JIS C 2137:2006 電気絶縁材料の耐トラッキング性試験方法―回転円板浸せき試験

JIS C 2137:2006 規格概要

この規格 C2137は、電気絶縁材料に対して汚損液への浸せき及びそれに続く沿面交流電界の印加が周期的に繰り返された場合の絶縁材料相互間の耐久性能を比較するための試験方法について規定。

JISC2137 規格全文情報

規格番号
JIS C2137 
規格名称
電気絶縁材料の耐トラッキング性試験方法―回転円板浸せき試験
規格名称英語訳
Electrical insulating materials -- Method to evaluate the resistance to tracking and erosion -- Rotating wheel dip test
制定年月日
2006年2月20日
最新改正日
2015年10月20日
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対応国際規格

ISO

IEC 61302:1995(IDT)
国際規格分類

ICS

17.220.99, 29.035.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2006-02-20 制定日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS C 2137:2006 PDF [14]
                                                                   C 2137 : 2006 (IEC 61302 : 1995)

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人電気学会(IEEJ)/財団法人日本規格
協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の
審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
制定に当たっては,日本工業規格(日本産業規格)と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格(日本産業規格)の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61302:1995,Electrical insulating
materials−Method to evaluate the resistance to tracking and erosion−Rotating wheel dip testを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS C 2137には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考)この規格の規定に合致する試験片及び試験装置の例
附属書B(参考)参考文献

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――――― [JIS C 2137 pdf 1] ―――――

C 2137 : 2006 (IEC 61302 : 1995)

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 定義・・・・[2]
  •  3. 試験片・・・・[2]
  •  3.1 試験片の形状・・・・[2]
  •  3.2 前処理・・・・[3]
  •  4. 試験装置・・・・[3]
  •  4.1 一般的配置・・・・[3]
  •  4.2 電気回路・・・・[3]
  •  4.3 試験液・・・・[3]
  •  5. 試験の手順・・・・[4]
  •  6. 試験結果・・・・[4]
  •  7. 報告書・・・・[4]
  •  附属書A(参考)この規格の規定に合致する試験片及び試験装置の例・・・・[5]
  •  附属書B(参考)参考文献・・・・[12]

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS C 2137 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                                JIS
C 2137 : 2006
(IEC 61302 : 1995)

電気絶縁材料の耐トラッキング性試験方法−回転円板浸せき試験

Electrical insulating materials-Method to evaluate the resistance to tracking and erosion-Rotating wheel dip test

序文

 この規格は,1995年に第1版として発行されたIEC 61302,Electrical insulating materials−Method to
evaluate the resistance to tracking and erosion−Rotating wheel dip testを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式
を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

1. 適用範囲

 この規格は,電気絶縁材料に対して汚損液への浸せき及びそれに続く沿面交流電界の印加
が周期的に繰り返された場合の絶縁材料相互間の耐久性能を比較するための試験方法について規定する。
この規格は,同一系統に属する材料相互間の耐トラッキング性を比較するために開発されたもので,全く
異なる系統の材料との比較には必ずしも有効な試験方法ではない。
試験装置は,棒状又は管状の標準試験片(1) を装着した回転円板を備えている。各試験片は,その両端に
それぞれ電極を取り付け,円板の外周に配列する。円板は,その回転軸が水平に対してやや傾いた状態に
設置し,試験片が規定された食塩水(汚損液)への浸せきと引き上げとを周期的に繰り返すようにゆっく
りと回転させる。
注(1) 形状,寸法及び電極間隔が標準試験片と異なる試験片が必要な場合がある。そのような非標準
試験片による試験結果は,類似の材料間の比較にだけ使用する。
空気中に引き上げられた後,規定する電圧が試験片に印加されるまでの短い時間,試験片表面から自然
に流下又は滴下する汚損液は自然に任せる。電圧を印加すると,試験片表面の乾燥領域に放電(微小アー
ク,シンチレーション)が発生する。これらの放電は試験片表面の劣化を進展させ,最終的にはせん(閃)
絡を生じ,又は漏れ電流が規定値を超える(2)。せん(閃)絡に至るまでの時間又は漏れ電流が規定値を超
えるまでの時間,及び試験片表面の劣化の性状及び劣化の激しさが材料を比較するための指標となる。
注(2) 劣化の進展を十分に促進するためには,この規格に規定する試験条件はすべての絶縁材料の表
面で放電を起こすことが必要となる。試験条件を少し緩めると,試験片表面に放電が容易に形
成されない材料がある。このような性質の評価は実用上極めて興味深いが,現在までのところ
これに適した試験方法は制定されていない。
この規格に定める試験条件の下では,他のトラッキング試験よりも試験片が破壊するまでに長時間を要
する。IEC 60112及びIEC 60587(附属書B参照)では,試験片の片面が汚損された時の電気的ストレス
に耐える材料性能を評価するために,より小さな試験片による短時間の試験方法を規定している。したが
って,これらの規格による試験は長時間試験とは異なった材料評価と見なさなければならない。その他の
耐トラッキング性試験方法としては,塩霧試験法(IEC規格としては未制定)も用いられている。この試

