 測定者及び観測者の移動による気流
B.4 供試品の取扱い
絶縁クリップで把持する部分のカバーテープの長さは,絶縁クリップを手でつかんでカバーテープを引
きがす,ジグを用いて引きがすなどあるが,測定の主旨を妨げない場合,測定に適した長さにしても
よい。
供試品の材質の中には,静電気防止効果を狙って帯電防止剤を用いているものもある。その多くは空気
中の水分を表面に付着させることで,抵抗値を低く抑えるようにしている。そのため,温度及び湿度に依
存するものが多いことに留意する。
供試品の測定前の放置環境は,測定に大きな影響を与える場合がある。放置時間は,その環境下におい
て供試品の材質の特性を安定させることが目的であり,材質に応じてその必要な放置時間を考慮する。測
定前の放置環境(温度,湿度及び放置時間)が異なる場合,同じ供試品を測定しても測定値が異なる可能
――――― [JIS C 0806-301 pdf 16] ―――――
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性がある。
静電気電位を精度よく測定するために,測定者は,次に示すように十分注意して供試品を取り扱う。
a) 測定者は,キャリアテープの側面エッジ部を手指で直接,手袋などを介して挟むようにつかむ。
b) 測定者は,キャリアテープ及びカバーテープの表面に手指を触れないように扱い,キャリアテープ及
びカバーテープの帯電防止剤などの成分が,安易に測定者の手指などに付着しないように十分注意す
る。このため,試験ごとに,洗浄液にて,測定者の手指などを清掃し,洗浄液を乾燥させる。
c) 測定者は,供試品をレール状平板電極に固定する際には,レール状平板電極部以外に供試品に手指な
どが触れないように慎重に行う。固定方法は次による。
1) 供試品のレール状平板電極への固定位置は,供試品であるキャリアテープの端をレール状平板電極
の端に合わせ,レール状平板電極に既に固定してある導電性両面テープの上に載せる。
2) レール状平板電極と同寸法の金属平板又はローラ状の固定ジグなどの圧着ジグを用意し,その圧着
ジグで供試品の上から全体的に及び均一に押さえ,供試品のキャリアテープを導電性両面テープに
密着させる。
3) 供試品を強く押さえ過ぎて,供試品のキャリアテープが変形しないように注意する。
4) 準備段階において,レール状平板電極と供試品との摩擦などで静電気が生じると,正確な静電気電
位の測定ができないため,レール状平板電極及び供試品を不用意に擦らない。
5) 圧着ジグを用いる。その理由は,測定者が手指で直接供試品を押さえた場合に,手指から転写する
油脂及び水分による影響を排除するためである。
6) 圧着ジグにも手指による汚れ又はカバーテープの成分が付着するため,洗浄液で測定ごと又は定期
的に洗浄することが望ましい。
B.5 測定システムを構築する場合の注意事項
B.5.1 静電気電位測定器の配置
静電気電位測定システムは,図B.2に示すように,接地点(GP)に接続した金属板を敷いた机の上に静
電気電位測定器を設置し,机の下の試験領域の床には,接地点(GP)に接続した静電気対策床を敷く。ま
た,壁面及び記録装置は,静電気電位測定器から2 m以上離しておくことが重要である。
注記 市販品である静電気対策床などは静電気の発生を抑制するため,静電気帯電防止剤などの有機
化合物が含有・塗布されている構造のものが多い。帯電防止剤の成分が供試品,手指,測定機
器類などに付着し静電気電位が測定できなくなるため,十分注意が必要である。静電気対策床
の代替として,金属板(SUS)がある。
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静電気電位測定器
金属板(SUS)
静電気対策床
図B.2−静電気電位測定器の配置
B.5.2 測定試験エリアの帯電物の取扱い
測定を精度よく行うためには,静電気電位測定器に影響を与える帯電物からの静電誘導を排除しなけれ
ばならない。測定場所近傍には帯電するものは置いてはならない。供試品であっても,測定する供試品以
外(次に測定する供試品,測定が終了した供試品など)は,全て静電気電位測定器から2 m以上離す。
蓋付き金属製容器を用意し,その中に供試品を入れることで,静電誘導を排除することが可能となる。
B.5.3 静電気電位測定器の清掃
静電気電位測定器の清掃を行う。清掃手順を次に示す。
a) 静電気電位測定器からレール状平板電極及びカップ形金属シールドを取り外す。
b) 洗浄液を浸した汚れのないウエスを用い,レール状平板電極及びカップ形金属シールドに付着した汚
れを拭き取る。特に,絶縁性が必要なレール状平板電極とカップ形金属シールドとの接続部分及びカ
ップ形金属シールドと静電気電位測定器との接続部分の清掃を重点的に行う。
c) 清掃では,静電気電位測定器の測定部(非接触プローブ)及び相対するカップ形金属シールドの内側
(非接触プローブ)には絶対に触れないよう注意する。この部分に変形,腐食,油脂付着などがあっ
た場合,測定の信頼性が失われる。
d) 清掃後,カップ形金属シールド及びレール状平板電極を取り付け,静電気チャージャでレール状平板
