この規格ページの目次
9
C 2143-1 : 2015 (IEC 60216-1 : 2013)
a) 温度指数の決定に当たり,最も低い暴露温度は,終点到達時間の平均値又は中央値が5 000時間を超
える温度とする(5.1.3も参照)。
b) 温度指数の確定に必要な外挿は,25 Kを超えてはならない。
c) 最も高い暴露温度は,終点到達時間の平均値又は中央値が100時間を超える(可能な場合,500時間
未満)温度とする。
材料によっては,十分な直線性をもちながら500時間未満の終点到達時間に至らないものもある。ただ
し,データのばらつきが同程度でも,終点到達の平均時間の範囲が狭いと信頼区間を広める結果をもたら
すということが重要である。
非破壊試験,保証試験又は破壊試験において,試験をどのように進めるかの詳細な手順は,5.8による。
表1に,最初の選択をするための手引きを示す。暴露時間及び暴露温度の設定に有効な幾つかの推奨及
び提案は,附属書Bに記載する。
5.6 劣化処理用オーブン
劣化処理オーブンは,加熱劣化処理の期間を通して,試験片を入れる空間を,JIS C 2143-4の規格群に
規定する許容差の温度に保持しなければならない。特に処理オーブンに関する規定がない場合は,JIS C
2143-4-1を適用する。
オーブン中の空気循環及び換気は,分解生成物の蓄積又は酸素濃度の低下によって,熱劣化速度に影響
がないように適切に行うことが望ましい(5.7参照)。
5.7 環境条件
5.7.1 一般的事項
高湿度,化学的汚染,振動など,これら特殊な環境条件の影響は,多くの場合,電気絶縁システムの試
験において,より適切な方法で評価する。ただし,環境条件,空気以外の雰囲気,油のような液体浸せき
(漬)の影響などは重要であるが,この規格の対象外とする。
5.7.2 劣化処理中の雰囲気条件
特に劣化処理中の雰囲気条件に関する規定がない場合,劣化処理は,通常の試験室の雰囲気中で運転す
るオーブン中で行う。ただし,オーブン中の湿度に非常に敏感な幾つかの材料の場合は,劣化処理オーブ
ン中の絶対湿度を,JIS C 2142に規定する標準雰囲気Bに対応した絶対湿度に等しくなるよう制御したと
き,より信頼できる結果が得られる。このような状態,又はその他の特殊な条件は報告する。
――――― [JIS C 2143-1 pdf 11] ―――――
10
60216-1 : 2013)
C 2143-1 : 2015 (IEC
C2
2
表1−推奨する暴露温度及び暴露時間
14
単位 日
3-
1
予想され 暴露温度
: 2
る温度指 ℃
01
数の範囲 120 130 140 150 160 170 180 190 200 210 220 230 240 250 260 270 280 290 300 310 320 330 340 350
5( I
95104 28 − 14 − 7 − 3 − 1
EC6
105114 28 − 14 − 7 − 3 − 1
02
115124 28 − 14 − 7 − 3 − 1
16-
125134 28 − 14 − 7 − 3 − 1
1 : 2
135144 28 − 14 − 7 − 3 − 1
01
145154 28 − 14 − 7 − 3 − 1
3)
155164 28 − 14 − 7 − 3 − 1
165174 28 − 14 − 7 − 3 − 1
175184 28 − 14 − 7 − 3 − 1
185194 28 − 14 − 7 − 3 − 1
195204 28 − 14 − 7 − 3 − 1
205214 28 − 14 − 7 − 3 − 1
215224 28 − 14 − 7 − 3 − 1
225234 28 − 14 − 7 − 3 − 1
235244 28 − 14 − 7 − 3 − 1
245254 28 − 14 − 7 − 3 − 1
これ以上の議論及び推奨事項は,附属書Bに記載がある。
注記1 この表は,主として保証試験又は非破壊試験に適用するものであるが,破壊試験を行うのに最適な時間間隔を選ぶ場合にも利用できる。このような場合,56
日以上のサイクル時間を必要とする場合もある。
注記2 最初に設定した最も低い温度よりも低い温度で追加試験をする場合は,最も低い温度よりも10 K低い温度とし,温度指数を求めるための1サイクルを42