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C 2137 : 2006 (IEC 61302 : 1995)
験方法は,実使用状態に近い形で材料の比較を可能にすると考えられている。試験の結果は,試験に供す
る材料ばかりでなく,試験片の形状によっても変わる。したがって,試験片の形状がそれぞれ異なるこれ
らの試験は,材料を異なる観点から評価するものである。
すべての試験条件において,試験片表面に放電を生じるので,試験前に試験片表面を洗浄することが必
要である。試験に先立って,例えば,試験片に UV 照射,高湿度雰囲気への暴露などの状態調節を施した
場合には,状態の処理条件を詳細に記録することが望ましい。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 61302:1995,Electrical insulating materials−Method to evaluate the resistance to tracking and
erosion−Rotating wheel dip test (IDT)

2. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
2.1 トラッキング(tracking) 局所的放電が形成した導電性又は部分的に導電性の経路によって生じる
固体絶縁材料表面の進行性の劣化。
2.2 トラック(track) トラッキングによって形成された導電性又は部分的に導電性の経路。
2.3 電気的侵食(electrical erosion) トラックを形成せずに放電の作用によって固体絶縁材料の表面が
損耗すること。
2.4 回転円板寿命(RW寿命)(rotating wheel life) 規定する試験条件の下におけるトラッキング破壊に
至るまでの時間の中央値。試験片のせん(閃)絡が起きた時又は漏れ電流の実効値が300 mAを超えたと
きをもって破壊が起きたものと判定する。

3. 試験片

3.1 試験片の形状

 標準試験片には,断面が円形の棒又は管を用いる。外径は,25 mm±1 mmとする。
入手可能ならば,棒を用いる。管を用いる場合は,試験時の電気的侵食によって管壁にせん(穿)孔が
生じて汚損液が管の内部に浸入しないように,管壁が十分厚いものを用いる。また,管の両端は入念に封
止して,汚損液が浸入しないようにする。封止材料には管の外表面を拡散して試験結果に影響を与えない
ものを用いる。十分な機械的剛性を得るために,管の内側に絶縁材料の支持棒を用いてもよい。
各試験片の両端に,それぞれステンレス鋼製の管状電極(5.1 参照)を装着する。互いに対向する電極
の端面は直角に切断して,試験片に密着させる。高圧電極側には,厚さ0.2 mmのステンレス鋼板でしゅ
う(摺)動電極を作り,試験電圧が印加された半円弧状給電帯に周期的に接触するようにする(5.1 参照)。
接地側−高圧側電極間の距離は,140 mm ± 2 mmとする。この規格で規定する要件に合致する試験片
の一例を,附属書A図1に示す。
この規格で規定する以外の形状・寸法の試験片を用いる場合は,その諸元を試験報告書に明確に記載す
る。このような試験片によって得られた試験結果は,同様の形状・寸法で得られた結果とだけ比較できる。