電極を帯電させ電位の減衰がないことを確認する。そのときの減衰量は5 %以下とする。
e) 減衰量が5 %以下とならない場合には,低下するまで,a) d)の清掃及び確認を繰り返す。絶縁性が
確保できない原因としては,人体からの油脂又は測定者の手指を介して,供試品から転移した帯電防
止剤の付着などが考えられる。手袋を用いても,手袋にて人体からの油脂付着は防げても,手袋表面
に付着した帯電防止剤の転移は防げない点に留意が必要である。帯電防止剤は,測定で用いるキャリ
アテープ,カバーテープ,包装に用いている帯電防止袋などからも転移する。
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B.5.4 測定システムの安定性確認及びゼロ点調整
測定者は,測定システムを,測定器製造業者による取扱説明書に従って,測定前に安定性の確認及びゼ
ロ点調整を行う。
B.5.5 レール状平板電極に関する注意点
レール状平板電極の静電気電位測定器への取付けは,レール状平板電極が,図B.3に示すように,静電
気電位測定器本体の上面及び前面に対し平行になるように注意する。
レール状平板電極 レール状平板電極
a) 静電気電位測定器上面との平行 b) 静電気電位測定器前面との平行
図B.3−レール状平板電極の取付け
――――― [JIS C 0806-301 pdf 19] ―――――
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参考文献
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注記 対応国際規格 : IEC 60068-1:2013,Environmental testing−Part 1: General and guidance(IDT)
JIS C 60068-2-45:1995 環境試験方法−電気・電子−耐溶剤性(洗浄溶剤浸せき)試験方法
注記 対応国際規格 : IEC 60068-2-45:1980,Basic environmental testing procedure Part 2:Test XA and
guidance: Immersion in cleaning solvents及びAmendment 1:1993(IDT)
JIS C 61340規格群 静電気
注記 対応国際規格 : IEC 61340(all parts),Electrostatics
JIS K 1522:2012 イソプロピルアルコール(イソプロパノール)
JEITA ET-7104:2016 実装部品包装の実態及びこれらの包装から見た静電気に関連する規格について
JEITA ET-7104-1:2016 表面実装部品テーピングのカバーテープ剥離時の静電気電位及び静電気漏洩
性能の測定方法
JEITA ET-7104-2:2018 表面実装部品テーピングのカバーテープ剥離時の静電気電位及び静電気漏洩
性能の測定方法(JEITA ET-7104-1)の補足注意事項
Paper title−A new Technology in Low Tribrocharging Adhesives−1994 EOS/ESD Symposium Pages
230-236Authos-Gutman, Yau, Goetz, Koehn and Swenson
(The paper was used as the main reference for APPENDIX H in ESD Assosiation ADV 11.2- Triboelectric
Charge Accumulation Testing)
ESDA ESD ADV 11.2 1995, (ESDA: Electro Statics Discharge Association) or the Protection of Electrostatic
Discharge Susceptible Items−Triboelectric Charge Accumulation Testing
3M Products specification of #40 and #42 tape 1998(A new Technology in Low Tribocharging Adhesives−
1994 ESO/ESD Symposium Pages 230-236) David Swenson and Steve Koehn Technical paper The
removal from a Surface. To mesure electrostatics when to removal tape from a surface. This is 3M
evalution test method for #40 and #42 tape.
JIS C 0806-301:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 31 : エレクトロニクス > 31.240 : 電子設備の機械的構造
JIS C 0806-301:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称