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C 1911 : 2013 (IEC 62110 : 2009)
附属書C
(参考)
平均ばく露レベルに関する3点測定の概念
C.1 3点測定の概念
この規格においては,均一な磁界に対し高さ1.0 mで測定した磁界の強さ(1点測定)を平均ばく露レ
ベルとみなす。一方,不均一な磁界については,地表上0.5 m,1.0 m及び1.5 mの高さで行った3点測定
の算術平均値を,3点平均ばく露レベルと定義している。
したがって,3点平均ばく露レベルが人体の全身における平均ばく露レベルに対応することを示す必要
がある。こうして評価した値は,ICNIRPガイドラインにおける公衆に対するばく露の参考レベルとの比
較を意図したものである。C.2及びC.3の記述に従い,平均ばく露レベルと3点平均ばく露レベルとが同
等であることを説明できれば,参考レベルとの比較が可能である。ただし,中枢神経系における電流密度
として表現されている基本制限との比較はできない。なぜならば,この規格が誘導電流を考慮していない
ためである。同様に,3点測定ではIEEE規格が規定しているような局所の最大値を推定することもできな
い。
この附属書においては,平均ばく露レベルをある仮定のもとで算出し,3点平均ばく露レベルと比較し
ている。
C.2 平均ばく露レベルの計算
計算を単純化するため,人体モデルを仮定する。使用する人体モデルは,垂直軸の長さが1.5 m,水平
軸の長さが0.35 mで地表上0.2 mに位置する回転だ円体であり,人体形状に重ね合わせた図を図C.1に示
す。磁界はこの回転だ円体内の0.05 m間隔の格子点で計算し,算出した値の平均値を人体の平均ばく露レ
ベルとする。
図C.1−回転だ円体の人体モデル
――――― [JIS C 1911 pdf 36] ―――――
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C 1911 : 2013 (IEC 62110 : 2009)
C.3 平均ばく露レベルと3点平均ばく露レベルとの比較
C.3.1 磁界の強さの計算
磁界の強さの計算は,ビオ・サバールの法則を用いて行う。
C.3.2 無限長の単一直線ケーブル
磁界発生源として,500 Aの交流電流が流れる無限長の単一直線ケーブルを考える。ケーブルは地面に
対して垂直であり,人体モデルの中心は磁界発生源との境界から距離dの位置にある(図C.2参照)。導体
の太さ・絶縁層の厚さ・ケーブルと防護管との間の空間・防護管の厚さなどを考慮し,磁界発生源との境
界は,ケーブルの中心から0.2 mの位置にあると仮定した。
図C.2−直線ケーブルが発生する磁界中における人体モデル
計算した磁界分布を,図C.3に示す。
この場合,磁界の高さ方向の分布は均一であり,3点平均ばく露レベルは平均ばく露レベルにほぼ一致
する。
磁界(μT)
300
0.5 m
1.0 m
250 1.5 m
平均ばく露レベル
3点平均ばく露レベル
200
150
100
50
0 0.2 0.6 1.0
0.4 0.8 1.2
境界からの距離(m)
図C.3−直線ケーブルが発生する磁界の強さ
――――― [JIS C 1911 pdf 37] ―――――
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C 1911 : 2013 (IEC 62110 : 2009)
C.3.3 平衡電流が流れる3本の平行ケーブル
磁界発生源として,500 Aの三相平衡電流が流れる3本の無限長の直線ケーブルを考える。ケーブルは
互いに平行で,地面に対して垂直な同一平面内にある。ケーブル間隔は0.1 m,0.2 m及び0.3 mの3通り
を考える。人体モデルの中心は磁界発生源との境界から距離dの位置にある(図C.4参照)。導体・絶縁層
の厚さ・ケーブルと防護管との間の空間・防護管の厚さなどを考慮し,磁界発生源との境界は,ケーブル
の中心から0.2 mの位置にあると仮定した。
図C.4−3本の平行ケーブルが発生する磁界中における人体モデル
計算した磁界分布のうち,ケーブル間隔が0.1 mの場合を図C.5に示す。
この場合,磁界の高さ方向の分布は均一であり,3点平均ばく露レベルは平均ばく露レベルにほぼ一致
する。
磁界(μT)
150
ケーブル間隔 = 0.1 m 0.5 m
1.0 m
125 1.5 m
平均ばく露レベル
100 3点平均ばく露レベル
75
50
25
0
0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
境界からの距離(m)
図C.5−平衡電流が流れる3本の平行ケーブルが発生する磁界の強さ
――――― [JIS C 1911 pdf 38] ―――――
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C 1911 : 2013 (IEC 62110 : 2009)
C.3.4 平衡電流が流れる地中ケーブル
磁界発生源として,500 Aの三相平衡電流が流れる無限長の直線ケーブルを考える。ケーブルは地中に
ある。3本よ(撚)りケーブル(トリプレックスケーブル)であり,断面積が325 mm2,よ(撚)りピッ
チが1.35 m,スパイラル半径が22.5 mmである(図C.6参照)。
計算した磁界分布を図C.7に示す。
この場合,高さ方向の分布での不均一性が顕著であり,特にケーブルが地表近くの地中にある場合にそ
れが顕著であるが,3点平均ばく露レベルは平均ばく露レベルにほぼ一致する。
図C.6−地中ケーブルが発生する磁界中における人体モデル
磁界(μT)
12
0.5 m
1.0 m
10
1.5 m
平均ばく露レベル
8 3点平均ばく露レベル
6
4
2
0
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0
地表からの深さ(m)
図C.7−地中ケーブルが発生する磁界の強さ
――――― [JIS C 1911 pdf 39] ―――――
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C 1911 : 2013 (IEC 62110 : 2009)
C.3.5 平衡電流が流れる架空線
磁界発生源として,500 Aの三相平衡電流が流れる3本の無限長の直線電線を考える。電線は互いに平
行で,地面に対して平行な同一平面上にある。電線間の距離として0.55 mを仮定した。3本の各線の高さ
は,地表から5 m15 mとした(図C.8参照)。
計算した磁界分布を図C.9に示す。
この場合,磁界の高さ方向の分布は均一であるとみなされ,3点平均ばく露レベル,及び地表上1.0 m
における1点測定で得られたばく露レベルは平均ばく露レベルにほぼ一致する。
図C.8−架空線が発生する磁界中における人体モデル
磁界(μT)
8.0
0.5 m
1.0 m
1.5 m
6.0
平均ばく露レベル
3点平均ばく露レベル
4.0
2.0
0.0
5 10 15
地表からの高さ(m)
図C.9−平衡電流の流れる架空線が発生する磁界の強さ
――――― [JIS C 1911 pdf 40] ―――――
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JIS C 1911:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62110:2009(IDT)
JIS C 1911:2013の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.220 : 電気学.磁気学.電気的及び磁気的測定 > 17.220.20 : 電気的及び磁気的量の測定
JIS C 1911:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1910:2004
- 人体ばく露を考慮した低周波磁界及び電界の測定―測定器の特別要求事項及び測定の手引き