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C 2134 : 2007 (IEC 60112 : 2003)
6. 試験片の状態調節
6.1 環境条件
特に規定がない限り,試験片は,23 ℃±5 ℃,相対湿度 (50±10) %で24時間以上状態
調節をする。
6.2 試験片の表面状態
特に規定がない限り,次のとおりとする。
a) 測定は,清浄な表面について行う。
b) 清浄にするために実施した手順を報告する。その詳細は,できるだけ受渡当事者間で協定する。
備考 ちり,ほこり,指紋,グリース,油,離型剤又はその他の汚染物質が測定結果に影響する。試
験片を清浄にするときに,材料の膨潤,軟化,擦りきず又はその他の損傷を避けるように注意
を払うことが望ましい。
7. 測定装置
7.1 電極
電極は,純度99 %以上の白金電極を2本使用する(附属書B参照)。
2本の電極は,縦5 mm±0.1 mm,横2 mm±0.1 mmの長方形断面で,一端は角度30°±2°ののみの刃
先状とする(図1参照)。鋭利な刃先を除去して,幅0.010.1 mmのほぼ平らな端面が得られるようにす
る。
備考1. 校正済みの接眼鏡を備えた顕微鏡が,端面の寸法の確認に適している。
2. 電極が,特に端面及び角度に関する必要な許容差を維持できるように,測定後には,機械的
手段によって電極を再研磨することが望ましい。
測定開始時に,電極を垂直面内に対称に配置し,電極間の全体の角度を60°±5°にして,かつ,対向
する電極面は試験片の平らな水平面上とほぼ直角になるようにする(図2参照)。測定開始時に,試験片の
表面上の2本の電極の間隔を4.0 mm±0.1 mmにする。
単位 mm
1 白金電極
図 1 電極
――――― [JIS C 2134 pdf 6] ―――――
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単位 mm
1 白金電極 2 黄銅製の延長部分(任意)
3台 4 滴下装置の先端部分
5 試験片 6 ガラス製の試験片支持台
図 2 電極及び試験片の配置
薄い金属製の長方形のすき間測定器を用いて電極間隔を確認する。電極は,自由に移動でき,また,各
電極が測定開始時に試験片の表面に加える荷重は,1.00 N±0.05 Nとする。測定中,試験片の表面に加え
る荷重が初期レベルを維持できるような構造とする。
電極を試験片上に設定するための代表的な配置の一例を図3に示す。適切な時間間隔で荷重を確認する。
参考 特に図3の左右いずれか一方の電極を左右に移動しながら,電極間隔を微調整できるようにす
ることが望ましい。
1 白金電極 2 黄銅製の延長部分(任意)
3 台 4 滴下装置の先端部分
5 試験片 6 ガラス製の試験片支持台
図 3 代表的な電極の取付及び試験片の保持の例
――――― [JIS C 2134 pdf 7] ―――――
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電極の沈み込みが小さい材料だけの測定を行う場合は,ばねを用いて電極の圧着荷重を発生させてもよ
い。ただし,一般の測定装置では,おもりによって荷重を発生させることが望ましい(図3参照)。
備考3. 多くの測定装置では,試験片の軟化又は浸食によって電極が沈下した場合,その先端が円弧
を描いて動くため,電極の間隔が変化する。電極の間隔の変化の程度及び変化の向きは,電
極を支持している支点と電極とが接触している試験片面との高さの相対的な位置によって決
まる。電極の間隔が変化することの重要度は,多分に材料の種類に依存し,一概には決めら
れない。構造設計の違いによって測定装置相互間の差異が生じる。
7.2 測定回路
電極間には,周波数が4862 Hzで,100600 Vの範囲に調整できる正弦波電圧を印加