日とすることが望ましい。
――――― [JIS C 2143-1 pdf 12] ―――――
11
C 2143-1 : 2015 (IEC 60216-1 : 2013)
5.7.3 特性測定の雰囲気条件
特に特性測定の雰囲気条件に関する規定がない場合,試験片は,測定前に個別材料規格に規定する条件
で状態調節を行い,個別材料規格に規定する条件下で測定を行う。
5.8 劣化処理の手順
5.8.1 一般的事項
ここでは,次の試験を実施するための手順について規定する。
a) 非破壊試験
b) 保証試験
c) 破壊試験
これらの試験を実施するに当たって,あらかじめ5.3の指示に従って,規定の数の試験片を準備する。
必要な場合,5.4の規定によって初期特性値を確定する。試験片は,無作為に抽出することによって,暴露
温度の水準と同じ数のグループに分ける。
5.5の規定に従って,暴露温度及び暴露時間を設定する(附属書B参照)。
5.6の規定に従って,表1から選んだ温度にできるだけ近い温度に保ったそれぞれのオーブンに,暴露用
の試験片をグループ単位で一つずつ入れる。
注記1 各試験の後,個々の試験片を正しいオーブンに容易に戻せるように,識別できるようにして
おくのがよい。
注記2 附属書Bの記載内容に従って,特に追加の温度水準で新たな試験片で早めに劣化試験が開始
できるように,5.3に推奨されているように,新しい予備試験片の追加グループを準備してお
くことが望ましい。
5.8.2 非破壊試験を用いる場合の手順
特に非破壊試験を用いる場合の手順に関する規定がない場合,各暴露サイクルの最後に,それぞれのオ
ーブンから試験片グループを取り出し,室温まで冷却する(5.7参照)。試験項目によってオーブンの温度
における測定が必要な場合もある。この場合,劣化処理を継続する。
各試験片に適切な測定を行った後,試験片のグループを同じ温度の元のオーブンに戻し,以降のサイク
ルに暴露する。温度暴露,冷却及び非破壊試験のサイクルを,グループ中の試験片の測定値の平均が規定
の終点に到達し,終点を超える測定値が1点以上得られるまで続ける。
6.1及びJIS C 2143-3の箇条6(計算手順)の規定によって結果を評価し,6.8の規定によって報告する。
5.8.3 保証試験を用いる場合の手順
保証試験の手順で用いる試験片は,保証試験による予備検査に合格したものから無作為に抽出する。
各暴露サイクルの最後に,オーブンから全ての試験片を取り出す。取り出した全ての試験片を室温まで
冷却し,規定の保証試験を実施する。保証試験に耐えた試験片は,それらを同じ温度の元のオーブンに戻
し,以降のサイクルの試験のために暴露する。
温度暴露,冷却及び保証試験のサイクルを,破壊した試験片の数が試験片の数の中央値を超えるまで続
ける。中央値は,試験片の数mが奇数なら (m+1) / 2となり,偶数ならm / 2+1となる。結果が,おおよ
そ暴露の10サイクル目で終点到達時間に達すると想定できる場合は,初めに選択した暴露サイクルの時間
を変える必要はない。このような結果が想定できない場合は,暴露サイクルの時間を変えて,結果の中央
値が7サイクル以上(望ましくは約10サイクル)となるようにする。この1サイクルの時間の変更は,4
サイクル目以前に行う。
温度暴露のサイクルを全ての試験片が不合格となるまで続けた場合,より完全な統計的分析ができる
――――― [JIS C 2143-1 pdf 13] ―――――
12
C 2143-1 : 2015 (IEC 60216-1 : 2013)
(JIS C 2143-3参照)。
6.1及びJIS C 2143-3の箇条6の規定によって結果を評価し,6.8の規定によって報告する。
5.8.4 破壊試験を用いる場合の手順
各オーブンについて,試験片の割り当てられた数(na,5.3.2.4参照)の試験グループを無作為に抽出し,
適切な順序で構成される規定の暴露時間後に,試験片を各オーブンから取り出す(5.5,附属書B及び表1
参照)。
特に破壊試験を用いる場合の手順に関する規定がない場合,オーブンから取り出した後,試験片のグル
ープを室温まで冷却する。温度又は湿度によって顕著な特性の変化が予想される材料では,特に規定がな
