この規格ページの目次
9
C 1911 : 2013 (IEC 62110 : 2009)
7.3 変電所及びその他の電力システム機器
電力システム機器又は変電所の周囲において,機器表面又は変電所境界から水平に0.2 m離れた位置で,
適当な間隔を置きながら地表面から1.0 mの高さで磁界の強さを測定することが望ましい。機器の高さが
1.5 m未満である場合には,1.0 mの代わりに,機器の最上部の高さで磁界の強さの測定を行うことが望ま
しい。最大磁界の強さを検出した位置において,3点測定を行うことが望ましい(5.3参照)。
対象区域内において磁界の強さが最大となる位置が既に分かっている場合には,その位置で3点測定を
行うことが望ましい。
変電所の場合,最大磁界は通常,架空送配電線又は地中ケーブルが変電所に到達した位置の線下又は地
中ケーブル上に生じる。このような位置での磁界測定は,7.1及び7.2にそれぞれ示した手順に従って行う
ことが望ましい。
機器表面又は変電所境界により近付いたところでは,局所的により高い磁界の強さが検出される場合が
ある。しかし,このような磁界の強さは,通常の状況における一般公衆の平均ばく露レベルを代表する値
とは考えられない。
屋内変電所の上方区域が利用されており,人がその床に横たわる可能性が高い場合,5点測定を行うこ
とが望ましい(5.4参照)。
人が床に横たわる可能性が低い場合には,3点測定を行うことが望ましい。
――――― [JIS C 1911 pdf 11] ―――――
10
C 1911 : 2013 (IEC 62110 : 2009)
附属書A
(参考)
交流架空送配電線から発生する電界の特性
A.1 一般的事項
一般に,考慮する必要がある電界を発生するのは高電圧の架空送電線だけである。低電圧の架空配電線
若しくは配電設備の近く,又は変電所の周囲における電界の強さは低い。地中ケーブルはシールドされて
いるため,外部に電界を発生させることはない。
この附属書は,架空送電線から発生する電界の空間分布の計算例を示す。
A.2 電界の強さの一般的な計算手順
線電荷密度がλで地表面に平行な直線導体から距離rにおける電界強度Eは,式(A.1)によって表す。
1
E 0 (A.1)
2 r
ここに, ε0 : 真空の誘電率。8.854×10-12 F/mに等しい。
大地の導電性を考慮すると,図A.1に示すとおり,高さ−hにおける鏡像線電荷密度−λの直線導体を用
いて,任意の点PにおけるEを式(A.2)によって計算することができる。
1 1
E1 及び E2 (A.2)
2 0R1 2 0 R2
ここに, E1 : λの直線導体によって点Pに生じる電界強度
E2 : −λの直線導体によって点Pに生じる電界強度
R1 : λの直線導体から点Pまでの距離。式(A.3)による。
R2 : −λの直線導体から点Pまでの距離。式(A.3)による。
R1 ( Xc Xp ) 2(h Yp ) 2 及び R2(Xc Xp ) 2(h Yp ) 2
(A.3)
ここに, Yp : 点Pの高さ
Xc : λ及び−λの直線導体のX座標
Xp : 点PのX座標
――――― [JIS C 1911 pdf 12] ―――――
11
C 1911 : 2013 (IEC 62110 : 2009)
Y
λ
h R1
P
Yp E1x
E2 E1y E1
E
O 地表
X
Xc Xp
R2
−λ
−h
図A.1−線電荷による電界
電界ベクトルE1及びE2は,直交成分E1x及びE1y,並びにE2x及びE2yに分解でき,式(A.4)及び式(A.5)
で表される。
Xp Xc h Yp
Ex
1 E1 及び Ey
1 E1 (A.4)
R1 R1
Xp Xc h Yp
Ex
2 E2 及び Ey
2 E2 (A.5)
R2 R2
したがって,電界ベクトルEの直交成分Ex及びEyは式(A.6)となる。
Xp Xc Xp Xc h Yp h Yp
Ex 2 2 及び Ey 2 (A.6)
2 0 R1 R2 2 0 R1 R22
点Pにおける電界強度Eは式(A.7)で表される。
E Ex2 Ey2 (A.7)
導体表面の電位Vは式(A.8)となる。
2h
V 0 ln (A.8)
2 a
ここに, a : 導体の半径
図A.2に示すように複数の導体がある場合,式(A.8)は行列になる。
P寰 寰 V寰 (A.9)
行列[P]は,電位係数行列であり,式(A.10)及び式(A.11)で表される。
1 2hi
i = 1nのとき Pii ln (A.10)
2 0 ri
i jのとき 1 Dij
Pij ln (A.11)
2 0 dij
――――― [JIS C 1911 pdf 13] ―――――
12
C 1911 : 2013 (IEC 62110 : 2009)
ここに, n : 導体数
Dij : 導体iと導体jの鏡像との距離
dij : 導体iと導体jとの距離