する。電圧の測定装置は,実効値指示形で誤差が1.5 %以下のものとする。電源容量は,0.6 kVA以上とす
る。測定回路の一例を,図4に示す。
可変抵抗器は,電極短絡時の電流を1.0 A±0.1 Aに調整することができ,また,電圧計が指示する電圧
は,この電流が流れるときに10 %を超えて減少してはならない(図4参照)。短絡電流値を測定する計測
器は,誤差が3 %以下のものとする。
装置への入力電源電圧は,十分に安定していなければならない。
過電流継電器は,実効値が0.50 Aで,相対的許容差±10 %の電流が,相対的許容差±10 %で2.00秒持
続したときに動作する。
1 スイッチ 2 交流電源 100600 V
3 遅延過電流継電器 4 可変抵抗器
5 電極 6 試験片
図 4 測定回路の例
――――― [JIS C 2134 pdf 8] ―――――
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7.3 測定溶液
a) 溶液A 電導率が1 mS/m以下の脱イオン水に分析試薬級で純度99.8 %以上の無水塩化アンモニウム
(NH4Cl) を質量分率で約0.1 %溶解し,23 ℃±1 ℃における抵抗率が3.95 圀 0.05 圀
にする。
備考 溶液の抵抗率が必要な範囲になるように,塩化アンモニウムの量を選定する。
b) 溶液B 電導率が1 mS/m以下の脱イオン水に分析試薬級で純度99.8 %以上の無水塩化アンモニウム
(NH4Cl) を質量分率で約0.1 %,及びナトリウムジブチルナフタレンスルホン酸塩を質量分率で (0.5
±0.002) %溶解し,23 ℃±1 ℃における抵抗率が 1.98 圀 0.05 圀
備考 溶液の抵抗率が必要な範囲になるように,塩化アンモニウムの量を選定する。
通常は,溶液Aを使用するが,より強力な汚染物質が必要な場合は,溶液Bが望ましい。溶液Bを使
用したことを表示するため,CTI値又はPTI値の後に文字 “M” を付ける。
測定溶液の電導率は,周波数範囲が12 kHzの交流電圧で測定する。
その手順は,IEC 60589に規定されている。
7.4 滴下装置
測定溶液は,30秒±5秒の間隔で試験片の表面に滴下する。液滴は,35 mm±5 mmの高
さから,電極間のほぼ中央に滴下する。
試験片上に50滴の液滴を滴下する時間は,24.5分±2分とする。
液滴を50滴連続して滴下したときの質量は,0.9971.147 gとする。液滴を20滴連続滴下したときの質
量は,0.3800.480 gとする。
備考1. 液滴の質量は,適切な実験室用はかりを用いて測定する。
液滴の質量は,適切な時間間隔で確認する。
備考2. 測定溶液Aの場合,滴下方式にもよるが,滴下装置の先端用としては,一定の長さをもつ外
径が0.91.2 mmの薄肉のステンレス鋼管(例えば,皮下注射針)が適していることが確認
されている。
測定溶液Bの場合は,実際に使用されている異なる滴下方式のために,外径0.93.45 mm
の管が必要であることが確認されている。
3. 2滴連続の滴下,又は滴下の途切れなど,滴下時間間隔の乱れの有無を確認するため,滴下
計数器を備えた滴下検出器の使用が望ましい。
7.5 試験片支持台
測定中の試験片を支持するために,全体の厚さが4 mm以上で適切な大きさの1枚又
は複数枚のガラス板を使用する。
備考1. 試験片支持台の清浄の問題を避けるために,試験片支持台の上で,試験片のすぐ下に,使い
捨ての顕微鏡用のスライドガラスを置くことが望ましい。
2. 測定溶液の流失を検出するため,ガラス板の縁を取り巻いて,薄い金属はく導体を使用する
ことが有用である。
7.6 電極装置の取付
試験片及び測定に使用する電極は,測定槽内で,実質的に通風のない空間に設置
する。
備考 測定槽内をほぼ煙のない状態に保つため,ある種の材料では,試験片表面及び電極間にわずか