い場合,試験片をJIS C 2142に規定する標準雰囲気Bの中で,一晩状態調節する。それらの試験片の試験
を行い,各試験片の試験結果及び結果の算術平均(又は結果の適切な変換値)を,JIS C 2143-3に規定す
るように暴露時間の対数に対してプロットする。
6.1及びJIS C 2143-3の箇条6の規定によって結果を評価し,6.8の規定によって報告する。
6 評価
6.1 試験データの数値解析
試験データの完全な数値解析のための計算手順は,6.36.7に規定する。温度指数のデータの解析は,
終点到達時間の対数と絶対温度(熱力学的温度)の逆数との間に直線関係があるとの前提に基づいている。
温度指数の結果に関する評価の方法は,図1に示すグラフ表示と併せて,JIS C 2143-3に規定する数値
的な手順による。
簡略化した解析手順は,JIS C 2143-8の規定による。
6.2 熱的耐久性及びその表記
熱的耐久性は,次の二つの値によって表す。
− 温度指数,TI
− 半減温度幅,HIC
電気絶縁材料の熱的耐久性は,多くの特性項目の中の一つの特性及びその特性に関して定めた終点で規
定することになる。そのことを正しく認識しない場合は,熱劣化処理を受ける材料の全ての特性項目が同
じ速さで劣化するとは限らないため,熱的耐久性のいかなる評価も無意味となる可能性がある。したがっ
て,一つの電気絶縁材料については,複数の異なる特性項目の測定結果から導いた二つ以上の温度指数又
は半減温度幅を参照して,その材料の熱的耐久性を判断することが望ましい。
完全な数値解析によって導かれた結果で,直線性及びばらつきに関する統計的な条件を満足する場合,
熱的耐久性は,次のように表記する。
TI(HIC) : TI値(HIC値)
例1 TI(HIC) : 152(9.0)
温度指数の値は,最も近い整数値として表し,また,半減温度幅は小数点1桁で表す。
グラフによって得られた結果の場合,又は統計的な条件を満足しない場合,熱的耐久性は,次のように
表記する。
TIg=TI値,HICg=HIC値
例2 TIg=152,HICg=9.0
――――― [JIS C 2143-1 pdf 14] ―――――
13
C 2143-1 : 2015 (IEC 60216-1 : 2013)
図1−熱的耐久グラフ
温度指数を導くに当たって20 000時間と異なる時間を用いた場合,その時間を千時間単位で求め,キロ
時間(kh)で表記する。熱的耐久性は,次のように表記する。
TI時間kh(HIC) : TI値(HIC値)
例3 TI 40 kh(HIC) : 131(10.0)
また,TIgに対しては,次のように表記する。
例4 TIg 40 kh=131,HICg=10.0
簡略化した計算手順から導いた結果の場合(JIS C 2143-8参照),熱的耐久性は,次のように表記する。
TIs=TI値,HICs=HIC値
例5 TIs=152,HICs=9.0
6.3 終点到達時間,x値及びy値
――――― [JIS C 2143-1 pdf 15] ―――――
次のページ PDF 16
JIS C 2143-1:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60216-1:2013(IDT)
JIS C 2143-1:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.220 : 電気学.磁気学.電気的及び磁気的測定 > 17.220.99 : 電気及び磁気学に関するその他の規格
JIS C 2143-1:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC2142:2016
- 固体電気絶縁材料―試験前及び試験時における標準状態
- JISC2143-2:2011
- 電気絶縁材料―熱的耐久性―第2部:熱的耐久性の測定―評価指標の選択
- JISC2143-3:2013
- 電気絶縁材料―熱的耐久性―第3部:熱的耐久性の計算の手引き
- JISC2143-4-1:2014
- 電気絶縁材料―熱的耐久性―第4-1部:劣化処理オーブン―シングルチャンバオーブン
- JISC2143-8:2015
- 電気絶縁材料―熱的耐久性―第8部:簡略化した手順による熱的耐久性の計算の手引