3.2 前処理

 試験片の表面を適切な溶剤を用いて清浄する(3)。
注(3) 溶剤には試験片を軟化又は変質させないものを用いる。イソプロピルアルコール(プロパノー
ル‐2)は,多くの材料に適しているが,シリコーン離型剤をふき取るのにはキシレンが用いら
れることがある。ただし,キシレンによって膨潤するような材料,例えばゴム系の材料には用
いてはならない。

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C 2137 : 2006 (IEC 61302 : 1995)

4. 試験装置

4.1 一般的配置

 最大10個までの試験片を 附属書A図3に示す例のように直径11.1 mの回転円板の
傾斜した円環上に取り付ける。円板は,1分間に3回転する。試験片は,円板の回転軸に平行に,かつ,
高圧電極側が接地電極(回転円板側)よりも低い位置になるように,水平より15°±2°傾けて取り付け
る。
試験電圧は,電源に接続された半円弧状の給電帯に接触し,スライドするしゅう(摺)動電極によって
各試験片に周期的に印加する。各試験片の接地側電極は,それぞれ過電流継電器を介して電源に接続する。
過電流継電器は,電流の実効値が300 mAを超えたときに試験電圧を遮断するように設定する。試験実施
中には,連続的又は断続的に電流の測定を行う。
汚損液槽には,上面開放状態で約150 Lの食塩水を満たし,各試験片の中心軸の中点がそれぞれ1/6 回
転(60°)の間食塩水に浸せきするように水槽を配置する。この浸せき時間に続いて更に1/6回転(60°)
した後,それぞれ1回転の 1/2(180°)の間試験電圧を印加する。続く1/6 回転(60°)では,試験電圧
を遮断し再び汚損液に浸せきの過程に戻り,試験周期を繰り返す。
汚損液に触れるすべての金属部品は,約18 %のクロム及び 8 %のニッケルを含むステンレス鋼製とす
る。
参考 試験中に発生する油煙及び水蒸気が試験装置に付着又は滴下し,試験機材などを汚損すること
を避けるために,適切な排気装置を併用することが望ましい。
この規格で規定する要件に合致する試験装置の一例を,附属書A図2図5に示す。

4.2 電気回路

4.2.1  試験電圧は,周波数が48 Hz62 Hzの交流電源から供給する。その出力電圧の実効値は,10 kV±
0.5 kVとする。
試験電圧は,1.5 %の精度で測定する。
電源の短絡電流の実効値は,10 kVにおいて10 A以上とする。
4.2.2 試験片の一つが破壊したとき,円板の回転を妨げることなく試験電圧を遮断するための付加回路を
電源に備える(4)。破壊した試験片を取り除いた後,可能な限り速やかに試験電圧を再印加する。円板は,
少なくとも24時間ごとに点検する。破壊に至るまでの電圧印加の累積時間を試験片ごとに記録する。
注(4) 付加回路の代わりに試験片ごとに別々のヒューズを用いてもよい。
この規格で規定する要件に合致する試験回路の概念図を,附属書A図6に示す。

4.3 試験液

4.3.1  汚損液は,脱イオン水又は蒸留水に,25 ℃における抵抗率が7.5 Ωm±5 %に達するまで塩化ナ
トリウム(NaCl)を溶かしたものを用いる。
4.3.2 試験を行う前に,汚損液槽を洗浄し,新しい汚損液を満たす。汚損液の水位の変動は,1回の試験
実施時間中を通して±10 mm以内に保つ。水位の調整が必要となった場合は,脱イオン水又は蒸留水を加
える。
参考 汚損液の抵抗率が5.3.1に定めた規定値の範囲内にあることを監視し,必要があれば脱イオン水
又は蒸留水の添加などの調整を行う。
4.3.3 汚損液の温度は,25℃±5 ℃とする。
4.3.4 汚損液は,75 μmメッシュのフィルタを通して約1 L/minの流速で循環させることが望ましい。
4.3.5 1か月に1回の間隔で汚損液槽を清掃し,新しい汚損液を満たすことが望ましい。

――――― [JIS C 2137 pdf 5] ―――――

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