ri : 導体iの半径
Y 半径, ri
1 i
hi 2
R1i
dij
n P Exi
Yp
半径, rj
Eyi Ei
j
Dij
相導体
地表
O X
Xci Xp
R2i
鏡像導体
−hi
図A.2−地表面を含む一般的な多相導体系
架空送電線下の電界の強さを計算する場合には,図A.2に示す線電荷の分布系を利用することができる。
交流電力線の場合,導体iが各相の導体に対応する。相導体iが素導体の束で構成され,その素導体の数
がnbで,各素導体が正多角形の各頂点に位置している場合,riは式(A.12)によって等価な幾何学的半径rei
に置き換えることができる(図A.4参照)。
1
nb 1nb
S
rei nb r0 (A.12)
2 sin nb
ここに, nb : 素導体の数
r0 : 素導体の半径
S : 隣接する素導体間の距離
線電荷密度λiは線形連立方程式(A.9)で求めることができる。
導体iが発生する電界ベクトルの点Pにおける成分Exi及びEyiは,式(A.14)を用いて,式(A.13)で表され
る。
i
Xp Xci Xci Xp i
hi Yp hi Yp
Exi 2 2 及び Eyi 2 (A.13)
2 0 R i1 Ri2 2 0 R i1 Ri22
Ri1 (Xci Xp ) 2(hi Yp ) 2 及び Ri2
(Xci Xp ) 2(hi Yp ) 2
(A.14)
ここに, Xci : λi及び−λiの直線導体のX座標
――――― [JIS C 1911 pdf 14] ―――――
13
C 1911 : 2013 (IEC 62110 : 2009)
架空送電線全体では,点Pにおける各成分の総和は式(A.15)となる。
n n
Ex Exi 及び Ey Eyi (A.15)
i1 i1
A.3 架空送電線が発生する電界の例
A.3.1 電界の空間分布
図A.3は,2回線垂直配列の77 kV架空送電線が発生する電界の強さの空間分布を計算した例である。
各導体の半径は,12.65 mmである。順相及び逆相の両方を考慮している(図A.3参照)。電界の強さは,
地上1.0 mの高さにおいて,送電線の中心からの距離の関数として計算している。
3.2 m 3.2 m
位相配列
電界(V/m) phase sequence
A A A C
900 A A A C
3.0 m
900 B
C
B
B
B
B
B
B
B
3.5 m 3.5 m
800
800 C
C C A
C C A
700 順相 逆相 3.0 m
700 transposed
Untransposed 3.8 m 3.8 m
600
600
500 導体
500
400
400
300
300 11.0 m
200
200
100
100
0 1.0 m
0
地表
-30 -20 -10 0 10 20 30
距離(m) 距離(m)
図A.3−架空送電線下における電界の強さの空間分布(77 kV,2回線垂直配列)
図A.4は,1回線水平配列の500 kV架空送電線が発生する電界の強さの空間分布を計算した例である。
各導体の半径は14.25 mmである。電界の強さは,地上1.0 mの高さにおいて,送電線の中心からの距離の
関数として計算している。各相は,それぞれ半径14.25 mmの導体4本で構成されており,隣接する導体
の間隔は400 mmである。したがって,式(A.12)によって得られる等価な幾何学的半径189.5 mmを計算に
用いる。
電界(V/m)
10 000
9 000
10.0 m 10.0 m 素導体半径 ri
8 000 等価半径rei
14.25 mm
7 000 導体 189.5 mm
6 000
S 400 mm
5 000 S
換算
4 000
11.0 m
3 000 4導体
位相配列 単導体
2 000
C B A 1.0 m
1 000
0 地表
-30 -20 -10 0 10 20 30 距離(m)
距離(m)
図A.4−導体束をもつ架空送電線下における電界の強さの空間分布(500 kV,1回線水平配列)
――――― [JIS C 1911 pdf 15] ―――――
次のページ PDF 16
JIS C 1911:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62110:2009(IDT)
JIS C 1911:2013の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.220 : 電気学.磁気学.電気的及び磁気的測定 > 17.220.20 : 電気的及び磁気的量の測定
JIS C 1911:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1910:2004
- 人体ばく露を考慮した低周波磁界及び電界の測定―測定器の特別要求事項及び測定の手引き