な空気の流れを起すことが必要である。その場合,測定開始前及び可能であれば測定中0.2 m/s
程度の風速が適切であることが確認されている。槽内の他の場所の風速は,煙の除去をしやす
くするため,更に速くてもよい。風速は,適切な目盛りをもつ熱線式風速計で測定する。
測定後に槽内を安全に換気できるように,適切な排煙装置を備える。
――――― [JIS C 2134 pdf 9] ―――――
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8. 測定手順
8.1 一般的事項
材料が実質的に異方性をもつ場合,その特異性に沿った方向及びそれに直角な方向で
測定する。特に規定がない限り,低い値を示す方向の測定結果を使用する。
測定は,周囲温度23 ℃±5 ℃で行う。
特に規定がない限り,測定は,汚染されていない試験片で行う。
孔があいた場合の測定結果は,試験片の厚さに関係なく有効とみなすが,孔があいたことを,孔の深さ
(試験片の厚さ又は積層厚さ)と共に報告する。
8.2 準備
測定の終了ごとに電極を適切な溶剤で清浄にし,次に純水ですすぐ。必要であれば,次の測
定の前に電極の形状を修復し,最後に次の測定前にすすぎを行う。
必要があれば,測定の直前に電極を冷却して温度を十分に低くし,試験片の特性に悪影響を与えないよ
うにする。
使用する溶液に肉眼で見えるような汚染がないことを確認し,また,溶液の電導率が必要な値に適合し
ていることを,定期検査又は測定直前の測定によって確認する。
備考1. 以前の測定による残留物が滴下装置に残っていると,溶液が汚染される可能性があり,また,
溶液の蒸発によって濃度が高まる。その結果,測定結果が真の値よりも低くなることがある。
このような場合には,各測定前に,機械的若しくは溶剤,又はその両方で滴下装置の外側を
清浄にし,その後,測定に適合する溶液を流して滴下装置の内側を洗浄することが望ましい。
各測定間の時間間隔にもよるが,通常は,ほんの十数滴20滴を流すことによって,不適合
な液を除去する。
疑義がある場合は,電極及び滴下管を清浄にする手順について受渡当事者間で協定する。
試験片は,測定面を一番上にして,水平に試験片支持台の上に置く。試験片と電極取付装置との高さの
相対位置を調整して,電極を下げて試験片面に接したときに,間隔が4.0 mm±0.1 mmの正しい配置にな
るようにする。のみの刃先状の先端が,規定の力で,かつ,その幅全体にわたって試験片表面と接触して
いることを確認する。
備考2. 確認するときは,電極の後方に光源を置くと役に立つ。
測定電圧を,25 Vの整数倍の規定の値に設定し,短絡電流が許容差内に入るように回路定数を調整する。
8.3 測定手順
液滴が測定面に落下するように滴下システムを始動し,次のいずれかが発生するまで測
定を継続する。
a) 過電流継電器の作動。
b) 持続炎の発生。
c) 50 (100) 滴目の液滴を滴下した後,a) 又はb) が発生せずに少なくとも25秒が経過
備考 浸食の測定の必要がなければ,50滴測定に先立って100滴測定を行ってもよい。
測定完了後,槽から有毒な煙を排気し,その後試験片を取り出す。
9. 浸食の測定
要求がある場合,50滴で不合格とならなかった試験片について浸食の測定を行う。試験
片に付着したくず又は軽く付着した分解生成物を清浄にした後,深さ測定器の台の上に置く。各試験片の
最大浸食深さを,直径が1.0 mmの半球形先端の測定子を用いて,ミリメートル単位で0.1 mmの精度で測
定する。測定した5個の内の最大値を測定結果とする。
1 mm未満の浸食深さは,“<1 mm” として報告する。
10. による測定で,浸食の測定が必要な場合は,規定の電圧で50滴の測定に耐えた試験片について測定
――――― [JIS C 2134 pdf 10] ―――――
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